訳注:このガイドは本家で英語の記事を書く人向けのガイドです。当wikiで日本語の記事を書いたり、翻訳wikiで記事を読んだり、本家wikiの記事を翻訳したりする上では役に立たない部分があるかもしれません。
SCP記事を書くのはとても大変です。良いアイディアを思いつくのはとても大変です。客観的視点に徹するのは、特に新人メンバーや物語を書くのに慣れたメンバーにとってはとても大変です。そして、専門的な用語のよくある間違った使い方をして恥ずかしい思いをすることもあります。そのような単語を適当に使ってしまわないよう注意しましょう。
英語文法&一般的な英単語
- you'reとyour, thereとthey'reとtheir, toとtooとtwo, itsとit's
- インターネット上ではよくごっちゃにされている単語です。もし彼らが動物であったならばASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)のCMに出演し、それを見たあなたは自分が人間であることを恥じることでしょう。インターネット上であってもこれらの単語を正しく使いましょう。そういうバカみたいな文章を二度と書くんじゃねえぞバカ。
- affectとeffect
- これもよくごっちゃにされている単語です。2つの単語は似た意味を持ちますが、”affect”は動詞で”effect”は(通常は)名詞です。”affect”するというのは何かに変化や影響を与えることです。”effect”とは変化や影響の結果です。対象にaffectすると対象にeffectが起きます。厳密には、”effect”は何かを実現させたり引き起こしたりするという意味の動詞として使うこと(例:”to effect change”=「変化を起こす」)があり、”affect”は誰かの目に見える感情的側面という意味の名詞として使うこと(例:"the agent spoke calmly and emotionlessly, with a flat affect."=「エージェントはおとなしく無表情に、元気のない様子で話した。」)があります。
- terminated(終了された)
- このサイトでは、ほぼ次の意味だけを指します:「財団運営のため意図的に処刑もしくは殺害されること」。この単語は現在サイト内で乱用されています。単に”殺害された”とだけ言ったり、別のプロジェクトに移ったり一般Dクラス業務に戻ったりなどとしてみるのはどうでしょうか。ガイド”How To Write An SCP:Creative Writing Tips 'Terminate'”(訳注:本家リンク先記事からは該当箇所の記述が削除されています。現在の版はSCP記事作成のガイドとして改定翻訳済み。)も参照。
- theoryとhypothesis ; theorizeとhypothesize
- 科学の領域において、これらの単語はそうでない場に比べてより厳密に使い分けられています。hypothesis(仮説、仮定)はある特定の、検証可能な状況について用いられ、「XならばYするであろう」のような文章が付随します(例:「もしキャンディを与えられたならば、SCP-XXXはくすくす笑い続けると考えられる」)。観察や実験の結果が仮説に合っていた場合、その仮説は裏付け(supported)られます(立証はされません(not proven) - 仮説は立証されませんが、反証はされます)。theory(理論、学説)は推論を一般化したものです:一連の観測結果、十分に裏付けられた仮説、さまざまな科学的法則を合わせてひとつの枠組みとして成り立たせてあるため、事象を説明する上で十分な説得力を持ちます。ただし財団の研究者たちは、SCPの性質に関する推論はhypothesizing(仮説を立てること)であってtheorizing(理論を立てること)ではないと教えられています。
自然科学
数学
- 指数関数的
