Info
翻訳責任者: fish_paste_slice
翻訳年: 2025
著作権者: klxk0002
原題: SCP-CN-222 - 双头地狱犬
作成年: 28 Jul 2017
初訳時参照リビジョン: 15 Feb 2022
元記事リンク: http://scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-222
アイテム番号: SCP-CN-222
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-CN-222はサイト-CN-34の特殊処理を施された標準的動物収容セルに収容されます。当該セル内の壁面はセラミックでコーティングするとともに壁内部に温度感知器を埋め込み、床下には重量感知器を設置してください。セル内部の全ての設備(高音ブザー、監視カメラ、外部操作の可能なシュート各1台を含む)には耐高温処理が施されます。これ以外に、施設内には防炎カーペットと中型犬用フードボウル2個が設置されます。
北京時間の午前0時から翌朝5時までの間、セキュリティスタッフ二名が決して離れずにオブジェクトを監視し続けなければなりません。温度感知器が室内温度の異常な上昇を感知した場合は、ただちに高音ブザーを鳴らしてオブジェクトを覚醒させてください。
オブジェクトが飢餓感を示す、または施設底部の重量感知器がオブジェクトの体重の急速な増加を示した場合、監視員はシュートを操作してボウルの中に食料を投入してください。食料には、通常は廃棄される金属パーツまたは一般的なドックフードが用いられます。給餌が十分に確保されている場合に限り、オブジェクトは重量感知器を装着した上で、施設を離れて散歩することが許可されます。同行者はドックフードを携帯せねばなりません。
もし、サイト内でSCP-CN-222と遭遇し、かつ同行者が確認できない場合は、オブジェクトを刺激しないように最寄りのエージェントまで報告せねばなりません。エージェントはガイドブックSCP-CN-222-aに従ってオブジェクトを施設内まで連れ戻さねばなりません。
説明: SCP-CN-222は体温が通常値よりわずかに高い黒いオスのイヌです。犬種は不明であり、外観は三種類の降雪地犬の特徴を有しています。オブジェクトの体高は1m(一般的な降雪地犬の二倍)であり、骨格の形状から未成犬であると判断されますが、成長は既に停止しています。オブジェクトの肩甲骨上から頸椎が二つに分裂し、それぞれが別の頭部に接続しています。これ以外に、オブジェクトの解剖学的な構造は一般的なイヌ科との差はありません。
検査の結果、オブジェクトの知能指数は100に達し、人間と流暢なコミュニケーションが可能です。二つの頭部の思考は互いに独立しており、異なる行動傾向と活動・休息パターンを有します。一方の頭部が覚醒状態であれば身体のコントロールが可能です。オブジェクトの二つの頭部は両方同時に覚醒状態にある時にも、体の行動に齟齬を超す様子は観察されていません。
SCP-CN-222が飢餓状態にある時、その体重が急速に増加し、その速度は指数関数的に増加していきます。この時、SCP-CN-222は生物以外の食物を無差別に摂食します。関連する実験により、この現象が発生した際の、SCP-CN-222の体重増加の上限は未知数です。SCP-CN-222に対する摂食関連の実験によれば、その犬歯は既存の大多数の合金よりも高い強度を有します。
オブジェクトの二つの頭部は通常、北京時間の午前0時から翌朝5時に同時にかけて、同時に入眠状態となります。二つの頭部が同時に入眠状態にある状態では、オブジェクトは時折四肢を振り回し、不安そうに低い声で唸り声をあげる等の動作を行います。この時、SCP-CN-222の体温は急速に上昇し、体表で発火します。高温ブザーによって覚醒した時、オブジェクトは困惑、疲労等による正常な反応を示し、体温の異常と体表の発火は瞬時に消失します。
実験記録:
