SCP-CN-593
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アイテム番号: SCP-CN-593

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-CN-593の移動できない性質により、財団はオブジェクトが存在する██████公園を政府より買い取り、約5mの柵で周囲を覆っています。毎日決まった時刻に周囲を巡回し、一般市民の予期せぬ侵入を防いでください。何時如何なる時でも、最低2名以上の警備員により入口を封鎖してください。レベル2以上のセキュリティクリアランスを持つ職員ならば誰でも担当職員の許可を得た後に正しい手順に従って利用することができます。過去の使用記錄については文書CN_593_Uを参照してください。

説明: SCP-CN-593は██████公園内部に存在する直径2.5mの円形噴水池です。その噴水池の中央からは24時間途切れることなく、水源不明の水が湧出しています。公園には上水を供給する装置や、ディスペンサーの類は設置されていません。

オブジェクトの異常な性質は、1人の人間がオブジェクトに対して自己破滅的な願掛けを行った際に顕わになります。活性化するとオブジェクトは噴水中央より水の代わりに数量の一定しない25セントコインを出現させます。分析の結果はこれらのコインが何の異常も持たないごく一般的な硬貨であることを示しています。実験を通じて、出現するコインの数量は掛けられた願いのマイナス方向の強度や願を掛けた人物の損得の勘定によって一定の法則のもとで換算されていることが判明しました。

出現したコインを噴水内部から除去することで、最短1分から最長半年の間に掛けられた「欲望」が実現します。これらの願望は、見たところ無作為に発生した事件や事故などを通じて実現しており、現在これらの実現イベントを未然に防ぐ手段は存在しません。

実験においてオブジェクトが願掛けを行う者の弁解や意見、或いは情緒を考慮するような様子が見られたことから、オブジェクトには何らかの思考能力があると推察されます。

関連実験記録
研究責任者:Dr.P███

実験01
願掛けの内容:「路上で犬に咬まれる」
オブジェクトの状態:次々と13枚の硬貨を排出、総額32.5ドル
記録: 対象Dクラス職員は財団の護送車へ戻る僅かな時間に、飛び出してきた野犬に脛を咬まれました。適切な処置に成功したため、これ以外に死傷者はありません。周辺に該当する犬種が生息していた証拠は発見できませんでしたが、どこかの家で飼育されていた犬が逃げ出したものであった可能性は否定できません。

実験02
願掛けの内容:「右腕の喪失」
オブジェクトの状態:2度に分けて4万5000枚の硬貨を排出、総額1万1250ドル
記録:オブジェクトは最初に4万枚のみを排出しましたが、対象Dクラス職員がそれを回収して離れようとしたとき、何かを考慮して5000枚の追加を出現させたようです。その後対象Dクラス職員は右腕の痒みに愚痴をこぼすようになり、その後肩から7cmの部分より先が化膿しました。あらゆる医療手段を用いての癒合の試みにもかかわらずちょうど1か月後に対象Dクラス職員の右腕は自然と落下しました。右腕脱落後の傷口の回復の推移は非常に良好で、感染症などの兆候も見られません。

実験03
願掛けの内容:「右腕の喪失」(対象Dクラスは元々右腕の切断を必要としています)
オブジェクトの状態:時間をあけて2枚の硬貨を排出、総額1ペニー
オブジェクトは最初に硬貨を1枚のみ排出しました。対象Dクラス職員はオブジェクトへの暴露に関係なく腕の切断手術を受けなくてはならないということを伝え、「こんな可哀想な俺に、ちったぁ同情してくれよ!」と悪態を吐きました。1分の時間を空けた後、オブジェクトは追加でもう1枚の硬貨を排出しました。以降は実験02と同一の結果です。

実験04
願掛けの内容:「声を嗄らす」
オブジェクトの状態:猛烈な勢いで4万1000枚の硬貨を排出、総額1万250ドル
記録:1週間後、対象Dクラス職員は実験参加時に誤って酸性ガスを吸引しました。食道まで達した火傷は治療により完治しましたが、声帯を元の状態に戻すことは出来ず被験者の声は失われました。

実験05
願掛けの内容:「声を嗄らす」(対象者はDクラス職員ではなく声楽家です)
オブジェクトの状態:暴力的なまでの勢いで6万4000枚の硬貨を排出、総額1万6000ドル
結果:3か月後、対象は全国ツアーの終了後に酷い風邪に苦しみ、出血を伴う咳などの症状が快癒した時には発声不能となり、████/██/██に自宅で首を吊って自殺しました。

実験06
願掛けの内容:「流産する」(対象Dクラス職員は子供を持つことを希望していません)
オブジェクトの状態:活性化せず
記録:実験04及び実験05の結果を踏まえて、SCP-CN-593にはなんらかの判断能力が備わっている者と推察されます。

実験07
実験が却下されました。

研究責任者を交代する。SCP-CN-593に関する研究は実験04と実験05の結果があれば既に十分だと、研究チームが判断している。 P███博士 , 懲戒免職処分に遭いたくなければ、また今回のようなよからぬ真似を企まないことだ。 - O5-█

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