3日前
From: <Krzysztof Sawicki>
To: <Me>
件名: お願い
親愛なるミハウ
お役所言葉やら挨拶やら手紙の基本形式へのこだわりみたいなものやらを弄するつもりはない。とにかく、何でEメールならば、お前が兄弟という事になるんだ?管理、相当大事な件に家族がいるのは面白い、特別役に立つ。お前も俺も、この具体的な案件がいかに深刻か分かっている。
国内管理部署には要請を沢山、この件の申請を沢山送った――そのどれ一つとして注目してはもらえなかった。ハッ!どれ一つとして議論の俎上に上がりはしなかった!
俺が出した申請はどれもお前が完璧に知っている同じ事に関するものだ。どう見てもお前の同僚達はうちらのエリアの研究者全員が堂々巡りで繰り返している事にばかり固執したし、プロジェクト主任として俺はそれが不思議と腹立たしい。うちらはできるだけの事を研究して、具体的な結論を出しているが、お前の同僚達ははっきり言ってそういう事を無視している。お前は違う、お前とはそれでも話し合える、そして何よりお前の言う事なら聞き入れてもらえるって分かっている。そんな訳でお前にはこの忌々しい報告書に手が届いて、それを熟読して、そうしたら俺の管見では論じられるべき論題を論じる事を考えるようになる事を頼む。こういう選択肢も常にあるぞ、奴ら自体が勝手に独り歩き――心配すんな、その時は誰かの助けが間に合ってくれるさ。
ご自愛を。
クシシュトフ・サヴィツキ博士
追伸: あれは済まなかった……フラストレーション、怒り、終わらない収容違反、アルコールは絶対に良くない取り合わせだ。
注意
当文書は内容の進行と共に増幅する情報災害となります。
報告書の個別セクションへのアクセスにはサヴィツキ・スケール1上の様々なレベルが要求され、レベルはリアルタイムでモニタリングされます。文章閲覧の可能性はセキュリティクリアランスレベルが最低でも3で、オブジェクトの許で作業中の職員、また財団の管理局代表にのみ提供されるという事にもご留意頂きたいです。残りの施設(緊急時手順)においても存在が必要となる断片は検閲を済ませ、いかなる脅威ともならない形式で別途供給が行われます。
オブジェクトの性質により、報告書との接触中に必須となる適切な予防措置も講じられました。当文書を含む各端末上に存在する画像傍受装置にはリアルタイムで閲覧者の状態のモニタリングを行う特殊な装置が搭載されており、これは上述の異常性、暗示への傾倒の徴候ならびに急激な精神状態悪化の兆しの検知を目的としたものです。
当該装置は報告書を開く事を試みる職員のクリアランスの認証にも利用され、認証は網膜スキャンによるものとなっています。アクセス権を取得するためには、端末の小型カメラを覗き、システムの指示内容を実行して下さい。
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セクションへのアクセス権を取得するためには、端末上に備え付けられている小型カメラをまっすぐ見据え、以下のフレーズを大声ではっきりと読み上げて下さい:
ピンクの象の事は考えません。
アイテム番号: SCP-PL-200
脅威レベル: 赤 ●
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-PL-200は内部の体積が最小でも125m3、壁の厚さが最小でも1mとなる立方体の収容室に収容して下さい。収容立体を構成する物質は腐蝕のない鋼鉄、ないしは相当な程度まで自然的要因ならびに機械的な損傷への抵抗性を有する材質不問の物質とする事が指令されますが、これは収容室の内部メンテナンスが必要となった際の拡張を目的とするものです。特別収容室への扉は必ず正確に密閉し、その際に扉の前に補助のためエアロックを設けるようにして下さい。休眠状態の実体は必ず自身の滞留する収容室の中央に位置しますが、これは立体内部におけるあらゆる行動の最中に留意すべき事です。財団の国内管理局の勧告に則り、オブジェクトと関連する全作業は医療セクター近傍に存在する施設の特別セクションにおける個室内で実行されるべきです。収容室近辺で唯一の部屋は警備役員用のものであり、該当室内には特筆すべきものとしてガス放射器を制御するパネルならびに収容立体内のカメラ画像監視機が存在します。
収容室のメンテナンスは必ずこのための特別訓練を受けたメンテナンス班の構成員(以後「メンテナンス者」とします)により実施されます。メンテナンス者は収容室に入室して施錠し、次いで損傷した箇所へと移動し(顔は壁に向けたまま)、該当箇所の修繕を行います。メンテナンス者は自らの作業中に手順PL-200-アルファ中に記述された改造版ヘッドギアを必ず装備しますが、その機能は実体を視認した場合や認識災害の影響下に置かれた場合にオブジェクトの収容室を適時退室可能とするものです。そのための持ち時間は5秒となり、この時間経過後に装置が自動的にクラスB記憶処理、鎮静処置、催眠処置を行います。もしこれに至った場合、当該メンテナンス者は最短でも1週間は任務の遂行やオブジェクトと関連する森羅万象/新たな記憶処理が必要となる森羅万象とのあらゆる接触から除外されます。必要な場合には、メンテナンス者や特定の状況における収容室への入室クリアランスを保持する他の職員は、専用対ガス装置の装備も必須となります。
もしメンテナンス者が収容立体を適時に退出する事に失敗した場合、該当者を収容立体から撤収させる事を任務とする別のメンテナンス者が派遣され、標準的安全確保手順を維持します。オブジェクトの収容場所には必ず遠隔操作ガス放射器3台(ガスもタンクで遠隔充填)ならびに小さな換気設備を配備し、実体とのあらゆる意図しない接触の可能性を排除し、散布された物質を収容室から送り出す事を可能とします。先述のタンクは警備役員用に室内に配置され、タンクには補遺SCP-PL-200-1で定義されている特徴を有し、定期的に施設へ供給される化学剤が存在します。化学剤の成分や名称は秘匿化されていますが、色分けされ、目的の推測を可能とする対応したサインを有します。類似するサインがガス放射器の制御盤上に存在します。仕組みの活性化後に件の放射器は開放され、本体に付属するタンクからのガスが5秒間収容室に吸引されます。その後、仕組みは自動的に非活性化されます。
固有の収容室の中心には5台のカメラが存在しますが、
- 内一台は可能な限りの最低画質でオブジェクトに直接向けられるサーモグラフィーカメラであり、ほぼ全くオブジェクトを彷彿とさせない形でその画像を回収する事を目的としています。当該カメラは職員をその認識災害に曝露させる事なくSCP-PL-200の状態を監視する事となります。
- 残りのカメラは側面の完全な画像の回収、ならびに収容室自体の状態の監視を目的とし、可能な限りの最高画質で壁面に向けられ、なおかつ天井や床と接する壁面の継ぎ目、それに収容室の角の把握を画像の形で行う装置とすべきです。
