SCP-PL-126
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アイテム番号: SCP-PL-126

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-PL-126はその寸法に合わせた、実験とメンテナンスを容易に実行できる設計の密室に収容されます。

SCP-PL-126の右手は損傷耐性がある素材の容器で覆わなければいけません。この容器はレベル5クリアランスの職員が承認した場合のみ開放されます。当該オブジェクトを不正に使用する職員には非常に厳格な懲戒処分が下される見通しです。

2016/10/16のプロジェクト主任布告に則り、SCP-PL-126は次元収容エリア02に移送され、現在は同所に収容されています。

職員要件: プロジェクト主任布告に従い(2016/10/12の布告番号13-05H2)、SCP-PL-126の特定要素にアクセスする職員には厳しい必要条件が適用されます。布告当日に得られた情報と、それ以前の日付における選択された一部データは、レベル5クリアランス職員、もしくは必要に応じて選抜されたレベル4クリアランス職員にのみ開示されます。同様に、前述の職員のみがSCP-PL-126-1に干渉し、それについての研究を行う権限を付与されます。レベル3クリアランス職員には、以下の文書の特定部分にのみアクセスし、SCP-PL-126の構造と機能についての研究を行う権限が付与されます。

説明: SCP-PL-126は20世紀半ばの労働者に典型的な衣服を着ている、体格の良い筋肉質な男性の彫像です。彫像は一般的な男性のサイズに対して2:1の比率で、左手に巨大な鍛冶仕事用の金鎚を持ち、右手を差し伸べて歓迎の仕草を示しています。分析で彫像の構成に不自然な点は検出されませんでした。構築材質は物理的に灰色の大理石に似ているにも拘らず、モース硬度7.4という異常な硬さを特徴としています。SCP-PL-126は同じ材質で作られた、一辺が90cmの立方体の台座に乗っています — この台座には“Да здравствует Господин!” ("Da zdrawstwujet Gospodin!"、日本語訳 “ゴスポディン万歳!”)という文言が彫り込まれています。

SCP-PL-126は、その右手に触れた人物を、SCP-PL-126-1と指定される異次元(世界イプシロン-ガンマ-11)に転送できます。転送は唐突に発生し、高圧空気の放出に類似する音と、眩い白色光の短時間の閃光を伴います。熱分析はオブジェクトや周辺環境の温度が変化しないことを示しました。閃光は最大3mまで広がり、それ以上離れると急激に明るさを失います。

転送先はSCP-PL-126と同一の彫像が存在する役割不明の建造物の廃墟です。我々の世界への帰還は、前述した並行世界への転送と同じ手段を介して達成されます。転送は人間が彫像の右手に直接接触した場合のみ行われますが、その人物が転送時に何らかの物体に触れていた場合、その物体は(例えかさばる物でも)一緒に転送されます。転送後の人間や物体は、彫像に対して転送直前と同じ位置を占めることを考慮しなければいけません。

SCP-PL-126-1は我々の現実と概ね同一の並行世界です。この並行地球は、共産主義を主なイデオロギーとする唯一の国家的主体、“地球社会主義共和国連合”の存在を特徴としています。

社会の特徴: SCP-PL-126-1内の社会は多数の異常な特徴を有します。基本的な人間関係や家族観に注意を払う人物は全くいないようであり、むしろ正反対です — 全ての人物はお互いに強い敬意と献身を持って接しています。人々は如何なる私物も所持しておらず、都市インフラには専らオープンハウスがあり、住民たちは何処ででも自由に時間を過ごせます。同様に紛争も存在せず、社会そのものは非常に平和であるように思われます。法執行機関は存在せず、個人間での対立は一度も発生していません。社会構造は階層化されていません。社会生活の主要かつ最も重要な要素は、全ての人間が行う仕事であり、職業に関係なく給与が同じにも拘らず、誰もが自らの職務に献身的に取り組みます。我々の世界の“配給スタンプ”とほぼ同一の特別な証明書が給与として発行され、あらゆる必需品や食品の購入に使用されている点に留意してください。興味深い事実として、SCP-PL-126-1の住民たちは生産過剰の恩恵を受けていないようです。余剰品が生じた場合は、それらが不足している人々や特別な収集ポイントに充てられます。

