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元tale自体が短めで、簡潔に完成している印象を受けたので、映画のポスターというより短編小説集の扉絵のような雰囲気で制作しています。色をモノクロにし、ベタ面を多めにとっているのは「少年探偵団」シリーズの挿絵に木版画の様なベタ面の表現が使われていた記憶からのイメージ。一時停止の標識にかかるライト以外の夜空を真っ黒にすることで、UFO型Aアイテムと星々の放つ光のコントラストを強くする狙いもあります。
画面構成は、中央上部に「羊と山羊の問題」から引用した羊を配置することと、不格好さと奇妙な雰囲気を出すために全体的に歪んだような形にすること、上下に「かつてベランダで見たUFOの軌跡」「現在見つけたUFOの軌跡(UFOそのものを描いてしまうとロマンチックなイメージにならず、いやらしい感じがしてしまう気がしたので軌跡としました)」を描くことだけ大まかに決め、残りの部分はビジュアル上の面白さを優先して選んでいます。また、このイラストは狐窓三種がUFOを発見した瞬間をゴールとして描いているため、この後に出てくる財団エージェントたちは描いていません。
ベランダから見えたUFOの光は本物であるとも偽物とも明言されていないので薄めに描いています、対して、狐窓が見つけたUFOはAアイテムであると明言されているので、現実味のあるものとしてハッキリと強い軌跡を描いています。そして、UFOの軌跡と、それを見上げる狐窓の間に羊を配置することで、この羊が狐窓に対して「見つけてしまった。叶ってしまった」という気持ちを抱いてもなお、非現実的な事象を信じ続ける羊でいるのか問うているような形にしようと試みています。
普段のイラスト制作であれば狐窓はもう少し大きく配置するはずなのですが、ラフを制作した際に、彼が大きいと何か違う気がしたので、あえて小さめに納めています。
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