確保施設ファイル:サイト-CN-71
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SCP財団中国支部確保施設ファイル

正式名称: SCP財団中国支部香港研究収容施設

サイト識別コード: Site-CN-71

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サイト-CN-71外観。駐在エージェントChong Fatが撮影したもの。クリックで拡大


基本情報


設立: 1906年8月15日

設立管理官: シャーロック・ハワード博士

所在地: 香港特别行政区 九龍城区 獅子山郊野公園Lion Rock Country Park

カバーストーリー: 筆架山レーダー基地、「筆架山皇庭」住宅群

サイト機能: 電子および携行性オブジェクトの研究・収容、機動部隊の駐屯、本部/他支部職員の接待、要注意団体「聖クリスティーナ学院」の監視・交渉、港珠澳地区1および要注意異次元領域「香城」地区における行政工作。

規模: 36平方キロメートル

区画:

A区画: 地上隠蔽用建築群

A1ブロック(「筆架山皇庭」住宅群): 外来職員宿舍、機動部隊宿舍、行政フロント。

A2ブロック(筆架山レーダー基地): 監視所。林睦如現実改変監視装置を配備。

A3ブロック(旧筆架山トンネル): 非異常物資倉庫、ガスパイプライン。

B区画: 山体内住宅区・行政区域

B1ブロック: 職員宿舍、生活区、医療センター。

B2ブロック: 行政および機動部隊のオフィス。

C区画: 山体内低価値/低脅威収容・研究施設

C1ブロック(臨時収容区): 分類待ち・輸送待ち異常物品を保管するエリア。

C2ブロック(低価値・低脅威保管区): 大型倉庫。Safeクラスオブジェクトおよび一部の携行可能/安定的/非干渉的特徴を有するEuclidクラスオブジェクトを保管する。

C3ブロック(低価値・低脅威研究区): 複数の実験室およびオフィス。C区画に収容されているオブジェクトの研究に使用される。

C4ブロック(電子收容区): 大型機械室およびネットワーク部門のオフィス。ハードディスクやサーバーに保存された電子メディアを媒介とするオブジェクトを収容している。

D区画: 山体内高価値/中脅威収容・研究施設

D1ブロック(高価値保管区): ユニットエリア。Safeクラスオブジェクトのうち、重要性のあるものや、独特な収容プロトコルを必要とするものを収容している。

D2ブロック(中脅威保管区): ユニットエリア。大量破壊的性質を持たないEuclidクラスオブジェクトを収容している。

D3ブロック(人型実体臨時居住区): ユニットエリア。非Keterクラスの人型/動物実体を暫時的に収容している他、Dクラス職員の宿舎も存在する。

D4ブロック(高価値・中脅威研究区): 複数の実験室およびオフィス。D区画に収容されているオブジェクトの研究に使用される。

E区画: [クリアランスが不足しています。さらなる情報を得るには、該当クリアランスを有するサイト職員にお問い合わせください。]


職員情報


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サイト管理官・林俊傑博士。

サイト管理官: 林俊傑 博士

サイト副管理官: 呉徳璋 博士

職員副管理官: 蘇卓宇

施設副管理官: 王卓軒 博士

研究副管理官: 張燁煒 博士

収容副管理官: 唐霆希 博士

機動部隊副管理官: 林有德 エージェント

現場職員:

    部門長: 60

    博士職員: 181

    研究員職員: 756

    管理職員: 130

    メンテナンスもしくは用務員: 102

    セキュリティ職員: 605

    D-クラス: 160

    他職員: 16

著名な職員(抜粋):
メル・"スカーレット"・ロー 博士: フィールド・収容スペシャリスト。聖クリスティーナ学院を卒業。電子性・音楽性オブジェクトの収容に長けており、熱狂的な音ゲー愛好家でもある。フリーダム・クー研究員とは現在恋人関係にある。

