SCP-ES-007は2010/09/14、SCP-ES-026に正確に13時間後危険になると指摘した際に初めて接触が試みられました。この時、SCP-ES-007は地球表面に到達するところでした。
2体のSCP-ES-007-Aは、摩擦を減らすために身体の一部を切り離し、完全に折り畳まれた状態で大気圏に突入しました。この時、オブジェクトの軌道がエリア-08に直接向かっている確認されたため、エリア-08は最大限の警戒態勢を敷き、入場口08-P1、P2、P3に駐留する機動部隊に待機、監視命令を、エリア-08に停泊中のフリゲートSCP-FSゼウスに予備展開を要請しました。
エリア-08に到着後、オブジェクトはエリア上空200mの高度を15分間旋回飛行しました。注記: 初期収容後、SCP-ES-007の個体が異常な手段(参考: 対象SCP-ES-007-Positive、テレパシー)で複数の人間に接触を試みたものの成功せず、対象になった人間の脳に重大な損傷を引き起こしたことが判明した。 注記終わり その後、SCP-ES-007-A-1と-A-2は出芽によって本体から分離した高爆発力の小物体を放出することで攻撃活動を開始しましたが、その残骸は保存されていません。
これを受け、SCP-FSゼウスを含む全てのエリア-08の職員が宇宙船に応戦し、それぞれ3分半後、4分後に撃墜されました。SCP-ES-007-A-1は、エリア-08の外被表面に衝突し、致命的な損傷を受けました。SCP-ES-007-A-2は中度の損傷を受け、海に落ちた後に回収されました。
SCP-ES-007-B-2は海へ落ちる前に宇宙船から脱出し、収容部隊の攻撃をかわしてSCP-ES-007-A-1の残骸に到達しました。SCP-ES-007-B-2はSCP-ES-007-B-1の回収を試みたものの、その場で死亡していることを確認したため、エリア-08の治安部隊に投降しました。
最初の対話はエリア[編集済]の管理官の代弁者を担当するD-334-08(エリア-08特別検証チームのメンバー)が行った、SCP-ES-007-B-2との交流の中で行われました。
D-334-08: 俺の言っていることがわかるか?
SCP-ES-007-B-2: (特殊な補助装具によりスペイン語で発話している)はい。
D-334-08: 大丈夫か?
SCP-ES-007-B-2: あなたは自由ではないのですか?
D-334-08: もし俺がそうじゃなかったら……何だって?
SCP-ES-007-B-2: 自由ではないのか、です。あなたのへルメットを通して話しかけてくる言葉を繰り返すのです。あなたは自由ではないのですか?
D-334-08: 繰り返したよ、これでいいか?
SCP-ES-007-B-2: あなたは自由ではないのですね。私はやっと着いたんだ。(SCP-ES-007-B-2はSCP-007-B-1の方へ向かい、解読不能な歌を歌いながら、SCP-ES-007-A-1の布状の破片を覆いかぶせている)
追記: 後にSCP-ES-007-B-2はこれは祈りであると言っています。
D-334-08: 俺たちはあんたらに医療援助をしたいんだが。
SCP-ES-007-B-2: (スペイン語で)私は看守と話したいのです。
D-334-08: あんたは財団の設備の中に──
SCP-ES-007-B-2: あなたとではない。あなたは自由ではない。看守とです。
D-334-08: 俺はそいつらの代わりに話している。
SCP-ES-007-B-2: 何を言っているのです。
D-334-08: あいつらが言いそうなことを、あいつらのために言ってんだ……医療援助は要らないんだな?
SCP-ES-007-B-2: (13分間沈黙) 理解できません。看守とだけ話したいのであって、鎖で繋がれたものとではない。
この時点で、SCP-ES-007-B-2はD-334-08や他の接触チームのメンバーとのコミュニケーションを拒否しています。しかし、協力的であり、標準人型収容環境に誘導されました。この時、オブジェクトは会話を再開しました。
SCP-ES-007-B-2: ここは適切ではありません。
D-334-08: どういうことだ?
SCP-ES-007-B-2: ここは牢獄ですが、この場所は適切ではありません。私はまず看守と話がしたいのです。
D-334-08: そいつらならここで会ってくれるだろうよ。もっと適切な設備がないことを謝んないとだな、ここだって人間を収容するために建てたとこだし──
SCP-ES-007-B-2: (不明瞭なノイズ) (興奮)
D-334-08: どんな感じが適切なんだ?
