サブカルチャー部門のオリエンテーション
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どうも皆さん。遥々物語緩衝層までご苦労様です。物語層の移動はかなり負荷が掛かりますから大変だったでしょう。

まずは机にあるお茶を飲んで、深呼吸でもして下さい。黄泉竈食ひよもつへぐいというわけではないですが、この物語層における現実子1を少しでも体に取り込んで下さい。この現実に定着することで吐き気も少しは治るでしょう。

…。

落ち着きましたか、ではそろそろ話を始めたいと思います。
改めまして自己紹介を、私の名前は有原 真琴、サブカルチャー部門の部門統括を一任されています。ここサイト-81ST2では"物語プロフェッショナル"としても働いていますね。…ああ、聴き慣れない単語かもしれませんが、SCP財団における収容プロフェッショナルと似たようなものだと考えてくださって構いません。

さて、我々が「何を我々が行うか」を説明する前に、「何故我々が誕生したか」を説明する必要があるでしょう。
我々サブカルチャー部門は空想科学部門による提言によって発足することが決定しました。参考資料として過去に空想科学部門により記されたレポートから関連部分を抜粋しましたが、読まなくても問題ないのでスルーして下さって構わないです。とりあえず一番下の資料だけ読んで下さい。

まあ要するに、「SCP財団の読者を何とかして保とう!」という話ですね。その提言を以って、SCP財団に多様性を持たせる為にサブカルチャー部門が誕生したのです。

故に、我々の活動指針はたった1つ。

『読者を飽きさせない為、SCP財団の本来の作風メインカルチャーとは異なった作風サブカルチャーの物語を創作することで多様性を齎し、SCP財団の存続を担う』

この1点に尽きます。我々の仕事はSCP財団の存在する全ての世界を救うことに繋がるのです。
もしも皆さんが期待していたなら申し訳ないですが、同じメタ的な部門である空想科学部門や演繹部門のように劇的な仕事を行うことはありません。
空想科学部門のように悪意ある著者達に対抗するわけでもなく、演繹部門にように"全ての世界"に於いて一貫した真理を探究できるわけではありません。

我々は物語を紡いでいくことが仕事です。
しかもただ単に物語を紡ぐのではありません。新しい概念、サブカルチャーを生み出さなければならないのです。今まで我々が創作してきた具体例では、「ifの歴史を紡ぐ物語」である『カノン』や「要注意団体視点の物語」である『GoIF』などが挙げられます。どれも前例のない全く新しい概念です。

0から1を生み出すような非常に大変な仕事ですが、物語を生み出すのヒントはそこかしらに転がっています。我々はただサブカルチャーを記すだけではありません。常にメインカルチャーの研究を行い、そこから新たな物語を生み出しているのです。

『カノン』というサブカルチャーは、「人には人のカノンが存在する」というヘッドカノンメインカルチャーから想起された物です。
『GoIF』というサブカルチャーは、「要注意団体」という財団以外で異常存在に触れる概念、「tale」という財団でない人々の視点でも描ける物語、「SCP記事」という一定のフォーマットで記される形式、これらのメインカルチャーから誕生した物です。

もし行き詰まったならこの言葉を思い出して下さい。
『故きを温ねて新しきを知る』
この言葉がきっと新たな物語を紡ぐ手助けになるでしょう。

今日のオリエンテーションはこれで終わりです。
サブカルチャー部門へようこそ。世界を救うため、今日から執筆に勤しみましょう。

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