Info
タイトル: “M”のタイプライター
翻訳責任者: ShinoguN
翻訳年: 2017年(2024年改訳)
原題: La Máquina "M"
著作権者: Dr Drawn
作成年: 2014年
初訳時参照リビジョン: rev.2(2014年)
改訳時参照リビジョン: rev.14(2022年)
元記事リンク: http://lafundacionscp.wikidot.com/scp-es-047
重訳元英訳題: The "M" Typewriter
重訳元の翻訳者: D-Stro
重訳元の記事の作成年: 2018年
重訳元の記事の参照リビジョン: rev.7(2022年)
重訳元リンク: http://scp-int.wikidot.com/scp-es-047
アイテム番号: SCP-ES-047
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-ES-047は適切な保管室内の標準的な50cm立方のコンテナに保管し、腐食、湿気、過度の熱や光、微生物等の金属を劣化させうる要因に晒されないようにします。
オブジェクトの無害な性質から、追加の収容措置はとられません。ただし、SCP-ES-047へのアクセスは調査を行う場合を除き制限されます。SCP-ES-047へのアクセスには進行中のプロジェクトを担当するレベル3スタッフの許可が必要です。
説明: SCP-ES-047は19██年に発売された███████ブランドの██████████モデルに類似したタイプライターです。しかし、SCP-ES-047のフレームにはこのブランドのロゴは無く、モデルやシリアルナンバーのラベルも貼られていません。SCP-ES-047が前述の事務用品ブランドで製造されたものか、別の起源を持つものかは不明です。
SCP-ES-047の異常性は、オブジェクトが通常通り使用された時に現れます。SCP-ES-047のすべての構成部品は、年代から考えて適切な外観と機能を示します。活字1の光学的分析から、これらは完全に非異常性であり、刻まれている字体はあらゆるタイプライターにおいて予想される様に、その活字を起動するキーに示された文字と対応することが判明しました。しかし、押されるキーに関係なく、使用されるシートに印字され現れる文字は常に大文字の“M”となります。この現象の唯一の例外は、いかなる種類の動作とも関係の無いスペースバーがテキスト内に通常の空白を生成する場合です。
SCP-ES-047が活字に刻まれた文字と異なる文字を作り出すメカニズムを特定するために実施されたすべての研究は、決定的な結果を出しませんでした。様々な種類のインクリボンへのタイプの影響を見る詳細なスーパースローモーションカメラの記録と、続く視覚的・触覚的な検査により、完全に通常通りの機能であると判明しました。
実験で用いる紙に印字されるインクが必ず大文字の“M”の形をとる理由は現在不明ですが、これまでSCP-ES-047を使用した試験がこのパターンから逸脱した事例は記録されていません補遺047/01を参照してください。
補遺 047/01: 試験報告 SCP-ES-047 (20██/4/21)
試験番号SCP-ES-047: 784
試験日: 20██年4月21日
試験開始時刻: 18時32分
18時32分: SCP-ES-047に新しいインクリボン(黒)とDIN A-42の白紙シートをセットし、試験が正常に開始される。
18時36分: SCP-ES-047内の活字は正常な外見に見えることが確認される。刻まれた字体のいずれにも変化は無い。
18時42分: SCP-ES-047の56個のキーが検査される。すべてが正常に動作する。紙に印字される文字は、すべての場合で大文字“M”となる。スペースバーのみが例外である。
18時53分: 標準的な"███ ██████"の文章を入力する。最初の2段落は注目すべき観察結果なしに転写される。スペースキーを除き、押された各キーはすべて大文字の“M”を生成する。
19時00分: 試験が中断される。第3段落の16番目の文字を入力した時に異常が検出される。紙に印字された文字は数字の“7”である。
19時07分: 連絡を受けたトンプソン博士がSCP-ES-047の試験室に入る。彼の監督下で試験が続けられる。
19時31分: 標準的な"███ ██████"の文章の入力が完了する。19時00分に発生したもの以外の異常は検出されなかった(アノマリー047-1900210420██として記録される)。
19時33分: トンプソン博士がSCP-ES-047の操作試験番号784の終了を指示する。結果はアーカイブのためにSCP-ES-047のメインエントリーに表示される補遺47/01として記録され、マークされる。
19時37分: 紙のシートとインクリボンが、さらなる分析のために密封される。それぞれSCP-ES-047-1及びSCP-ES-047-2として分類される。
19時41分: SCP-ES-047は標準コンテナに戻され保管される。
報告終了
補遺 047/02: アノマリー047-1900210420██以後の結論
試験番号784で得たデータ、インクリボン、紙のシートの分析に数日を費やしましたが、何故それが“M”ではなく“7”と書く良いタイミングだと決めていたのか未だに分かりません。助手の████博士は、19時00分きっかりに異常が発生したことに注意を喚起しました。しかし、分析するデータはそれ以上無く、以後のテストでも更なる異常は明らかにならず、SCP-ES-047が誰かに危害を加えたり収容を脱する脅威となったりしたことは未だ無いため、SCP-ES-047に関する収容手続への追加の措置やオブジェクトクラス(Safe)の見直しは推奨しません。
重要: 操作試験中とそれ以外の両方において、SCP-ES-047のあらゆる異常や異常な動作の新しい証拠は、私の直接の監督下でそれに関する実験を続けるために直ちに私に通知されるべきです。
- トンプソン博士