- 多くの人がただ単に「ものすごく大きな数」を表すと考えていると思しき数学用語です。それは正確ではありません。何かが急速な割合で増加または減少(そう、「指数関数的」は数が小さくなるときにも使えるのです)していて、その変化がekxに近い形で表せるという意味です。eはネイピア数、kは任意の定数です。(2xもe-2xも指数関数式ですが、x10は異なります。)「指数関数的に難しい」のような言い方は間違いです - 難しさの基準となる尺度が存在し、その難しさが実際に変化している場合を除き。下記の表で変化がどれだけ急速であるかを確かめてみましょう。
x= | 0 (基準) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
2x= | 1 | 2 | 4 | 8 | 16 | 32 |
2-x= | 1 | 0.5 | 0.25 | 0.125 | 0.0625 | 0.03125 |
x2= | 0 | 1 | 4 | 9 | 16 | 25 |
x1/2= | 0 | 1 | 1.414 | 1.732 | 2 | 2.236 |
- 単位と接頭辞
- 自然科学の広範な分野に関係する概念ですので、他の限定的な分野よりはここに記載するのが適当であると思われます。どんな科学分野を扱うにせよ単位は正しいものを使う必要がありますし(加えて、ヤード・ポンド法ではなくメートル法を使う必要がありますし)、また大文字の使い方も気をつけなければなりません。単位や接頭辞の略語として使えるアルファベットの数は限られていて、その数を増やすために科学者が取った手段は異なる数量を表すために小文字と大文字を使い分けるという手法でした。よってそこには避けようのない重複が発生しているのです。”L”と”l”は別のものであり、”M”と”m”も異なるもの(”m”についてはさらに、「メートル」なのか「ミリ」なのかを前後から判断する必要がありますが。)であり、”G”と”g”も別々で、その他もろもろ。すべての単位を書き記すには余白がいくらあっても足りないので、SI接頭辞の早見表を用意しました。
接頭辞の名前 | 略字表記 | 十進数表記 |
---|---|---|
テラ | T | 1,000,000,000,000(1012) |
ギガ | G | 1,000,000,000(109) |
メガ | M | 1,000,000(106) |
キロ | k | 1,000(103) |
ミリ | m | 0.001(10-3) (1/1,000) |
マイクロ | μ または u | 0.000001(10-6) (1/1,000,000) |
ナノ | n | 0.000000001(10-9) (1/1,000,000,000) |
ピコ | p | 0.000000000001(10-12) (1/1,000,000,000,000) |
- 単位の名前
- 科学領域の慣例として、人名にちなんで名づけられた測定単位を略さず表記する際はすべて小文字で、頭文字のみで略して表記する場合は大文字で書きます。電力の単位ワットはWattでなくwattと表記し、Wと略します。エネルギーの単位ジュールはJouleでなくjouleと表記し、Jと略します。
物理学
- ~線 と ~波
- ray(~線)は指向性がある、目標物に向けて何らかの物質を放出することであり、光線や放射線などが当てはまります。影響を非常に狭い(または非常に広い)範囲に集中させることができますが、目的の周囲に大なり小なり拡散するかもしれません。線は真空中を通り抜けることができます。wave(波、~波)はなんらかの媒介を伝わる力の作用です。音は空気や水などの物質中を伝わる振動(力)なので、これは波です。目標物に向けて波を発射することは可能ですが、線に比べてはるかに拡散しやすいです。波は媒介がなければ伝わりません。 メモ:光は特別で、粒子としての性質と波としての性質を兼ね備えています。~線と~波を混同すると読者の混乱を招きやすいので、あなたの記事中の効果がどちらに当たるのかを読み直して考えておきましょう。
- 量子物理学
- 原子あるいはそれ以下のスケールに関する物理学的領域であり、粒子同士の反応というものが意味をなさない世界です。量子物理学について考えることは科学者にとっても頭が痛くなるような話であるので、本サイトでは以下のことを覚えていてくれれば十分です - 量子物理化学についての知識がないならばあるならば余計に、SCP記事中で”量子”という単語を絶対に使わないでください。
