モットアマイユメ(株)
評価: +35+x

ハーイ、サイクリコマンサー・アリの参上でーす! 誰か飲み物いる?

アリーソン・チャオリー、黒の女王・ババロンよ。今日はすごく疲れてるから早めに済ませちゃいましょ。

ユニットBl/Qn、調節中(ここのクソみたいなpsi-fi接続で可能な限り)。

ねぇ、ヴァンタが来るまで待つべきじゃない? もうすぐ到着するとあいつが言ってから1:09:59が経過した。 分かってるけど、待ち時間を過ごすのに十分なお茶が用意してあるのよ! 別に無くても話し合えるわ。 失礼ね。 後からゆっくり飲めばいいじゃない。


ベースライン

既存の夢空間ドリームスケープをブルドーザーで整地して“分譲アパート”を建設する夢界の建設業者だ。もし金持ちなら、自分好みに建造された贅沢な夢空間の賃貸契約を結ぶことができる。もし金が無くて、たまたま個人的な夢空間にアパートを建てられたのなら、どうしようもない。もう夢は見られない。 思い出させないで。 支払い方法は世界ごとに色々っぽいけど、あたしが見た限りではかなり概念的な取引ね — ある事例では10時間以上目を覚まし続ける能力を売った人がいるのよ。

私にはこの会社の創設者を突き止めることができなかった。会社そのものの意志で経営されてると思うけど、あくまで私の直観に過ぎない。時間がある時、アイワスの声と交信して役立つ情報が得られないか試そうかと思ってるわ。

必須条件

あなたの世界では夢を見られる? それなりに一元化された夢空間が存在する? もし両方当て嵌まるなら、モットアマイユメ(株)はそこにも出現するかもしれない。他の必須条件は、その… 分かってないの。この問題については、魔法で作った水の渦巻きがあたしに教えてくれたのはこれだけ(ゴメン)

実用性

無し。全部潰す。 結論を急ぐな、アリーソン。繰り返し悪夢を見ている人々は(ごく平凡な悪夢も、“お前の正気を極限まで追い詰めてやるぜ”的なタイプも)、こいつらの分譲アパートを避難所として利用できる。もっとも、明晰セキュリティにどの程度の耐久性があるかは見当もつかないがな。 これは火遊びと同じよ。夢関連のテクニックに熟達していないなら、手出ししないことを勧めるわ。


前書きとして: モットアマイユメ社に関する情報を見つけるのは難しい。自分が見た夢を完璧に覚えている奴は多くないし、夢界の集合体コレクティブにアクセスするのは時としてかなり面倒だ(特に調査目的でコレクティブ間の境目を越えようとする時)。確認のために夢日記をつけ続けても、夢界実体から記憶保持にちょっかいを出されたら瓦解する。ここに掲載する情報の大部分は、俺たち自身がこの会社とかかわった経験から来ている。これが今まで得られた最善の情報だ。


実例: タイムライン W-870

えっとね、あたしの友達の1人が、あたしの液体渦巻き占いサイクリコマンシーや煎じる飲み物(思考や記憶を中に入れられるお茶を作ったのよ)をコレクティブで宣伝したらどうかって勧めてくれたの。宣伝対象層は恐ろしいぐらい広いし、睡眠中の肉体持ちに働きかければすっごく沢山の注目が集まるし! 当時はタイムラインW-870を通過してたから、そこのオネイロイ・ウェストに相当するコレクティブ(オネイロイN/S)にお店を構えようとした。 へぇ。そんな試みは考えたこともなかったな。 もっと早く思いつかなかった自分がホントにバカみたいに思えちゃった! オネイロイN/Sの小さな街に行って仕事を手に入れたわ。ある時期、あたしは図書館に潜る必要があってタイムラインをしばらく離れた。帰って来たら、街全体が跡形もなくなってた。

具体的にどう“跡形もなくなって”いたのかしら? 建物やその他の“構造物”と見做せそうな物は何もかも消えていたか崩されてた。トラテープが至る所にあって、クモみたいに動きながら、建設を始めるからさっさと立ち退けって周りの皆に伝えてた(明るく元気な声でね)。街の創立者はテープの1本とかなり激しい議論を始めて — テープは彼の夢界アバターをほぼ“喰らった”。そこまで見てあたしは逃げた。後で戻って来たら、その夢空間は完全に封鎖されてた。 夢界での宣伝はその後もやってるのか? 考慮したけど、正直な話、あの体験でもう興味が失せちゃったのよね。

