SCP-CN-475
評価: +8+x

アイテム番号: SCP-CN-475

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 財団は政治的影響を通じて、全てのSCP-CN-475イベント多発エリア及び発生リスクが比較的高いエリアにおいて、公共照明施設の完備化プロジェクト、住民の同一箇所への埋葬の提唱、農村の都市化などの運動を全面的に展開しています。これによってSCP-CN-475の発生リスクと処理難易度を低下させます。但し当該プロトコルはSCP-CN-475の発生を完全に止めるには至っていないため、全ての監視ユニットはSCP-CN-475現象の再出現に常時注意しなければなりません。

SCP-CN-475イベントが発生した場合、最も近くにいる機動部隊は直ちに専用の装備を携帯して現場に急行し、最も効率的である絨毯方式によって発生エリア内の全てのSCP-CN-475-1及びSCP-CN-475-2を捜索しその場で破壊、焼却しなければなりません。発生エリアの周囲5平方キロメートル内にある全ての居住地域は全てのSCP-CN-475-2及びSCP-CN-475-1の破壊が確認されるまでの間、公共区域において十分な夜間照明が保証されなければならず、その間はいかなる原因によっても照明が中断されてはなりません。SCP-CN-475イベントに比較的大規模な拡散リスクがある場合、当該エリアを中心とした15キロメートル内の範囲を徹底的に封鎖し住民を安全地帯に疎開させるように、オブジェクト担当者は命令することが可能です。SCP-CN-475イベントの発生エリア内で活動する全ての財団職員は日没前に駐屯地に帰り、夜明け前に駐屯地を離れてはならず、また常に集団行動が保証されなければなりません。職員駐屯地内は十分な照明が必ず保証されなければなりません。

説明: SCP-CN-475は異常現象の一種です。現在までに、当該現象は以下の条件を満たす地域で発生する傾向があります。

  • 建築密度、人口密度が高くない。
  • 照明条件が悪く、公共の照明施設が完備されていない。
  • 土葬が住民の歴史的な葬送習慣であり、棺桶を使用する。
  • 貧困で辺境の農村、小都市など未発達の地域である。

これらの条件の中では照明条件が最も重要であるとされ、照明が十分な状況下ではSCP-CN-475の発生確率は大幅に低下することが証明されています。

発生エリアはいずれも公共の監視カメラが不十分な未発達地域であるため、SCP-CN-475現象の具体的な発生過程は現在も不明であり、現在まで生存者を発見できていません。イベント発生前後の通信記録はいずれも異常がなく、全てのイベントは瞬間的に発生したものと推定されます。SCP-CN-475現象の発生時、当該影響エリアにある内部に人がいる全ての建築物の窓は消失し、元の場所は壁に置換されます。建築物の出入り口は全てセメントで締め切られます。建築物中の全ての人間はいずれも発見時に、身長と体格に一致した容器内(SCP-CN-475-1と呼称)に収められています。棺桶から金魚鉢まで、いかなる収納能力を持つ物品も容器として発見されています。全てのSCP-CN-475-1には現地の文字で内部の被害者の名前と生没年月が記されます(いずれも"XX之墓"、下方にアラビア数字で"出生年・月~死亡年・月"と表記される)。これらの容器は建築物内の1ヶ所に集積されます。イベント発生時に建築物内にいなかった人はSCP-CN-475-1に変化するだけでなく、現地の様式に合致した小型墳墓内に置かれているのが発見されています。この墳墓は現場に出現し、事件発生時に該当人物がいた場所に建設されます。

これらの人間は発見時にはいずれも死亡しており、また全て異常な死に方をしています。その死亡状態は、発見時に存在していたSCP-CN-475-1と関連があるとされています。上述の発見された物体のサンプル分析はいずれも異常な結果を示しておらず、容器、墳墓、セメントなどの材料の出自は現在まで解明されていません。この他、イベント発生地点にはいかなる暴力行為の発生を示す痕跡も発見されていません。人間以外の生命は基本的にいかなる影響も受けず、被害者が飼育していた生存状態で発見されたペットは全て冷静で変わった様子を見せていません。

廃屋、或いはイベント発生前から存在していた墳墓が発生エリア内にある場合、それらはSCP-CN-475-2に変化します。SCP-CN-475-2は形式が一様でない密封容器です。大きさは変化前と同じであり、通常はセメントで密封されています。全てのSCP-CN-475-2の外壁には、SCP-CN-475-1と同様の様式によって現地の文字で極めて丁寧に、そのイベントの全被害者の名前と生没年月が刻まれています。内部にSCP-CN-475-1がある住居がSCP-CN-475-2に変化して発見されることもあります。

SCP-CN-475は発生後、更に伝播可能性を有します。分析では、全ての完全なSCP-CN-475-2は夜間にSCP-CN-475の伝播源になり、1つのSCP-CN-475-2を中心とした█キロメートルの範囲内で3日以内に新たなSCP-CN-475イベントが必ず引き起こされることが発見されています。SCP-CN-475-1は一定量に達すると同様の効果を持ちますが、その中の死体は安全であると証明されています。こうした更なる伝播イベントは最初の発生時の条件のうち、照明条件以外の条件による選択傾向を無視します。このとき、照明条件の悪い有人区域ではいかなる手段をもってしてもSCP-CN-475の発生を回避できません。補遺のインシデント-CN-475-2を参照してください。

