保安施設ファイル: サイト-81UO

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面談室に警報が鳴り響いた。幽霊であるあなたにインタビューを行っていた職員は、携帯端末を取り出して何やら話し出した。

「……ええ、はい。何!?バイオメカゴリラの幽霊の群れが!?わかった。今すぐ現場に急行する」

インタビューを中断することの謝罪もほどほどに、職員は足早に面談室から出て行った。このまま待っていろと言われたが、有史以来待てと言われて待つ人間はいない。それは幽霊であっても同じことだ。部屋の隅に設置されている、結界を貼る"メカ豆腐"とかいう装置も電源が入っていない。あなたは面談室から抜け出すことにした。

サイト-81UOは先ほどのインシデントに人手を割かれているのか、人間の職員をほとんど見かけない。緊急出動を促すサイレンが響いている。せっかくの機会だから好き勝手ふらつき回ろうとあなたは決めた。

さて、どこに行こう。

何か資料を探してみようか?

サイト内を見回ろうか?

四十八町の様子を見に行こうか?

特に目新しいものは見つからなかった。
それならと、あなたは地上1Fの奥まった部屋へと足を進めた。



奥の部屋には古い洋館には似つかわしくない白い鋼鉄製のゲートがあった。横にある電子パネルを操作して開閉するものだ。職員はこの扉を自由に行き来できるが、あなたを含む幽霊たちは扉に施された防霊処理によって阻まれる。

あなたは操作パネルに手を伸ばしてその霊体を潜り込ませた。普通の装置ならこうすることで何らかの霊障を起こすことができるのだが、こちらも対策がされており何も起こらない。あなたは半ばヤケになって近くにあったドライバーを騒霊現象で動かしパネルの側面をガンガン突き始めた。けっこうな物音がしているが、今や田舎の小さいサイトの人員はサイト外で奮闘中であり、駆け付ける者はいなかった。

その内何か千切れたような感触があったかと思うと、ブガー!というエラー音とともにゲートが半分だけ開いた。あなたはこの結果に驚きつつも周囲を見回してゲートの先にある階段を下りて行った。



地下は白く無機質な通路が続き、病院の廊下を思わせた。湿度が低く何らかの対霊設備があるためか、あなたは何となく重苦しい雰囲気を感じていた。当てもなく通路を進んでいくと、「資料室」と書かれた部屋を発見した。

資料室内には天井まで届くラックが何列も並んでおり、多くのファイリングされた記録や論文、報告書などが並んでいた。壁際に並んだ閲覧机には、新人が学習していたであろうノートが置いてある。あなたは気になった資料を読んでみることにした。

「職員名簿」を見る?

「対霊的実体装備」を見る?

「内部セクション」を見る?

「四十八町の歴史」を見る?

「対外関係」を見る?

「用語集」と書かれたノートを見る?



知らない情報も多く、資料を読み漁っていたあなたは背後から近づく人物に気が付かなかった。

痺れるような感覚を受けて自分が強制的に実体を固定されたと気づいた次の瞬間、あなたはしめ飾りのような縄で縛りあげられていた。

「全く、どこから入って来たんだか。セキュリティの強化を検討しなくちゃならないな」

縄を放ってあなたを捕まえたのは、スーツを着崩した中肉中背の男性だ。廊下から差す光の逆光で一瞬顔が見えなかったが、すぐ蔵元サイト管理官だということに気付く。

「さて。ここにある資料はそこまでクリアランスは高くないものの、機密事項が含まれている。それを君は見てしまったようだ。さあどうしようか」

蔵元管理官はポンポンと手にした警棒状の武器で自身の肩を叩いている。

「ああそうだ、ちょうど霊的実体の記憶処理に関する研究が立ち上がっているところだったな。君には被験者になってもらうこととしよう」

あなたはがくりと項垂れた。




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