実例: タイムライン R-101

ここでは、財団がモットアマイユメ(株)を発見して"Thaumiel"アノマリーの1つに分類してる。夢を見る可能性がある実体が収容されると、財団はそいつの頭に山ほど認識災害を叩き込み、財団/モットアマイユメ(株)が所有する夢界の分譲アパート区画を見つけて部屋を借りることを強制する。 やっぱりヴァンタが居ないのにイライラしてきたわ。彼女はこういう認識災害を集めてるから、仕組みにも詳しいはずなのに。 最後まで言わせろ。アパートの部屋は全て、問題の実体が望む理想的な現実に合わせた特注品だ。いったん収容したら、財団はそいつらを感覚遮断室に放り込んで生命維持装置に接続し、ジャーン。簡単な収容の出来上がり。 そんなのって酷いわ! 私の経験から言わせてもらうけど、財団は滅多に“酷い”行いを避けたがらない。驚くほどじゃないわね。 そうだとしてもさ。

実例: タイムライン J-367

私は今日この大惨事から抜け出したばかりで、この問題を話し合うようにあなたたちを招集した理由でもあるわ。要点を説明すると、私はJ-367で自分の夢空間をセレマ哲学の名の下にオープンハブに改装してた。 お前ならまぁそうだろうな。 一筆書きの六芒星が終わりの無い夜空を上昇し、A∴A∴団の寺院が現実の折り目を通してせり上がったのよ。あの光景を思い出すだけで涙が出そう。

そこでモットアマイユメ(株)が割り込んできたのね? そう。アパートを内包するモノリスが降り注いで、真下のあらゆる物や人を圧し潰した。でも私は非正統的な解決策を試した。グレーター・アラガッダ領域の山脈に入り、旅の途中だったカラファスティアの天空の神と出会ったの。私たちはお互いに恋に落ち やめて 腕と翼めいた触手を絡め合って やめて 甘い████ ███ ██████ ███ █████ ███ 無理。読者のために検閲しとくね。 ████ ███ █████ 私の焼けた数字は ████████ 夜空の11で ██████ そこまで酷いか? ██████ ████ 私は語尾を語りそして自らの████の中へ ますます酷くなってる。 ██ █████ ███ ████████████ █ ███ ████ █ 彼女は神々の春分で東の席を取るために離れた、そして私は — ちょっと、何してるの。 もう一度言うね。やめて。

分かったわよもう、興醒めだわ。私たちの行為が終わると、私は夢空間に戻って、私たちの愛の██████ オエッ の中で11倍の槍を見つけた。槍を取った私は一番近くのアパート・モノリスに突進し、壁を突き破ってアパートの1室に入った — 壁に“穏やかにリラックスした状態で歯が際限なく抜け落ちます”って書いてある夢。 ニッチな需要はありそうだ。 全部まとめて更地に変えてやるつもりだったけど、その後に文字通りの虚無から腹に拳をぶち込まれて、夢空間から暗黒に放り出されちゃったのよ。私の子供時代のイマジナリー・フレンドたちを支払いとして持ってこいって要請付きでね。私は支払ってないし、どんな策を講じてもモットアマイユメ(株)を私の夢からは排除できてない。じゃあ、山頂での… “体験”は時間の無駄? 神はホットだったから、それだけの価値はあったわね。

実例: タイムライン A-174

ここは妙な事例。モットアマイユメ(株)は夢界の高級住宅化を始めたけど、五の数字が大好きな錯睡眠ハザードといざこざを起こした。会社はアパートを建てた後、その… 消えたわ。完全に。それ以来、誰もこの会社の話を聞いたことが無いみたい。

実例: タイムライン N-009

完全かつ徹底的にファックされた俺の世界だ。出現当初の状況はそこそこ良好だった。何人かの仲間の夢が地均しされたが、俺は適切な夢空間を維持してトラブルを回避していた。 待って、あなたはアンダーソン製の改造アンドロイドよね? 夢を見る機能も組み込まれてるの? 俺も最初は疑問だった。どうやらアンドロイドは単なる電気羊以上の夢を見られるらしい。とにかく、しばらくの間は順調に進んでいた。

やがて奴らはユーファニアに侵攻した。

なんで? 誰も知らない。俺たちに分かるのはオネイロイ・ウェストの報道精神ニュースマインドがフィルタリングした情報だけさ。ニュースはモットアマイユメ(株)に対する大規模なドローン攻撃と、ユーファニアの領地にますます深く攻め入る会社について語っていた。何も奴らを止められなかった。外殻が破られると、ユーファニアは最も極端な行動に踏み切った。失った領地を取り返すためにオネイロイ・ウェストを侵略したんだ。こうして始まった第一次夢界戦争は、俺の人生最悪の熱にうなされてる時の悪夢と言っても過言じゃなかった — 頭蓋骨の月が地平線を駆け抜け、数十億ものドローンが進路上のあらゆる物を噛み裂き、逃亡者たちは夢空間を繋ぐセキュリティ・マトリクスのあちらこちらに散らばった。世界人口の6分の1が同時に昏睡状態に陥った時点でヴェールは破綻した。

