
機動部隊オメガ-26の標準装備の一つ。プロトコル"エクスカリバー"の長期的な実行を可能にする為、一定の改造が施されている
アイテム番号: SCP-CN-1M
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 現在、サイト-CN-74の周辺20kmは封鎖エリアに指定され、黄銅線によって囲まれています。高さ1.2mの電磁鉄柱を3m間隔でエリア内に配置し、給電により磁場壁を発生させ、SCP-CN-1Mを内部に留め置くようにしてください。封鎖エリアはサイト-CN-74の一部と見做されると共に、財団サイトの標準的な機密保持プロトコルが適用されます。
SCP-CN-1Mの個体数を減らす為、プロトコル"エクスカリバー"が定期的に実行されます。少なくとも1名の機動部隊オメガ-26隊員が、"エクスカリバー"の実行を担当します。サイト-CN-74には"エクスカリバー"の実行に必要な設備・人員・資源・生活物資が優先して供給されます。
説明: SCP-CN-1Mはサイト-CN-74の付近で発生する異常現象です。主な現象はSCP-CN-1M-1と呼ばれる異常実体の出現と、SCP-CN-1M-1の侵略的行為に大別されます。
SCP-CN-1M-1のサイズ及び外見は個体差がありますが、一般的にアジア系の人間やSCP-████、SCP-CN-███に似た巨大な野獣あるいはロボットの姿をしています。プロトコル"エクスカリバー"に参加した機動部隊員によると、彼らの外見は██████ ████社の開発した携帯ゲーム「███████████」において登場する敵キャラと酷似しています。SCP-CN-1M-1は半透明であり、薄暗い青い光を放ちます。発光時は通信が妨害される等の現象が起こることもあります。
SCP-CN-1M-1は物理法則の影響を一切受けません:SCP-CN-1M-1はあらゆる障害物を通り抜けることができ、水面を歩行することもできます。彼らに対する物理的干渉は全て貫通してしまうため、質量を持つ武器では何ら被害を与えることができません。SCP-CN-1M-1は攻撃を受けると、攻撃者に対して反撃を行いますが、彼らの投擲する物体にも同様な性質が付与されているため、いかなる損害も発生しません。
SCP-CN-1M-1はサイト-CN-74の封鎖エリア内の森から毎日80~95体のペースで出現しています。全ての個体は時速20kmの速さで自発的にサイト-CN-74から離れようとします。研究の結果、磁場壁はSCP-CN-1M-1の移動を阻止するのに有効であることが判明しています。しかし、個体が大量に殺到した場合、磁場壁が突破される可能性があります。
現在知られている、SCP-CN-1M-1を消滅させることのできる手段は、プロトコル"エクスカリバー"を実行することのみです。"エクスカリバー"を達成した瞬間、SCP-CN-1M-1の内1体が倒れ、そのまま細かい破片となって散らばり、蒸発します。"エクスカリバー"は1人でも行うことができますが、失敗する確率が高いため、可能な限り大人数で実行することが推奨されます。十分な資金を投入することでも、"エクスカリバー"の成功率を引き上げることが可能です。

オメガ-26隊員2名がプロトコル"エクスカリバー"を行っている時の様子
補遺A: 収容までの略史及びプロトコル"エクスカリバー"の詳細
SCP-CN-1M-1の起源は今なお不明です。20██年██月██日、財団のパトロール隊がサイト-CN-74から北に2km離れた森林において、初めて1体のSCP-CN-1M-1に遭遇しました。パトロール隊の自衛射撃はSCP-CN-1M-1の「火炎」放射を招きました。パトロール隊がサイト-CN-74に救難信号を送ったため、財団は即座に救助隊を派遣しました。救助隊の移動中、更に多くのSCP-CN-1M-1が発見されており、またパトロール隊がSCP-CN-1M-1と交戦した場所は、大量の熱を持たない炎で覆われていました。
炎が無害であると確認された後、救助隊はパトロール隊を救出しました。同時にSCP-CN-1M-1の追跡にもあたりましたが、交戦したSCP-CN-1M-1個体は既に死亡しており、崩壊の途中にありました。2名のパトロール隊員が心理カウンセリングを求めたことを除けば、財団側に被害はありませんでした。その後、財団はサイト-CN-74付近に多数のSCP-CN-1M-1が出現していることを確認したことで、封鎖エリアの建設とSCPオブジェクトへの登録を行いました。
SCP-CN-1M-1の発見後、財団はSCP-CN-1M-1を削減する方法を研究しました。その中でハチェット博士はSCP-CN-1M-1が発生した晩、サイト-CN-74の処分記録の中から着想を得て、20██年██月██日、プロトコル"エクスカリバー"を開発しました。サイト管理官の許可の下、ハチェット博士は持ち場を離れて携帯ゲームに没頭していたことで処分された2名の研究員を召集し、その道の経験が豊富な他の職員と共に、機動部隊オメガ-26("ブリテンの諸王")を結成させました。

プロトコル"エクスカリバー"を実行中のオメガ-26隊員3名。ゲストの巻き添えを食らったことにより、今回のプロトコルは失敗の危機に瀕した
不測の事態による収容違反を避けるため、プロトコル"エクスカリバー"の始動から3日後、「カムラン計画」が制定されました。この計画では、SCP-CN-1Mの個体数が激増し、封鎖エリアが突破されそうになった場合、サイト-CN-74の全職員が"エクスカリバー"を実行することが規定されました。これにはサイト内に収容されている人型オブジェクトも含まれます:同時に、サイト-CN-74に最も近い██市の市民から有志を募り、"エクスカリバー"にあたらせることも許可されました。"エクスカリバー"は社会一般に広く普及していることから、事後の記憶処理の必要はありません。
プロトコル"エクスカリバー"とカムラン計画の詳細については文書CN-1M-KRMAを参照してください。閲覧にはクリアランスレベル3以上の許可が必要です。
補遺B: 最近、オメガ-26の隊員の多くに重大な職務怠慢が見られます。プロトコル"エクスカリバー"の実行中、外部の協力をいちいち求めようとするために、"エクスカリバー"の効率は45%以上も低下しています。
また、SCP-CN-1Mの管理に多額の資金をつぎ込んだため、サイト-CN-74の財政は赤字に転落しました。他国支部1から優秀な人員を招聘する案が現在検討されています。
インシデントログCN-1M-WSGR: 20██年██月██日、SCP-CN-1M-1と全く異なる外見の、████社の開発した「█████」の敵キャラに酷似する人型生物が、サイト-CN-74南方15kmの淡水湖で発見されました。彼女達は現在、SCP-CN-1M-2と命名されています。オメガ-26はプロトコル"エクスカリバー"を維持すると同時に、SCP-CN-1M-2に対しても同様なプロトコルを実施する必要に迫られました。このため、SCP-CN-1Mを管理するための予算はサイト-CN-74全体の30%から35%に引き上げられることとなりました。