仮にSCP-PL-200が非活性状態から脱する、つまりオブジェクトによる呼吸中の胸部運動以外のいかなる運動であっても認められる場合、全サイドカメラは必ず即座に切断されます。収容室内で唯一作動したままの画像傍受装置は、オブジェクトを監視するサーモグラフィーカメラという事となります。施設内の残りの全カメラはサーモグラフィーモードへの切り換えが行われるべきです。オブジェクトの活動が増大するそれぞれの場合において、可能な限り早急に施設内で実体による認識災害、情報災害あるいはミームの影響を受けた典型的な徴候を有する人物(人数不問)を発見し、鎮静剤、催眠剤、クラスA記憶処理の形で手当てを行います。仮にそのような人物がエリア内では発見されなかった場合、財団ポーランド支部管理局には遅滞なくその件について通知が行われなければなりません。SCP-PL-200が収容室から突然消失した状況においては、施設全体で警報が発令され、手順PL-200-アルファ(詳細は補遺SCP-PL-200-1)の開始が通達され、財団管理局(ポーランド支部)に高確率でオブジェクトが施設外へ脱走した旨が報告されますが、これはポーランド国内外のサイトを臨戦態勢とする目的により行われます。これらのステップが取られた後、エリア内におけるオブジェクトやトランス状態の人物、SCP-PL-200-1実例再発見の試行の実施が指令されます。財団ポーランド国内支部の管理局は仮にオブジェクトが消息不明となったという情報を得た場合、ポーランド全土で手順PL-200-ベータの開始を通告する準備を行うべきです。警報の解除令は、オブジェクトが自らの収容室内部で鎮静状態に戻った時点で初めて発令する事が可能となります。オブジェクト自体が「母体施設」2(ないしは他のあらゆる施設の)内部で発見された場合は、情報の伝達は自動的に行われます。
手順PL-200-アルファの開始後、職員は作戦の調整を行う警備役員の指示を実現する事、ならびに大規模グループとなる事を同時に回避する際の自主避難が義務付けられます。こうした状況において頭部に装着される特殊装置が、警備局により送信される指示の受信システム群に配備されています。職員の安全確保のため、指示は施設の公表システムを介しては通告されません。
SCP-PL-200の性質につき、文書自体に関しても特別な予防措置を適用する決定が行われました:
- 文書に含まれる情報は必ず、オブジェクトによる情報災害やミーム的影響への曝露を引き起こす確率が最小から最大のものまで順に配置されます。
- 脅威レベルが変化する場合毎に、閲覧者が報告書の先の部分の閲覧を行うのに必要な要求を満たしているか、ならびにオブジェクトの活動の影響下に置かれている徴候を一切示していないかをチェックする検査の実施が必要となります。この目的で、冒頭の警告に記されていたように、端末には通常のビデオ会議用小型カメラの外観をした装置が搭載されており、閲覧者の状態のモニタリングを行い、必要となった際に閲覧者の検査を行います。不適切な値が検出された場合、端末は自動的に文書を閉じ、閲覧者への適切な看護の確保ならびに該当者への手当て(情報災害の影響下にある場合、これは催眠剤ならびにクラスA記憶処理剤の投与となり、該当者からオブジェクトと関連する森羅万象や記憶処理の新たな使用が要求される森羅万象との接触の可能性を最短でも一週間の間は没収します)の提供を目的とし、最寄りの医療セクターならびに警備局に通知を行います。
- SCP-PL-200についての報告書を含む各端末は、必ず特別仕様への調整(先述)が行われます。こうした端末の所有権を有するのはオブジェクトが存在する施設ならびに財団の管理局の所在地(や財団の全支部)のみです。オブジェクト脱走の際、他の施設(緊急時手順)に必ず存在すべき必要不可欠な情報は、冒頭警告文において指示されているように、該当施設へ特別かつ検閲された形式で伝達が行われます。文書の原文やその未検閲箇所を財団のメインサーバーへ送信する試行はいかなるものであっても、財団へのサボタージュならびに職員を故意に深刻な脅威へ晒した責の下、当該行為を許容した人物への終了という懲罰が課される事になります。
- 橙セクションもしくは赤セクションを熟読した各人には、報告書への到達の理由であった特定の任務が該当者により遂行された後は予防措置としてクラスA記憶処理剤の投与を行うべきです。続いて該当者からはオブジェクトと関連するいかなる事物との接触の可能性も没収され、最短でも一週間の間は記憶処理投与が新たに必要となる確率が最小化されます。本規則からの逸脱の可能性に対しては、ポーランド国内管理局側から上層部による合意が必ず発令されます。合意の対象となるのはオブジェクトの傍で働く研究チームのみとなり、この際そのようなプロジェクトのいずれも、参加者の一人でもオブジェクトによる認識災害、情報災害、ミームの影響下に置かれた場合には必ず中断となります。加えて、文書の残りのセクションを閲覧していた人物は当該行為の実行から5日間は軽微な監視下に置かれる事となります。あらゆる不審な挙動が検知された場合には、予防措置的に該当者へのAクラス記憶処理剤の投与を行います。
- 文書(特に高次脅威レベルのセクション)の閲覧中は、いつ何時であろうと本報告書の閲覧を予定している各人に関する最上位規則――視覚化も、閲覧対象となりSCP-PL-200と直接関連する3他の一切の踏み込んだ思考も全面的に禁止――も義務となります。これにはオブジェクトの定常的な諸々の性質が該当しますが、これらは活動や歴史、実例を生み出すオブジェクトと実例との相関性と同様、オブジェクトが当初から有しているものです。比較的最近オブジェクトに関連付けられ、かつその定常的・生来の要素ではない一覧として、特別収容プロトコルが有するオブジェクトによる情報災害ないしミームの影響への曝露を引き起こす確率は非常に微小なものとなっています。
- 報告書のアップデートが必要となる場合は、セクション全体が必ずこの目的で特殊訓練を受けた研究職員により、導入された変更点と共に改めて保存されます。これはSCP-PL-200に直接言及する本文の踏み込んだ分析の必要性を相殺する事を目的としています。余りにもリスクが大きい事に鑑み、最終セクションは修正対象ならびに本原則の対象とはならず、該当セクションは上書きし、自動的に打ち消し線が引かれる先行情報を注視させないようにします。緑セクションも低リスクセクションとして、当該原則には準拠せず、それ以上の安全確保手段なしで編集が行われる可能性が存在します。
- 財団ポーランド支部管理局により伝達された指令の通り、いずれのセクションもオブジェクトの活動を映す音声資料、画像、映像記録、ましてやその外観(画像や映像記録の場合)を含む事は不可能です。
- 報告書閲覧中は文書に集中する事を困難にする目的で、音楽を聴く事も推奨されます。適切と認められた数曲の楽曲が端末メモリーに収録済みであり、それぞれの際にこれらの再生が起動可能となっています。
メモ: 低リスクセクションがまさに終わるところだ。誰であるのかは知らないがとにかく閲覧者、君に語り掛ける事とする。これはかなりの略式でやらせてもらうけれど、相手がボンクラだろうと理解させるようにするためだ。君には下線部の警告文が見えているか?君にはこれに適応してもらう事になる。単刀直入に言おう――もしもう「屈してしまう」なら、君への助けは手遅れだ。君が死んでしまうという事ではない――君にその必要はないし、きっとその前に予防が間に合う。だけど、君がオブジェクトの収容違反を引き起こす可能性があるんだ。恐らく君は少なくとも十数人の人生に迷惑をかける事になるだろう。これ以上の詳細を教える事はできない、もし先に進みたいのならば僕自身が「危険」エリアに赴かなければいけなくなりかねないし、もうこれを書く瀬戸際にいるんだ。話はこの報告書を五人の職員が書いて、それぞれの時間も限られていて、その後オブジェクトについての記憶を曖昧にするために記憶処理剤を服用してきたほどにデリケートなんだ。ちょっとの間は僕もまさにこの僕の「瀬戸際の有り様」によって曖昧になっているんだ。
きっとセクションの名前が何の事なのか君は迷ったな。もう君は自力で何なのかに辿り着いているものと僕は結論付けているけれど、君の推理の答え合わせをさせてもらう――これらはまさに脅威レベルの色分けで、緑は低脅威レベル、赤は――最高脅威レベルの意味だ。