補遺: インシデント-CN-475-2: 19██年█月█日、SCP-CN-475イベントが前日に[データ削除]で発生しました。その夜、伝播効果の影響範囲内にある都市[データ削除]で大規模な停電事故が発生、都市内の大規模な範囲が闇に包まれました。翌日に財団が報告を受けると、都市西部の約█平方キロメートルの範囲でSCP-CN-475イベントが発生、影響エリア全域のほとんど全ての住居がSCP-CN-475-2に変化していました。財団は直ちに大規模疎開を展開、[データ削除]を使用して夜になる前に全てのSCP-CN-475-2を破壊しました。関連情報の制御は適切に実施されました。このイベントで総計███人の死亡が引き起こされました。

補遺2: SCP-CN-475-1及びSCP-CN-475-2の特徴的な個体記録の抜粋。
SCP-CN-475-1-9: 現地の伝統的様式に合致した木製の棺。4本の鉄釘で密封されていた。被害者は化粧などの納棺処理が施されていた。検死によって被害者はかつて[データ削除]が発見される。

SCP-CN-475-1-███: █社製の高級3段冷蔵庫。検査によると機能は正常であり、発見時に被害者の死体が入っていたことを除いて通常の冷蔵庫といかなる差異も存在しない。被害者の死体は四肢が分解され冷蔵庫内部に並び詰められた状態で発見された。冷蔵庫は通電していなかったが、被害者の身体部品には詰められていた冷凍室と一致する冷凍された痕跡が現れている。

SCP-CN-475-1-███: 円形のガラス製金魚鉢、容積は█立方メートル。発見時には水で満たされており、中は水草、砂利及びその他一般的な金魚鉢のレイアウト用品で装飾され、3匹の生きた珍しい品種の金魚も入っていた。これらの物体には異常が見つかっていない。被害者の死体は水草に巻き付けられて水中に浸されていた。検死の結果、死因は溺死であった。

SCP-CN-475-1-███: アルミ製の缶詰、大きさは約[データ削除]。SCP-CN-475現象で生じた墳墓内から掘り出された。外包装の印刷はこれが現地の食品工場で生産される漬けマグロの缶詰であると示している。開封すると調味液の中に被害者の全身が裸で丸く縮こまっていた。被害者の死体は通常の缶詰食品と同様に、脱水及び高圧高温処理が施されて漬けられていた。検査によると、漬け汁は被害者の人体組織由来の成分が混入している点を除いて異常はなく、問題なく食用可能であった。

SCP-CN-475-1-███: 死亡した成体のブタ。体には手術の縫合痕が多数あり、被害者の名と生没年月を黒のインクで書いた紙が額に貼られていた。ブタの体内はほとんど取り除かれていることが解剖によって判明した。被害者の死体はブタの体内にあり、取り除かれた組織はミンチにされて隙間を埋めていた。検死によると、被害者の死因はミンチにされたブタ肉組織が呼吸器を完全に塞ぐことによる窒息であった。

SCP-CN-475-1-███: 紙製のたばこ入れ、██社製。被害者の死体は巻紙に包まれて容器内に置かれていた。検死によると、体内のタール及びニコチン成分が[データ削除]に達していた。その他のたばこは大きさを除いて異常なし。

SCP-CN-475-1-███: ██社製ウォーターサーバー、水用ボトルには当該会社のラベルが貼られている。但し中には[データ削除]が入っており下方の蛇口から流れ出る。

SCP-CN-475-1-███: ███社製の電子レンジの大型版、大きさは約███立方メートル。電力消費量と出力が通常の電子レンジを遙かに超える点を除いて異常はない。被害者の死体は発見時に[データ削除]を示していた。

SCP-CN-475-2-███: 白色の大型磁器製水洗式便器、現地住民の家屋が変化した。便座蓋と水タンクは発見時にセメントで締め切られていた。強引に開くと、中は水で満たされており、合計█個の棺桶状のSCP-CN-475-1が水中に浸かっているのを財団職員が発見、これらはいずれも当該建造物の元の住民であった。この他に家具、日用品など変化前の室内に元からあった物品及び1匹の溺死した猫が存在していた。検査によると、当該便器は現地の排水システムに接続されていないが、体積の異常を除けば正常に動作可能であった。

SCP-CN-475-2-███: 野菜の塩漬け用大型磁器製壷、現地の廃屋が変化した。大きさと表面に刻まれた文字を除いて現地で一般的な漬け物壷との差異はない。開封すると、内部は漬け汁に浸された様々な野菜で満たされており、野菜はいずれも非常に巨大であった。完全に植物にみえるものの、野菜に対するDNA検査では出自不明な人間のDNAが発見された。成分分析はこれらの野菜が少なくとも2年漬け込まれていたことを示している。野菜の出自は現在も不明である。

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