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Info
保安施設ファイル: サイト-120
Written by Ralliston
翻訳責任者: flying_bari
翻訳年: 2025
著作権者: Ralliston
原題: Secure Facility Dossier: Site-120
作成年: 2021
初訳時参照リビジョン: 179
元記事リンク: ソース
Written by Ralliston

SCP財団保安施設ファイル
サイト-120
正式名称: SCP財団 チェンストホヴァ 研究・遺物次元収容施設
サイト識別コード: EUPLCA-Site-120
概要情報
ヴァルタ川の土手から見たサイト-120の地上区画
目的: SCP-5292の直上に建設されたサイト-120は、オントキネティクス部門及びその3つの下位部門 — 奇跡術課、神学課、空間撹乱課 — の主要業務拠点です。ポーランドの国境内部に位置する最も古いサイトであり、ポーランドに関連する活動の第一次行動ユニット、並びにフリーポート・エスターバーグの主要監視所として機能しています。
設立: 1916年5月2日
場所: ポーランド チェンストホヴァ工業団地廃墟
設立管理官: ハンナ・リベラ / レイア・マイケルズ
カバーストーリー: 近傍の工業団地廃墟の改修及び安全な解体、放射性廃棄物処理、ヴァルタ川周辺の放射能汚染区域の除染
サイズ: 地上区画34km2
サイト概要
現実を探究する / 火を以て火と戦う / 信じることが鍵である
異常空間のほど近くに建設され、Dクラス職員を全く使用していない数少ないサイトの一つであるために、サイト-120は財団が運用する他の施設に比してやや奇妙なサイトです。設立当初はポーランド収容プロジェクトの一環で、SCP-5292 (当時はPL-X0R38/0124として知られていた) 内部の暫定アウトポストとして建設されたものの、本来監視対象であったアノマリーが積極的に施設全体の一部として取り込まれ、急速にその規模を拡大しました。
サイト-120のロゴの変遷: 1916年、.ヤコブ博士が作成したオントキネティクス部門のオリジナルのロゴが、後にサイト-120のロゴとして採用されました。1959年、.サイト-120の管理職が故レイア・マイケルズ博士からイーサン・マッカーシー博士へ移譲された後、イヴォンヌ下級デザイナーが再デザインしました。1985年.サイト-120の管理職が故イーサン・マッカーシー博士からサイト-120管理官評議会へ移譲された後、アデレード・ワース博士が再デザインしました。
SCP-5292-2との完全協力合意の成立から数十年、皮肉なことに、サイト-120は財団における相対的奇妙の牙城として、強固な立場を築いています — 奇跡術の使用、異常性を有する職員の雇用、異常技術の利用を積極的に奨励する珍しいサイトの一つであるが故に、当施設は"反収容施設"との評価を受けています。時には異常を収容するのではなく、施設の構造、システム、あるいはスタッフとして組み入れることもあります。この原理の最たる例がSCP-5672であり、厳重な監視対象とするのではなく、職員の訓練場として積極的に活用されています。この"火を以て火と戦う"という理念 — 火は奇跡術、現実改変、アノマリーを指します — は財団全体から — 指令アルファ/1911の実行以後でさえも — 見下されていましたが、サイト-43の収容計画における特殊型収容及び特殊クラスの導入が大成功を納めた後、サイト-120のシステムに対する嫌悪は目に見えて減少しました。
オントキネティクス部門全体の拠点であるために、サイト-120はオントキネティクス、奇跡術、神学を異常な影響のみではなく、一定の規則が存在する実在科学として扱う稀有なサイトの一つとなっています。このアプローチは、時に危険を招くことになります — 最もよく知られている事例では、SCP-3001内部において、サイト-120の主任オントキネティクス研究員を務めていたスクラントン博士を、不幸にも失うこととなりました — が、齎される卓越した成果には注目が向けられています。サイト-120による数々の反オントキネティクス的/反奇跡術的な装置・技術 — スクラントン現実錨、アシュワース=リベラ導管、現代多元宇宙総論など — の発見・創出を受けて、財団の他多くの部門はその活用に積極的な姿勢を示しています。