実験1:
実験日時: 20██年█月█日
実験オブジェクト: SCP-CN-222
実験内容: ██博士の主導による解剖実験。実験対象の毛、皮膚、筋肉、内臓及び骨格を採取する。
実験結果: 採取に成功した全ての組織は対象の身体から剥離した後、五分以内にすべて灰と化した。腹腔が開腹された30分後、実験対象の傷口は5秒以内に癒着し、実験対象が突然覚醒した。後続のX線検査では実験対象の内部にはサンプリングの痕跡は確認されず、実験対象の体内に残された手術器具は消失した。
実験2
実験日時: 20██年█月█日
実験対象: SCP-CN-222
実験内容: 飢餓実験。飢餓状態にあるオブジェクトの体重増加の限界値を試験することが目的である。
実験結果: 高強度実験室の建築構造が深刻な変形をきたした。実験がコントロール不全に陥る前に、SCP-CN-222は自身の前脚を齧って拘束装置から脱出し、その後、驚異的な速度で拘束装置と検査機器の一部、及び特殊補強された壁面の半分を摂食することで、異常な重力を消失させた。オブジェクトの前脚は再生した。オブジェクトを射殺する試みは失敗することが証明された。
実験3
実験日時: 20██年█月█日
実験対象: SCP-CN-222
実験内容: オブジェクト体表の温度上昇の限界を測定する。
実験結果: [データ削除]。関係する実験は永久に禁止された。
備考: 試験終了後、実験対象はHannah博士のオフィス前を通りかかった際、突如として足を止めて、標準中国語を用いて“食べたい”と発言した。同行者がその意図を確認したところ、オブジェクトがHannah博士のデスク上のバラの花に対して強い興味を持っていることが判明した。オブジェクトの請求は拒否され、三日後にHannah博士によるオブジェクトへのインタビューが行われた。
インタビュー記録1
インタビュアー: Hannah博士
インタビュイー: SCP-CN-222-1(“O”、ややしゃがれているが朗らかな子供の声で、中国語を話す。)
日時: 20██年█月█日
<記録開始>>
Hannah博士: こんにちは、SCP-CN-222。これは、今後あなたのことを呼ぶために使うコードネームよ。私の言っていることは分かるかしら?
SCP-CN-222-1:(頷く)
Hannah博士: 名前はあるの?
SCP-CN-222-1: [2秒間の未知の言語]
Hannah博士: うん、もう一度言ってくれないかしら?
SCP-CN-222-1: [2秒間未知の言語](オブジェクトは頭部を傾け、思案する)僕を“O”って呼んで。
Hannah博士: わかった。私たちは、あなたの言語学習能力の高さに注目しているわ。
SCP-CN-222-1: 学んだんじゃないよ、僕はただ使っているだけ。
Hannah博士: あなたは何処から来たの?
SCP-CN-222-1: あそこだよ。[三秒間の未知の言語]、死者の楽園。生きてる人が死んだら、みんな僕らのところにやってくるんだ。
Hannah博士: 具体的に説明できる? その死者の楽園って?
SCP-CN-222-1: 僕らは行ったことがない。僕らは門の門番なんだ。門の向こうはすごくいい場所に違いないよ。[1秒間の道の言語]以外は、入った死者は二度と出てこようとしないんだから。[1秒間の未知の言語]は渡し守の船夫なんだけどね。
Hannah博士: その船夫の他に、誰かいるの?
SCP-CN-222-1: もちろん、少ないけどいるよ。ご主人、つまり[三秒間の未知の言語]が全部そこを造ったんだけど、ご主人は時々僕らに会いに来て、ご飯をくれるんだ。他にも何人かいる。高い帽子と白黒の服を着た男の人、これは太ったのと痩せたのがいる。牛と馬、ジャッカルの頭を持つ人たち、でもジャッカル頭が一番嫌な感じがするね。体の半分が白くてもう半分が黒いお姉さん、冷たい感じに見える……他に、他には……思い出せない。
Hannah博士: 大丈夫よ、質問を変えましょう。あなた達はどうやってここに来たの?
