クレジット
タイトル: SCP-CN-749-J - 握り心地はバッチリさ!
原題: SCP-CN-749-J - 我看这把就不错!
著者: ©︎
Workerofsecret
作成年: 2018
アイテム番号: SCP-CN-749-J
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-CN-749-Jは現在、文書保管サイト-CN-██の低脅威度物品ロッカー内で保管されています。当サイトにて戦闘任務の実施が必要となるような異常事態が発生した場合、全ての戦闘要員は対SCP-CN-749-J用の武器を用意する必要があります。インシデント749-J-Cを受けた更新: SCP-CN-749-Jによる任務への妨害に抵抗するため、専門的な銃器格闘術および銃剣術の訓練を受けてください。
どうしてコイツをバラしちゃいけないんだ!背負いの銃を減らして身軽に行こうとした矢先、コイツに出くわした時、どれだけ面倒なことになったか知らんのか!? - エージェント・韓███、オブジェクトが現サイトに移転する以前のコメント
説明: SCP-CN-749-Jは1本の長柄の雨傘です。傘布は黄色で、長さ1.2m、広げた時の半径はおよそ1mです。黒いゴム製のグリップが付属しており、グリップには“袖まくりクラブ 特別提供品”と印字されています。
SCP-CN-749-Jには瞬間移動能力が備わっていますが、移動方法については未だ解明に至っていません。一方で、銃器を必要とする人間が存在する間、オブジェクトは不定なタイミングで対象者が銃の入手先として考えている場所の近くに瞬間移動し、本来の銃と一緒に並べられた状態となることが確認されています。
対象者はつづいて、SCP-CN-749-Jによるミーム影響に晒されます。対象者は銃を掴み取る際、無意識にオブジェクトを選択し、その上でオブジェクトを1挺の“現在の状況に良くマッチした銃”と認識します。オブジェクトを用いて銃撃を行う際、対象者は銃から発せられる音(銃撃音や装填音、ボルトの操作音、ライフルスコープを調整する際の音でさえも)を声真似で無自覚のうちに再現します。なお、このような形式でオブジェクトを使用しても、実体的な損害をもたらすことはありません。
対象者がSCP-CN-749-Jを遠距離武器として使用する間、友軍は対象者がオブジェクトを武器として扱っていることに違和感を示します。しかし、対象者がオブジェクトを用いて任務にあたることを阻止することはありません。このため、敵陣営は対象者を軽視・嘲笑し、ある時は対象者側の陣営全体の知能的評価を格下げすることさえあります。
こいつの異常性質は間違いなく諸悪の根源だ。生きるか死ぬかの瀬戸際というべき場で、まさか隊員同士のコントを見る羽目になるとは。これほど恥ずかしいことは無い! - エージェント・劉██
対象者はSCP-CN-749-Jが実際には遠距離攻撃能力を何ら持たないことについて、自力で思い至ることができません。そのため、対象者は“攻撃目標に物理的な損傷を与えられない”ことにパニックを起こし、敵の実力を過大評価することに繋がります。これは対象者が傘を手にしている事実を思い至らない限り続きますが、先述したオブジェクトの異常性質により、友軍は対象者に事実を伝えようとしないため、対象者は敵陣営の反応からでしか真実に辿り着くことがありません。その後、真相を知った対象者は極度の羞恥と困惑に駆られ、戦闘能力を喪失します。
付録:
前記: SCP-CN-749-Jは20██年██月██日、██市の銀行強盗事件の際に初めて出現し、財団の注意を引きました。以下は当時の銀行内の監視記録です。
<記録開始>
<銀行内は通常通りの様相であり、数名の顧客が列を作り、受付を待っている。1人の男がプラスチック製の筒状ホルダー(事後検証により、SCP-CN-749-Jの傘入れと判明した)を背負いながら、正門より銀行に進入する>
<男が服の中から仮装用マスクを取り出し、装着する。続いて背中の筒状ホルダーを下ろし、中からSCP-CN-749-Jを抜き出す>
強盗: 悪いな、俺は銀行強盗だ!全員床に伏せろ、サツにチクろうなんて思うなよ!
<銀行内にいる全ての一般人が強盗に視線を向けるが、全員それ以上の行動を起こさない>
強盗: 何グズグズしてんだ!これは遊びじゃねえんだぞ██!ここで鉛玉をバラ撒いても良いのか!
市民①: こいつ……気でも狂ってるんじゃないか?
市民②: さ、さあ……
強盗: 頭がおかしいのはテメェらの方だろ!この銃が目に見えねえのか!?<SCP-CN-749-Jを天井に向ける>ズドン!シュコシュコシュコ!おらっ、とっとと金を出しやがれ!
<口を開けて笑い出す市民。携帯を取り出して撮影する者もいた>
強盗: ████の間抜け共が!██、今ここで皆殺しにしてやらあ!<SCP-CN-749-Jを群衆に向ける>ズドン!シュコシュコ!ズドン!シュコシュコ!……
<群衆より爆発的な笑いが沸き起こる>
市民③: アンタ、自分が持っているものをよく見てみろよ。そりゃあなんだ?