- マレク・トシェブニツキ博士セクションへのアクセス権を取得するためには、端末上に備え付けられている小型カメラをまっすぐ見据え、以下のフレーズを大声ではっきりと読み上げて下さい:
ピンクの象の事は考えません。
補遺SCP-PL-200-1: 手順PL-200-アルファ
こちらはSCP-PL-200による(オブジェクトの施設外への脱走がない、あるいはまたそうした脱走の事実が確認される前の)収容違反時に開始される行動群です。本手順の至上目標は:- 相当数の職員の死亡を招く特有の連鎖反応の形成確率が可能な限り最小限となるよう保証
- いかなる人物のSCP-PL-200-1(オブジェクトの媒介で、媒介への観察はSCP-PL-200への観察と類似し、オブジェクトにより創り出される特徴的で容易に判別可能な幻覚4の最中に喚起される効果を発揮します)への変貌確率も可能な限り最小限となるよう保証
- (存在する場合は)施設内でのオブジェクトの可能な限り早急な再発見ならびに可能な限り早急な再確保が行われるよう保証
です。
手順の最初の要素は職員へのヘッドギアの供給、着用者の精神状態を検査し着用者がオブジェクトの異常性の影響下にないかのチェックならびに当該着用者がオブジェクトを視認していないかのチェックを行う特殊ヘッドギアの着用令です。最後の二つの条件の内最低でも一方を満たす場合、自動的に鎮静剤、クラスB記憶処理剤、強力な睡眠導入剤の投与が行われます。トランス状態に移行しかけている人物やSCP-PL-200-1となった人物が、装置が適切な処置を行い得るよりも前に反射的に先述の装置を脱ぎ捨てる状況に至る可能性が存在します。手順PL-200-アルファの継続中、特殊ヘッドギア非着用の(あるいはSCP-PL-200-1となった)人物はそれぞれ検知された時点で即時終了の対象とされます。ただし、一体のSCP-PL-200-1実例は生け捕りとし、意識を失わせて捕捉するという事は念頭に入れて下さい。
次の論点(最初のものと同時並行で実行)は、SCP-PL-200捜索時に施設全体を精密に捜査する事です。前掲の論点で記述された原則を遵守しない職員やSCP-PL-200-1となった職員を終了するあらゆる規則が維持されます。施設領域内でオブジェクトが再発見された際は、装置は先に定義された措置の適用直後、対応する信号を財団ポーランド支部管理局へ発信します。
手順PL-200-アルファに含まれる最後の行動は、オブジェクトを再度確保する事です。この目的でSCP-PL-200の影響下にない最低三名のDクラス職員を招集し、Dクラス職員をSCP-PL-200-1と共にオブジェクトの収容室に封印します。再確保手順が機能するためには、以下に定義された条件を満たす必要があります。
- SCP-PL-200-1をDクラス職員らの許に誘導の際、彼らは必ず「半覚醒」状態とし、同時に彼らを睡眠麻痺状態に移行させます。ここで、彼らには強力な睡眠導入剤の投与という手当てが行われ、次に収容室内に[秘匿済]剤を散布し、これはDクラス職員を5分間同様の状態に移行させます5。この際、以前に捕捉されたSCP-PL-200-1実例を投入し、覚醒させ、密封される収容室から可能な限り早急に避難します。
- 施設においてSCP-PL-200自体の近辺にオブジェクトの影響下にない人物の集団も、ましてやいかなるSCP-PL-200-1実例も存在しないという事を確認します。
SCP-PL-200-1はDクラス職員の精神を認識災害の影響下に強制的に陥れる目的で自らの異常能力を発現し始めますが、これは成功しません。約三分後、収容室に高確率でSCP-PL-200が出現します。この時間を、恐らくSCP-PL-200の異常性の影響下にある各人ならびにSCP-PL-200-1となっている各人を排除する目的で施設の大規模捜索に利用する必要がありますが、ここでいう「各人」とは、第一段階で述べた特殊装置を着用しない人物の事を指します。これは手順の第一段階に記述された無作為かつ非組織的な終了命令中のものをゆうに超す強度や無差別性をもって行います。続いて収容室において[秘匿済]剤の散布を、収容室内に存在する人間ならびにSCP-PL-200-1実例の全員を殺害する目的で行います6。
手順PL-200-アルファが完了したと認定しキャンセルが可能となるのは、オブジェクトが元通り収容室内で非活性状態となってから初めてとなります。続いて特別収容プロトコルに記述された当収容室の標準的メンテナンス手順に則り、収容室から遺体を回収するためメンテナンス者の派遣を行います。
最終段階が不成功の場合、当該プロセスを可能である限り繰り返し行います。
仮に施設において意識のある、もしくは手順を完遂する能力を有する人物が一人も残されなくなる場合、その領域にはオブジェクトを新たに確保する目的で適切な装備を行った機動部隊ラムダ-1("スプリンターズ")が派遣されます。終了命令は有効状態のままとなります。手順PL-200-アルファ要素の大部分は施設域上に存在し、この領分で特殊訓練を受けた警備役員により迅速に実施され、組織されます。
補遺SCP-PL-200-2: 手順PL-200-ベータ
こちらはSCP-PL-200の施設からの確実な脱走中に実行される行動群です。本手順開始の管理や発令はポーランド共和国全施設において(O5評議会への関連情報伝達も)財団ポーランド支部管理局が行います。本手順の至上目標は:- 早急なオブジェクト再発見や再確保への先導
- 公共空間におけるSCP-PL-200のイメージの偶発的かつ制御なき拡散の回避を目的とした、オブジェクトの活動結果と関連する媒介活動の可能性の可能な限り正確かつ可能な限り早急な抹消
- 一般人口や財団職員間の犠牲者の最大限の抑制
です。
本手順の最初の要素はオブジェクトの再発見です。情報災害や認識災害の拡散へと至る可能性があったポーランド国内の全施設は、手順PL-200-アルファ通り必ずトランス状態の人物、SCP-PL-200-1ならびに実体自身という角度から捜索が行われ、更にその追加要素として、
- 手順撤回の時まで自身のために指定された部屋における自己隔離、収容室外でのあらゆる接触の可能性のブロック、ならびに感知された不審な挙動それぞれの報告の必要性のアナウンス。諸施設の全カメラがサーモグラフィーモードに切り換えられます。仮に不足の報告があった場合、2時間以内に諸施設には警備局に必要な手順PL-200-アルファで言及済みの装置が支給されます。いかなる人物によりオブジェクトの検知が行われた後でも、装置はその件について信号の発信をポーランド国内管理局ならびに実体の母体施設に向けて自動的に行いますが、SCP-PL-200-1もしくはトランス状態の人物再発見の場合は当該メッセージを手動で送信して下さい。続いて何者によるものであっても実体の活性状態を下支えし得るあらゆる蓋然性の排除と、オブジェクトが非活性状態に入るまでの待機が指令され、本来SCP-PL-200が存在していたエリアにはその件について遅滞なく情報伝達が行われます。
- 母体施設における非標準的手法による再確保の実施。Dクラス職員一名は必ずオブジェクトの収容室に導入され、SCP-PL-200の外観や異常性の説明が印刷されたコピーを取得します。作戦調整役は職員がオブジェクトについて強烈に念じ、トランス状態に陥るようにあらゆる可能な努力を投入する必要がありますが、この目的で偽装・コントロールされた一時的な停電を、テロルや恐怖、パニックといった感情の出現への適切な条件を創出する目的で収容室のみにおいて最低限適用する事が可能です。精神作用物質であり、強い不安感、恐怖感、幻聴を引き起こす[秘匿済]剤の使用も許可されます7。収容室におけるオブジェクトの出現後、職員を終了する目的で[秘匿済]剤を内部に散布します。遺体の処分を手順PL-200-アルファ中の確保成功時と同様に行う必要があるのは収容室の標準的メンテナンス手順通り、メンテナンス者です。
