アイテム番号: SCP-CN-2489
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 財団ウェブクローラがSCP-CN-2489関連のフォーラム、メッセージ、ダウンロードリンクを捜索し、ブロックまたは削除します。また、モバイル端末アプリケーションのダウンロード用ソフトウェアを密接に監視し、SCP-CN-2489の存在が検出された場合は、当該ソフトウェアの運営者に介入して強制的に削除させます。
1点のSCP-CN-2489実例が現在、財団の端末データベースに保存されています。当該オブジェクトの実験には、3名以上のレベル3クリアランス職員からの承認が必要です。
現時点では、ヴェールに対するSCP-CN-2489の影響は比較的小規模であるため、被影響者を収容する必要は当分ありません。
説明: SCP-CN-2489は“ 英語角 ”English Cornerというモバイル端末用の言語学習アプリケーションです。アイコンは白を基調としつつ、中心に“E”の文字が記されている灰色の湾曲した角のようなパターンが描かれています。
SCP-CN-2489のメインページには、鋲のようなイボや幾層もの皺を有する動物の皮膚模様を背景に、“リスニング”、“スピーキング”、“リーディング”、“ライティング”という4つのタップ可能なモジュールが表示されます。各モジュールのコンテンツは次の通りです。
- リスニング: 英語の演説、報道、ドキュメンタリー、ごく少数のテレビドラマから抜粋された音声が収録されており、音声内容の再現と推論に基づく要約に重点を置いた練習問題、音声の書き起こし文章、設問の回答が添えられています。音声の背景には重々しい足音、サイらしき動物の唸り声や喘鳴、咀嚼音などの雑音が多数含まれます。
- スピーキング: 主な内容は、雄のインドサイ (Rhinoceros unicornis) が学校、病院、レストラン、街路、ショッピングモール、観光名所などを歩き/走り回って、公共施設を破壊したり、通行人を突き倒したりする様子を映したインタラクティブ動画です。これに続いて、サイは成人男性の声で動画内の登場人物たちと英語で会話し始め、ユーザーは端末のマイクを使って欠落した対話文を埋める必要があります。会話の内容は専ら、インドサイが登場人物たちに道筋、飲食物や商品の値段、健康状態、古跡の歴史などを訊ねるものです。
- リーディング: 主な内容は、英語の小説、詩、散文、新聞記事、学術論文などの抜粋または全文であり、テキスト内容の再現と推論に基づく要約に重点を置いた練習問題とその回答が添えられています。ページの背景には雄のインドサイの頭部の動く画像が表示されており、文中のフレーズ、語彙、問題文などをタップすると、サイが成人男性の声で中国語訳や解説を提供します。
- ライティング: 主な内容は、雄のインドサイが囲いの中に佇む様子を映したインタラクティブ動画であり、囲いの外には様々な英文の構造、表現方法、関連語彙についての情報が記された木製のパネルが吊り下げられています。ユーザーがパネルを読み終えると、入力欄のある1枚の紙が画面に表示され、制限時間内に文章を記入することを促します。時間切れになると、サイはこの紙を食べ、総合的な評価と修正案を提供します。
SCP-CN-2489の内容はユーザーの学習進度に応じてリアルタイムで更新され、難易度を増します。学習時間が9,000時間を超えると、アプリケーションを立ち上げることが不可能になり、アイコンをタップしてもサイの大きな咆哮と足踏みの音が再生されるだけになります。
SCP-CN-2489を使って学習している間、ユーザーの左大脳皮質には角質の突起が生じ、徐々に頭蓋骨と皮膚を突き破って露出し始めます。上記のようにアプリケーションを起動できなくなると成長は止まりますが、この時点で突起は頭皮から約6cm突出しており、形状は“English”という単語が記されたサイの角に類似しています。この角質構造は反ミーム作用を帯びているため、特定の異常な手段を用いなければ観測できません。突起がユーザーに悪影響を及ぼすことはありませんが、除去の試みはユーザーの生命を危険に晒します。
角質構造が完全に成長すると、ユーザーの英語スキルは大幅に向上し、通常はネイティブスピーカーとの流暢な会話、12,000以上の語彙の保持、英語の原文や新聞記事の支障ない読解、英文の自由な筆記などが可能になります。
留意点として、上記の能力を獲得したユーザーは、それ以降 “角”ツノ (Horn)ホーン と “角”カド (Corner)コーナー 及びその派生語の意味・用法を永久的に混同するようになります。矯正教育や記憶の改変でこの認識を改めさせることはできません。