GRU-Pケースファイル "イカ・イスポリン"

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OSI "イカ・イスポリン" "P"部局 第三課
承認済 24.XII.1990 印字 NR: 1
署名 .................. S
課長 III-P-9-GRU D.NR: 7-I-1991
責任者: スタニスワフ・ニコラエフ 生物学博士
詳細: OSI "イカ・イスポリン"とは、1988年6月13日に政治的中立国家である"ハイ・ブラジル"を攻撃した大型超自然的実体の指定である。当該実体は攻撃中に世界オカルト連合に殺害されたが、以下を含む複数の特筆すべき性質を見せた:

  • 驚異的な再生力。以前までに観測されていたほとんどのものを上回る速度と効率を見せる。この再生力はマイナス面のない完全再生の未観測形態であると考えられている。
    • とりわけ、"イカ・イスポリン"は原子爆弾によってのみ排除された。
  • 外見上のエーテル探知能力。実体はこの能力を狩りに利用しているとみられる。この形態のエーテルは全ての生物に存在するとみられるが、魔法の行使に関連する場合はより多量に存在する。
  • "イカ・イスポリン"はこのエーテルを吸収し、神話のドラゴンと同様に炎の形で排出することができるものとみられる。

12月初頭、精神工学部局のエージェントが、ソビエト連邦より長期規制を受けている資本主義商業団体"マーシャル・カーター&ダーク"の輸送機を捕縛した。輸送中の全製品は押収された。

押収された製品の一つに、"イカ・イスポリン"から収集されたとみられる二十個のの集積物が確認された。復元された資料は、これらの卵から無性生殖による新たな"イカ・イスポリン"実例が孵化する可能性を示している。

最も特筆すべきことは、"イカ・イスポリン"に類似する実体がアメリカの都市を攻撃したとすると、アメリカの防衛手段は自国に向けた原子爆弾の使用以外にないという点である。アメリカが核兵器を自国に振り向けることを強いられれば、士気に重大なダメージを被ることは確実であり、またソビエト連邦が首謀したことを突き止めることも容易ではない。

提言された用途:
(i) エーテル探知 - 承認 - 実体のエーテル探知を担う器官を分離することで、エーテル探知を行う機器の創出が可能となる。これは、フィールドエージェントにとっての重要な資源となる。
(ii) 医療再生 - 却下 - 驚異的な再生能力を抽出し、四肢の迅速な再生及び治癒に利用できる可能性がある。この治癒の性質に関し、潜在的な懸念が存在する。
(iii) 軍事利用 (炎のブレス) - 却下 - 炎のブレスの機能を調査することで、より実用型の火炎放射器の開発に利用できる可能性がある。この研究に係る費用は膨大なものになると予想される。
(iv) 軍事利用 (巨体) - 承認 - "イカ・イスポリン"の類似実体をアメリカの都市近傍の海洋に解放することで、"P"部局との関連性を示唆させることなく壊滅的被害を齎すことができる。

OSI "イカ・イスポリン" 追記.14.VIII.1991 "P"部局 第三課
承認済 20.VIII.1991 印字 NR: 1
署名 .................. S
課長 III-P-9-GRU D.NR: 23-VIII-1991
文書24-XII-1990に添付
責任者: スタニスワフ・ニコラエフ 生物学博士
詳細: 卵を2つ孵化させて一ヶ月飼育した。この時点で、体長は1メートルほどだった。マーシャル・カーター&ダークに殺された実例に見られた急速な成長は、ただのサーキックの魔術の結果なのらしい。

この2実例はお互いに敵対しており、引き離す前は互いを殺そうとしていた。実例は限定的ながら、もう一方の位置を探知する能力を見せた。この能力は長時間分断された後であっても確認された。

幼体の一方を簡単な命令に従うように訓練することに成功した。合衆国の都市に配備する際にはその方向へ対象を誘引することがより肝要になるだろうから、その目的のためにはこれで十分だろうと感じている。

幼体のもう一方に大量のシアン化物を注射して殺すことに成功した。焼却、失血、外傷を含む他の全ての終了試行策は失敗した。アメリカの都市に落とすにはピッタリだな。

訓練を施した"イカ・イスポリン"の幼体は超低温保管庫に留置されている。超低温保管庫がうまく機能した例は初めてだ。大方、クリーチャーの再生性質に助けられてのことだろう。"イカ・イスポリン"を被検体とする低温学の更なる研究は実施可能である。

更なる"イカ・イスポリン"の卵の孵化は計画に沿って進められる見込みである。現在は、さらに6体の実例の孵化と資質訓練が予定されている。

加えて、"イカ・イスポリン"実例のエーテル探知器官を摘出した。幼体は摘出されたいかなる器官も再生してみせたため、現在複製が8つ存在する。この器官は極めて敏感であるとみられ、戦術的利用に供するには更なる試験が必要とされる。

