SCP-ES-160
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アイテム番号: SCP-ES-160

オブジェクトクラス: Euclid

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幹に棘状構造を有するパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)

特別収容プロトコル: SCP-ES-160の周囲の境界線に1.5 km2の立ち入り制限エリアを設け、監視所を設置します。 SCP-ES-160に接近した民間人は身柄を確保し、記憶処理を施し、最も近い町に連行します。その地理的な位置のため、SCP-ES-160の存在する場所について、これ以上の対策は行いません。

SCP-ES-160-Cに関する情報を持つ全てのデータベースに反ミームエージェントが配置され、サンタマリア・ダ・ライスネグラ村とその歴史についての情報封鎖を行います。

SCP-ES-160-Dの全個体は標準的な植物オブジェクト収容プロトコルに従って取り扱われます。現在、SCP-ES-160-D-2~7がサイト-34の植物収容棟の温室A-3に収容されています。SCP-ES-160-Dの各個体は別々の収容ユニットに収容され、SCP-ES-160-D同士の接触は完全に遮断されます。現在SCP-ES-160エリア内に存在する個体を含む、SCP-ES-160-D各個体には、毎月心理学者によるカウンセリングが行われます。

SCP-ES-160-Cにへと向かう通常ルート以外のSCP-ES-160内の探査は領域の境界線に設置された監視所の1つによって監督されます。

説明: SCP-ES-160はブラジル北部の[データ削除済]州に位置する1.4 km2のアマゾンの熱帯雨林の一部です。SCP-ES-160内の動植物は、棘やいばらのような鋭い構造を発達させるなどの解剖学的および生理学的変化を示します。それらのうち、動物をSCP-ES-160-Aに、植物をSCP-ES-160-Bに分類します。確認された異常な変化の例を示します。

  • ヘビやカエルが微小な棘状の突起によって壁に接着し、垂直な面を移動できるように変化する。
  • Ara属(コンゴウインコ)など、鳥類の羽毛が、この種の通常の羽毛を模したキチン質の構造へと変化する。この構造はハリネズミ科のような動物の棘に類似している。影響を受けた個体は飛行の本能を保持しているが、羽毛を失ったことにより、飛行することはできない。
  • いくつかの種類の無毒ヘビが血液毒を獲得する。赤血球がこの毒に侵されると短時間で溶血し、他の赤血球を侵食する微細な針状物質を放出する。この過程の速さのため、75%の症例で全身性血栓症が発生する。
  • 木の樹皮(特に幹や枝)に棘が急発達する。これは本来棘を持っていない種であっても発生し、場合によっては80cm以上に達することもある。
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葉が棘状構造に変更されたアマゾンの典型的な植物

リストの最後の異常に続き、棘状の構造が地面から成長するのが観察されました。その構造は周囲の植物の根や地下茎などと接続していません。

SCP-ES-160の中心には、SCP-ES-160-Cがあります。SCP-ES-160-Cはいわゆる"ゴムブーム"1 の間、1905年に設立されたサンタマリア・ダ・ライスネグラという名の村です。SCP-ES-160-Cには約300人の住民が居住していましたが、1930年までには完全に放棄されました。周囲の木々や地面と同様、SCP-ES-160-C内の木造建築は棘状の構造の成長により加速的に影響を受けています。

SCP-ES-160-CにはSCP-ES-160-Dの個体が収められている礼拝堂があります。この礼拝堂は村の多くの家と同様に現地の木材で作られており、壁と天井を植物に覆われています。その内側には紫色の花を咲かせる、棘を持ったつる状のSCP-ES-160-B個体が存在します。この個体はSCP-ES-041-1と関連しているようです。

SCP-ES-160-D-2~7は元々は人間だった融合生物です。全個体がアンタレス協会の構成員だったようです。植物型生物(SCP-ES-041の変種と分類された)が消化系全体に成長し、幹が口から直腸までを貫通した、木に人が突き刺さっているような外見をしています。SCP-ES-160-Dの人間部分はしばしば意識を取り戻しますが、時間の経過とともにその頻度が落ち、時間も短くなっていることが判明しました。元になっている人間は全て裸で、アンタレス協会の神秘的な儀式において一般的に見られるように、胸に瞳孔が稲妻になった目2が描かれています。通常、SCP-ES-160-Dは通常の木と同様に消費者による食害を受けます。

SCP-ES-160-D-1は、20歳前後の白人の人間です。その消化管全体を植物型生物が貫通している他のSCP-ES-160-Dの場合とは異なり、SCP-ES-041-1の成体と融合しており、その頭部、胴体、手と前腕を除く腕の一部が木の表面に生えている状態です。

SCP-ES-160-D-1の意識と無意識の期間は著しく変動します。意識のある時のSCP-ES-160-D-1は知的で、敵対的ではありません。また、SCP-ES-160-Bを制御、創造する能力を有します。

SCP-ES-160-D-1はSCP-ES-160-Aによって行われる様々な行為(発される音と行われる行動)の意味を理解することができますが、相互にコミュニケーションをとることはできません。SCP-ES-160-D-1は「木を通してものを見ることができる」と述べ、また、見るだけでなく近くの木から栄養源を得ることができると証言しています。これらが全て事実なら、全てのSCP-ES-160-BはSCP-ES-160-D-1の身体の延長であるとみなすことができます。

補遺-ES-160-1: 発見経緯

SCP-ES-160はブラジルの生物学者によるアマゾンの動物相についての研究報告の後に発見されました。その報告では「とげのある家で構成された村」の存在が記録されていました。この報告は発表当初注目されませんでしたが、その生物学者による後の訪問で、礼拝堂の内外に木のように"根を張っている"人間が報告されたことで財団の注意を引き、発見に至りました。財団のエージェントがSCP-ES-160を収容し、その存在を知る民間人に記憶処理を行いました。

SCP-ES-160-D-2~7はサイト-34に移送され、その性質上、SCP-ES-160-D-1は"その場に残したまま"収容されました。

補遺-ES-160-2: インタビュー記録

補遺-ES-160-3: インタビュー記録

補遺-ES-160-4:

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