SCP-ES-007-B-2: あなたはあなたを投獄してください。(解読不能、興奮)私は看守と話がしたい。
D-334-08: そいつらはこの部屋で会ってくれるだろうよ。
SCP-ES-007-B-2: 私はあなたの言っていることが理解できません。(興奮)しかし、わかりました。
SCP-ES-007-B-2は予備収容環境に入りました。O5-2、O5-3、O5-11の許可を得た後、リチャード・バーナード博士(SCP-ES-007とのコミュニケーションの影響を受ける対象の存在が確認されたため、リスク回避のために認識災害エージェントへの耐性から選ばれた)が個体との口頭によるコミュニケーションを実施しました。
バーナード博士: 聞こえますか?
SCP-ES-007-B-2: はい。あなたは看守ですか?
バーナード博士: そうです。
SCP-ES-007-B-2: 私はあなた達が管理している存在に接触することを許可してほしいのです。
バーナード博士: 私たちが協力するためには、まずあなた達自身を確保しなければなりません。
SCP-ES-007-B-2: それはできません。
バーナード博士: 私たちの要求を拒否するのならば、最適な収容環境を作れるまでこの設備に制限されたままですよ。
SCP-ES-007-B-2: できません。私は私の仲間が最も必要としているものに接触したい。それがここなんです。私は交渉がしたい。
バーナード博士: もしもそれがあなたの仲間が最も必要としているものであれば、そのために交渉する用意をしているはずです。
SCP-ES-007-B-2: (15秒間沈黙)わかりました。
バーナード博士: あなたは無抵抗のまま収容されることに同意しますか?その見返りとして、私たちはあなた達に最適な収容環境を作ります。
SCP-ES-007-B-2: はい。
バーナード博士: それから私たちが撃墜されたあなたの仲間の捜索と解剖し、あなた達の船を研究することを同意していただけますか?
SCP-ES-007-B-2: (2秒間沈黙、やや興奮)あなた達はもう既にしているでしょう。
追記: 当時SCP-ES-007-B-1の解剖は行われていませんでしたが、彼の身体を回収し、簡易生物収容ユニットに収容していました。SCP-ES-007-Aの回収作業は行われている最中でした。
バーナード博士: どうしてそう言うのですか?
SCP-ES-007-B-2: 私にはわかります。同胞と私は肌を共有しています。彼を失ったからといって、私たちはより盲目になるなんてことはありません。
バーナード博士: つまり、同胞の受け取った感覚をそのまま知覚できるということですか?
SCP-ES-007-B-2: 彼の肌です。私の同胞は─(対象は沈黙する)
バーナード博士: 両者の行動であなたの同胞の死を招いたことを私は後悔しています。彼は適切な敬意を持って扱われるでしょう。
SCP-ES-007-B-2: 理解できません。(対象は5秒間沈黙している)私は仲間たちを救うものに接触したい。
バーナード博士: それについてはまた後で。許可をいただけ─
追記: SCP-ES-007-B-2の肢の内2つが収容室の床を貫通した。残りの肢は収容室内に留まったまま静止した。対応部隊が待機を命じられる。対話は予備収容段階の警報が解除されたことにより再開された。
SCP-ES-007-B-2: 私は仲間たちを救うだろうものに接触したい。
バーナード博士: これが何なのかを決めるにはもっと情報が必要です。施設はが見た目よりもずっと大きいわけで。
SCP-ES-007-B-2: 私はそのことについて余り知りませんが、あなた達がが持っていることは知っています。私はそれが隠れ、相手にする人達が適切と思うような体裁をとっていることを知っています。私はそれが賢く、とても賢く、そして嘘をつかないことを知っていますが、それを扱う人達が聞きたかった真実も語らないことを知っています。
バーナード博士: では、調べてみますのでその間待っててくだ─
SCP-ES-007-B-2: あなたがここに居ることは知っている。私を止めないで。
バーナード博士: ……私の上司があなたにそれについて報告するように言っています。私ではあなたに異常物品に関連するものへ接触させることを許可できないんです。
SCP-ES-007-B-2: あなたも自由ではないのですか?
バーナード博士: こうやって会話する責務はあるんですが、それは私にはできないというわけでじゃ─
SCP-ES-007-B-2: あなたも自由ではない。
バーナード博士: ええそうです。でも、自由は責任を伴います。
SCP-ES-007-B-2: 私は看守と話したい。あなたの上司です。
バーナード博士: 私は財団の最高権威と直接応答しますし、彼らがあなたと会話することは許されていません。
SCP-ES-007-B-2: どうして?
