イケてるトカゲは俺の嫁 ~激推キャラ崩壊注意~
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 あなたは運命の人がやってくるのを目にした。相手はすばらしくイケメンな大蜥蜴で、彼の通った道からは蠱惑的な悪臭がムンムンと放たれている。濃緑色の身体にパセリカラーのウロコ、ニラのような色彩の脚爪。ツヤツヤのロングヘアーはクミンの香りを振りまいている。これまでの生涯の中で、こんなにも人を震わす生き物は見たことがなかった!……刹那、あなたのハートに愛の大波が押し寄せてくる。そう!彼!彼こそは!

 彼こそはキミのPerfect partnerではないか!

 恋という感情はあまりにも早急だ。さながら学生時代、裏門に立ちはだかった担任のように早い。すぐさま結婚を決意した。帰宅してからというもの、頭の中は彼の事でいっぱいであり、毎晩のようにゴロンゴロン転がり、思い煩ってしまう。あなたは幻想する。彼の形容し難い指先が、自分の顔をそっと撫でるのを。太くてガッチリした尻尾が、自分の身体を抱きかかえるのを。彼はちょっとナルシのケがあるかもしれない。けれど、あなたは気にしない。愛、それこそが愛なのだから!幾千万のガールズハートが、あなた1人の体内で猛烈に鼓動している。つまりそう、これこそが愛なのだ!はてさて、彼はこの愛にどう応えるだろうか?彼はあなたを「ハニー」と呼び、あなたを連れ、暮れなずむ塩酸のほとりを散歩するだろう。そして、あなたの大好きなDクラスの肉じゃがを振る舞うのだ……。2人はきっと、末永く添い遂げるはずだ。星をねだれば彼は太陽をもぎ取り、月をねだればあなたをビンタすることだろう。

 ああ、なんて優しい愛なのだろう。細い水流のようなラヴが、身体の底の方で熱く沸き立っている。早朝も朝も午前も午後も夜も深夜も、大蜥蜴の堅い腕が頭を離れない。それに、唾液混じりの塩酸で毎日のようにウォッシュされる長髪も。彼にタメを張るSCiPが他にいるだろうか?彼……682は、世界でもっとも美しく、頑丈で、ハンサムで、魅力のあるハイパー大蜥蜴なのだ。

 そして、あなたは愛を告白する。バラの花を手渡すと、彼は塩酸味の効いた爽やかなキスをあなたによこした。あなたは恍惚と混乱に蕩けるあまり、下アゴさえも失くしてしまう。この瞬間、世界はあなたと彼、2人だけの空間となった。彼はきっと自分を愛している……あなたは確信した。あなたは彼を愛している。彼の(よく見ないと見えない、ひょっとすると付いて無いのかもしれない。誰が場所を知っていようか。蜥蜴の目は横に付いている。だったら、正面から見えるはずがない。それに、十中八九目ヤニ付きだ。というかどうやってキスしたんだ?口臭とか大丈夫なのか?……だが、あなたは彼を愛している。ゆえに、それらはすべてクールであり、チャーミングであった。あなたがどうにかして見つめようとする)ちっちゃなお目々は、あなたに向けてあらゆるメッセージを伝えていた。

 彼の美麗な大眼には広大な星空が詰まっていた。キラキラと輝く蛍光が、眼窩の中を漂っている。彼の足元から、1筋の虹が現界する。それは2人の愛の架け橋だった。愛情と温もりが、寄り添う2人の身体を駆け巡っている。あなたは感じた。人生とはかように幸せなものであると。彼の顔をまじまじと観察する。驚いたことに、緑色の中には赤みが走り、赤みもまた緑がかっていた。まるで腐ったリンゴのようである。いやはや、どうしてこんなにも可愛らしいのだろう。あなたは心の中で狂喜する。心臓の先端で、1万頭の牝鹿がどつき回っていた。

 「リトル・スウィート・ハニーよ」

 口を開く彼。

 「俺様、お前のことが好きだ」

 あなたは顔を赤らめ、瞬時に弾け飛んだ。執筆者の気分が限界で、もう少しも書き続けられなかったからだ。筆者は出前を呼ぶも、届いたコーラは炭酸がすっかり抜けきっており、余計にイライラしている。おまけに、筆者ん家の犬がウンチを喰らった口で、彼の顔を舐め回してしまった。というわけで、あなたは脈拍の超過で突然死を起こし、682はあなたの墓と添い遂げ、鬱屈な気持ちでこの世を去るのであった。

 財団はあなたの功績を讃え、財団燻焼を授与した。

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