そんなこんなで、ポケットディメンションに閉じ込められてしまった。いったいどうしよう?
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財団オフィシャルハンドブック 第三版



時空・次元アノマリー

Pg.247/第24章 - 突発的次元転移

そんなこんなで、ポケットディメンションに閉じ込められてしまった。いったいどうしよう?

そんなこんなで、君は時空の狭間に潜む隔絶領域に転移してしまった。いったいどうしよう? 最初のステップは、周りに出口や危険が無いか確かめることだ。暗くてよく見えないなら、携帯端末を光源に使おう。扉/窓/門、ないしは向こう側に何があるかわからない道らしきものが見つかったなら、ひとまず出口であることに賭けて向かってみるといい。

生物/生命を宿す光/自我のある影、ないしは攻撃してきそうな自我持ち物体が見つかったなら、慌てないこと。君が落下したポケットディメンションの住人は、十中八九、君のことを外敵か栄養源と見做すはずだ。腹を空かせた熊に出くわしたのだと思って、同じように警戒心は全開、逃走/闘争は即断即決の姿勢で臨まないといけない。

攻撃的な生物に見つかった? そういう時は、ゆっくりとその生物から離れよう。そうでなくとも、ゆっくりとその生物から離れること。問題の生物が君の行動に勘付いて、こちらに歩いて/飛んできたのなら、絶対に近づかせないこと。攻撃/消費/溶解/捕食/抹殺しようとしてきたりするかもしれないし、何なら君の胸腔に幼体を産み付けてくるかもしれない。

この教科書が素晴らしい教材であるとともに、教育用文献としてのサイズと重量からいっぱしの鈍器としても使えることにも触れておこう。遭遇した生物にこっそり近づくことができるのであれば、これによって殺害、重傷、ないしは不死身なら植物状態にすることができる可能性が極めて高い。過去20例のポケットディメンションへの突発的次元転移の生還者たちによると、このうち19名は神めいた存在を教科書で殴りつけるのはよろしくないという点に同意している。20人目は不幸にもゴミ圧縮機内に再転移し、現在療養中だ。

ポケットディメンション内で生き延び、出口を見つけたとしても、ひとつ注意しないといけないことがある。我々の次元への再転移先は予測不能で、以下のような事態に見舞われるかもしれないからだ:

  • 水中への再転移
  • 物体中への再転移
  • 成層圏への再転移
  • 荒野への再転移
  • 高速道路、鉄道、地下鉄路線ないしは滑走路上への再転移
  • 他の人間/生物中への再転移

こうした不幸な再転移に遭いつつも生還したのなら、最寄りの財団次元研究ステーション (Foundation Dimensional Research Station, FDRS) に通報し、救出とデブリーフィングを受けること。生還できなかった場合は最寄りのFDRSへの通報は不要なので、行わないように。今の自分がどういう状態かよく分からないのであれば、このハンドブックの272ページ目を開いて、『存在とそれが生産性にとって重要である理由』を参照するのがいいだろう。

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