SCP-CN-861
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1986年時点の外見を模したSCP-CN-861のレプリカ、2019年撮影。絵画の中央右側にいる実体に注目。

アイテム番号: SCP-CN-861

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 美術館に保管されていたSCP-CN-861は贋作に置き換えられました。財団は、初期の写真に写っているSCP-CN-861が偽造品であったか、或いは写真自体が注目を集めるために加工されたとする偽情報記事をインターネット上に公開しています。SCP-CN-861は現在Safeクラスアイテム保管ロッカーに収容されており、その変化は毎月1回写真記録に残され、過去の状態と比較されます。現時点で更なる実験は予定されていません。

説明: SCP-CN-861は1885年11月に制作された、一般に“4本の木のある秋の風景”と呼ばれている油彩画です。SCP-CN-861の異常性は、絵画の右側に位置する黒い人影 (以下SCP-CN-861-1とする) が時間経過と共に徐々に小道を移動し、絵画の奥に描かれた森に向かっていることです。この過程で、人影の周辺風景も同期してやや調整され、遠近法や画風の一貫性が保たれます。

その異常性が発見されて以来 (既知の最古の写真記録は1933年頃のものであり、また不明な時期に撮影された別の写真からも、本来SCP-CN-861-1はより鑑賞者に近い位置に描かれていたことが伺えます) 、SCP-CN-861-1は約5.5cm (横方向に) 移動しています。現時点では、この現象がいつ頃始まったのか、絵画が制作された当初から異常性が存在していたか否かは不明です。

マクロ低速度撮影写真は、表面の染料が緩やかな流動性を維持しており、キャンバスに浸透してゆく様子を示しています — これは高粘度の非ニュートン流体 (アスファルト等) の挙動に類似します。しかしながら、通常このような動きを保つには表面張力や重力が必要であり、SCP-CN-861の動きをこれほど長期間にわたって維持している安定した力の源は現在不明です。カント計数機はSCP-CN-861周辺における大幅なヒューム値の低下を検出しませんでしたが、これはSCP-CN-861の異常性自体が極めて微弱であることから予想される通りです。

SCP-CN-861は、複数の写真が実際の絵画の風景と一致しないことが判明した後、1986年頃に所蔵美術館から回収されました。財団は数ヶ月を費やしてSCP-CN-861の写真を撮り、分析して秘密裏に変化を監視しました。異常性があると確証された時点で、潜入エージェントがSCP-CN-861を贋作と入れ替えました。それ以来、SCP-CN-861は財団の管理下にあり、今日まで研究されています。

現在の傾向が続いた場合、SCP-CN-861-1は今後70~150年で森の中に入り、絵画から消失します。その後も異常性が示されないようであれば、SCP-CN-861はNeutralizedに再分類されます。しかしながら、過去20~30年の間にインターネット上で広範に情報が拡散したため、SCP-CN-861を偽装に用いられた贋作と再度入れ替えることは不可能になっています。このため、Neutralizedへの再分類後も、SCP-CN-861-1は現在の収容ロッカーに引き続き保管されます。

画家 (PoI-23385、フィンセント・ファン・ゴッホ) がこのような画法を取り入れた理由は明らかになっていません。異常性の原点を突き止める試みは全て失敗に終わっています。

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