- 電圧
- 電圧あるいは電位差は単位電荷あたりのエネルギーの尺度、電荷キャリアの流れが持つエネルギーであり、ボルト(V)またはジュール毎クーロン(J/C)で表されます。乾いたじゅうたんの上を歩いた時に起こる静電気は、高電圧低電流の良い例です。電気を水に例えると、電圧は水圧にあたります。
- 電流
- 電流は回路中の電荷キャリアの流れの尺度であり、アンペアまたはクーロン毎秒(C/s)で表されます。半田ごての先端を流れる電流は、高電流低電圧の良い例です。電気を水に例えると、電流は水の流れる体積速度にあたります。
- 電力
- 電力は時間あたりのエネルギー変化の度合いの尺度であり、ワット(W)またはジュール毎秒(J/s)で表されます。電気回路においては、電圧と電流のドット積から求められます。(P=V・I=VIcosk、kは各ベクトルのなす角度)電気を水に例えた場合も、電力(power)はやはり力(power)です - この概念は物理学の領域全体に存在します。
- 絶縁破壊強度
- 絶縁体がその機能を保ち、電気を流すことなくいられる最大の電界です。乾燥した空気の場合、この値はおよそ3kV/mmです - 空気中1mmごとに3000V相当の電位差がなければ放電は起こらない、ということです。自然における絶縁破壊の例はカミナリです。水で例えると、ある厚さの障壁を破るのに必要となる水圧です - 水道の蛇口に取り付けたゴム風船を考えてもいいでしょう。
- エネルギー
- エネルギーは”他の物理系に対して仕事をするために、ある物理系が持つ能力”(出典:Wikipedia)として定義されています。エネルギーはさまざまな形態を取り、運動(移動)エネルギー、電磁放射、ポテンシャルエネルギーなどが挙げられます。エネルギーは壊れることも作り出されることもなく、ただ他の形態のエネルギーもしくは物質に変わるのみです。エネルギーに他の何かが混入するということはないため、”純粋なエネルギー”というものは存在しません。ただし、高いエネルギーを持つ光子や低い質量を持つパイ中間子などの形で多量のエネルギーが放出された場合は、そのような表現をする場合もあります。また、サイエンス・フィクションに登場する「エネルギー生命体」はしばしばプラズマの形をとって現れますが、これもエネルギーを持つ物質の一形態であることに留意してください。エネルギーはさまざまな形態を取りうるので、あなたのSCPがどんな種類のエネルギーを消費/生成/その他するのかはっきりさせておくのは大事なことです - エネルギーの使用が記事のコンセプトにとって重要である場合は。あなたのコンピューターSCPが電気で動くことは知らされなくてもかまいませんが、あなたのSCPが”謎のエネルギーを生み出す”ならば、それが運動エネルギー(ぶるぶる震える)なのか、電磁力(光および/または電波のパルスを発する)なのか、電気(表面を常に電撃が走っている)なのか、それ以外の何かなのかを知らせてもらわなければ困ります。
- 質量と重量
- 質量と重量は物体が持つそれぞれ別個の特性なのですが、それらの違いが少々理解しにくいものであるため、多くの人はそれらを一緒くたにして考えています。質量とはある物体がどれだけの「量」("amount")を持っているかの尺度で、キログラム(kg)またはポンド(lbm)で表されます。質量を直接量るにはまず物体の慣性を測り、次いで幾何学により慣性半径を求め、方程式I=mr2を用います。重量とはある物体が重力によりどれだけの力で引き寄せられているかの尺度で、ニュートン(N)または重量ポンド(lbf)またはキログラム重(kgw)で表されます。重量を量る手法としてはバネはかりが分かりやすいでしょう。もし重力加速度が判明しているならば、方程式(F=mg)を使って質量と重量の相互変換が可能です。各単位の定義のため科学者でないほとんどの人は両者を区別していませんし、あなたが地球にいてなおかつ重力を変える異常現象に遭遇しているのでないならば(ここは財団ですからね!)確かに区別しなくてもよいでしょう。重力が変化した場合、たとえば月(重力が地球の1/6)にいる場合、特にキログラムを使うと混乱が生じる恐れがあります。月面では質量6kgの物体の重量が1kg重になるのです。端的に言うと、キログラムやポンドを使う場合は、それが質量のことなのか重量のことなのかをはっきりさせておいてください。
