
ロシア、ウラジオストクの港
アイテム番号: SCP-PL-273
オブジェクトクラス: Argus / Conscientia
特別収容プロトコル: 全てのSCP-PL-273実例は目下財団の管轄外です。世界規模の追跡の試みが進行中です。1SCP-PL-273の所在が判明した場合、アノマリーに関する活動に対して、更なる方針が決定出来るようにO4評議会に直ちに通達されなければなりません。
現時点で、SCP-PL-273の収容はSCP-PL-273の移送が行われておらず、実例群そのものに異常性はなく、更なる戦闘での運用が不可能である都合上、スクラップ予定であるという内容の偽情報拡散の維持に重点が置かれます。2
説明: SCP-PL-273は過去にソビエト連邦海軍による建造と所有下に置かれていた、潜水艦、フリゲート艦、巡洋艦、駆逐艦計17隻の総称です。
SCP-PL-273の艤装や艦内に搭載されている兵器には異常な強化が施されているか、異常科学技術由来の産物のどちらかに属するものです。分析部門が回収したデータによると、前述の科学技術の搭載並びに利用は冷戦期におけるUSSRの深妙防衛プロジェクトの一環として、ソビエト海軍、GRU"P"部局、KGB特殊現象部門(DSC)間の協力の賜物でした。
艦隊機能を擁していた特殊現象部門の文書の大半が失われているか意図的な破壊を受けているために、SCP-PL-273上に存在する艤装の正確な仕様については分かっていないとはいえ、プラズマ投光機、奇跡術的強化が施された万能大砲、LTK (見敵必殺)兵器、存在力学的に強化された対空ミサイル、サイオニクス照準システム、最新型ミーム遮蔽システム、といった装備が特に知られています。
1990年、全てのSCP-PL-273実例は30億米ドル相当のペプシ飲料シロップでの物々交換による支払いという形で、USSRからペプシコ社へと売却されました。この事実に関する更なる情報については、補遺を参照してください。
補遺PL-273-1: 発見
SCP財団は他のオカルト及び異常ソビエト兵器計画に加えてSCP-PL-273の存在を長期にわたり把握していました。にもかかわらず、冷戦が原因で、対立する両陣営との中立関係を維持するためにも、プロジェクトを対象とした財団の研究と諜報活動は著しく制限されていました。
SCP-PL-273は1990年、世界各国のメディアがUSSRとペプシコ社が対外的なUSSR通貨の採用に係る諸問題ゆえに、これまではウォッカで支払われていた自社のシロップの支払いに関する合意に向けて再交渉に取り組んでいると報じ始めた際に財団の関心を引きました。この一件を受けて、艦隊が支払いの代替策として提案されました。
更に上記の理由の都合上、監視範囲が限られているとはいえ、SCP-PL-273 ― この時に漸く正式なSCP分類が割り当てられました。― はある時点から財団の監視リストに載りました。艦隊がこれまでに入渠していたウラジオストク到着後、機動部隊シグマ-80("空飛ぶ絨毯")は艦隊が最早確認できないと報告しました。このため船の財団の諜報活動で回収された文書に従い、船の超常資産の管理を委託されていたKGB特殊現象部門現地支局への襲撃が決定されましたが、現地支局は既に襲撃に先立って放棄されていました。
別けてもKGBDSC内部の腐敗に関する報告書及びこの組織が失敗に終わった8月クーデターに参加した結果、1990年に解散した後、超常犯罪シンジケートの緋色の鎚へと生まれ変わって現在でも活動しているという事実に鑑み、この件の至る所から無数の疑念が生じています。
補遺PL-273-2: 分析部門の調査
分析部門の調査
序文:
SCP-PL-273を取り巻く多くの不正確性と疑念ゆえに、O4評議会は分析部門にSCP-PL-273及び関連する要注意団体の正式な広範囲調査の実施を命じました。
本件の詳細な調査を目的として、サイモン・ピエトリカウ管理官は元GRU-Pのエージェントとしてソビエトの異常組織の作戦における個人的経験に基づき、20名の財団の分析担当者と世界オカルト連合のPSYCHE部門3から派遣された追加のスペシャリストから構成される直属の特別チームを結成しました。
調査結果:
本稿執筆時点で、1970年代にまで遡るペプシコ社とKGBDSC間での数多くの繫がりが調査により判明しています。事業の正確な詳細は目下不透明であるものの、同社は腐敗したDSCエージェントらによる違法超常兵器販売の仲介役兼代役を請け負っていました。更に調査の中で偶然にも、ペプシコ社の株式の大半を所有する複数の会社とマーシャル・カーター&ダークのオーナーの1人であるルプレヒト・カーターとの繋がりを示す状況証拠を発見しました。
別けても彼が過去数年内で異常犯罪組織相手に多数の違法金融業を手掛けてきており、これら取引が彼の金融面での疑念の余地なき利益を生んだUSSRにおける政局の不安定化 ― 1991年における最終的な崩壊を部分的に招いた ― に著しい影響を及ぼした事実を鑑みれば、今回の一件における彼の関与は大いにあり得る話です。
そうです。つまるところ、ペプシはUSSR崩壊に間接的に貢献していたのです。そしてSCP-PL-273は我々が当初予想していた以上に巨大な氷山の一角に過ぎなかったのです。
— 分析部門、サイモン・ピエトリカウ管理官

レオニード・ブレジネフ(左)― ソビエト連邦書記長在職中、ペプシコはUSSRにおける自社製品の独占販売に関して交渉した―とルプレヒト・カーター(右)。
追記:
SCP-PL-273の更なる追跡の試みや実験は現在でも進行中です。