プロジェクト中止の通達 "P"部局 第一課
05.I.1992 D.NR:05-I-1992
文書24-XII-1992に添付
送付者: セルゲイ・ドラグノフ
受信者: スタニスワフ・ニコラエフ 生物学博士
詳細: ソビエト連邦の解体に続き、情報総局は規模の縮小が進んでいます。アメリカ合衆国との戦争という当初の目的は、もはやロシア連邦の指針ではなくなったため、多くのプロジェクトが停止されています。その上、精神工学部局への資金提供は打ち切りが進められており、過去に行っていた全てを援助する余裕がなくなってまいりました。

精神工学部局が重要目標の再調整期間に移行するのに伴い、OSI "イカ・イスポリン"は中止対象に選定されました。このプロジェクトは新たなロシア連邦の目的に一致しておらず、切り捨てられて然るべきとの決定が下されました。

この具体的な計画につきましては、以下のことをお願い致します:

  • 超低温にて保存されている全ての幼体の、シアン化物注射による処分。及び残骸の焼却。
  • 残存する全ての卵の、同様のシアン化物注射プロセスによる処分。及び残骸の焼却。
  • 摘出された全てのエーテル探知器官の、超低温保管庫への収蔵。

再調整・再編期間における皆様のご協力に感謝申し上げます。

プロジェクト更新 "P"部局 第一課
08.I.1992 D.NR:08-I-1992
文書24-XII-1992に添付
送付者: スタニスワフ・ニコラエフ 生物学博士
受信者: セルゲイ・ドラグノフ
詳細: 命令通り、"イカ・イスポリン"のプロジェクトに関する全ての資源を整理した。残る幼体7体はシアン化物の注射によって成功裏に処分した。残っていた12個の卵も同様だ。全て問題なく焼却が完了している。

保有していた13個のエーテル探知器官の複製は全て超低温保管庫に移動した。

伝えておきたいことがあるのだが - 私はまだこの後の新しい仕事、もしくはプロジェクトを割り当てられていない。いつもなら、プロジェクトが停止される時に、最初に命令を受けてすぐ新しい仕事を受け取る。これは手違いなのだろうか?

人事通達 "P"部局 第一課
09.I.1992 D.NR:08-I-1992
文書24-XII-1992に添付
送付者: セルゲイ・ドラグノフ
受信者: スタニスワフ・ニコラエフ 生物学博士
詳細: ソビエト連邦の解体に続き、情報総局は規模の縮小が進んでいます。アメリカ合衆国との戦争という当初の目的は、もはやロシア連邦の指針ではなくなったため、多くのプロジェクトが停止されています。その上、精神工学部局への資金提供は打ち切りが進められており、過去に行っていた全てを援助する余裕がなくなってまいりました。

以上の理由から、貴方の精神工学部局における雇用の終了を余儀なくされました。我々は貴方の[数字を挿入]年間の精神工学部局における勤務を評価していますが、もはや以前までの活動水準を維持するための資源を有しておらず、遺憾ながら貴方の雇用を終了しなければなりません。

1月16日付で、貴方は標準的健忘催眠処方を受け、精神工学部局における勤務に関する記憶を全て除去されます。情報総局の別部署における新たな勤務記憶が埋め込まれる予定です。

再調整・再編期間における皆様のご協力に感謝申し上げます。

From: プロメテウス 生物工学部門 ニコラエフ博士
To: プロメテウス 生物工学部門長 アレン管理官
Subject: 新プロジェクト


アレン管理官

今一度、プロメテウス研究所で働く機会をくださったことに感謝しなければなりません。西側諸国は私が期待した通りの壮大さであり、こちらの施設は私が慣れ親しんだものを優に超える充実した資金提供を受けています。30年分の記憶を奪われることを考えるだけでも耐え難いというのに、そのことを雑に個人名を当てはめただけの定型文で通知されたことは屈辱的でした。

ソビエト連邦と時を同じくしてゴミ箱に放り込まれた、私が精神工学について最後に手掛けていたプロジェクトにご興味がおありとのことでしたね。

このeメールに、この件についての私の研究メモを添付致します。Crocoteuthis gigantis標本 (と貴方が呼ぶもの) に関するものです。私は研究目的のため、卵から新たな個体を産み出すことに取り組んでおりました。

情報総局での私の上司は、それを兵器化することに最も関心を寄せていました。しかし、私には別の、より見込みのある利用方法があるように感じられます。プロメテウスが有する"第六生命エネルギー" (私がエーテルと呼んでいたもの) に関する記録によると、以前までにEVEを探知する自然的手法を発見されていないと承知しております。

しかしながら、C. giganticsの器官は超長距離からEVEに反応し、そのパターンを探知することが可能でした - C. giganticsは何キロメートルもの遠方からハイ・ブラジルの降下に気づいたのです。これは現在使用されるいかなるEVE探知機よりも正確です。

これらの器官は改変を施すことで生物学的な類似物に統合させることが可能となり、実地経験にて有用な追加感覚を付与することができると考えられます。

再びこのプロジェクトに取り組めるよう願っております - これは過去に大きな潜在価値を示したもので、無駄になるのは我慢がなりません。

スタニスワフ・ニコラエフ 生物学博士

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