が存在します。
手順は、仮にオブジェクト(あるいはそれと関連した森羅万象、参照: 一つ前のパラグラフ)が国内施設のどこの領域上でも一切再発見されない場合は、異なる様相を呈します。その場合、ポーランド支部中が最高度臨戦態勢を取り、O5評議会への通報、建造された複数の場所の定常パトロールの組織(無論、例えばポーランド共和国空軍の紋章つきの飛行機の使用による等、機密性は維持)ならびにSCP-PL-200の活動にとって特徴的な社会現象の出現についてのありとあらゆる情報の諸メディアにおける捜索を行うべきです。全チームは以下の様な挙動を穿鑿すべきです。
- 自分自身や他者に対する無作為で正当性がなく、暴力的な好戦的行動ならびに左記の行動の実行を大規模に行う事を目的とした徒党の組織
- 激烈で非常に頻繁な神経性チック
- (陸上パトロール実施の場合に)非トランス状態の人物や公衆に向けての頻繁、声高なSCP-PL-200の特徴説明
- (陸上パトロール実施の場合に)一つの語や文の持続的、声高な復唱
仮に上述の状況の発生している場所が検知された場合、可能な限り早急に現場を外部世界から隔離し、いかなるメディアへのアクセスもブロックします。全住民は必ずクラスB記憶処理剤や強度の睡眠剤(ライフル作戦用に調整され、野生動物用睡眠剤を投与する際に用いられるものに類似した特殊弾薬中に存在)により処置される、ないしは(そこが人口数が比較的多い都市部のセンターである場合)当地上空でのクラスA記憶処理剤ならびに睡眠剤の混合剤が散布され、これらの投入が水道施設にも行われます。発生した全SCP-PL-200-1実例群は必ず即時終了の対象となります。実例群は散布ないしは投与された混合剤の作用に抵抗を行うという点で判別可能です。実例群の経歴は改変し、例えば自動車事故での死亡を示唆する内容とします。
続いて、仮にSCP-PL-200の影響下の人物が先述の指南に基づき全員無力化された場合に非活性状態に移行すべきオブジェクトの再発見を試みます。実体は活性時に太陽光上に滞在する事への極端な嫌悪が観察された為、高確率でいずれかの建造物中に発見される事となります8。夜間に作戦を実施する場合、オブジェクトの捜索はオブジェクトの影響下にない人々が自主避難を試みた可能性が推定される現場、すなわち例えば教会、図書館、市役所等の近辺でも行います。
オブジェクトの再発見後、その件について自動的にオブジェクトの母体施設ならびに財団国内管理局への通知が行われます。その際、手順PL-200-ベータ導入の必要があった以前の事例の最後に記述された非標準的再確保手順を実施する事が必須となります。全ポーランド国内警報はオブジェクトが自らの収容室において非活性状態となった時点で初めて撤回が可能となります。この情報は必ずO5評議会にも伝達されます。施設外の人物によるSCP-PL-200と関連した認識災害や情報災害の影響源の発見についてあらゆる努力による尽力や、将来のインシデント回避を目的とし影響源を無力化する事も要求されます。
メモ: これで中リスクセクションは終わりだ。俺達は各セクションの終わりに次セクションについての警告として(十分に時間が残されているなら)情報メモを書けと命じられた。中身は閲覧者にとって「危険」と認められかねない何かを書き出さない限り任意で構わない。大体、こうしたメモの狙いをお前に近付けるのは、俺の前任がそうしたのか知らないからだ。ほら、メモが後で有益な情報を安全な形式で(構造で)渡し、おまけにお前の注意を軽く逸らし、お前の集中力をありったけの緩めの形式によってぶち割ってくれる。プロジェクト主任として俺自身がこの手の解決法を提案したんだ。ただ、ここからが本題。
オブジェクト自体の知識がない事で効果的に相殺されてはいるが、もうお前は最初の「脅威」に遭遇している。それでも、俺はお前用に適切な警告を書いておいた(モウ今ハソレヲ見返スナヨ!)。そう本当に、この文書全体やSCP-PL-200の性質がお前の脳やお前の意志にとってとても良いテストになっていて、お前の責任感もチェックしていやがるんだ。何だか冗談めかした同僚がお前のところまで来て「ピンクの象の事は考えるな」と言う状況を多分連想するだろう?俺達の多くが放心状態となってまさにピンクの象の事を考えてしまう。俺達がそんな何かを読み切っただけとしても、俺達人間の大半は自動的にその事を考え始めてしまうし、それを視覚化する。ここでお前は絶対に用心しなければならない。お前は「ピンクの象について考える」事も、必要以上に読んでいる事について熟考する事もできない。俺のお勧めのアドバイスは――次のセクションをお前が憎んでいる本のように読む事。これはつまらない訳じゃない、琴線に触れない訳じゃない、キッチュな訳じゃない、悪文な訳じゃないと常時自分を納得させろ。個々の断片じゃない――全体。そのお陰で文書に「のめり込む」事なく、自分、そして他人にとって脅威とならないような自分の考えというもので臨め。本文自体の事を熟考する事になるだろう、文字の山として、その内容についてではなく。個々の断片もそう、物の力で、記憶するだろう。完全にはこの情報災害の影響を受けなくて済む訳ではないが、もしそれが「脳裏のどこか」に居つく事になれば、破滅的な効果は出ずに済むんだ。お前は強い意志を持っているし、読んでいる最中に自分の心を無理矢理「空っぽ」にする事ができる。奴を前に(もしテキスト形式ならば)まさにそんな方法で身を守れるんだ。その考えを摑んでお前は、お前に必要となればやるべき事を手速くやるし、ほとんどすかさずにお前には記憶処理剤が投与される――問題が終わったらな。だけど、もしその考えがお前を支配し始めたら、もし一つの考えが次の考えをいくらか生み出したりしたら――叫べ、できるだけ速く誰かがお前を助けられるように。お前が実験を実施する事になっていた?それは意味がないな。トランス状態に陥ったり、オブジェクトを解き放ったりしてしまうリスクを冒すんじゃねえぞ。
幸い、このセクションの記述は俺が特別速く巻きで仕上げたし、そのお陰様でお前にやってもらいたい事を全部書き切る事ができた、俺の時間が終わりを迎える前にな。
覚えておけ――これはお前の人生の中で考えられる限り絶対的に最悪な、最高につまらない、最高に作り物っぽく、最高に琴線に触れないフィクション本として読んどけ。ここにはもう「安全な」断片も警告もなくなるだろう。
- クシシュトフ・サヴィツキ博士セクションへのアクセス権を取得するためには、端末上に備え付けられている小型カメラをまっすぐ見据え、以下のフレーズを大声ではっきりと読み上げて下さい:
ピンクの象の事は考えません。
補遺SCP-PL-200-3: オブジェクトの回収経緯
