アイテム番号: SCP-CN-405
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-CN-405は現在、サイト-CN-02の地下収容保管施設にて保管されています。特殊な性質を鑑みて、セキュリティクリアランスレベルが4以下の職員は、オブジェクトに対する具体的な情報を獲得するべきではありません。壊れた神の教会による強奪を防ぐため、当サイトには機動部隊-乙丑-4("溶鉱炉")が駐屯しています。教会信者がサイトへと侵入した時点で、SCP-CN-405は収容を違反したと判断されます。
発見されたSCP-CN-405-1は各所にある財団安全収容箱に個別で収容されます。施設警備員はSCP-CN-405あるいはSCP-CN-405-1へと無許可で接近する者を終了することができます。施設内にSCP-CN-405-2個体が出現した場合、サイトは最高警戒態勢に移行します。
SCP-CN-405・SCP-CN-405-1に関する実験はレベル4以上の職員による許可が必要です。操作要員は高性能油圧式機械台を用いて実験/移動します。
説明: SCP-CN-405は267mm x 212mmの歯車式装置です。発見時、オブジェクトは革製のブックケースに収められており、外観は一般的なハードカバー本に類似していました。SCP-CN-405内の歯車は不明な動力源によって回転し続けており、観察の結果、減速や停止する様子は見られません。SCP-CN-405に接触した大多数の人間には深刻な幻覚が発生します。幻覚には壊れた神の教会の[データ削除]に関する情報が含まれており、対象を特定の場所へと誘導し、SCP-CN-405-1に接触させようとします。
SCP-CN-405-1は世界各地に分散する、長さ約██cmの巻き鍵です。SCP-CN-405-1の組成に対する分析の試みは失敗に終わっており、破壊する方法は今の所見つかっていません。SCP-CN-405に接触した人物の行動を分析した結果、SCP-CN-405-1は世界各地に少なくとも██████本以上存在するとみられています。
SCP-CN-405の暴露者に対する後続調査によると、SCP-CN-405の導きに基づいてSCP-CN-405-1の発見に成功した場合、対象はSCP-CN-405-1を脊柱の第█関節へと本能的に挿入します。この間はSCP-CN-405-1を収容する最良のタイミングとみなされています。その後、対象はSCP-CN-405-1を回します。SCP-CN-405-1の回転は次第に速くなり、対象に甚大な苦痛を与えます。このプロセスは通常、█分間に渡って継続します。この間、対象の身体組織は迅速に[データ削除]を起こし、重要な器官を大量に喪失します。またこの時、対象の脊椎の一部はSCP-CN-405-1に置換されることが判明しています。
プロセスが終了する直前、SCP-CN-405-1の挿入部がSCP-CN-405-1と同等の素材に変化し、関節は歯車とバネを組み合わせた機構に置換されます。変化の終了後、対象の骨やその他の身体組織は全て、SCP-CN-405-1と同等の素材に変化します。約██秒から█分後、対象はゆっくりと立ち上がります。この半機械型生物個体はSCP-CN-405-2と呼称されます。
SCP-CN-405-2は多数の金属骨格に覆われた半機械型生物です。通常、SCP-CN-405-2は意識を有しており、自身の意志に基づいて行動することが可能です。SCP-CN-405-2は大抵、壊れた神の教会の崇拝対象となり、SCP-CN-405・SCP-CN-405-1が収容されているサイトを襲撃するよう、信者を扇動します。同時に、収容されているSCP-CN-405・SCP-CN-405-1を奪取しようと試みます。また、SCP-CN-405-2は一定の戦闘技術と殺戮への渇望を示しています。SCP-CN-405-2の機械部は破壊することが困難であり、機械化されていない部分を破壊するか、SCP-CN-405-1を変化前に殺害することだけが、SCP-CN-405-2を無力化できる方法だと考えられています。なお、高温はSCP-CN-405-2の行動を鈍らせるのに役立ちます。
2018年3月██日 SCP-CN-405-2個体がおよそ140人の信者を引き連れ、サイト-CN-02の西側よりSCP-CN-405の収容室への接近を始めました。施設警備員は複数回の口頭警告を発しましたが、無視されたため、侵入者に銃撃を行いました。相手も即座に反撃を開始。SCP-CN-405-2と多数の信者はサイト外部の警備施設を突破し、内部への侵入に成功しました。█分を超える銃撃戦の末、警備員全96名の犠牲と引き換えに、██名の信者が殺害されました。しかしながら、SCP-CN-405-2個体は依然として精強な戦闘力を維持しており、少数の残存信者と共に、SCP-CN-405の収容室へと突入。機動部隊が到着する前にオブジェクトを奪い去りました。駆けつけた機動部隊-乙丑-4("溶鉱炉")は逃走中の信者とSCP-CN-405-2の無力化に成功しましたが、残ったSCP-CN-405-2はSCP-CN-405を所持したまま、サイト-CN-02の所在区域を離脱しました。