- 力
- 力は、ある質量を加速させる作用と定義されています(F=ma)。これは、ある質量を持つ物体のスピード(速さ)が変化する度合いがその物体に与えられた力の量を表す、と言う意味の式です。次の状況を想像してみましょう:あなたは宇宙空間にいて、何かを投げました。あなたが何かを握って腕を振るっている間に、物体のスピードは静止状態から投げ出される瞬間の速さまで変化します。つまりその物体は加速されており、あなたは物体に力を加えているのです。しかしいったん手から離してしまえば、その物体は向きもスピードも変えることなくまっすぐ飛び続けます - 物体に作用する力がなくなったからです。これは一部の人には少々直感に反することのように受け止められます。同じことを地球で行えば地面に落ちるからです。これは地球の重力によりあらゆる物体が常に下向きに加速されているからなのです。エレベーターが上に動き出した時に体が重くなったように感じるのも同じ原理です。エレベーターが動き出す際には加速されるため、重みを感じるのです。
- 速さと加速度
- 混同しやすい物理学的概念コンビその2です。速さとは、任意の方向にどれだけ移動するかの度合いのことです(メートル毎秒)。ある時間である方向にどれだけの距離移動するか(V=D/t)。加速とは速さの変化(a=V/tであり、スピードの大きさと方向(角速度と角加速度)の両方に関わります。加速を引き起こすものとしては、車のスピードを上げるアクセルペダルが一番わかりやすいでしょう。重力は我々を地球に向けて常に加速しており、もし重力がなければ地球の自転により宇宙空間へとまっすぐ飛び出してしまうことでしょう。
- Radiation
- ”radiation”=「放射線」という単語は放射性崩壊によって放出されるもののことだと一般に広く認識されていますが、”radiation”とは厳密には粒子や波が空間(あるいは他の媒介)を進んでいくことです。
- 電磁放射
- 帯電した粒子が放出または吸収するエネルギーの一形態で、電界と磁界の双方からなります(それ自体は磁石に影響されません)。電磁放射は時に波として、時に粒子として振る舞います:いわゆる「粒子と波動の二重性」です。電磁放射はその波長、周波数に比例して変化する要素によって区別されます。もっとも波長が長いものが電波(その中で一番短いものがマイクロ波)、次に赤外線、紫外線と続き、最後にX線とガンマ線が続きます。最後の2つは電離放射線でもあります。
- 電離放射線
- 「放射線」と聞いておそらく真っ先に思い浮かべるであろうものがこれです。電離放射線は温度を上げることなく原子から電子を引き抜くことができる放射線です。α線(陽子2つと中性子2つで構成され、電子を持たない)、β線(高いエネルギーを持つ電子または陽電子)、ガンマ線(電磁波)、中性子線(直接的に電子を取り去るものではありません)などの形を取ります。各放射線ごとに電子を奪ったり物体を貫通したりする能力は異なります。人間がこれらの放射線を短時間に大量に受けると急性放射線症候群(ARS)を発症し、長期間にわたって浴び続けると慢性放射線症候群を発症します。どちらも「放射線障害」や「放射能中毒」などと呼ばれます。
- チェレンコフ放射
- このタイプの放射光は、水中で光よりも速く進む、放射性崩壊で放出された粒子によって引き起こされます。青白い光として視認できます。
化学
- 原子と分子
- 原子は通常の物質を構成する最小単位です。これは陽子、電子、中性子(水素1を除く)から成ります。分子は2つ以上の原子が特定の形に結合したもので、温度と圧力に応じて固体、液体、気体、プラズマの各状態に変化します。「原子・原子力」("atomic")と「分子」("molecular")はまったく異なることがらを指す語なのです。
- 同位体