SCP-CN-222-1: 知らない。[3秒間の未知の言語]が滅亡した後、僕らはここに来ていたんだ。
Hannah博士: それは、死者の楽園が滅びたということかしら?
SCP-CN-222-1: うん。突然一気に崩れて、僕らがどれだけ守ってきたのかも分からない門も、全部崩れて……死者達がみんな出てきた。真っ黒の……クゥーン……
(オブジェクトは尾を丸めて後ろ脚で挟む。身体の表面から白煙が生じ、温度計測器がアラームを発する。)
Hannah博士: (柔らかい声で)怖がらないで、大丈夫よ。あなたは今は安全よ。いいこ、怖くない。(高温に耐えながら対象を撫でる)
SCP-CN-222-1: (オブジェクトは次第に震えるのを止めて、Hannah博士の手を舐める。温度計測器がアラームを停止する。)ありがとう。お腹がすいたよ……ここのものは罪人の魂みたいに満腹にならないから、すぐにお腹がすくんだ。
Hannah博士: 罪人の魂は、あなたが死者の楽園にいた時の食べ物なのかしら。
映像ではこの時、Hannah博士の手の火傷が急速に治癒される。
SCP-CN-222-1: 僕は何だって食べるんだ。ところで、あなたの花を食べても良い? (オブジェクトの尾が揺れ始める。)
(看護スタッフが、食事の時間になったことをHannah博士に告げる。)Hannah博士: ダメよ。その花は食べちゃダメ。今、何か食べられるものを持ってくるわ。
<記録終了>
インタビュー記録2
インタビュアー: Hannah博士
インタビュイー: SCP-CN-222-2(“T”、やや低い子供の声で、中国語を話す。)
日時: 20██年█月█日
Hannah博士: こんにちは、あなたは……
SCP-CN-222-2: あなたのことを覚えているよ。あなたは奴隷だね。
Hannah博士: 奴隷?
SCP-CN-222-2: あなたはずっと仕事ばかりで、この場所のほとんどの仕事をやっている。(オブジェクトはしばし停止する)ずっと仕事をするのは奴隷だよ。
Hannah博士: 私は奴隷じゃないわ。私の仕事はやりたくてやっているのよ。私達はあなたのことをSCP-CN-222-2と呼んでいるけど、あなたの名前は何というの。
SCP-CN-222-2: あなたは僕の言うことが聞き取れないなら、“T”って呼べば良いよ。ちょっと疲れた。
Hannah博士: あなたが眠っている時に、何が起きたか知っているかしら? 知っているなら、死者の楽園との関係を教えてくれる?
SCP-CN-222-2: 楽園……楽園は滅んだよ。彼はそのことをあなたに言ったよ。
Hannah博士: 知っているわ。他にもう少し思い出せないかしら? 例えば……具体的に、どうやってそこは滅びたの?
SCP-CN-222-2: 僕たちは記憶を共有していて、もう一方が言ったことを全部覚えているんだ。
Hannah博士: 質問を変えましょう。あなたは20██年█月█日に██省█市█県の郊外で初めて見つかったわ。収容される前のことは覚えているの? ちょっと思い出させてあげるわ。その時、あなたは大穴の中にいて、回りは全て溶けた岩石だった……
SCP-CN-222-2: それならきっと、僕らが来たばかりの時だね。記憶があやふやなんだ。僕らは戦って、たくさん殺した。僕らはたくさん殺された。僕らは命の集まりで、最後には僕ら二人だけになった。いま、僕らは小さな頃のことしか覚えていないんだ。
Hannah博士: あなたがさっき殺したと言ったのは誰のこと? そして、誰に殺されたの?
SCP-CN-222-2: 黒い、尽き果てることのない……住民?