<強盗は頭を下げ、手元のSCP-CN-749-Jを見る。沈黙が数秒間続く>
強盗: <うなだれながら>お邪魔しました。
<強盗は群衆の笑いの渦の中、仮面をつけたまま正門を通り、銀行から退出した>
<記録終了>
後記: 財団は事件の3時間後に犯人を確保し、同時にSCP-CN-749-Jを回収しました。当事件にはカバーストーリー“芸術的活動の一環”が適用されました。
前記: SCP-CN-749-Jは当初、サイト-CN-██において収容されていました。現実改変者であるSCP-CN-███への要撃作戦の最中、当サイトを拠点としていた機動部隊がSCP-CN-749-Jの干渉を受けました。以下は該当回の作戦行動の記録です。
<記録開始>
α: OK。我々が今やるべきことは、建物の入り口をひたすら守る、ただその一点だけだ。問題は、目標がどれだけ長く中に居てくれるかだ。
β: 総員戦闘準備完了、最後に編成状態を確認しよう。
α: アルファ、突撃兵兼隊長。準備完了だ。
β: ベータ、工兵兼副隊長。準備完了。
Δ: デルタ、重火器兵。準備完了。
Ω: オメガ、狙撃兵。カチャ、ピン!準備完了しました。
α: なんだ、その妙ちくりんな音は……
Ω: 銃の基本じゃないですか、弾込めですよ。カタッ、チチチチチチ……
α: まあ良いだろう……ではこうしよう。目標が出てきたら、まずオメガの一撃で下肢を吹き飛ばし、奴を倒す。次にデルタの火力で制圧し、ベータがスクラントン現実錨を起動。私は……君たちへの指示を受け持つ。分かったな?
β: 了解。
Δ: 了解。
Ω: 了解しました。
α: 伏せろ!奴が見えたぞ!
<SCP-CN-███が建造物の正門ゲートより出現。機動部隊をまだ察知していないように見える>
α: 撃て!
Ω: ターン! ターン!タァァァァン!カチャ、ピン!嘘だろ……対象に損傷を与えられません!
α: クソ!俺が目標の注意を引きつける、お前ら2人は機会を見計らって突撃しろ!
Δ: 隊長、お気をつけて!
SCP-CN-███: まさかここまで辿り着く輩がいるとはな……死ぬ覚悟は良いか?
α: かかってこい!俺が相手だ!
Δ: 火力制圧準備完了!
β: 照準に注意しろ!ああ畜生、このポンコツ現実錨、またイカれやがっ――
Ω: ターン! ターン!タァァァン!カチャ、ピン!ターン! ターン!タァァァン!カチャ、ピン!駄目だ、全く歯が立たない……我々は援軍を必要としています――
<双方乱戦に突入>
<記録終了>
後記: 戦闘は支援部隊が到着するまでの13分間に渡って継続しました。隊員ΩはひたすらSCP-CN-749-JでSCP-CN-███の狙撃を試みていました。このインシデントの後、SCP-CN-749-Jは現在の文書保管サイトに移されました。
前記: 20██年██月██日、カオス・インサージェンシーと蛇の手による文書保管サイト-CN-██への合同襲撃事件が発生。SCP-CN-749-Jは重要資料を持ってサイトを離脱しようとしていた張█研究員により取得されました。
<記録開始>
<SCP-CN-749-Jを手にしながら廊下を走り回る張█研究員。突然、廊下の向こうからカオス・インサージェンシーの工作員が出現する。張█はとっさに倒れ込み、オフィスデスクの下に潜った。工作員が張█を発見する>
工作員: <トランシーバーに向かって>こちら第13小隊のシータ、エリアC5西側の廊下にて研究員を発見……おい、そこの研究員!所持品をこっちに渡しなさい。我々は君に危害を加えない。
張█: 騙されないぞ!
工作員: なら仕方ない……怪我しても悪く思うなよ!<張█に接近する>
張█: ガチャン、取れるもんなら取ってみな!<物陰から飛び出す>ズドドド!ドドド!ド!ドド!ドドドド!ドドドドドド!
工作員: <怪訝な顔、続いてくすくすと笑い出す><トランシーバーに向かって>こちらシータ、俺が見つけた研究員はどうやら発狂しているらしい。
張█: この█野郎、銃じゃ太刀打ちできない!シュッ、ガチャン、シャキン!
工作員: <笑いながら>よしよし、俺はお子様を殺さない主義でね。持っているものを渡してくれたらアンタを見逃してやろう。どうだ?
<この時、工作員はすでに張█がいる場所の近くにいた。突然、張█が物陰より飛び起きると、SCP-CN-749-Jを工作員の腕に猛然と叩き付け、武装を取り上げた後、頭部を再び激しく殴打した。工作員は不意を突かれ、昏倒した>
張█: ふう……銃闘術を学んでおいて幸いだった……まさかこれが役に立つ日が来るとは……
<張█は床に倒れる工作員に“補完撃ち”をした後、足早に閉鎖エリアを去っていった>
<記録終了>
後記: インシデントログの分析により、近接格闘技術の訓練を受けた者はSCP-CN-749-Jの敵を油断させる効果と合わさることで、オブジェクトの影響下でも一定の戦闘能力を保持できる可能性が見いだせた。
今回のインシデントを元に、私は当オブジェクトの敵に対する精神影響を有効に活用し、敵を見くびらせることで戦闘難度を低下させる銃闘部隊の設立を提案する。これはきっと絶大な……(叩かれる音) - エージェント・雷██
黙っててくれ! - 雷██の背後に立つ張█研究員
メモ:
どうしてこれをUIUや他の要注意団体に送らないんですか?何度も彼らの笑い者にされたんですから、仕返しに一度試してみても良いじゃありませんか。 - 李██研究員
良い考えだ。しばらく経ったらカオスに潜伏中のエージェントに渡して、奴らの武器庫に置かせよう。 - サイト-CN-██管理官・趙█
それは不要です。既にGOCと蛇の手で試しましたが、彼らの工作員の手により、また送り返されてきました。いやあ、人をいつまでも恨んではいけませんね。 - エージェント・銭██
ページリビジョン: 10, 最終更新: 29 Aug 2021 16:30