クレジット
タイトル: SCP-L003 - かつて水があった場所
翻訳責任者: Luna_ciel118
翻訳年: 2026
著作権者: wackdog
原題: SCP-L003 - Where the Water Was
作成年: 2026
初訳時参照リビジョン: Rev.5
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-l003
SCP-L003の再現図
アイテム番号: SCP-L003
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-L003個体は、一般市民によって閲覧される前に、公開停止または公開済みの行方不明者記録から削除してください。差し替え用の記録には、その写真を掲載しないでください。当該行方不明者の親族にこの変更は通知されません。
一般市民向けの文書において、関連する人物については、失踪当時の状態のみを記載してください。
説明: SCP-L003は、未解決の行方不明に関連する記録に繰り返し出現する、写真上の異常な現象を指します。それぞれの写真には、桟橋及び白い駅舎に向かって下り坂になっている正体不明の海岸沿いの道路が写っています。確認されたすべての事例で、空は曇りとなっています。人影は一切見られません。
確認された34件の事例のうち31件において、SCP-L003は捜査当局が最終捜索記録に署名してから72時間以内に発現し、その多くは証拠資料の整理作業中、あるいは検死審問・公式調査終了後の書類整理の過程で発生しています。財団の調査報告書によれば、かつては歯科記録または回収された衣類の写真を保管するために使われていた証拠品保管用スリーブの内部から、SCP-L003事例が発見されていたことが記録されています。19件の事例において、回収された写真プリントの表面に湿気が確認されています。
白い駅舎に対応する場所は特定されておらず、直接眺めた場合その駅名標の文字は判読不可能です。鏡越しに観察した場合にのみ、駅名標には「出発口DEPARTURES」と書かれていることが確認されます。
現地が干潮となっている際には、写真に写っている干潟の様子が変化し、道路と水際の間に足跡が出現します。この足跡は、行方不明者が失踪当時、あるいはその前後において履いていた靴の靴底の溝の模様、サイズ、および摩耗状態と一致しています。足跡が明確に確認できる箇所では、足跡が桟橋に近づくにつれ、その大きさと歩幅が大きくなっています。
SCP-L003を音響隔離室内に設置した場合、その乳剤面から低振幅の振動が発生します。これらの振動は、コンタクトマイクを使用して記録することが可能です。SCP-L003から取得された録音には、カモメの鳴き声、風の音、鐘が一度鳴る音、およびフェリーの案内放送が記録されています。これらの音声中に、行方不明者の声と一致する声が確認されています。
すべての録音は、濡れた砂の上を歩く足音が聞こえた直後に扉が開く音が聞こえ、終了します。
補遺 L003-1: 初めて確認されたSCP-L003実例は、1998年8月4日にオーバンでの家族旅行中に行方不明となった当時8歳のメイジー・カーの記録から回収されました。SCP-L003は、”レインコート・赤・XSサイズ”として登録されていた証拠品封筒KERR/04の内部に収められていました。回収時点で、このレインコートは封筒内に入っていませんでした。
財団による介入以前に、民間の調査員がエルズペス・カー夫人に対してその写真を提示しました。彼女は、干潟に残っていた最初の足跡はメイジーの靴によるものと一致すると判断しました。 しかし、桟橋に最も近い足跡を確認した後、カー夫人は、それらの大きさが子どもの靴跡とは一致しないことを理由に、識別確認書への署名を拒否しました。
翌朝の6時15分、SCP-L003の状態が変化しました。写真には、駅舎の出入り口脇のフックに掛けられた赤いレインコートが写し出されていました。12時03分まで、その左側の袖口からは水滴が滴り落ちていました。封筒の内部や、その周囲の保管棚の表面からは、水分は一切検出されませんでした。
補遺 L003-2: 2007年、民間の調査員たちによって、市民向けに、メイジー・カーに関する情報の提供を呼びかける新たなチラシが作成されました。その草案には、当初の行方不明届に記載されていた服装の記述がそのまま盛り込まれていました。
行方不明者: メイジー・カー
行方不明時の年齢: 8歳
行方不明時の服装: XSサイズの赤いレインコート
カー夫人は公開を承認しませんでした。服装の説明の下に、彼女による訂正が書き込まれています。
今じゃ、あの子にあれは着られないわ。
記録されている次の干潮時には、SCP-L003の内部に写っていたレインコートは、フックには掛かっていませんでした。レインコートは折り畳まれた状態で、駅のプラットフォームに置かれていました。



