罪団 ハブ

ひとたびボタンを押すだけで世界が終わってしまうかもしれなくとも、今この瞬間にも混沌がその封印を破って世界に解き放たれるかもしれなくとも、財団は手を緩めることなく現状を維持すべく働いている。名声や栄誉が無くとも、ただ理想と人類への責務のために彼らは立ち続ける。だが中にはそれ以上を望む者がいる。財団の大命を無視してでさえも、私腹を肥やす機会を伺う者がいるのだ。

金こそが、歴史の流れを決める最大の要因だ。
- カール・マルクス

足りない者には、何も足りることはない。
- エピクロス

罪団

— シモニア —

このカノンが描くのは、犯罪、汚職、不正に塗れた財団だ。定評のあるサイトを見たなら、コインを投げてみるといい。その膨大な活動の中に違法行為が紛れ込んでいるか？ 異常麻薬を密造しているか？ SCPオブジェクトを盗難しているか？ あるいは他にも、見てみぬふりや監督不行届きで抜け落ちた件があるのだろうか？ それらの有無は、コイントス程度の確率なのだから。誰かが権力の座にいるのなら、汚職かはたまた完全なる無能であるかで、そいつはほぼ間違いなくその座にいてはいけない人物だ。このカノンでは不条理や悲劇を嘲笑ったっていいし、お望みとあらばシリアスにしたっていい。どちらもカノンの範囲にぴったりと合致している。

(⚠️ = スポイラー)

作品

推奨される読み順

• W Ośrodku PL-101 bez zmian — ThatGuyRichard
• SCP-PL-295 — Null — Fedorian
• Dokumentacja Bezpiecznej Placówki: Strefa PL-34 — Dr_Moist does not match any existing user name
• Dokumentacja Bezpiecznej Placówki: Ośrodek PL-101 — Dr_Moist does not match any existing user name
• PanKuronium — Fedorian
• SCP-PL-299 — 時々幸せのためにおばあちゃんとピェロギを何個か作れば十分なんだし。 — Fedorian

施設別文書

サイト-PL-101

• Dokumentacja Bezpiecznej Placówki Fundacji SCP: Ośrodek PL-101 — Dr_Moist does not match any existing user name
• W Ośrodku PL-101 bez zmian — ThatGuyRichard

エリア-PL-34

• Dokumentacja Bezpiecznej Placówki: Strefa PL-34 — Dr_Moist does not match any existing user name
• SCP-PL-295 — Null — Fedorian
• PanKuronium — Fedorian
• SCP-PL-299 — 時々幸せのためにおばあちゃんとピェロギを何個か作れば十分なんだし。 — Fedorian

⚠️ 参加するには

ノリで構わない！ このカノンは柔軟性を念頭に作られた。とはいえ、執筆する際は以下の事項を考慮するように。

• 財団、汚職、人間の性サガを嘲笑え。財団がどうなろうとしったこっちゃない、出世階段を駆け上がることしか頭にない連中が財団を運営しているということは──人材の不幸な損失を招くとしても──本当だし、矛盾するようだがそれほど悲劇的でもない。だからそんなの笑い飛ばして、出てくるキャラクターをコミュニスト呼ばわりしたり、祖父がナチの国防軍にいたかどで貶してやりゃあいいのさ。

• いつか連中が目を覚まし、警告も止める術もなく終末が訪れるのだと知っていれば、誰だって世界を救うことなんざどうでもよくなる。金、野心、ブッ飛んだ欲望、誰もがそのためなら何だってできるものを抱えている。たとえ財団の理念を打ち砕き、何人か民間人が闇の中で死のうと知ったことじゃない。

• サイト-PL-101、エリア-PL-34、そしておそらくもっと多くの施設が麻薬取引を行っている。代表例は高中毒性の記憶処理薬 (エリア-PL-34) とミームエージェント (サイト-PL-101) だ。

• 前述の理由から、エリア-PL-34とサイト-PL-101は常に領土紛争を繰り広げている。財団本体の目に止まらないように、上手くやりつつだ。両施設ともに独自の手段でやっている──“レギア・ポドラシュ”なる非実在組織の名前で戦ったり、相手にA.R.G.U.S.を差し向けたりとかな。だがこれらの財団内陰謀団ファウンデーション・カバールを隠し通すうえで最大の問題がある。監査官インクイジターだ。連中はとかく口煩く、時々“休暇”をくれてやったり、あるいはバカみたいな額の賄賂をやらないといけない。

• 作品の舞台となったのが、財団本体の対汚職部隊にそうした行為が見つかる前か、見つかっている時か、見つかった後かを決めておけ。前なら、犯罪行為は隠蔽され、“正式な”財団文書にほのめかされるにすぎないし、後なら詳細まで語られる可能性が高い。

• 財団で権力の座に就いているやつは皆、決してそれに値する人間ではないし、最もそれに相応しくない連中だ。

• やりたいようにやるといい。だが覚えておけ、これは人の欲望についてのカノンであって、悪、大いなる善、倫理の放棄についてのカノンじゃない。

⚠️ 歴史

大部分は解釈次第だ。

⚠️ 組織・人物

組織

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財団内陰謀団ファウンデーション・カバール

財団内で活動し、その資源や世界的影響力を私利私欲の犯罪に利用する集団。カノン内の二大巨頭は、現在、サイト管理官アガサ・ドブロフスカが支配するサイト-PL-101のカバールと、エリア管理官フェルディナンド・チャーチルが支配するエリア-PL-34のカバールだ。とはいえ、他多くの世界中の財団施設も同様の犯罪に走っていることが強く示唆されている (し、そう考えてもらって構わない)。