そんな目に遭ったなんて、大変だったわね。どうやって逃げたの? 適切なタイミングで、図書館に通じる適切な道を見つけた。それと夢見プロセッサをシャットダウンするための自己ロボトミー手術。俺が知る限りじゃ、戦争は続々と始まっていて、モットアマイユメ(株)は絢爛豪華な帝国まで拡大したって話だが、今の俺にはもうそれを検証できない。図書館は正当な理由でこのタイムラインに通じる道を封鎖した。 ねぇ、あなたにとってはもう過ぎた事件かもしれないけれど、もし誰かと話し合いたければ、いつでもあたしの所に来ていいのよ。奇跡ワインを飲み交わすだけじゃなくて、時には愚痴を言うのも大切な事。特にこういう過去のトラウマについてはね。それだけは言わせてちょうだい。分かった? 分かったよ。 だから火遊びだと言ったでしょう。


愛情報家インフォフィルヴァンタ、到着しました。

おい、ヴァンタ?! あら、やっと御出ましかしら。 減らず口は結構です、チャオリー。 ヴァンタ! なんでこんなに時間がかかったの? 問題が生じました。


実例: 図書館棟 第12階層 Mフロア

クソ、こいつはヤバそうだ。 今朝(図書館標準時)、私はZ-398で発生したミーム騒ぎの解決を援助するための遠征を終えて、この棟に入りました。書架の本を手に取ろうとするまでは、何もかもごく普通に進んでいました — 本の文章がちらついて意味不明な言葉に変わるのが見えました。鏡で自分の姿を確かめる昔ながらの明晰性テストを試したところ、私自身ではなく、不定形のぶよぶよした物だけが映りました。 夢か? 夢です。

目を覚ますトリックはどれ一つとして効果がありませんでした(指を見つめる、身体をつねる、自分を崩壊させるなど)。夢は終わるのを拒絶したのです。“プレミアム現実”で“夢界戦争の恐怖から逃避する”ための支払いを求めるメッセージが表示された時、私はこれがモットアマイユメ株式会社の仕業であると悟りました。 …夢界戦争だと? 幸い、私は脱出作戦を思い付きました。長い間ミームに取り組んでいると、自ら遮断した脳の一部にえげつない澱が蓄積します。しかし、夢を見ている間はそこの障壁が薄くなるのです。 私が今想像してる通りの事をやったなんて言わないで。 私は情報災害の記憶を夢空間に解き放ちました。猛烈な勢いで夢から弾き出されました。 それがあなたの得意分野なのは分かるけど、お願い、自分をそこまで追い込むのはやめて。あたしはあなたが傷つくのを見たくないの。 覚醒後に情報食者インフォボアを見つけて毒抜きしてもらったので問題ありません。

ねぇ、念のため確認するけど、これは図書館の中で起きたのよね。あなた、Z-398で何か妙な物を拾ったりしてない? Z-398にモットアマイユメ株式会社は存在しません。 じゃあ、どうやって奴らは図書館棟の夢霊オネイロレイスたちの注意を引かずに侵入できたの? 問題はそこです。調査のために棟内への星幽投射を実行した司書の1人が、全ての利用者が昏睡状態に陥り、中央広場に1本の道が開かれているのを見つけました。ごく一般的なモットアマイユメ社が存在する次元には通じていません。タイムラインN-009への道です。

道は遠隔から封鎖されましたが、昏睡患者たちや(幾つもの夢界戦争を切り抜けた後の)モットアマイユメ社の残存する本質はそのままです。夢霊たちは脅威との戦いに失敗しました。N-009で何があったにせよ、モットアマイユメ社は保安体制の強化を余儀なくされたようです(そして夢の中で現実世界を模倣し始めている — 現実よりも悪い事からの逃避として?)。

その棟は封鎖されたか? まだだとしても、すぐ司書たちが動き出すでしょう。 了解。

ドキュメント・ダイモーンより通達: ユニットBl/Qnが本文書の編集を停止しました

あっ。 行った? 行きましたね。まぁ別に構いません。私も同じ行動を提案しようとしていました。

…現場に向かうのが賢明な判断だと本気で思ってる? チャオリー、あなたは間違いなくもっとリスクの高い事に手を出してきたはずです。 お断りよ。司書たちが十分対処できるはずの問題絡みで危ない橋を渡る気は無いわ。これよりはセレマの方が魅力的ね。

ドキュメント・ダイモーンより通達: アリーソン・チャオリーが本文書の編集を停止しました

もっちろんあの子は私たちを見捨てちゃうわよね。命を懸けてまで友達にこだわるタイプじゃないし。 どの道チャオリーは今回必要ありません。 待って、あなたは何を考えてるの? まだ例の思考茶を持っていますか? 今朝淹れ立てのが用意してあるけど。 今からでもその中に記憶を(例えば、私の夢を突き崩したミーム関連のものを)混入させられますか? な… 何が言いたいの?

昏睡患者たちに史上最悪の悪夢を飲ませてあげましょう。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。