ポトカルパチェ地方の孤立した[秘匿済]村における不審な社会現象についての情報を、財団はエージェント・ロベルト・[秘匿済]から得ました。当エージェントの報告によると、多数の人間が村落の最も密集した箇所で通りに出て、極度に病理学的な挙動を呈し始めました。エージェントは無作為、渾沌とした暴力行為、徒党の参加者達の奇妙な神経性チック、そして殺人行為や自殺行為さえ記述していました。加えて、こうした事件に参加していたり、一切の徴候を呈していなかった人々の中には、中に隠れた人物がいる事に気付いた家々の扉をしばしばノックする者も存在しました。職員は家の中の人々は助けを求めており、こうした出来事から少し経った後、こうした援助を提供した者達は徒党に加わって、その徒党はより残虐性が増していったと述べました。エージェントには自宅での自己隔離と現場への財団パトロールの派遣の待機が指示されました。保存された役員連絡からは、現場への到着時には既に手遅れであったという結果が導き出されます――事件の参加者は後にSCP-PL-200-1と説明づけられる実例の発現者一名を除いてほぼ全員が死亡しており、SCP-PL-200-1実例は財団役員らに投降し、出来事の能動的証人として、可能であった疑問点における陳述の検証を受動的証人として行う事となったエージェント・ロベルトと共にインタビューのために連行されました。既に施設への移送前の段階で、証人は「彼の隣人達の一人が写真を見た後にとても奇妙な挙動をし始めた、その写真は自分が摑み取りに成功した」と暴露しました。写真は隠匿され、異常性の発生源と考えられるとして確保されました。
研究サイトPL-██号で発生に至った出来事は、現在に至るまで解明されていません。事件の捜査主導者であった死亡したエージェント、ヤン・クルチン博士により提案されている仮説は、SCP-PL-200の異常の影響が二通り――SCP-PL-200-1実例と判明した証人(インシデントの最中に死亡)を介して、ならびに異常な写真(元凶の正体の特定は不成功)の研究に取り組んでいた研究員を介して――の方法で拡散した事を提唱するものとなっています。クルチン博士が捜査中に発見した生き証人はDクラス職員ならびに[削除済]博士の二人のみです。予防措置が取られ、現場で二人へのインタビューが行われ――研究員はインタビュー中に自殺を遂げ、(次のSCP-PL-200-1実例である事が判明した)Dクラス職員はインタビュー中にオブジェクトの異常性の影響を受けた際にクルチン博士自身に撃たれました。捜査中の諸インシデントの記録は秘匿化されたものの、こうした事件はヤン・クルチン自身も文書の当セクションでの引用を許可する方法で個人日誌に記述しています。
[検閲済]博士は当初から不審なまでにはっきりストレス・トラウマを受けていると、私の目には見えた。彼が見たものの説明を私に頼まれると、膨大な正確性をもって全てを語り始め、彼曰く殺戮は警備職員三名が我々がいたのと同じ棟から出て、警告もなく会った人全員に向けて、やがては互いに向けて発砲した時から始まったという事も言っていた。そして、彼の陳述によれば徐々に残りの職員も、ここで引用すると「意識を失い」、非常に攻撃的な姿勢を取り始めた。
[検閲済]博士は三件の自殺、十件を超す殺人の目撃者となった事を告白した。続いて、逃げている最中に「何か」に遭遇し、その後我々に発見された際には頭痛の中目が覚めたと言っていた。私は彼に、高確率で施設管理人のバケツで躓いて、壁に頭をぶつけたんだろうとは言わなかった。それよりも彼が述べていた実体の説明を頼んだ。我々にとって残念な事に、「奴……奴……奴は……」とひっきりなしに繰り返し始めたのみで、その後彼はテーブルの角に強く頭をつぶける事によって自らの命を絶つ事を試みた。残念ながら、我々に彼を思いとどまらせる事はできなかった。[…]
ああいった事件の後我々全員が少し一息ついた翌日、D-9303がインタビューに引き立てられた。不幸な事に、一つも質問を行う事はできなかった。こちらに少しの間不自然に口を幅広にして微笑んだように見えただけで、彼の両目が白く濁った。その時は私だけに見えていると思ったものの、D-9303はその時私が判断したように、全ての元凶であった写真をこちらに差し出した。D-9303の顔を見た後既に、まるで一切が起こっていないかのような奇妙な感じがしたものの、写真を見ている最中やあの実体に気付いた後、まるで自分が水中にいたかのように、誰かが私の名前を叫んでいるように聞こえた。それはまさしく嘘ではなく、この奇妙なトランス状態から私を引き剝がしたのは私の同僚からの銃床の端による一撃で、おまけにこれで危うく意識を持っていかれるところだった。私は前後不覚になってしまっていた。私は全く別の場所にいた――Dクラスの傍ら、手には拳銃、照準は10発の弾で穴だらけとなった職員の頭に。短いショックの後、素早く事実を繋げた。説明の言葉もなしに写真を搔っ攫い、細かくビリビリに破いてやった。
[…]
我々は強い認識災害ならびに情報災害を宿す実体と接触するのだ。[検閲済]博士の事例は、ここで問題となるのが写真などではなく、直接見た後や……Dクラスがなったあの何かを見た後に自動的に君の頭に放り込まれるあの実体について考える事だと示している。これをもう研究サイトPL-██の自分の事務机から書いてしまっているところだが、それが間違いなのだ。間違いなのは、全くここに私が戻ってきてしまった事なのだ。あの実体の事を考えるのをやめる事ができない、自分自身を失くすような感じがしている。
[…]
奴が見えた。私の私の私のCRV9はとても高いものの、全身震えてて、これを残りの力で書いている。なんでかは分からないのに奴の事を、奴の正確な特徴まで会った人全員に言ってしまって……。その、で同僚を三人殴ってしまった……。オブジェクトは奴をここに引っ立ててやった。自分の考えで。奴は私からそう遠くないとこに現れた、奴が目尻で見えた、それが私のせいなのは分かっている。私には他に何も残っていない。済まない。
クルチン博士は突入中に自身の事務机で死亡している状態で発見され、自殺していました。諸件のメモは最初のオブジェクト確保方法のプロジェクト化を行う目的や、トランス状態化の再発の蓋然性を相殺するための記憶処理の使用の最低限の提案のような追加手順をまとめる目的で、収容スペシャリストらにとって最善の助けとなりました。オブジェクトについての更なる研究(あらゆる安全確保原則を維持した上で実施)はオブジェクトの特別収容プロトコルの更なる効率化・精密化に繋がりました。
説明: 挙動および副次的異常性; SCP-PL-200-1
SCP-PL-200の挙動には不活性状態と活性状態の2つの状態が存在します。不活性状態時はオブジェクトは木製の小床几(オブジェクトが存在する収容室の中心に常時存在10)に座っており、その間は呼吸を除き一切の動作を取る能力が存在しません。オブジェクトの収容室における滞在はこの時、(非常に短いものでさえ)オブジェクトの観察が始まらないほど長く安全と認められており、その事がオブジェクトによるほぼ即時の認識災害への曝露を引き起こします。活性状態では、SCP-PL-200は可動性を獲得します。起立、歩行、トランス状態の人物間や(極度の場合においては)SCP-PL-200-1実例群間の移動さえ可能です。留意に値するのは、オブジェクトの歩行は緩慢、渾沌、重く、高度に非リズム的であり、この事が手順PL-200-アルファ中の職員による容易な検知を可能にし、適時に身を隠す事ができます。
活動中は、自らの動きを計画し、そうした計画を実現させる能力というオブジェクトの知性が発現します。例えば、近辺でSCP-PL-200-1実例がオブジェクトの影響下にない人々を発見した際、SCP-PL-200-1の近隣に存在するトランス状態の人物群の周辺が最も好まれる移動先となります。左記の例においては、オブジェクトが「最優先目標」を自らに設定可能である事も留意され得――大半の事例においてオブジェクトはより人数の多い集団を検知・選択してきています。例外となるのはSCP-PL-200-1の近辺に存在する者が彼らに容易に接触できる状況や、当該集団が有意識状態にない(例えば睡眠している)状況です。
