SCP-ES-103
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アイテム番号: SCP-ES-103

オブジェクトクラス: Euclid

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SCP-ES-103

特別収容プロトコル: SCP-ES-103はサイト-48の低危険度異常物品収容セクションにある2.5m x 2.5m x 2.5mの収容室に収容されます。収容室の壁面には完全な防音処理を施したうえ、床面には岩綿を敷き詰めることで音波の発生を防いでください。周囲の騒音レベルは10~25dBを維持するよう調節してください。

SCP-ES-103を用いた実験を行う際は、3名のスタッフが音をたてないように注意して収容室に入場し、SCP-ES-103を防音性の容器に格納してください。その後、収容室と同等の設備を備えたサイト-48外部にある実験室へと移送してください。

実験終了後は上記の手順を逆にたどることでSCP-ES-103を再度収容してください。

説明: SCP-ES-103は球形で一部に平らな断面を持つ直径7cmのパワーアンプです。金属的な赤色で中央には1本の白い縦縞があり、1対のスピーカーを展開する機能を有します。さらに、USBケーブル、2GBのメモリーカード、および再生中の音声の音量を増減させる2つのスイッチが搭載されています。

SCP-ES-103はUSBケーブルによって電子機器を接続することで音楽を通常通り再生することが可能です。SCP-ES-103を用いて再生された音楽は、人間の耳には通常の機器よりも良質に聞こえることが確認されています。

SCP-ES-103には音波を捕捉する能力があり、メロディー1のない音(あるいはその連なり)を捉えると奇妙な挙動を示します。対象となる音波を捉えてから数秒が経過すると、SCP-ES-103は自動的にスピーカーを展開し、老齢の女性の声からなる以下の音声(以降SCP-ES-103-1と表記)を再生します。

音量を下げな、バカ息子が!

この音声がSCP-ES-103によって再生されると、半径5m以内のあらゆる音波が数分間停止し、聴覚障害(生涯に亘って継続する可能性がある)、吐き気、苛立ち、欲求不満、近親者に対する突然の憎悪、といった認識災害性の影響を持つようになります。

SCP-ES-103の性質を知らずに影響範囲内に侵入した研究者や被験者は、腐敗の進行した痩せた青年の姿をした人型実体を目撃したと報告しており、この実体はSCP-ES-103-Aに指定されています。SCP-ES-103-Aは青色のジーンズ、擦り切れた白色のテニスシューズ、古びたスウェット、およびヘッドフォンを着用しています。また、SCP-ES-103-Aは出現する際に燐光のような水色の光を放ちます。

補遺-01: 発見
SCP-ES-103は20██/██/██、メキシコシティにある[編集済]の地下室で発見されました。発見当時、オブジェクトは防音容器に封印されていました。当該区画の土地を購入した民間人がこの容器を開封した際にSCP-ES-103-Aが出現したことで、当オブジェクトの存在が発覚しました。

補遺-02: イベント-018
SCP-ES-103を用いた実験中、オブジェクトの影響範囲に侵入した被験者が、SCP-ES-103-Aが発話しているのを目撃したと報告しました。実験の映像記録を確認しSCP-ES-103-Aの唇の動きを解析したところ、以下のように発言したと結論付けられました。

俺の曲が聞きたいのかい?

補遺-03: イベント-023
20██/██/██、SCP-ES-103からUSBケーブルを通じてSCP-ES-103-1を抜き出すことに成功しました。SCP-ES-103-1は "cállate_tú_maldita_vieja.mp3"(うるせえクソババア.mp3)という名前でSCP-ES-103内に保存されていた唯一の音声ファイルです。SCP-ES-103のメモリーカードに他の音声ファイルを書き込もうとする試みは、接続機器が強制的にシャットダウンしてしまうことで失敗に終わりました。

補遺-04: SCP-ES-103-1の再生
SCP-ES-103-1をオーディオエディタを用いて再生したところ、若い男性のものと思われる苦悩の叫び声を聞き取ることができました。男性がため息をついたところで音声ファイルは停止しました。

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