脅威ID: LTE-3503-Silver ("Vector/ベクター")
認可レスポンスレベル: N/A (破壊確認済み、記録書庫入り)
概要: 対象は欧州系混血女性。以下に示す常軌逸脱を除き、他全ての面において一般的人類に準じる。対象死亡時、身元証明書は発見に至らずとも、状況証拠から、対象は凡そ19歳のアメリカ人女性であると判明。
対象は"Type Silver"感染性危険源であった。(これは単細胞、およびより原始的有機体に限る。)対象はあらゆる形態の細菌またはウイルスの抗体を備え、なおかつ感染者からそれら細菌、ウイルスを抽出する能力、上記のような微生物を他者に感染させるほど体内で培養させる能力も備えていた。これに加え、対象は病原菌を風媒生のエアロゾル化し他者に伝染させることも可能であった。
粛清時点では、対象は一千以上の病原菌のホストであり、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)、数十種類のインフルエンザ菌株、ならびに数例の大腸菌、腺ペストを保有していた。
粛清: SARSパンデミックの期間中に中国本土で対象と初接触。この時、対象は隔離区域を通りかかっているのを目撃された。この隔離区域で感染者と近距離接触を行っており、この時、前記の感染者が異常に急速なペースで病状から回復したのをもって、当人物をレベル0要注意人物に分類。
この後アフリカにおいて、”ザイール”でエボラのアウトブレイクの期間に対象と遭遇。 再び、感染者と近距離接触を行っているのを目撃。また、感染者は通常生命にかかわる段階までエボラが進行していたのにも関わらず回復した。ここで、GOC評価班"Jellybean/ジェリービーン"は対象と初期接触を行った。場所は南アフリカ、ヨハネスブルグの当人物のホテルの一室。これが班長"Cotton/コットン"を壊死性筋膜炎による死亡を招いたために、同時点で残りの班員の携行武器で対象を射撃、よって対象の生命を終了させた。
対象の宿泊ていたホテルの一室の、レベル4バイオハザード脅威が宣言され、WHOの高速応答部隊が当地域を確保、滅菌するように派遣された。対象の所持品をさらに調査した所、個人声明文を発見。以下がテキストの写しである。この声明文は、対象がドイツの未知の都市で保有する伝染性の病原体を開放した後に、投下することを予定していたと考えられている。
対象の死に際して、身元を特定するための情報は発見できなかったため、情報統制措置は不要であった。当該事件簿は██/█/█で決着。
附則1: 個人声明文の写文
資本主義のデブネコ、ケツの穴、羊の民、寡頭政治の独裁者諸君。
今、怒れる女子のちからをご覧になったことであろう?今、国家が慚愧を完全に忘れた時、何が起こるのか、ご覧になったことであろう。600万のユダヤの命が復讐が為に叫ぶ。なおものさばり続け、太り、呑気に生きるドイツは、今も殺した子供達の血を飲み続けているのだ。それも昨日までのこと。今日、ナチのファシストどもは自らの薬を呑み、味を知ったことであろう。そして次は、諸君たちだ。
諸君に私を止めることは出来ない。諸君が私を御すことは出来ない。私は森羅万象である。私の要件を呑めないのならば、ドイツはただの始まりに過ぎない。防ぎたいと思うなら道はただ一つだけだ:糞ったれの真似はやめて、とっととやれ!
1. 余りにも多くの人が貧しく過ごし、腐った飯と汚水を飲み暮らすというのに、一方でデブの金持ちビッチはショッピングモールのカフェテリアのゴミ箱に、トレイの中身の半分を捨てている。辞めさせなければならない。何人たりとも空腹にするべきでない。金持ちのファックどもは街頭に引き摺り出され、通りに磔にされる必要がある。
2. クジラたちが日本のクソどもに一体何をしたというのか?日本の食人種が、クジラの大虐殺をやめないのならば、東京に再び原子爆弾を落とすことを考える。
3. 今すぐ、地球温暖化を止めろ。石油会社どもは、母なる大地をゆるやかに絞殺することで利益を挙げている状況を見なおさなければならない。どうせ、誰も車を必要としない。温室効果ガスを今すぐ禁止しろ、さもなければ本当に呼吸が出来ない時にどうなるか、熱が上がるとは何かを思い知ることになるぞ。
何も難しいことではない。これの全てが、とっととやれということであり、マジ糞ったれ真似をやめるために必要なことだ。
私は諸君たちを監視している。そして待っている。
ベクター。
文章の署名には、ぞんざいに描かれた手書きのバイオハザードシンボルが附されていた。
脅威ID: KTE-1027-Grey ("Skulljumper/スカルジャンパー")
認可レスポンスレベル: 3(中度脅威)