フリーダム・"シャーク"・クー 博士: 情報収集およびアノマリー研究を専門とする研究員。サイト内のグラフィックデザインにも携わっている。元はサイト-CN-21に務めていたが、後にサイト-CN-71へ異動。スカーレット博士の研究パートナーとなり、恋仲に発展した。

ソーンズ・"極"・リン: 異常芸術アナートを専門分野とする研究員。聖クリスティーナ学院の卒業生で、財団に加入する前から、長らくアナーティストのグループで活動していた。現在は香城の█████アートサロンが出展しているアナートに対処するため、サイト-CN-71に勤務している。

"レッド"博士: イギリス・マンチェスター大学の物理学科を卒業。プロジェクト”八荒”2の研究班に所属していたが、記憶処理を受けた後、サイト-CN-71に配属された。クー博士の研究グループに加入している。


サイト-CN-71に収容されている代表的なオブジェクト

アイテム番号 オブジェクトクラス
SCP-CN-005 Euclid
SCP-CN-013 Safe
SCP-CN-030 Safe
SCP-CN-070 Safe
SCP-CN-108 Euclid
SCP-CN-112 Euclid
SCP-CN-180 Euclid
SCP-CN-326 これは無知と無分別が作り出した、素晴らしき不思議の一つさ。—Mia.S
SCP-CN-397 Euclid
SCP-CN-407 Safe
SCP-CN-408 Safe
SCP-CN-440 Safe
SCP-CN-505 Euclid
SCP-CN-520 Safe
SCP-CN-564 Safe
SCP-CN-570 Safe
SCP-CN-571 Thaumiel
SCP-CN-689 Euclid Keter
SCP-CN-815 Euclid
SCP-CN-818 Safe
SCP-CN-820 Safe
SCP-CN-954 Euclid
SCP-CN-999 Euclid

追加情報


サイト-CN-71は財団中国支部が設立する遥か昔に作られました。そのため、当支部における最も古い拠点の一つと言えます。

18世紀末、大英帝国はその食指を、東方の年老いた王朝へと伸ばし始めました。英国人と中国人の間で、大規模な遠洋貿易が始まると、財団の前身組織の一つ・超常現象の確保収容に関する王立財団(Her Majesty's Foundation for the Secure Containment of the Paranormal)も、女王の栄光を掲げながら、この広い大陸へとやってきました。彼らは自分達が持つ異常事物への理念を、彼らが思う所の「処女地」である、この中国に広めようとしたのです。

しかし、彼らの挑戦は大蛇の強力な妨害に見舞われたことで、早々に重大な頓挫を経験しました。大蛇の名は「異学会」……中華王朝の歴代のエリートや権力者によって設立された、オカルト研究機関です。当時の中国の支配者である清王朝の下でも、異学会は活動を続けていました。彼らの勢力は以前より衰えていましたが、中国大陸では依然として最大のオカルト勢力でした。この巨大な壁を前にして、王立財団は矛を収めるしかありませんでした。彼らは捲土重来の好機を待つことにしましたが、その機会はことのほか早くやってきました。

1842年、アヘン戦争が中国の大門をこじ開け、清朝は英国人と最初の不平等条約を署名させられました。中国人にとって、100年以上に渡る苦難の時代が幕を開けたのです。これを受け、王立財団もこの大陸に根を下ろすことが可能となりました。彼らは清から取り上げた香港島に、極東で初となる拠点を建設しました。当拠点を中継基地にすることで、中国大陸で回収したアノマリーを英国や他の植民地に移送するようになったのです。その後、彼らは広州や北京、上海の租界においても、似たような臨時中継基地を建設しました。

