「Dクラス職員の雇用と利用、管理の方法について」
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Dクラス職員の雇用と利用、管理の方法について


概説

 本稿は、財団における貴重な人材であるDクラス職員の雇用方法、利用方法、管理方法について基礎的な知識の学習と不適切な取り扱いについての注意を促す目的で作成されました。また、本稿は新人職員だけではなく、ベテランの職員も対象としております。

 Dクラス職員という、財団の中でも特殊な立場におかれている彼らについて初めに述べておきたいことは、「財団はすでに判明している過程や事実を調査するために、Dクラス職員の使用許可を出すことはない」ということです。例えば「人間が目視した場合、直ちに理由不明の心臓麻痺で死亡する」というオブジェクトがあったとしましょう。この場合、オブジェクトの効果が判明した時点でDクラス職員を使った実験は、オブジェクトに新たな効果があると判明するまで凍結されます。何故ならば、もはや人間を使った実験から得られる有益な研究成果は無いと分かるからです。

 Dクラス職員の追加使用許可が下りるのは、以下の場合のみです。
 

  1. 早急に対策が求められており、そのための実験に人間が必要な場合。
  2. 現在、効果が不明なオブジェクトであり、かつ調査に人間が必要な場合。
  3. 特別収容プロトコルに人間が必要な場合。

 気を付けてほしいのは、Dクラス職員の最大の利点が人間であるという点です。人間以外で代用できる実験や収容手順、調査などにDクラス職員の使用許可は下りないと考えてください。

雇用について

 Dクラス職員の主な雇用についてですが、暴力事件を起こした受刑者、特に死刑囚を雇用しています。その際にカバーストーリーが流布され、「死刑執行」「精神鑑定により無罪」「無期の禁錮刑」などが状況に合わせて適用されます。また必要に応じて、政治犯や軽犯罪者、緊急時にはホームレス、重大な疾患のある者、自殺志願者などの一般人も、便宜上Dクラス職員としての雇用許可が受理されます。雇用方法についてですが、犯罪者に関しては司法取引という形での雇用、民間人はフロント企業の治験や治療という名目で雇用されます。ただし、一般人の雇用を行った場合、倫理委員会による監査と精神鑑定が後に行われます。
監査について、職員は緊急時の職員行動規範に基づく保護を受け、また弁護の機会を保障されます

 Dクラス職員を雇用する際、必ず検疫と精神鑑定を行ってください。業務の遂行に問題があると判断された場合は、Bクラス以上の記憶処理の後、適切な処置を受けます。

Dクラス職員の職務

 Dクラス職員の職務は基本的に下記のものです。これらの職務は財団の専門スタッフが行うほど重要度の高くないものです。Dクラス職員は4~6人の班に分けられ、能力や雇用前の状態から職務を割り振られます。Dクラス職員が職務に従事している際は、二人の保安職員による監視と、必要に応じて専門スタッフ一名による監修が行われます。

  • セキュリティクリアランスを必要としない財団施設の清掃。
  • 財団サイトの重要ではない書類の整理。
  • 収容施設の建設作業。
  • 閲覧にセキュリティクリアランスを必要としない郵便物や電子メールの検閲。
  • 財団設備の修理。
  • 財団の制服の洗濯。

 全職員は必要に応じてサイト管理人に使用許可を申請して、許可が下りればDクラス職員を特別職務に割り振ることが出来ます。倫理委員会による特別職務割り振りについては████を参考にしてください。特別職務は下記のものです。

  • 生死にかかわる収容施設の清掃。
  • オブジェクトへの暴露実験。
  • 情報・ミーム災害の除染作業。
  • オブジェクトに汚染された財団設備の修理。
  • 空間異常への侵入、調査。
  • 特別収容プロトコルとして人材の消費。

 特別職務は少なくとも三人以上の職員が監視のもと行わせてください。また、サイト管理人は緊急時に、独断によるDクラス職員の使用を行っても構いません。財団の施設が破壊、もしくは機能停止状態になった場合、その施設の全てのDクラス職員は原則的に「解雇」されることとなっています。

Dクラス職員の管理

 
 全てのDクラス職員にはGPS機能付きの識別タグとジャンプスーツが支給されます。ジャンプスーツは毎朝シーツとともに交換されることになっています。これらの着用は義務付けられ、従わないDクラス職員は優先的に特別職務に割り振られます。識別タグとジャンプスーツは問題が無い場合、再利用されるので回収してください。
 全Dクラス職員の通常職務の終了時に、一度点呼を取って下さい。欠員が無ければ、荷物検査と検疫と標準的な心理鑑定を行い、問題が無ければ再度点呼をとり宿舎に向かわせてください。特別職務を行ったDクラス職員は職務による影響がみられなくても、問題が無いと判断されるまで隔離、もしくは「解雇」されます。
 Dクラス職員の宿舎に必要な施設は独房連、食堂、娯楽室、シャワー室のみです。これ以上の施設は現在まで必要とされていません。独房の設備は、電子施錠式のドア以外は一般的な刑務所のものと変わりません。シャワー室や食堂についても一般的なものと変わりありません。娯楽室では将棋やトランプなどのボードゲームとビデオ映画が提供されます。
 月末にはセキュリティ保持の観点から、Bクラス記憶処理を行い「解雇」または、再雇用が行われます。また、特別職務にて非凡な成果を残す、または特別収容プロトコルや実験に対し有用な技術を持っていると判断された場合、記憶処理を免れ、Eクラス職員としての再雇用が考慮されます。
 

※文責
サイト-81██
結城 久磨
Kuma Yuki

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