概要: 人類の中枢神経系(CNS)に酷似した有機体であり、人体外での生存に順応している。当有機体は脳、脊髄、神経系からなり、これに視覚、聴覚の感覚器官が連結している、人類種から常軌逸脱している点は、髄鞘が肉厚化しているという点、全身が神経膠でコーティングされており、なおかつ神経伝達物質を浸透できるという点である。当有機体は、以下の神経伝達物質に依存して生存していると思われる:接触によって浸透現象に似たプロセスを通じて、補給を行っている。これの遷延性の寄生により、仮死状態、身体機能の不全を招き、結果として寄主の死亡に至る。
これは出芽繁殖に似たプロセスを通して繁殖する:ある程度中枢神経系が保全されている状態の死亡した人類に遭遇次第、当有機体は耳道を通じて直接対象の脳内に、改変ドーパミンを排出、及び150mV電荷を印加する。対象の神経系は寄主の本体から離れ、新しいKTE-1027-Greyとなる。
交戦規則: KTE-1027-Greyに指定されるものは射撃により終了させる。近距離接触は避けるべきである。当有機体は特段素早いということはないが、待ち伏せから攻撃を行うことが観察されている。少なくとも一例、GOC排撃班員が当有機体に内寄生され、同班工作員に敵意を抱き、結果として複数の犠牲者を出した。
KTE-1027-Greyが寄主の本体を用いて栄養補給することは、大いに問題を含む。人体寄主と余りにも近く接触しているために、射撃による終了で、寄主を殺害を伴わざるをえないと判断することが多くある。GOC指令1027-Grey-Alphaより、GOC工作員は当有機体の終了を寄主の生存よりも優先することが義務付けられている。第三任務(保護)懸念は、第一及び第二任務(生存及び隠蔽)要求に超越される。
広範囲に渡るアウトブレイクが発生した際には、神経毒の使用が効果的であると判明している。この状況に於いて、レスポンスレベルを3(中程度)からレスポンスレベル4(重度脅威)に拡大、工作員は上位当局から許可を得て、上記の神経ガスを用いた計画を実行するべきである。工作員は当然、非常事態に於いて必要な処置を取るべきであると期待されているが、その行動が査問会で見直されることがあるとは期待してはならない。
人事ファイル:フィールド工作員SK-107(退役)
Code Name: "スナップショット"
GOC Serial Number: 447-2109-Exeter-Manchester-Spade
活動記録
- 2006: 特定資産指令より、世界オカルト連合に雇用される。
- 2007: 合衆国特殊作戦”パンドラの匣”計画への異動を辞退。 レベル1訓練修了後、特殊事態を急速に発展させる。
- 2008: レベル2訓練を修了、特殊工作員”Masipag/マシパグ"として、特殊事態班”コディアック/Kodiak”の一員に加わる。
- 2009: GOCのセーフハウス"ウォーロック/Warlock”をLTE-1810-Casperから防衛する作戦にまつわる事件に関与する。GOC工作員数名の生命を救った件に対して賞が授与される。
- 2011: 常勤退役。予備役に配置。
- 現在、フリーランスの特殊事態エージェントとして務めている。フリーランスのポートレート、風景写真のカメラマンの一般人であるとしている。レスポンスレベル0と分類:四半期制で執り行われるGOC審査により評価。
技術評価
- 基本的な火器類に適切であると証明する。(ピストル,ショットガン,スコープ有、無のライフル,サブマシンガン,軽機関銃)
- 第一段階の操縦訓練修了
- 第二段階潜入,人的情報収集訓練修了
変性と才能
- 写真を透かし見ることによって、写真が撮られた場所をリアルタイムに見ることができ、写真の操作内でオブジェクトを操作することができる異例の能力を備えている。この声質の研究は進行中であるが、低レベルのType Green(現実操作)効果であると考えられている。
特筆すべき殺害記録
附録: 名誉解役勧告、人事担当取締役”ウクレレ”による
エージェント”スナップショット”は卓越した功績、名誉を残しつつ四年以上も奉仕を続けた。然しながら、ここ数ヶ月の間、野外勤務の要求が彼女のストレスと心理的障害を増長している。特に、人命に関わる件における、エージェント・スナップショットは何もすることが出来なくなる様に見られる。心因性の崩潰が後二年のうちに起こる可能性がありと見積もられている。
連合に役立つ人財を保持するために、私の勧告はエージェント・スナップショットを特殊事態に関わる現役を解任し、予備役に置くことである。エージェント・スナップショットはフリーランス制で世界オカルト連合に奉仕することに同意した、すなわち彼女の特別な才能を必要とした状況には招集される。
もう少し個人的な話し方で。この数年、私はエージェント・スナップショットが活動している事を視察する機会がたびたびあった。彼女の勇気、世界オカルト連合に対する献身は決して疑いようない。 エージェント・スナップショットの新しい人生が最高の運勢に恵まれていること、そして彼女の幸せと平穏を願う。
- 取締役”ウクレレ”