SCP-CN-337
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初期収容時のSCP-CN-337

アイテム番号: SCP-CN-337

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-CN-337はSite-CN-09の4号研究室内のビオトープに収容し、給餌の必要はありません。SCP-CN-337が活動期に入っている間、すなわち毎回の満月の時期には、オブジェクトが月光を直接受けることができる区域に移動させ、活動を最小に抑えなければなりません。天候上の理由によりオブジェクトが活動期に月光の直射を受けられないときは、活動期終了まで液体窒素を用いて活動状態を抑制してください。SCP-CN-337が月光の照射を受けることない活動期が3度連続した場合、4度目の活動期を正常に過ごさせるため、人工降雨や収容場所の移動といった人工的手段によって月光の照射を確保することが認められます。
SCP-CN-337-Bは同サイトの8号収容区に収容し、SCP-CN-337-Aは出現時にその都度制圧してください。

説明: SCP-CN-337の外観は両生綱無尾目の動物に類似していますが、いずれの既知の種にも属しません。オブジェクトの体長は17㎝、体重は███gであり、異常性を有する部分の材質については起源が明らかではありません。体表は背部が濃緑色、腹部は黒い斑点のある白色です。SCP-CN-337は眼球を持たず、代わりに本来眼部があるべき場所に光沢のある玉石のような物体が嵌め込まれていました。レントゲン検査の結果、同物体がオブジェクトの大脳に包まれる形で存在しており、不明な材質で、自然界に類似するものがない構造の鉱物であることが分かりました。
SCP-CN-337は非活動期には、視力を持たないにもかかわらず通常のカエルと同様の行動を行うため、未知の感知手段を有していると推測されています。

SCP-CN-337が活動期に入る満月の時期、オブジェクトは光とともに異常に高い熱を放出します。満月を過ぎるとオブジェクトは衰弱し、活動量は著しく減少します。活動期のSCP-CN-337は何かを求めているかのような行動を行い、観察の結果、それが月光の照射であることが判明しました。活動期のSCP-CN-337が月光を照射されると、発光量は変わりませんが、放出熱量は激減し、活動期経過後の衰弱期間も明白に短縮されます。

SCP-CN-337-Bは研究員である王林博士による規則違反の結果、出現しました。王林博士は2010年█月█日にオブジェクトの定例試験を申請しましたが、許可が降りる前にオブジェクト頭部の玉石状物体を40%切除し、秘密裏にサイトから持ち去りました。王林博士は13時間後に拘束され、物体は彼の自宅で回収されました。しかし物体をSCP-CN-337の頭部に再接続することはいかなる手段を以てしても不可能であり、物体はSCP-CN-337-Bに指定されました(以下、CN-337-Bと呼称)。

SCP-CN-337-A(以下CN-337-A)は人型実体です。SCP-CN-337が4活動期にわたって月光の照射を受けないままであったとき、オブジェクトの頭部から煙が発生し、凝集してCN-337‐Aが出現します。CN-337-AはSCP-CN-337を拾い上げ、施設を破壊して月光の照射を受けられる場所への移動という形で収容違反行為を起こします。CN-337-Aに対しては物理的な損傷を与えることができません。またオブジェクト本体に攻撃した場合、いかなる攻撃であってもCN-337の反撃を引き起こしますが、その手段は四肢による直接的な殴打であり、威力も通常の成人と同程度であるため、一般に致命傷を与えるには至りません。CN-337-Aは攻撃者が弱ったとみると殴打を中止することから、自由意志と理性を有すると考えられています。CN-337-Aに対する自主的な攻撃は許可されておらず、レベル3以上のクリアランスを有する職員は安定した状態でのCN-337-Aとの交流が可能で、交流の記録は分類の上保管されます。CN-337-Bの分離以降、CN-337-Aはオブジェクトの非活動期にも一定の確率で出現するようになりました。このときのCN-337-Aは外見上明らかに希薄であり、極めて攻撃的ですが、CN-337-Bを接近させることで安定化し、CN-337-Bをオブジェクト本体に再接続しようと試みますが常に失敗します。
CN-337-Aが正常に出現した場合、その挙動は従前と同様です。

補遺1:以下はSCP-CN-337と関係を有すると考えられる資料『天寰宇志』からの抜粋です。

“洞庭湖水八百里、水中に獣、千万有り。
澧水に蟾1有り。眼なくて玉を生やす。平素は尋常の蟾と同じく、野良に遊ぶ。望月の夜、光を発し、身は火に似る。月光を取りに出で、妖を隠す。この蟾、性は柔和にして、争うことなく、ただ一生月光を求める。月光を得られざること四月あれば、頭玉に煙霧生じ、一人の人を成す。刀槍・水火もその身を侵すこと能わず、ただ蟾を携え、一夜百里を行き、一筋の明月の光を得る。蟾の頭玉はこれ天の成せるものにして、採りては薬となり、服しては不老長生を得る。然しながら蟾は魂魄を裂かれる苦しみを受け、霧の人癫狂し、十数年の歳月修養し、漸くにして戻す。或る時、任侠の2方士、天下を歩いて霧人の癫狂に遭う。方士、霧人を妖と見なし、良きものであるを見抜けず、これを退治す。嗚呼、嘆かわしき哉.

補遺2:インタビューログI-CN-337-T133
2011年█月█日、CN-337-Aがオブジェクトの非活動期に出現しインタビューに応じる意志を示しました。以下はLiu博士がCN-337-Bを持ち、筆談で行ったインタビューの記録(複写)です。

Liu博士: あなたの状況は大変思わしくないようです、何か我々があなたに援助できることはないでしょうか。

CN-337-Aは一定時間、Liu博士の文章を注視した。

CN-337-A: ありがとう 回復できた しかしいつまた狂って人を傷つけることになるか自分でも分からない

Liu博士: この玉はまだあなたに必要なのですか?

Liu博士はCN-337-Aの眼前に、CN-337-Bを提示した。

CN-337-A: [判読不能]はすでに失われてしまった それはもう私には用がない 私はこうなってもう長年になる。もう[判読不能]を凝結し作ることはできない しかしあなた方はこれを使って[データ削除済]を作れるだろう 

Liu博士: どうやって作るのですか?

CN-337-A: [閲覧禁止、原文でも当該箇所は削除済] 今の世界でもまだ有効か分からない

Liu博士: あなたは「狂っている」時、この玉を見ることで平静に戻れることに気付いていないのですか?

CN-337-A: 分からない 私と一族の者は 皆[判読不能]を失ってしまって 未だに探し出せていない 私が人を傷つけないようにしてくれてありがとう 私は一族の最後の一人になってしまった 私は死にたいわけではない だけどもし私が人を傷つけるようなら 殺してくれてかまわない

Liu博士: [削除済。Liu博士個人の極めて感情的な発言]

CN-337-A: 私は また狂うみたいだ 早く離れてくれ

上記の文言を書いた後、CN-337-AはCN-337-Bを手に取って繋ぎ直そうと試み、失敗に終わった。

付記: I-CN-337-T133原文の閲覧には、セキュリティクリアランスレベル5又はその保持者の許可が必要になります。

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