あいつらは死者みたいで、味はみんな罪人と同じだった。僕らはあいつらを防いでいた。延々と殺したのに、あいつらはすごく多かった。[4秒間の未知の言語]あいつらを生者の世界に戻しちゃダメだと思う……(微かに身体を震わせる)
Hannah博士: (オブジェクトの前足の爪を擦る)大丈夫よ、深呼吸して。今はまったく安全よ。その後で、何が起きたか思い出せるかしら?
SCP-CN-222-2: (呼吸が徐々に落ち着く)その後は……爆発……爆発する前に真っ黒い影が……違う、ありえない……(オブジェクト体表で炎の光が生じ、温度警報器がアラームを発報する)ご主人……違う、ありえない……
Hannah博士: 大丈夫よ、思い出せないのなら考えなくても良いわ。(銃を持つエージェントに接近しないよう示す)落ち着いてちょうだい。自分が安全な家にいると想像して。吸って~吐いて~吸って~吐いて~
SCP-CN-222-2: (オブジェクトは目を見開いて、身体を震わせる。温度測定器がアラームを停止する。)
Hannah博士: (オブジェクトの頭を撫でる)もう終わったことなのよ。いいこ。
SCP-CN-222-2: (オブジェクトが微睡む)とっても疲れたよ。(オブジェクトが欠伸をす る)他に聞きたいことはある?
Hannah博士: あなたたちは、これから何をしたいの?
SCP-CN-222-2: ここにいたい。ここには食べるものがあるし、花がある。(オブジェクトがゆっくりと目線を上に向ける)
Hannah博士: どうして、あなたたちは私のバラを食べたいの?
SCP-CN-222-2: それには……想いがあるんだ……主人の……(オブジェクトの目が完全に閉じ、頭を下げて尾を垂らす。)
SCP-CN-222-1: ご飯の時間はまだなの ?(オブジェクトの耳が立ち、尾が軽く揺れる。)
Hannah博士: ご飯を食べに行きましょう。もちろん、あのバラは食べられないけどね。
<記録終了>
備考: 多くのインタビュー記録より、SCP-CN-222はブルース特級創造神格実体の造り出した異常空間より来たことが確認されました。このブルース特級創造神格実体及び当該異常空間に関するあらゆる情報には細心の注意が払われます。当該異常空間とSCP-CN-092との関係は現在調査中です。
補違:ドキュメントSCP-CN-222-a:
本ドキュメントはHannah博士がSCP-CN-222と長期間接触した後の総括です。サイト内で偶発的にオブジェクトと単身で遭遇した職員へ参考となる行為を提示することを目的としています。
一般職員ガイド
必須事項: 最寄りのエージェントへ報告する。
推奨事項:
オブジェクトの頭部/背骨/耳/下顎を優しく撫でる;
オブジェクトと会話する。食物の話題は非推奨;
食事を与える(オブジェクトの特性により、与えるものは任意に選択可能。)。
禁止事項:
尾を引く/腹部を引っ掻く;
オブジェクトの回答できない質問をする(情緒の不安定化を招く恐れがある)
オブジェクトにHannah博士のデスク上のバラを食べさせる。
エージェントガイド
SCP-CN-222引率手順:
1. オブジェクトを撫で、対象が過剰な反応を起こさないことを確認する;
2. ██ブランドの肉味ドッグフードを食べさせ、オブジェクトが食事をしている間にリードを装着させる;
3. オブジェクトに対し、収容施設に戻って欲しいことを、はっきりと伝える;
4. オブジェクトとともに収容施設へ戻る、または途中で出会った看護スタッフに引き継ぐ。
外観がどうであれ、SCP-CN-222がアノマリーであることに変わりはありません。“SCP-CN-222を家に連れて帰る”という申請は全て却下され、申請者にはレベル1の人事処罰が下されます。オブジェクトの炎を利用する、オブジェクトに“火を噴けないか”と問いかける、冬にオブジェクトを利用して芋を焼いたり朝食を暖めた上でオブジェクトに十分な量を食べさせない、こういった行為はレベル3の人事処罰を受ける結果になります。-Hannah博士