貿易という概念は用いられていません。物資の取引は、指定地点や世界の様々な場所への無料配送に基づいています。営利事業への関心の欠如と支払方法の不使用により、経済、輸送、技術の分野では多くの支流が発展しています。SCP-PL-126-1の地球は我々の社会の30年先を進んでいると推定されていますが、その技術は主に製造業と工業を重視しています。国際言語は文法と語彙が僅かに変化したロシア語の一形式である点は特筆に値します。1


これまで得られた情報によると、SCP-PL-126-1の暦2における2001年、俗に“大革命”と呼称される出来事で資本主義体制と社会不平等が完全に排除され、共産主義の全世界統治が始まったとされています。この際、あらゆる共産主義政権の指導者の遺体に不敬を示した人物は“個人利益への誘惑によって腐敗し、共産主義の良い評判を破壊した”者であると論じられ、革命中には“西側粛清”として知られる不明確な出来事が発生しました。興味深いことに、財団が所持する歴史資料は、そのポジティブな影響と広範な美化(しばしば滑稽なものと見做される)を除いて“大革命”の詳細を記述していませんが、暴力的かつ比較的早期に終結したと考えられます3

“大革命”の先駆者であり、重要人物だったのは“ゴスポディン”4でした — 革命を引き起こし、その中で積極的に活動し、恐らくは指導者だったこの男性の正確な姓名は知られていません。

世界イプシロン-ガンマ-11で果たした重要な役割ゆえに、“ゴスポディン”はSCP-PL-126-2に指定されています。彼は肉体的には体格の良い筋肉質かつ短髪の男性として、労働者の衣服を着用した姿で描かれます。この人物像は多くの場合、共産主義の標準的シンボルである鎌と鎚、または巨大な赤旗を持っています。

SCP-PL-126-2は理想的な労働者を体現する存在です。これは服装でも強調されており、人々と協調して働く活動的な人物として彼を表します。“ゴスポディン”は数多くのポスターや記念碑に描かれており、通常は誇らしげな姿勢を取っているか、仕事に取り組んでいる様子を見せています。また、典型的なプロパガンダ — 他者に手を差し伸べ、自らの属性を提示する — も共に表記されます。

プロパガンダによると、“ゴスポディン”は上記のように社会と協力し、世界中を旅して人々と会い、自らが起こした革命の影響を見守っています。事実上全ての市民がこの人物と出会うことを強く望んでいます。得られたデータからは“ゴスポディン”の出身や経歴を断定できず、恐らくそれらの情報はアクセス不可能であるか、意図的に秘匿されています。同様に“ゴスポディン”の存在自体も謎に包まれています — 彼が独立した指導者なのか、支援者がいるのかは知られていません。イプシロン-ガンマ-11社会が行うプロパガンダ活動は“ゴスポディン”のイメージを効果的に広め、その仕事、忍耐、単純な労働者の観点から見た社会全体の利益への欲求に基づく彼の伝説を絶えず構築しています。これにも拘らず、プロパガンダ活動を推進しているのは市民ではなく、未知の組織によって統制されているようです。財団の立場やイプシロン-ガンマ-11における本質的事実の巧妙な隠蔽により、プロパガンダ活動の原点やそれらに責任を負う組織は特定できませんでした。問題の組織が存在する可能性は実質的に除外されていません。

特に注目すべきは、“ゴスポディン”のあらゆる描写が、彼の顔面を単純な輪郭線としてのみ表している点です。

補遺: プロジェクト主任布告に則り、自己発展社会を観測するという研究価値に鑑みて、イプシロン-ガンマ-11社会に対する財団の干渉は必要最小限に制限するべきと決定されました。



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