活性段階に入った後のSCP-PL-200の最初の最優先事項は、常に収容室を出る事であり、その完了後に実体は通例、大人数と遭遇する蓋然性が大きく存在する場所を目指して動く事になります。オブジェクトは犠牲者との物理的接触を介する事により、トランス状態となった無作為な人々をオブジェクトと強固に関連するSCP-PL-200-1に変貌させる試みを何度も行う事に緊急事態を利用する事になります。
この接触は仮にオブジェクトが非活性状態の場合はSCP-PL-200-1への接触に成功した人物の変貌を引き起こさないものの、それでも当該行為は厳禁とされています。決定が行われたのは1メートル未満までオブジェクトに接近した個人数名からの、実体への距離が縮まると共に増幅していく「非常に強い改心したいという願望」の報告によります。SCP-PL-200-1実例群は、変化前の人物とは外観、知性、また大概は挙動すら差異が見られません。見かけの上ではオブジェクトの作用に抵抗しているものの、実際にはオブジェクトと結びついており、完全にオブジェクトのコントロール下に置かれています。こうした実体群は財団により使用される記憶処理剤、催眠剤、鎮静剤への抵抗力を獲得しており、この事で実体群は領域における手順PL-200-ベータ中に容易に識別が可能です。加えて、実体群は単一の人物のために任意の時点で顕現する事が可能であり、実体群の観察はその際にオブジェクト本体への目視と同一の効果を引き起こすものの、実体群の有する力は当該アノマリーのものを遥かに微小としたものです(例えば「半覚醒」11状態の人物をトランス状態へ誘引する事は不可能であり、こうした事に実体群自体は無自覚です)。発現の特徴は、実例の不自然に幅の広い微笑や目の白濁化であり、最初期の収容違反の一事例中では、発現は画像傍受装置上での実行の場合に当該装置により録画されている為、より多くの人にとって視認可能となり得る事が観察されました。
下位実体群のSCP-PL-200との相互作用につき、下位実体群はオブジェクト特有の「目」となり、これがない場合は健常な人型実体の存在の感覚ならびに実質的なコントロールを一切掌握していないトランス状態の人々との微弱な繋がり頼みにしかならないとする理論が現在受容されています。
SCP-PL-200-1実例が一体でも生存している限り、オブジェクトは思考を介して下支えする人物が一切存在しない場合でさえ活性状態であり続けます。SCP-PL-200-1間でのオブジェクトの移動も可能であるものの、実体は大概当該行為を請け負う事を忌避します。これは仮説的な比較的大規模エネルギー消費やこの事実を理由とする疲労により引き起こされているという事が受容されています。従って、実例群は大抵の場合カモフラージュされた認識災害の伝達者としてSCP-PL-200により利用され続けます。SCP-PL-200-1を健常な人間に回復させる方法はいかなるものも判明していません。
メモ: 高リスクセクションが終わりを迎えた。これは最終セクションの前座だった。次セクションに存在するのはもはや、最も脅威的で手順PL-200-ベータ中の非標準的再確保の実施を希望する場合のみに参照すべきものだ。そこがどんな構成になっているかは知らない、知っているのはそこに論じられている主題がどんなものなのかという事だけだ。次セクションの執筆者はその事を考えて、親切にも適切な順序でその構成をしてくれていたらと願っている。覚悟しろ。澄んだ心で臨め、最善なのは何も考えない事だ。オフにしてすべき事をしろ。この助けを借りて僕は担当セクションを書き切った、次のを読み切れば君の助けとなるだろう。
もしこの文書へのアクセス権があるならば、必要もなくそこに入るとオブジェクトによる収容違反の全責任を負う事になるシ、君ノ信仰スル存在ガ何デアレ施設カラノコノ何カニヨル偶発的ナ脱走カラ君ヲ守リ給エ。
クルチンのメモを見たな、回収経緯を見たな、もうそれが能力を持つためのあらゆる観念を持ってしまっているんだ君は。今精神を浄化し、「その顕現ごとに人々を狂気へと至らしめる何か」は大規模都市センターでは制御外にあると想像しろ。まず第一に国内の、その後に世界中のメディアがそれを放送してそのイメージを、おまけにその何かが孕む狂気を偶発的に伝染させると想像しろ。で、この狂気に核兵器へのアクセスが可能なあらゆる指導者がしまいには屈する、と。
僕は制御できなくなった。屈した。屈した屈[不適切ナ脅威レベルノ情報ヲ検出。自動削除済。]セクションへのアクセス権を取得するためには、端末上に備え付けられている小型カメラをまっすぐ見据え、以下のフレーズを大声ではっきりと読み上げて下さい:
SCP-PL-200ノ事ヲ考エマス
インシデントPL-200-1: クルチン博士の調査中のインシデント記録の削除が決定されました。
インシデントPL-200-2:
- インシデントの背景: SCP-PL-200収容室を最新形態に編成の後、安全確保のために人間によるオブジェクトとの接触リスクを冒す事は許容しない事が決定されました。これを達成すべく、収容室のメンテナンスを担当する事となる特殊ロボットが編成されました。
- 経過: [記録削除済] 。機材が収容室に入室するも、指示された場所に行き着く代わりにそこで欠陥が発生し、オブジェクトの前で停止し、対象に向けて備え付けられた小型カメラを掲げました。ロボットは職員のいかなる指示への反応も停止し、筆記式で拒否のシグナルを発信しました。三分後、オーバーヒートならびに発火を起こすまでの間に一秒あたり約一千発の頻度で写真撮影成功の情報の大量伝達を開始しました。ロボットから出現した最後のシグナルは、接続済サーバー群への写真送信開始についての情報でした。ロボットはプロセスの終了前に故障しました。財団サーバー群上には一枚の写真も発見されませんでした。
- 結果: 施設内で活動するメンテナンス者ユニットが収容室内部で発生の可能性がある作業の実行を目的として召喚・訓練されました。当該任務に自律型ならびに半自律型ロボット、そして遠隔操作装置を使用する事は全面的に禁止されました。[自動集中力分散情報をロード………ロード完了] 前方・後方運動とは、ヒトの下顎により食物の咀嚼中に行われている運動の事である。前方というのは下顎が突き出る際の事で、後方というのは戻る際の事である。
説明: オブジェクトの外観ならびにその主な異常性
SCP-PL-200は人間を彷彿とさせる容姿をした砂色の実体です。その皮膚は皺がちで、惹起惹起惹起惹起
SCP-PL-200は人間の容姿を彷彿とさせる実体であり、その構造特徴は男性を示しており、砂色の皮膚をしており、ほぼ完全に干からびている様子という印象を惹起します。オブジェクトの頭部は長い首の上に据えられており、眼球は存在しません。実体の特徴として非常に代表的であるのは、常時浮かべられている不自然に幅の広い微笑(SCP-PL-200-1の異常能力発現中に観察されたものに類似)であり、活性状態ではオブジェクトが人間の集団の近辺に位置した際に拡大します。[自動集中力分散情報をロード………ロード完了] クレブス回路(クエン酸回路とも)とは、真核生物や一部の原核生物中の酸素条件中における細胞呼吸プロセスの三段階目である。クレブス回路の外部基層はピルビン酸の酸化的脱炭酸反応中に形成されるアセチル CoA であり、オキサロ酢酸をクエン酸塩に変換させる事や、プロセスを新たに開始する事を可能とする。その中で基層のリン酸化ならびにNAD+ならびにFADの、電子供与体として呼吸鎖実施を可能とする目的でミトコンドリア膜へと運搬されるNADHやFADH2への削減へと至る。
