SCP-1168-JP機密情報

以下は閲覧が制限されています

職員コード

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パスワード

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認証

SCP-1168-JP-Bに対する多人格矯正プログラムは現在も進行中です。なお、このプログラムに関する資料は射場 夢子の閲覧を阻止するため秘匿されます。

射場 夢子に関する情報はSCP-1168-JP-B対応プロトコルに則り随時更新してください。また、SCP-1168-JP-Bの行動と射場 夢子の行動は常に監視され、行動内容は主任研究員である射場 重光博士に報告してください。

音声記録028465729

<録音開始, [2000/3/12]>

エージェント・拓斗（以下、A）: SCP-1168-JP-B。ここが何処だか分りますか？

SCP-1168-JP-B: ……分からない……。

A: 私が誰か分りますか？

SCP-1168-JP-B: ……ろして…。

A: あなたは今の状況をーー

SCP-1168-JP-B: ……今すぐ殺して……。私をここで殺して……。お願い。

A: 再度、あなたに訊きます。私が誰か分かりますか？

SCP-1168-JP-B: ……殺して。もう、何も分からないの……。好きだったの……大好きだったの……。お願い殺して ……今すぐ私を殺して……。

A: ……駄目です。会話が成立しません。

射場博士: そのようだな。弱っているのも良く分かる。私にも彼女の正体が分かるぐらいだ。予想されていた能力も完全に消失している。

A: この状態ではプロトコルの適用は困難かと思われます。

射場博士: いや、方法はある。

A: ……本気ですか？

射場博士: 理論上は可能だ。さて……。SCP-1168-JP-B。私の目を見なさい。

SCP-1168-JP-B: ……彼に会いたい。……私を殺して……。

射場博士: 今から私は君に真実のみを伝える。

SCP-1168-JP-B: ……私をーー

射場博士: 君は██ 拓斗を殺した。

[2秒間の沈黙]

射場博士: 君は、己の本能に逆らえず██ 拓斗を捕食した。2000年2月1日、彼と出会って5年目の出来事だ。しかし、彼との間にできた子供は君自身が全て処分した。

[大きな高音域の鳴き声が発生する]

SCP-1168-JP-B: 殺して！ 今すぐ私を殺して！ あの人に会いたいの！ 会いに行きたいの！

射場博士: だが、それが真実だ。SCP-1168-JP-B。全て君がやったことだ。それは一生変わらない。一生、変えることなんて出来ない。君は取り返しのつかないことをやったんだ。そうだろう？

[金属音が混ざり、鳴き声が大きくなる]

A: 博士、これ以上は拘束が解けます。

射場博士: 例の装置を。

A: ……はい。

射場博士: ……だがな、SCP-1168-JP-B。君のやったことは変えられないが、その過去を書き換える事は出来る。何もかもなかったことに、元通りにすることがね。

[突如、鳴き声が止む]

SCP-1168-JP-B: ……私は。……私は……。

射場博士: SCP-1168-JP-B。今一度、私の目を見なさい。

SCP-1168-JP-B: 私は……。

射場博士: 今日から君は、射場 夢子だ。

<録音終了>