サイト-120の全体的な研究は、それが財団全体にとって非常に役に立つものであることを示しています — 数年に及ぶSCP-5292-1実例の絶え間ない研究・翻訳の結果、サイト-120は自らが研究する全てに関する知識を内包する最も広範な物理的・電子的蔵書を所有するに至りました。とりわけ、サイトにおける三つの主要研究分野に関する知識量は誇るべきものです。事実、その研究に費やした膨大な年月を経て、このデータベースはデジタル化、及び全てのファイルを監督・分類し、更なる研究を行う特別な電子管理者を必要とするほどに巨大化しました — このタスクは、サイト-120の基本人工知能徴募員であるRa.aicが担当しています。

名称: Ra.aic ("ラー")
仕様: クラスIV友好的調整汎用知能 ver1.2.1 Gen(II)、クリアランスレベル3
説明: オントキネティクス部門と人工知能適用課の共同の下、1988年に開発されたRa.aicは、サイト-120の保有する神格に関する全ての知識の分類・分析及び更なる研究への活用、並びにデジタル空間の総合メンテナンスを目的としています。サイト創設者の一人であるレイア・マイケルズにちなんで名付けられました。
科学を越え、理解へ至る
"エスターバーグ"、"ティションツレチェ・グルネ"、"チェンストホヴァのフリーポート" — 数多くの名前がサイト-120の監視の眼の下にある異常都市、FP-120に与えられました。都市全体がチェンストホヴァ市との並行次元に存在するポケットディメンション内部に位置することから、エスターバーグは当該地域の全ての異常民族及び異常活動の主要拠点となっており、財団による干渉の危険が及ばない安全地帯として機能しています。
主にイデオロギーの違いに起因する多数の信用問題と、過去の接触時における不和のため、財団とエスターバーグの関係はほとんどの時点において理想的なものではありませんでした。サイト-120の第二の目的は、可能な限り外交的な手法で、この軋轢を修復することです。この達成のために、財団は過去に多くの要注意団体との協力を余儀なくされていました。当初は好ましくないアイデアであると広く受け止められていましたが、SUSEOCTやサイト-59における行事の実施が十分に結果を残していること、並びに、SCP-PL-252の発見の中で成立した財団とGoI-571-20との協力体制が成功を納めたことを受け、財団とエスターバーグの協力計画は活動年を重ねるごとに更なる資金を受け取るようになっており、その成果も着実に向上しています。
サイト-120管轄下のアノマリー
| ID番号 | オブジェクトクラス |
|---|---|
| SCP-001 | Thaumiel |
| SCP-PL-054 | Safe |
| SCP-PL-213 | Pending |
| SCP-PL-252 | Skótos |
| SCP-PL-253 | Keter/Tiamat |
| SCP-PL-259 | Euclid |
| SCP-PL-273 | Argus/Conscientia |
| SCP-PL-284 | Archon |
| SCP-PL-369 | Yesod |
| SCP-PL-399 | Neutralized |
| SCP-643 | Keter |
| SCP-3001 | Euclid |
| SCP-3963 | Safe |
| SCP-4845 | Safe |
| SCP-5292 | Yesod |
| SCP-5314 | Safe |
| SCP-5327 | Keter |
| SCP-5373 | Gödel |
| SCP-5464 | Euclid |
| SCP-5484 | Safe |
| SCP-5572 | Terminal |
| SCP-5659 | Keter |
| SCP-5672 | N/A |
| SCP-5795 | Keter |
| SCP-5815 | Safe |
| SCP-5890 | Keter |
| SCP-5936 | Euclid |
| SCP-6072 | Keter |
| SCP-6079 | Pending |
| SCP-6099 | Thaumiel |
| SCP-6120 | Eparch |
| SCP-6172 | Thaumiel |
| SCP-6198 | Euclid |
| SCP-6471 | Thaumiel |
| SCP-6483 | Integrated |
| SCP-6596 | Keter |
| SCP-6625 | Euclid |
| SCP-6651 | Draugr |
| SCP-6672 | Argus |
| SCP-6744 | Safe |
| SCP-6747 | Thaumiel |
| SCP-6772 | Keter |
| SCP-6936 | Embla |
| SCP-7102 | Keter |
| SCP-7120 | Memet |