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レギア・ ポドラシェ

元々は財団内カバールがより公的な活動に隠れて行動する際、財団本体の注意を彼らのすぐ足元で行われる犯罪行為から逸らすための煙幕として活用される、架空のサッカー・フーリガン集団だった。

やがて、不幸な出来事が続いたことで、一部の民間人がこのサッカー・フーリガン組織の噂を聞きつけ、その一員になりたいと考えた。だが非実在組織である都合上、集団に参加するルートがどこにも見つからないので、彼らは独自のレギア・ポドラシェのセルを作ることにし、図らずも財団内カバールの制御下にない実在団体としてレギア・ポドラシェが生まれてしまう。

それ以来、レギア・ポドラシェはいくつもの表世界の事件に関わってきた。サッカーの試合関係がほとんどで、類似の他組織に喧嘩を吹っかける事例が多い。レギア・ポドラシェが普通のフーリガン集団と異なるのは、自身のチームを支援したり、他組織と抗争するために、時折異常なオブジェクトを使うことがある点だ。彼らは異常や異常界について多くを知っているわけではなく、使用しているオブジェクトの超自然的な効果について極僅かな情報を知るのみだと考えられる。

人物

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アガサ・ドブロフスカ

サイト-PL-101管理官のドブロフスカ管理官は、若くも機知に富んだ、非情な人物だ。彼女は温かな笑みと見事な効率性の下で施設を運営すると同時に、ポーカーフェイスと不可視の鉄拳で以て犯罪組織を率いている。彼女の第一目標は、最大のライバルであるエリア-PL-34管理官 フェルディナンド・チャーチルの犯罪ネットワークを失墜させることだ。

彼女の非情性は度々部下に行わせる積極的で計画性の高いミッションに見て取れる。滅多に躊躇せず、決して目撃者を逃さない。それらは常に冷酷で残忍な効率・計略の下に実行される。活動中こそ非情だが、必要な時は度がつくほどの慎重っぷりであり、組織のメンバーと関わることは滅多になく、ほとんどは彼女がカバールに関わっていることすら知らない。

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フェルディナンド・チャーチル

エリア-PL-34管理官、フェルディナンド・チャーチルはご高齢の頑固な老人だ。彼は施設の運営にほとんど手を割いておらず、もっぱら最低限のメンテナンスのみを行い、残るリソースのほぼ全てを犯罪活動に注ぎ込んでいる。新たな競合者であるサイト-PL-101には苛立っており、フェルディナンドは自らの昔ながらのやり方こそが優れており、界隈の新参なんぞには手に余ると堅く信じている。ところで彼は根っからのコミュニストでもある。フェルディナンドはエリア-PL-34での犯罪活動が知られているかどうかをあまり気にかけず、脅迫や賄賂で職員全員をきつく縛り付けている。彼は自らの権威に屈さぬ人間に対しては冷酷かつ残忍になり、屈した人間に対してもいつもの頑固さを崩さない。

⚠️ 施設

サイト-PL-101

サイト-PL-101は仕事を遂行するプロフェッショナルについて、ややシリアスよりの話を書きたい方に向いている。ここは、長年この仕事を続けてきたエリア-PL-34と比較すればまだ小さな犯罪帝国だ。とはいえ、サイト-PL-101はバルト海における財団の主要輸送拠点として運営されており、既にサプライチェーンが確立済みだという大きなアドバンテージを有しているため、これは間もなく変わるかもしれない。サイト全域が近代的、最新、清潔で、ドブロフスカ管理官は財団本体の目にとって効率的で好感のある施設であることの重要性を理解しており、ここには小規模ながら考古学部門と鳥類学部門も置かれている。

強欲なアガサ・ドブロフスカの主導によって、サイト-PL-101はごく短期間のうちにエリア-PL-34の最大の競合者にまで成り上がった。彼女は現在の小規模で限られた活動を続けるつもりは無い。サイト-PL-101は急速に拡大しており、チャーチル管理官はこのことを警戒している。

エリア-PL-34

一方のエリア-PL-34は、サイト-PL-101の真反対だ。こちらはよりユーモラスな作品を書きたい方に向いており、一般的に職員は無能か、ただのまぐれだけで上手く行っている人間として描写される。

この施設の運営は非効率的だ。控え目に言ったところでも、数十年前、ポーランドがまだコミュニストの支配下にあった頃に設立されてからそうだった。ここでは万物の焦点は菌類に向いている。エリア-PL-34は菌類を収容し、菌類を研究し、菌類を愛しており、菌類以外のものはここには収容なんてされない。この施設はたいてい“進むがまま”の原則で動いており、内部設備全体が古く老朽化しているうえ、必要最低限のメンテナンスだけを受けているといった有様なのに、誰もが驚くことに今日まで機能し続けている。財団本体に発覚する以前のほとんどの犯罪活動は、チャーチル管理官の権限下で働く職員たち (これには危険な実験に割り当てるぞと脅されたDクラス職員も含まれていた) により行われており、この間当人はオフィスで居眠りして飲んだくれてばかりいた。