SCP-CN-638
評価: +7+x

アイテム番号: SCP-CN-638

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-CN-638は現在サイト-CN-05のロッカーに保管され、常時レベル3セキュリティスタッフにより警備されます。実験で使用されない場合は、常時閉じられた状態を保持しなければなりません。いかなる場合もSCP-CN-638へのアクセスにはレベル3以上のクリアランスを要し、特にSCP-CN-638への実験にはサイト-CN-05管理官の許可を得なければなりません。

説明: SCP-CN-638はライトブルーのアルバムです。内部はルーズリーフ構造であり、アルバム裏表紙の製品情報内に“出版発行: ECO出版社”の字が見られます。いかなる手段によってもアルバムを破壊することはできません。文字の無い表紙を除けば、アルバム内には47ページが存在し、その内容はいずれも一組の中年男女を中心とし、写真の内容はレジャー、旅行、食事等が含まれます。写真の内容からこれらの人物は夫婦であると考えられ、かつ中年男女は写真中に存在しない人物と交流を行っています。
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SCP-CN-638、表紙

個人が肌の露出した部位で直接SCP-CN-638に接触した際、写真上に新たな実体を視認します。実体は18歳前後の背が高く痩せた少年と描写され、写真中の中年男女と顕著に相似しており、その子孫であると推測されます。SCP-CN-638と接触した後、個人は性格や経歴の違いにより異なる異常影響を受けます。

臆病な性格または幼少期に父母が死亡した対象は、時間の経過につれ増加する喜びとリラックスを生じると共に、脳内に“SCP-CN-638を放すな”という思考を生じ、これは18分後に不可逆的に変化します。対象は自身をSCP-CN-638に接触させるように強制し、無意識状態でも同様に振る舞います。外部から力を加えることにより分離することは可能ですが、SCP-CN-638と分離後に対象は抑鬱症の症状を示します。

自立した性格または家族との関係が良好な対象がSCP-CN-638と接触した場合、喜びとリラックス以外に、時間の経過とともに増加する不安感を生じ、87.3%の対象は不安感によりSCP-CN-638を手放します。家族関係が劣悪または断絶した対象がSCP-CN-638に接触した場合は緊迫感のみを感じ、SCP-CN-638への破壊衝動を生じ、70%の対象は用いられる全ての手段を駆使してアルバムを攻撃し、疲弊した後に離れます。27%の対象は深呼吸をした後にSCP-CN-638を静かに戻し離れます。残りの3%はSCP-CN-638を手放して自由落下させ、離れます。

表面部のスキャニング及び写真背景のマッチング調査によれば、写真中の中年男女は戸籍を浙江省██市██町に置く夫婦です。男性は██教育部門の関係職員であり、現地における人望も高く、不良な記録はありません。女性は██町██中学校の国語教師であり椎間板ヘルニアを患うとともに、右手に腱板断裂の疑いがあり(未受診)、後者は手術を行ったものの効果は見られません。親しい友人からの評判は良好です。故人の子供が一人おり、不良記録や精神病歴はありませんが、大学入試の十日後に失踪し、その三日後に廃工場で縊死しているのが発見されました。事後調査の結果によると、その大学入試の成績は良好でした。


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