実体の肉体は筋肉量が僅かであり、状態からエジプトのミイラを彷彿とさせるものの、その内臓は除去されていません。それにもかかわらずSCP-PL-200は移動する能力を有し、直立姿勢では高さ2.2mに達します。この数値はオブジェクトの発達した、その時視認可能となる脊柱側彎を考慮に入れたものとなっています。
非活性状態ではオブジェクトは常時小床几に着席している事となり、この小床几は古代エジプト起源、アレクサンドロス大王の征服時代に製作されたものを彷彿とさせる外観をしています。オブジェクトの活性化中、床几はオブジェクトが座する場所に帰還出現するためだけに消失します。これが発生するのはオブジェクトの再非活性化時です。
実体は非活性状態でも活性状態でも自身から警笛様の聞き取りやすく、律動性や響きで呼吸を暗示する反響音を発します。これはオブジェクトから1メートル未満の距離にいる場合に本能的に現れる、振り向いてオブジェクトを一瞥しようとする欲求を強化します。オブジェクトは加えて非活性状態の最中に未解明の手段で周囲に介入する事が可能です。仮に収容室において裁量権のある空間が125m3未満である場合、オブジェクトは場所が好ましい量に達する時まで空間を破壊する事になり、この為オブジェクトをコンクリート漬けやエポキシ樹脂漬けにより密封する試みは失敗に終わり、期待されていた成果は得られませんでした。相応の空間を占有する場合、SCP-PL-200の存在している場所は微弱な機械的被害や自然的被害を被るのみという事になりますが、こうした被害へのメンテナンスが為されないと収容室での間隙の発生や職員のオブジェクトとの意図しない接触を招き得ます。
[自動集中力分散情報をロード………ロード完了] カルビン回路とは、グリセロアルデヒド-3-リンの形成へと続く反応回路であり、グリセロアルデヒド-3-リンはその後グルコース(細胞の進行中の需要へ)、デンプン(植物の貯蔵糖)やショ糖(植物中で移送される糖)に変換され得、光栄養生物ならびに化学合成生物の許で発生する。カルビン回路の外部基層はリブロース-1,5-二リンを3-ホスホグリセリン酸分子へと変換する事を可能とする二酸化炭素 であり、この事により回路の新たな開始が可能となる。一部段階の「駆動」には、回路は光に依存した光合成や化学合成生物により行われる反応のフェーズ中に形成される同化力を必要とする。
SCP-PL-200の主な異常性はオブジェクトによる認識災害ならびに情報災害です。外観、特性あるいは特徴について思考する事、ないしはSCP-PL-200-1実例のオブジェクトとの結びつきは、思考が次なる思考を生成するトランス状態化や自身の身体の制御権の喪失を(効果性に大小の差はあれども)招きます。トランス状態となった人物は自身や他者に関して攻撃的に振る舞うようになり、自らの攻撃性目的で深刻な加害行為を犯すようになり、大部分の事例において攻撃された人物ないしは該当者自身の死に至ります。オブジェクトについての情報も犠牲者へのミーム影響作用を有し――高頻度でアノマリーの影響下の人間はオブジェクトの影響力の拡散目的で声高に実体の説明を行う事となり、このためにインターネットないしは他の通信手段の使用も試みる可能性が排除できず、これまでの収容違反中のオブジェクトの犠牲者の挙動の観察は、オブジェクトについての情報が擁する形式の展開を示しています。通常の大声によるオブジェクトの説明から、トランス状態の人物群の中には、例えばオブジェクトについての情報のカモフラージュに及ぶ事例も見られます。これにより、手順に順応しない人物群は、自身が曝露している具体的な情報が自身にとって著しい脅威となっている事に無自覚であるという事さえあり得ます。この状態にある人間たちは、危険性が増せば増すほど、その装備も向上し、それは見かけに反し個々人の知性が失われておらず――遭遇する問題を解決する能力や様々な物体を使用する能力を依然有している為です。好条件である場合、新たにトランス状態となる人物の増加率は指数関数的にさえなり得、その帰結としてAKクラスシナリオへと至り、こうした状況がオブジェクトの性質と収容違反に至る可能性も容易性との取り合わせにより、ポトカルパチェの[削除済]村のほぼ全住民の死ならびに研究サイト二ヶ所のほぼ全職員の死という形で既に実現してしまっているという事実は、オブジェクトを無条件で Keter クラスならびに脅威レベル赤の付与に割り当てる事について重大な影響を与えました。被影響者をトランス状態から持続的に脱却させる効果的な方法は、あり方をめぐる記憶を抹消する記憶処理剤を該当者へ投与する事です。
オブジェクトはその近辺の一部の電動装置(厳密には画像録画機搭載ドローン)の機能へ影響する特性も呈し、オブジェクトのイメージ拡散に加担させます(詳細はインシデントPL-200-2)。
SCP-PL-200の制限となるのは太陽光である模様です。オブジェクトが活性状態時に太陽光と接触したそれぞれの場合で、オブジェクトは退却や太陽光の回避の試みを行いました。非活性状態時には太陽光はオブジェクトに大した影響力は有しません。[自動集中力分散情報をロード………ロード完了] 有糸分裂とは、体細胞内で発生する細胞分裂の方法である。有糸分裂の結果、母細胞と同様の遺伝子物質量を有する2個の細胞が発生する。生物の成長ならびに組織や器官の再生を可能とし、単細胞生物にとっては種しゅの存続の主要手段である。
いかなる人物がトランス状態に陥ったとしても(往々にして二秒程度しか要しない場合も)それはSCP-PL-200を活性状態化させ、オブジェクトに対してアノマリーの影響下にある人物の周囲へ任意に移動する能力ならびに(散発的に)SCP-PL-200-1への能力を介しての収容室からの脱走の可能性を与えます12。これは次いでオブジェクトがより多くの人間により知覚される事を可能にし、ほぼ即時に彼らをトランス状態に誘引する結果に繋がります。類似する効果は発現中のSCP-PL-200-1の観察でも発生しますが、状況はこの場合相当有利であり、決定された大半の事例においてそれを瞬時に視認するのは一人の人物のみです。
実体の直接観察と同様に、実体が程よく良好に視認可能で識別可能な写真の閲覧は効果を発揮します。財団により把握されたこの特性の回避手段は、収容室における低画質サーモグラフィーカメラの設置と、母体施設や他の施設の残りのカメラへの人為的な低画質化ならびにサーモグラフィーの並行導入の可能性です。これによりSCP-PL-200を画像上の熱のシミの姿として表しますが、これはオブジェクトの状態やポジションの効果的なモニタリングを行うのに十分な要素となり、副次的にも甚大な認識災害は発生させずに済みます。直接接触はこれには該当しません――オブジェクトによる収容違反の内一件中にサーモグラフィーゴーグルの使用が行われるも、これによるイニシアティブは頓挫しました。
SCP-PL-200の作用にもSCP-PL-200-1の作用にも抵抗力を有するのは、その際に意識を失った状態である(例: 睡眠している、意識がない、もしくは昏睡状態にある)人物です。そうした人物が活性状態にあるオブジェクトが該当人物らから直線で半径一百メートルの位置に存在する際は意識を回復する可能性を持たず、またオブジェクトが非活性化した際には該当人物らが突如覚醒し急速に体調を完全回復させる(意識のない場合や昏睡状態の場合)機会が直径的に拡大するという事も観測されました。オブジェクトはSCP-PL-200-1実例とは対照的に、加えて「半覚醒」状態にある人物群、ならびに、例えば睡眠麻痺を患っている人物群への影響力を有し、該当者らをトランス状態に誘引し、完全な覚醒状態とさせます。
