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辿り着いたお菓子の家。

無残にも弟はぶくぶくと太らされ、恐ろしい魔女に食べられてしまいました。

ドアの隙間からその様子を見てしまったグレーテルは恐怖します。次はきっと、自分だと。

グレーテルは必死に考えました。

そうして、魔女もこの家のようにお菓子で出来ているのではないかと思いつきました。

グレーテルは隙を見て部屋に入り込むと、魔女の右腕に噛みつきます。すると、グレーテルの口いっぱいに程よい甘さと酸味が広がりました。

それは、イチゴジャムがたっぷり入ったパンでした。それは、グレーテルが今まで食べてきたパンよりも、とても美味しいものでした。

魔女の右腕を食べ尽くしたグレーテルは、左腕、右足、左足と、次々に魔女を食べていきます。

そうして魔女を完食したグレーテルは、魔女を倒すことが出来たのです。
 

 

「…それでそれで!その後はどうなったの?これで終わりではないんでしょう?」

「まあ!なんて欲張りで感の鋭いお嬢さんかしら。貴女はきっと、この話のグレーテルのように素敵な女の子なれるわ。」

「本当?わたし嬉しいわ!ねえ、それで、このあとグレーテルはどうしたの?両親の元へ帰ったのかしら?それとも…。もしかして、今度はグレーテルが悪い魔女になってしまったとか?」

「いいえ、私が語るのはこれでおしまい。」

「どうして!…わたし、わたし、続きが気になって眠れなくなっちゃう!」

「あら、続きがないとは言っていないわ。██、貴女がこの先の物語をつくるのよ。」

「…。わたし、お姉さんみたいに上手にお話書けない。」

「嗚呼!泣かないで小さな作家さん!大丈夫、初めはみんな貴女と同じよ。」

「本当に?お姉さんも?」

「ええ、ええ!それに貴女はとても想像豊かで才能があるもの。きっと、私が想像出来ないくらい素晴らしいものをつくれるわ。だから、お願いできないかしら?」

「…分かったわ!わたし、お姉さんみたいに素敵な物語ができるように頑張る!」

「その言葉を待っていたわ、貴女は本当にいい子ね!…それじゃあ、私から小さな作家さんにプレゼント。」

「わあ!とっても綺麗な飴ね!わたし、飴がお菓子の中で一番好きなの。嬉しいわ!」

「喜んでくれて嬉しいわ。ほら、その可愛らしいお口を開けて、██。良い物語をつくるのに甘いものは重要でしょう?」

「ありがとうお姉さん!この飴、とろけるように甘くて美味しいわ!」

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