solvexの提言
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アイテム番号: SCP-001-JP

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-001-JP及びその画像・映像はそれぞれサイト-19の標準収容ロッカーに収容されます。SCP-001-JP及びその画像・映像の持ち出しはアクイタル・プロトコルに関わる中でセキュリティクリアランスレベル5/001を持つ職員が、O5の許可を得た時のみに限られます。

全研究者へのアクイタル・プロトコルの適用は終了しました。以降は新たに加入する研究者へ施してください。

説明: SCP-001-JPは特異性をもつランプです。SCP-001-JPを構成する素材に異常性は確認されませんでした。燃料を入れるスペースはクラスA霊体で構成されたエクトプラズム溶液で満たされています。また実験では1ヶ月間燃え続けても消える兆候は確認できませんでした。

点火されているSCP-001-JPは目視した人物(以下対象者)に認識災害を引き起こします。この認識災害は点火されているSCP-001-JPの画像、映像を見た場合でも発生します。対象者は自身が原因となった死亡事象への言及を避けようとします。また避けられない場合は可能な限り婉曲表現を用いるようになります1。副次効果として該当する死亡事象による対象者の精神への負荷が軽減されるというものがあります。しかしこれはSCP-001-JPによる特異性ではないと結論付けられています。

SCP-001-JPはアメリカ合衆国のテキサス州にある民家で発見されました。当初は燃え尽きることのないランプとして収容されていました。しかしSCP-001-JPに暴露した職員の離職率の低下を経て、現在の異常性が判明しました。


人類を異常なオブジェクトから護る組織というのは、古くから世界中に存在していた。そして護り方は数多くあれど、オブジェクトを知るというのは必要不可欠であり、その過程でどうしても生身の人間による実験は行わなければならなかった。使われる人間は犯罪者や奴隷、異民族など時代や地域によって様々ではある。しかしそれ自体が研究をする側の精神を大きく蝕むことに違いはなかった。ある者は己の罪に押しつぶされ海に身を投げた。またある者は生と死の区別を無くすことで心の平穏を保った。しかしその後、彼はちょっとした口論で家族を殺害してしまった。私は多くの者にこれは世界を護ることに繋がるのだ、と語り続けた。だがそんな言葉は所詮その場限りのものにすぎず、多くの人間が心を壊した。

しかし私はあのランプを見つけた。経緯こそ偶然そのものだがその効果は特筆すべきものであった。研究者達はその心を壊すことなく、恐ろしい異常実体の研究を行えるようになった。それにより作業効率は飛躍的に上昇し、怪異による被害もそれに反比例するように減っていった。

ただ、問題も生じてしまった。自らによる死への責任を放棄した者達は、一般的な道徳の支配する日常では異質な存在となってしまっていた。同じ世界では生きられなくなってしまったのである。

そこで私はある提案をした。異常存在から人類を護る異常な人間達を収容できないかと。初めは反対する者も多かったが、私の懸命な説得によってこの案は着々と進んでいった。そしてついに完成した。「死」を「終了」と言い換える者達を、一般社会から遠ざける組織。それが今日の財団である。

私はいまだに思うところがある。特異なオブジェクトから護るために入った者達を、その特異なオブジェクトに変異させてしまうことを。そして自らも収容対象にさせてしまうことを。しかしそれでもこの方法より良い方法が見つかるまでは、やり続けなければならない。我々は常に最善を尽くさなければならないのだから。

-O5-1


アクイタル・プロトコル概要

アクイタル・プロトコルは実験時における人員の損失によって生じる研究者の精神への負荷を軽減させる目的で行われます。検査の結果により心理抵抗度が60未満の研究者に対し、点火をしたSCP-001-JPの画像を閲覧させます。また当プロトコルには対象者を財団内に収容することも含まれます。

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