| SCP-7272 | Keter |
| SCP-7278 | Safe |
| SCP-7600 | Archon |
| SCP-7629 | Thaumiel |
| SCP-7672 | Pending |
| SCP-7924 | Neutralized |
| SCP-7999 | Integrated |
| SCP-8007 | Euclid |
| SCP-8008 | Safe/Enochian |
| SCP-8120 | Safe |
| SCP-8280 | Keter |
施設レイアウト
地上階
施設の他の部分に比べると見劣りするものの、サイト-120の地上区画もまた一見の価値のあるものです — 19世紀にチェンストホヴァ近郊地域の急速な産業化に伴って放棄された非居住地を改修したものであり、現在は主として新たに設けられた周辺の緑地を侵食するかのような工業団地が占めています。公園、サイトが収容する動物型アノマリー向けの動物居住域、河岸の他、近傍には小規模な港が位置します。かつては有害な不毛の地であったサイト-120の周辺地域は日を追うごとに浄化されており、新たに芽吹いた自然へと姿を変えつつあります。
1階
1階フロアはサイト-120で最も広いフロアであり、日常生活が営まれる場所です。スタッフオフィス、RAISAアーカイブ、レクリエーション区画、カフェテリアで全体が満たされています。この区画に収容されるアノマリーはほとんど存在しませんが、唯一の例外としてサイト-120スタッフの大半が挙げられます。
2階
2階フロアは実際の研究と収容が行われる場所です。高度な機器を備える実験室及び研究区画、(数は少ないものの) 収容セル、Ra.aicの監督するサーバーを擁する2階は、サイト全体の主要な業務空間となっています。
3階
SCP-5292とそれの提供する図書館が全体を占める3階は、比較的に奇妙な空間です — アリスター・ヴェンホフ博士の率いる翻訳オフィスと、全てのスタッフが自由に利用可能な閲覧区画が占めるサイト-120大図書館のほの暗いホールは、決して人影が絶えることがありません。
4階
サイト-120のメンテナンス空間とSCP-5292を隔てる強化隔壁の直下に位置する4階は、サイトの稼働を維持する電気機械の大半を擁しています。暗い玄関広間と長い通路で満たされ、迷路状になったテクニカルスペースは — 特に、サイトの開発初期に比較的早い段階で建設されたものであり、そのため現在まで多くの奇妙さを残す場所である、精製した水をヴァルタ川に直接排水する汚水洗浄装置を含む配管系統は — サイト-120の中で最も興味深い場所の一つであり、時に予想以上に文字通り面白いものであることがあります。
5階
クリアランスレベル4以上の職員のみが利用可能な5階は、サイト-120内部において疑いなく最も不吉で隠匿された場所です。Deepwell記録庫、及び完全除外区域として機能する小規模区画を擁しており、職員と情報の最終防衛線となります。フロア全体が巨大な儀式場として機能しており、これは状況が逼迫した際にサイトの最終的なフェイルセーフを起動するため、人工的に作成されました — 適切に動作した場合、この大規模な奇跡術的儀式はサイト全体を世界中の厳選された地点へテレポートさせることを可能とします。
職員情報
地上階職員
説明: ヴェールの維持及びサイト-120全体の秘匿性保護のため、地上階の職員は地上施設を稼働させ、正常性を偽装しています。
メンバー数: 41
責任者: ミロスワフ・グルスキ
サイト管理官評議会
説明: 1984年3月28日にサイト管理官であったマッカーシー博士が死亡して以降、適切な後任がいなかったこと、サイト-120にて活動する複雑な部署の数を考慮し、特定個人がサイトを統治するのではなく、以下の部署の責任者である5人の人物から成る評議会がその義務を負うことが、監督者の命令により決定しました:
- プロジェクト総合監督・部門管理官: マグダリン・コンウェル博士
- 人事・職員福祉責任者: ジェシー・リベラ博士
- 上級奇跡学者・奇跡術アーキビスト: ダニエル・アシュワース博士
- 神学課主任・神学プロジェクト監督: イーサン・マッカーシー・ジュニア博士
- オントキネティクス・空間撹乱課主任: ジェームズ・マイケルズ博士
メンバー数: 5
責任者: マグダリン・コンウェル博士、ジェシー・リベラ博士、ダニエル・アシュワース博士、ジェームズ・マイケルズ博士、イーサン・マッカーシー・ジュニア博士
研究チーム
説明: サイト-120の主要研究部署であり、異常科学及び収容下にあるオブジェクトに関する知識の拡充を目的としています。
メンバー数: 163