[自動集中力分散情報をロード………ロード完了] 我々は過去に責めを負わせる事は求めないようにしましょう、我々自身の未来への責任を受け入れる事にしましょう。13~ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ
補遺SCP-PL-200-4: オブジェクトの起源に関する発見
ヤン・クルチン博士によりSCP-PL-200を被写体とした写真が損壊されてから程なくして、財団は脅威の見られない写真の断片を回収し、これに基づき写真の撮影場所が特定されました。それはエジプトの[秘匿済]――知名度の高い観光地――より約20キロメートルの地点に存在する小規模な遺跡群と判明しました。現場には、オブジェクト自体の確保後に適切に武装した機動部隊ラムダ-1("スプリンターズ")が他のSCP-PL-200実例と遭遇する場合に備えて派遣されたものの、判明した通り不必要でした。遺跡群からは壁一枚のみが残され、壁面上には古代ギリシア語および古代エジプト語の刻印が認められました(以下翻訳):ここに存在するは殺人者、子殺し、兵役逃れなり。数多の女子供の、数多の自由人ならびに奴婢の死の責ある、数多の畑焼きならびに数多の民を飢えさせし責ある者。彼の者の名の永劫に忘れ去られん事を、何人たりとも彼の者を覚えぬ事を。常に隠れたる怪物とならん事を。彼の者の魂が全てのものの末として罷らん事を、かの者の罰が永遠の責め苦にして己がために播く永遠の業火たれ、彼の者の負う物をな忘れそ。
遺跡群上で実施された調査では、遺跡群がマケドニア王アレクサンドロスの征服時代起源のものである事が判明しました。オブジェクトが当地には不在という理由により、実体の確からしき起源により迫る事を目的とする発掘の開始が決定されました。
発見された骨格の一覧(最古から最新の順):- 頭部が破砕(自殺と確定)した女性、両手で新生児の首をきつく締めており、両者ともマケドニア系
- 12人の両手を繋ぎ合い死亡したマケドニア兵。兵士達の多数のポジションから、互いに噛みつき合ったか蹴り合った事が窺われる。
- 13体の少年の骨格、マケドニア系で年齢は6歳から10歳、ならびに恐らく事故で死亡した1人のエジプト系成人。
- 15人の死亡した男性、活動時期は19世紀後半に遡る。この内一名の許に朽ちつつあるメモ帳を発見、内容は左記の年代を裏付けており、遺跡群周辺での発掘作業を行っていた考古学者の一団であったと示している。残念な事に、ノートの90%は非常に重度の損壊を被っており、解読不能となっていた。
特定済みの通り、女性と子の死と兵士らの死は二日程度しか隔たりがなく、兵士らの死と少年の一団の死に関しては一週間です。また板はこれらの事件の約一週間前に製作された事も発覚しました。更に発掘作業が行われたものの、オブジェクトの起源に関して新たに解明された事象は一切存在しません。
注意!
異常ナ情報災害ノ影響ガ検出サレマシタ。医療職員ナラビニ警護役員ガ既ニ向カッテイマス。
文書ヲ閉ジマス。
申請書PL-200-1; 2019-██-██
- 申請者: クシシュトフ・サヴィツキ心理学博士、SCP-PL-200プロジェクト主任
- 申請内容: 二番目の緊急時手順の編成への別働特務隊召喚の件の決定の変更を申請致します。私の部署の人員は文書への完全なアクセス権を有しており、断片的な情報が供給されるチームより効率的な手順の編成が確実に可能となります。
- 申請ステータス: 却下
- コメント: 危惧する理由が存在しませんよ、博士。編み出された解決法が十分なものとなるためのあらゆる努力を我々は払います。申請書PL-200-2; 2019-██-██
- 申請者: クシシュトフ・サヴィツキ心理学博士、SCP-PL-200プロジェクト主任
- 申請内容: 文書自体に関する安全確保措置の能率向上を申請致します。あなた方により提案された自動集中力分散エージェントは、我々の意見では、不十分です。技術指南書ならびに我々のチームにより編纂された研究論文集は補足文書中に存在します。
- 申請ステータス: 受理
- コメント: -申請書PL-200-5; 2020-██-██
- 申請者: クシシュトフ・サヴィツキ心理学博士、SCP-PL-200プロジェクト主任
- 申請内容: 手順PL-200-ベータの再編を申請致します。我々の考古学隊によりエジプトで為された発見は、オブジェクト、下位オブジェクト、収容違反中にトランス状態となった人物の挙動と比較して、我々を現在提案されている行動が望ましい成果を上げていないという申請の提出に至らせました。
- 申請ステータス: 却下
- コメント: 貴殿は同一内容を既に三度も申請されており、我々と致しましても同じ事を申し上げるつもりはございません。我々のモデルにより、現行の手順はグローバル収容違反の効果的な予防に十分なものとなっています。如何に貴殿の業務が困難なものであるか、如何に重大な責任が我々にも貴殿にも課せられるか、我々は重々承知しております。我々と致しましてはここまで価値ある職員である貴殿の健康を案じ、有給(賃金全額支給)休暇を取られる事を提案致します。申請書PL-200-10; 2020-██-██
- 申請者: クシシュトフ・サヴィツキ心理学博士、SCP-PL-200プロジェクト主任
- 申請内容: 手順PL-200-ベータの再編を申請致します。我々によるSCP-PL-200の発見へと繋がった写真は、あの惨劇が発生して3年が経過しており、絶対にどこにも安置されていませんでした。現場は名の知れた観光地から20キロメートルしか離れていなかったという事に鑑み、なおも世界のどこかで時限爆弾がカチカチいっている可能性があり、その起爆には我々の現行の緊急時手順でははっきり申し上げて対処不可能でございます。
- 申請ステータス: █ヶ月14前より審査待ち申請書PL-200-15; 2020-██-██
- 申請者: 心理学博士クシシュトフ・サヴィツキ、SCP-PL-200プロジェクト主任
- 申請内容: おれむしすんのやmろドびんぼうビツチアs、イカレめくらドてうのうども!
- 申請ステータス: 削除済
- コメント: 職務中のアルコール消費も、上役に対する公の場における侮辱も財団の職務規定に違反しており、これを理由として重度の懲戒処分が行われます。但し、貴殿の場合には貴殿の側からその様な品行は再発しないものと勘定し、公的譴責処分や公的譴責リスト入りは実施致しませんでした。さもなければ、我々と致しましては貴殿をプロジェクト主任の地位から解任せざるを得なくなる事でしょう。
なあ兄弟、何を頭にぶつけたんだ?落ち着いてくれ。申請書PL-200-16; 4時間前
- 申請者: クシシュトフ・サヴィツキならびにもはや不完全な研究チーム一同。
- 申請内容: 昨日、次なる、もう十度目となる収容違反に至りました。我々には、手順PL-200-アルファはますます非効率的と見受けられます。我々の良き同僚マレク・トシェブニツキは自主避難が間に合わなかったものと見られます。我々は装置は起動すると考えておりましたものの、そのようには行かなかった模様で――SCP-PL-200-1実例は驚いて頭部から装置を剝がし、トシェブニツキをトランス状態に引き込みました。トシェブニツキは鼻の下で何かを呟きながら自身の頭を壁に打ち付けて割っていったものと見られます。彼の奥方は我々の同僚でもあり、それを見ていました。再確保の実行には成功しましたものの、翌朝、我々はマリア・トシェブニツカが自らの寝室で亡くなっているところを、空になった薬の容器やウォッカ入りのグラスと共に発見致しました。
私はチーム一同への休暇と心理相談の提供を申請致します。これが必要となる者たちには、確実にですよ、どうか、記憶処理剤を。
- 申請ステータス: 受理
- コメント: -