中央情報管理局ならびにプロジェクト運営事務局(CICAPOCO)による通達
SPC-1824-JPは世界中の海底3,000mから6,000mの深海層にて稼働中のプロジェクトです。Deep Redを利用しての鮫科存在への殴打はCICAPOCOからの更なる通達があるまで継続的に行われます。
敵対的な要注意団体および親鮫科派によるSPC-1824-JPへの妨害工作が確認されています。この妨害工作に対抗するべくDecoy Crabを製造し、SPC-1824-JPを強行してください。

闘争本能を顕わにするDeep Red
プロジェクト番号: SPC-1824-JP
鮫科殴打ケイパビリティ: SPC-1824ーJPは殴打エージェントの活動が難しい深海層での鮫科存在との格闘に効果が期待されています。SPC-1824-JPを実施する事は、鮫科存在との格闘以外にも殴打エージェントの殉職を防ぐ効果があるとされています。
プロジェクト構成: SPC-1824-JPは殴打エージェントにより闘魂を注入された蟹であるDeep Redを構成要素として含みます。Deep Redはセンター-4189にて養殖され、6か月間の訓練を受けた後に世界中の海洋へ放流されます。
Deep Redは鮫科存在に対して激しい敵意を持ち、鮫科存在を発見し次第接近し殴打を開始します。従来の蟹型殴打エージェントと同じく、軽快なサイドステップにより鮫科存在の噛みつきを回避するアウトボクシングスタイルの格闘を好みます。また、従来の蟹型殴打エージェントと異なる点として、遮蔽物に隠れる思考が可能なため、より戦略的に鮫科存在を殴打します。
Deep Redの訓練はQUALIFIED以上のセキュリティランクを持つ上級殴打エージェントにより行われます。肉体的な訓練の他、鮫科存在に関する座学や正義と愛についての講習が訓練内容に含まれ、訓練を耐え抜いたDeep Redは屈強な殴打エージェントとして最前線で活躍します。
SPC-1824-JPはDecoy Crabを構成要素として含みます。近年親鮫科派によってアノマラス化させたられたワニワニパニック1より、アメリカワニ(Crocodylus acutus)が発生し、殴打エージェントやDeep Redを襲う事案2が発生しています。Decoy Crabはこれら事案からDeep Redを守るために制作された囮です。
Decoy Crabは、Deep Redと似た回避行動をとる蟹を殴打して遊ぶアーケードゲーム「カニカニパニック3」です。ワニワニパニックの製造元である株式会社ホープへセンターの諜報員が潜入し、企画と作成を行いました。アノマラスと化したワニワニパニックが起因となって発生したアメリカワニの習性であるカニを襲う特性を逆手に取り、アメリカワニに破壊された瞬間自爆する機能を持ちます。Decoy Crabは、渉外殴打エージェントが取り除いたワニワニパニックが設置されていた場所に代わりとして設置されます。
事案: Decoy Crabが設置された商業施設にアメリカワニが乱入し、Decoy Crabを破壊しました。Decoy Crabの自爆によって2体のアメリカワニの殺害に成功しました。その後、突如としてDeep Redが5体出現4し、残った3体のアメリカワニとの格闘を開始しました。結果としてアメリカワニ5体全ての制圧に成功し、3体のDeep Redが殉職しました。Deep Redが突如として出現した件について、センター海洋研究室はDeep Redがアノマラス的特性を獲得したと考えられており、調査が行われています。
厳しい訓練を耐え抜き、上級エージェントとの友情を育んだDeep Redは正義と愛を知っている。鮫科存在以外を殴打してしまったのは少々問題だが、自分のかわりに破壊されるDecoy Crabを見ていられなかったのであろう。彼らは屈強であり慈悲深い戦士だ。
しかしながら恐ろしいのはワニだ。あの獰猛な性格は鮫科存在を彷彿とさせる….。しかし鮫科存在ではないため我々は殴打する事ができない….、親鮫科派はそこに付け込んできた。
かつて蒐集院の賢者は鮫科存在を「和邇わに」と呼んだ。それは日本書紀でも語られており、その獰猛さは詳細に記載されている。我々はワニを殴打対象に含めるべきなのだろうか?話し合わねばならない。 ―スピルバーグ博士