バーナード博士: セキュリティ上の問題です。
SCP-ES-007-B-2: 私には理解できません。
バーナード博士: あなたはその理解できない状態で満足しなければいけません。
SCP-ES-007-B-2: 私の言っていることがわからないのですか?よくわかっていますよね。
バーナード博士: 私は上司に報告しなければなりません。待っていてください。
バーナード博士はエリア08の管理官室があるP2入場口に向かい、続いてO5評議会に連絡しました(エリア-08の安全プロトコルに適した連絡通路を使用)。SCP-ES-007は直ちに収容され、収容下の如何なるアノマリーとも接触することは許可されないと決定され、バーナード博士が手短にその事実を伝えると、SCP-ES-007-B-2は瞬間的に興奮状態になり、その後非活性化しました。
10時間以上非活性化状態が続いた後、個体は再びバーナード博士と話すことを要求しました。
バーナード博士: どうぞ、話してください。
SCP-ES-007-B-2: あなた達自身のために、どうか私をあの存在に会わせてほしいのです。
バーナード博士: 私にはSCP-738にあなたを接触させることを許可できません。
SCP-ES-007-B-2: 何があなたを止めているのですか?
バーナード博士: 責任感、それと職員や施設を危険にさらすのではないかという明確な恐れです。
SCP-ES-007-B-2: そんなことしません。
バーナード博士: あなたには理解できないでしょう。もしあなたが738を信用できないものだと知れば、きっとあなたは知ってしまう。この端末に接触した結果が極─
SCP-ES-007-B-2: それは人工物ではありません。
バーナード博士: 彼の何を知っているんですか?
SCP-ES-007-B-2: それはトリックスターであり、龍を従える者であり、想像も及ばざる者であり、言語を以って表し難き者であり、儀式 (発言ママ) です。それが興味を持った物と引き換えに、如何なる物でももたらす存在です。それ以外にもそのようにしている者がおり、我々はそれがなぜそんなことをするのかはわかりません。けれど、わかっていることもあるのです。つまり、それはずっと木材だったわけではなく、そしてそれは、ずっと今のような見た目だったわけではないのです。
バーナード博士: 以前はどうでしたか?
SCP-ES-007-B-2: 今のとは違う樹から採られた木材でした。そしてその前は、また別の木材でした。そしてその前は、また別の木材でした。そしてその前は、樹齢幾千年もの老木の切り株でした。そしてその前は、その老木が育った岩盤でした。そしてその前は……知る由もありません。私はその存在と話がしたい。
バーナード博士: あなたはそれで何を実現しようとしているのですか?
SCP-ES-007-B-2: 言うつもりはありません。
バーナード博士: あなたが協力してくれた方が良いと思いますが。
SCP-ES-007-B-2: 私は理由を言わないと誓いました。だから、言うつもりはありません。
バーナード博士: もし協力してくれないなら、私もあなたの頼みを聞くつもりはありませんよ。
SCP-ES-007-B-2: (2分30秒沈黙)[解読不能]がどのように燃えるか知っていますか?
バーナード博士: すいません、よくわかりませんでした。
SCP-ES-007-B-2: 私の世界です。私の仲間たちです。(20秒の沈黙) それらは燃える。[解読不能]の海は燃える。私たちを狩る炎は、皆を殺してしまうでしょう。一度だけでも、誓ったことを果たす機会があれば。
バーナード博士: あなたは何を誓ったんですか?
SCP-ES-007-B-2: 私はその存在と話がしたい。
[以下省略]
SCP-ES-007-B-2は、これ以降応答を求められると必ず「その存在と話がしたい」と答えます。インタビューはオブジェクトの10分間の沈黙後、終了したと見なされました。
2時間後、SCP-MFM-3はSCP-ES-007-B-2の半恒久的収容施設として適合させ、一方でPCP-MFM-5はSCP-ES-007-B-1と2体のSCP-ES-007-Aの長期研究用に再調整されました。
SCP-ES-007はその指定を受け、収容の危険性についてエリア-08職員から不満があったものの、項目 - EUCLIDクラスとされました。これらの不満は、エリア-08に追加警備分隊を配置することで解決しました。SCP-ES-007-B-2との一連の面談が予定されていますが、管理決議08-45-007-34まで僅かな差はあれど、オブジェクトは同じ回答をし続けています。