責任者: ロバート・スクラントン博士、アナ・ラング博士 マーク・カウフマン博士.第三帝国出身であり、交流の一環で職員の一人として財団に雇用されました。
種族間交流チーム
説明: 全ての種族間交渉及び外交を担当する種族間交流チームは、エスターバーグと財団との接触が行われる主要部署です。
メンバー数: 27
責任者: アンナ・シュルツ博士
翻訳チーム
説明: 全てのSCP-5292-1実例など、異常言語・方言の知識を必要とするアノマリーが数多く存在するため、翻訳チームはそれらのソースから収集された全ての情報が真実であり、かつ可読性が失われていない状態を確実に維持します。
メンバー数: 43
責任者: アリスター・ヴェンホフ博士
管理チーム
説明: サイト記録庫にある全ての情報の物理媒体・電子媒体双方における分類、並びに総合報告・情報メンテナンスを担当します。
メンバー数: 27
責任者: ジェームズ・ムーア、Ra.aic
メンテナンスチーム
説明: 大規模かつ活動的なメンテナンス職員のチームであり、サイト-120の業務及び職員の技術的側面のサポートを目的としています。
メンバー数: 67
責任者: ミェチスワフ・バリー
サイト保安部
説明: 全ての財団サイトと同様、サイト-120は敵対的要注意団体/要注意人物/アノマリーの襲撃のリスクにさらされています — このチームはそのような襲撃が成功しないことを保障します。
メンバー数: 89
責任者: ジェレミー・コンウェル指揮官
サイト所属機動部隊
機動部隊オメガ-6 ("ベアリー・イナッフ")
クマ学ursinologyの専門家三名で構成される、野外活動の訓練を積んだチームであり、SCP-5464の活動が妨害を受けない状態を維持することを主目的とします。副次目的として、当該アノマリーの健康状態を維持することが定められています。部隊の活動は複合的な野外活動から、サイト-120の公園近くに存在するSCP-5464の生息域を良好な状態に維持すること、SCP-5464を公園内で定期的に散歩させることまで多岐にわたります。
機動部隊シータ-120 ("ティルフィング・ブラック")
ダミアン・ノヴァク事件の主要研究グループから成る三名の機動部隊です。構成員は、サイトの管理官相当の地位にあるジェシー・リベラ博士、ダニエル・アシュワース博士、及びセキュリティチーム主任の地位にあるジェレミー・コンウェルと、財団内において比較的高位の職員であるにもかかわらず、そのPoI-5936に関する高度な知識から、チームは貴重な現場資源であると判断されました。PoI-5936に関する案件は終了して久しく、そのため当部隊は現在、職責のない書類上のみの存在となっています。
重大イベントログ
1984-1986
SCP-5936、SCP-5890、SCP-5795、SCP-5373、SCP-5672、SCP-6120、SCP-6936: ダミアン・ノヴァク事件として、サイト-120において最もよく知られているこのインシデント (あるいはその連鎖) は、長きにわたり、ポーランド全域で活動するカルトの活動の足跡を辿るものであった。1980年代の大半を占めるこのプロジェクトの全ては、サイト全史において少なからず重要なものとなっている。
2004/01/11
PoI-001-C ("マブ女帝") の魂の予期せぬ盗難により、コンウェル管理官・リベラ管理官の二人から成る奪還チームがエスターバーグに派遣され、盗難されたアーティファクトの再収用を目的として、現地のトリウムヴィレイトの拠点へ侵入を試みた。更なる情報は、作戦報告書にて閲覧可能である。
2021/01/01
SCP-5956: REISNOカノンの起動後、同行の職員と共にサイト-43のダニイル・ソコルスキー博士がサイト-120を訪問し、彼の計画に進展がもたらされると同時に、サイト-120管理官の一人が意図せずして辱めを受けることとなった。
2021/04/01
2021年4月1日、サイト-120は比較的に厳しい時間を過ごした — 現実衝突及びある管理官評議会メンバーが突然類人猿へ変化したことにより犠牲者が発生し、その結果生じた混乱は財団が想定した以上の対処を必要とするものとなった。
2030/02/15
SCP-6172; SCP-6172の最終試験、並びにSCP財団の解散処理中、深刻なエラーが発生し、数多くのサイト-120及びオントキネティクス部門の重要職員が多元宇宙間に取り残される事態となった。残されたスタッフは、実行可能なあらゆる手段を用いて彼らを取り戻すことを余儀なくされた。当インシデントの詳細はプロジェクト・ヘルメス ケースファイルにて閲覧可能である。
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