しかし、当時の香港中継基地は面積上の制限から、アノマリーの物流を十分に捌くことができませんでした。また、秘匿性や防衛能力についても、異学会といった中華系GOIの襲撃に対処するには心もとないものでした。こうした状況は1898年、英国人が新界3を領土に加えたことで、改善の兆しを見せ始めました。新界地区の面積は広大で、山も多く、恒久拠点を建設するのに適した土地でした。王立財団はSCP財団へと改組した後、1906年、シャーロック・ハワード博士の提案の下、九広鉄道4の敷設を理由に筆架山5を掘削、内部に大型施設を建設しました。香港島基地の代わりとして、異常物品の中継拠点および臨時の収容・研究施設を建設したのです。財団データベースにおいて、サイト-906にナンバリングされている当拠点は、サイト-CN-71におけるC区画の前身の一部となっています。

当サイトは港から離れた位置にあるため、元の中継拠点と比べ、輸送コストがやや上昇しています。一方、当サイトは山体を掘削することで建造された施設であるため、秘匿性・安全性に関しては、極東地区において上位に位置しています。この頃、極東地区での収容活動は不明な理由6により、失敗を繰り返していました。当時の財団にとって、イギリス植民地にあるサイト-906は現地における最も堅固な橋頭堡であり、大陸より回収されたオブジェクトを数多く搬入しては、収容や研究にあたっていました。時には海路を利用して、オブジェクトを他サイトに移送することもありました。

1941年末、大日本帝国はその矛先を香港に伸ばし、一月のうちに島を完全占領しました。サイト-906も日本軍の攻撃に遭い、半月に渡る抵抗の末、毒ガス攻撃によって陥落。防衛にあたっていたハワード博士と108名の守衛全員が犠牲となりました7。1945年に日本が降伏したことで、サイト-906はようやく財団の管理下へと復帰しました。サイト-906より回収された残存文献からは、サイト-906が占領中、日本軍の下部組織・"負号部隊"の接収を受け、研究施設として使用されていたことが明らかとなっています。

1946年1月5日、財団はサイト-906を再建。中華民国が戦後、全ての租界を接収したことから、財団はサイト-906以外の中国大陸における拠点を喪失しました。その後、財団は国内サイトの再建について、国民党/共産党政府と40年に渡って協議8すると共に、サイト-906に対して2度の拡張工事を行いました。第一期拡張は1948年に着工されたもので、国共内戦の過程で香港に送られた多数の異常物品を収容するために、空間をより広く掘削しました(現在のD・E区画)。同時に、共産中国からの攻撃を見越して、防衛の強化も進められました。第二期拡張は1978年、住宅需要の増加を受けて実施されたもので、居住区および生活区が増築されました(現在のB区画)。また、筆架山一帯の住宅街の発展に併せる形で、新たに隠蔽用施設(現在のA区画)が9建設されました。

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聖クリスティーナ学院の校章。

1984年、イギリスと共和国政府は香港を中国に返還する《中英連合声明》に署名。これに伴い、財団も共和国政府と秘密裏に[編集済]を締結しました。その内の1条は「サイト-906の管理権を財団傘下の中国支部に移譲する」というものでした。1997年7月1日、当条約は正式に施行されました。サイト-906は財団データベースより除名され、サイト-CN-71と改称されました。サイト-906管理官・ロックハート・パットンと交替する形で、サイト-CN-21の元副管理官・林俊杰博士がサイト-CN-71の管理官に就任しました。

現在、財団中国支部の管轄下において、サイト-CN-71は依然として最大の拠点の一つとなっています。異常物品の中継基地として機能していた特殊な経緯に基づき、収容されているオブジェクトは携帯のしやすい、低脅威度のSafe・Euclidクラスが中心となっています。また、隠蔽用に建てられた高級住宅街については、本部や他支部から来訪した職員向けのホテルとして使用されています。1992年、要注意団体"聖クリスティーナ学院"の活動が香港において確認されました。2010年、財団は香港の位相上に存在する要注意領域"香城"において、公式的な活動を始めました。現在、中国支部はサイト-CN-71のセキュリティと研究の規模を強化しています。これには機動部隊-ベータ-10(「冷感症」/"Frigidity")といった多数の機動部隊の駐屯や、電子収容区・ネットワーク部門の設置、2017年第四四半期に予定されている第三次拡張工事などが含まれます。

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