2018年4月█日 壊れた神の教会はインシデント SCP-CN-405-αにおいて、多数のSCP-CN-405-1を見つけ出し、[データ削除]名のSCP-CN-405-2個体を発生させました。機動部隊-乙丑-4("溶鉱炉")は当インシデントの数週間後、教会施設を急襲し、SCP-CN-405の再収容に成功しました。襲撃作戦中、機動部隊は多数の高温兵器を使用し、多くのSCP-CN-405-2個体の殲滅・駆逐に成功しました。しかしながら、一部のSCP-CN-405-2個体はSCP-CN-405-1を所持したまま逃走しました。2つのインシデントの後、財団はサイト-CN-02の外周防御施設を増強し、機動部隊-乙丑-4("溶鉱炉")を当サイトの常駐機動部隊に指定しました。
インタビュー対象: 2級研究員T████、SCP-CN-405-2に変化済み
インタビュアー: Akri博士
背景: 2級研究員T████は「好奇心に駆られた」ために、警備員に気づかれることなく、SCP-CN-405に接触。その後も「好奇心に駆られた」まま、SCP-CN-405-1を発見・使用し、SCP-CN-405-2へと変化しました。現在の状況から判断するに、T████研究員は軽度の精神影響を受けているとみなされています。
<記録開始>
Akri博士: 君が1ヶ月の休暇を申請した時、我々は事の次第に気づいた……見た所、随分と元気そうじゃないか。
T████研究員: ええ、とても良い心地です……前よりもずっと。[T████研究員は身体の機械部品を軽く駆動させる。胴体部から金属の衝突音が漏れ出す]
警備員達がT████研究員の鎮圧に動くも、Akri博士はジェスチャーを出し、彼らを下がらせる
Akri博士: まあ待て……君は今、オブジェクトの危険性を感じていることだろう。
T████研究員: とんでもありません、博士!コレのどこに危険があるんです!?今、僕は昔より何倍も強くなった気がします。休む必要すらありません!聞いてください、これまで、私はコレがこんなにも凄いものだとは思っていませんでした。だから試したんです。するとどうでしょう!コレは僕を本当に生まれ変わらせた!あらゆる人に薦めるべきです!
Akri博士: 君の言い分は正しい。だが、脳ミソに銅が詰まってる連中も、君と同じことを考えている。そうだろう?
T████研究員: 博士!それは全くの誤解です!僕と彼らは全然違う。僕はオブジェクトを完全に掌握できます!よく見てください、精神影響なんて受けていませんよ!
Akri博士は黒い封筒からファイルを取り出し、内容を読み始める
Akri博士: 出来ることなら、私は君を信じたい所だ。しかし、私の記憶が正しければ、君は数日前、サイトの天井に大穴を開け、そこら中を飛び跳ねた。まるで、ぜんまい仕掛けのサルのように……ああ、なんてことだ。あの光景は実に形容し難いものだった。これを「掌握できている」と言うのなら、我々はとっくのとうに、あらゆる機械アノマリーを収容できたはずだ。
T████研究員: [沈黙]
Akri博士: T████。悪いが、今後は我々の研究に付き合ってもらうことになるだろう。
T████研究員: すみません、博士…僕は…ありがとうございました、博士……
T████研究員の表情が徐々に生気を失っていく。職員の安全を考慮して、インタビューは終了された。
<記録終了>
付録: 2018年6月██日、財団は[編集済]省にある壊れた神の教会の拠点を制圧しました。事後処理の最中、フィールドエージェントは書庫とみられる部屋において、日記帳と思しきノートを発見しました。内容の一部はSCP-CN-405及び「医院」との関連が疑われており、キーワードには強調表示が行われました。
注: メモの原文は英語で書かれている。以下は翻訳後の文章である。
193(不明瞭)年9月(不明瞭)日
午前、医院に重傷者が来訪。膝より下が潰れており、機関車で轢断されたとの説明。ミラー医師自らが手術を担当。患者が一命をとりとめたことに、参観者は皆奇跡だと語った。しかし、教会の技術を頻繁に使って大丈夫なのだろうか。神の匙は残り少ない。今の所、これは我々が材料を確保できる唯一の手段なのだ。
1938年8月(不明瞭)日
日本人のクソ野郎め!3時間前、日本の偵察部隊が来訪し、医院を査察すると言ってきた。我々がラウンジに集まっている間に、奴らは別働隊を保管庫に送り込み、我らの聖書を奪ったのだ!奴らがどうして聖書の存在を掴んだのか、誰も知る者はいなかった。ミラーは直ちに教会との連携を決め、夜中に会議を開いた。絶対に書を取り戻すのだ!
1(不明瞭)43年4月13日
本日、アイザック牧師が去った。牧師は5名の戦闘者と3本の神の匙、(不明瞭)と(不明瞭)を持っていった。出発の直前、私は彼に質問した。「我々と無関係な戦争に、これほどまでの資源を注ぎ込む必要があるのか」と。彼は答えず、「これまでの行いを、神は望んでいたと思うか?」と返した。私はこの問いに答えることができず、ただ黙り込むしかなかった。牧師が無事に帰ってきてくれることを願う。彼にMEKHANEの祝福あれ。
当拠点で見つかった多くの資料から、「医院」とは19世紀末、中国へ到来した壊れた神の教会の伝導師によって創設された教会病院であることが判明しました。いくつかの異常物体との関連もみられることから、医院に関する詳細な情報の収集が進められています。