SOYA-001による『1998年』世界観ポスターアートワーク
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1998年を起点に超常が次第に超常となくなり、正常性維持機関の定義した"正常"と次第に融合しつつある世界線において生きる人々が、街で、会社で、学校で度々目にすることになるであろう様々なポスター類。それらは一体、どのようなものとして作られ、この世界に掲載されているのだろうか。

以下の画像は、そん胡乱の極まった『1998年』の世界のポスターたちの一部であり、そしてこれらもまたほんの一部に過ぎない。今後、さらにこれらは増やしていくつもりだ。もし、作中に描かれる世界観の空気感や印象をイメージし表現する上での助けになれば幸いである。


奇蹄病差別撲滅ポスター(2010)

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2009年、日本国神奈川県で発生した新興感染症『奇蹄病』は、ヴェール政策の破られて以降、初の超常バイオハザードである。日本生類創研(当時)が偶発的に流出させた同ウイルスによって引き起こされたこの事件は、脱走した実験動物を介して他の動物へ、そしてヒトへと感染する経路を辿り、死亡例すら発生する大事件へと発展した。奇蹄病に感染した生物は身体部位が奇蹄目動物の特性を有する部位へと変質してしまう1ことから、このように命名されている。

財団による神奈川県のロックダウンや各正常性維持機関らが対処に当たるなどしたが、最終的には日本生類創研の施設から発見されたワクチンの流通によって収束した。このアウトブレイク事案によって発生した奇蹄病感染者は全国で6万人、病死者は1500人にのぼった。

上記ポスターはこれら奇蹄病の寛解以降、後遺症が残った者に対する知識不足や偏見による社会的な差別が増加したことを受け、厚生労働省が2010年に制作し、企業や学校、市役所などに掲示したポスターである。ポスター掲示は一定の効果があったとされ、少なくとも以降の時代では次第に偏見による差別は薄れつつあるようだ。

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エスパノル・ヌートリア拉致撲滅ポスター(2019)

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2015年に発生したバルセロナの神格存在出現事件は、後世では「イベント・オッタル」と呼ばれる事件として知られる。それによって発生したスペイン人のカワウソ化は、当時のスペイン情勢を大混乱に陥らせた歴史的事象である。彼らは事件以降、「エスパノル・ヌートリア」の名で呼ばれるようになり、時代が下るごとに一つの種族としてのアイデンティティを確立させていくことになる。

そんな彼らエスパノル・ヌートリアは、彼らのその特性を理由に差別・迫害をすることを禁じる『夏鳥思想禁止法』が2035年に制定されるまでの間、その立場はいまだ弱く、偏見も少なくはなかった。それは歪な形で2019年当時の日本も例外ではなく存在していた。ヴェール崩壊以前から「カワウソ」という動物を愛玩動物のひとつとして消費することも少なくはなかった日本において、エスパノル・ヌートリアという存在はそれらカワウソと大差ない目線が向けられがちだったのだ。

海外のAFCを大量に受け入れ移民大国となった日本において、一部の市場で闇取引されたり、体の良い愛玩動物として弄ばれるエスパノル・ヌートリアは日本国内でも大きな問題となっており、事実上の国際問題にすら発展していた。上記ポスターはそれらの社会的な状況を受けて制作されたものである。

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憲兵隊員募集ポスター(2035)

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2020年制定の新日本国憲法下で新規に設置された、内務省外局の省庁である『国家憲兵庁』は、公安組織として運用される国家憲兵隊を監督し、治安行政に関する業務を担う。軍と警察の中間的役割を果たし、平時には法執行機関、有事には防衛大臣などの指揮のもとで行動する軍部組織として運用される。

上記ポスターは2035年度の国家憲兵隊員の募集を目的として国家憲兵庁が制作したポスターであり、全国の教育機関を中心に掲示された。ポスターイラストは自衛官募集ポスター同様、一般からのイラストコンテストによって採用されたものである。その多くはAC、とりわけAFCを中心として描かれたものが多く応募されたことは、日本でのAFC人口の増加を象徴する一幕でもある。

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