- 同位体とは、同じ元素でありながら異なる数の中性子を持つ原子のことです。たとえば重水素、これは水素の同位体であり、中性子を1個持っています(水素1は0個)。同位体は元素名の後に質量数を書いて表します。例:ウラン235、カリホルニウム252。英語では元素名-質量数で表します。例:uranium-235、californium-252。
- イオン
- イオンとは電子を失うか(正の電荷が増加)得るか(負の電荷が増加)して、ある一定の電荷を持つようになった原子のことです。原子のイオン化は他の原子との電子の授受、高い温度と非常に高い圧力、電離放射線への暴露(高周波数の紫外線~ガンマ線、各種α線やβ線。中性子線も間接的にイオン化させる。)によって引き起こされます。
- pH
- pHはthe potency of Hydrogenの略で、H+イオン濃度の常用対数を-1倍したものです。(例えば1M(1mol/L)のH+はpH1にあたります。)RTPにおける中性の水は自己解離(H+とOH-とH2Oが安定して釣り合う状態)によりH+濃度とOH-濃度がともに10-7mol/Lになるため、中性水溶液のpHは7になります。pHが上昇するとH+濃度が低下してOH-濃度が上昇する(RTPでは両者の積が10-14mol2/L2に保たれる)ので、塩基性溶液になります。pHが低下するとH+濃度が上昇して酸性溶液になります。
- RTPとSTP
- RTPはroom temperature and pressure(室内温度と圧力)の略で、セ氏25度1気圧のことです。STPはstandard temperature and pressure(標準温度と圧力)の略で、セ氏0度1気圧のことです。
- 酸
- ブレンステッド-ローリーの定義では、プロトン(H+イオン)を供与しうる物質のことです。酸は一般に強酸と弱酸に分類できます。強酸(HCl(塩酸)など)は溶液中で完全に解離し、弱酸(CH3COOH(酢酸)など)は一部が解離しないまま溶液中で平衡状態になります。酸は塩基とともに”中和”として知られる反応を起こし、多くは水と塩(えん)を生成します。
- 塩基
- ブレンステッド-ローリーの定義では、プロトンを受容しうる物質のことです。一般的な塩基性物質としては炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO3)1があります。こちらも強塩基(NaOH(水酸化ナトリウム)など)は溶液中で完全に解離し、弱塩基(NH3(アンモニア)など)は一部が解離しません。
- アルカリ
- 溶液中にOH-を放出する塩基のことです。例えばNaOH(水酸化ナトリウム)は、水に溶かすとNa+とOH-に解離します。アルカリでない塩基の例としてはCaCO3(炭酸カルシウム)が挙げられます。アルカリや強い酸に直接曝されると火傷を負います。
- 塩
- 塩(えん)は中和(酸とアルカリの反応)による生成物です。最もよく知られている塩はおそらく”食卓塩”NaCl(塩化ナトリウム、NaOH + HCl → NaCl + H2O)ですが、他にもほとんどの石鹸がアルカリ(通常は水酸化カリウムか水酸化ナトリウム)と動物性・植物性脂肪酸との反応で生成される塩であったりします。
地質学
- 鉱物と岩石
- 鉱物(mineral)は天然由来の化学物質で、特有の性質と分子構造を持ちます。既知の鉱物はすべて固体です。鉱物の例としては水晶やダイヤモンドやアラゴナイトが挙げられます。岩石(rock)は鉱物の集合体です。決まった構造は持ちません。例としては花崗岩や玄武岩が挙げられます。
生物科学
生科学
- 進化
- はじめに、ここでは生物学的観点から進化を説明することをはっきりさせておきます。進化とは種族の変化に関わるものであり、個体に関わるものではありません。種族が環境に適応してより生き延びやすくなった際に全体から見て特性の平均値が変化し、その蓄積が個体数の増加につながることを進化と呼ぶのです。進化は善いものでも悪いものでもなく、現実世界においては進化に終着点は存在しません。進化は予測もできません。何かが他の何かよりも「より進化している」という表現は無意味なものであり、「より優れている/より複雑化している/より強力である」などを意味することもありません。ヒトは古代のサルから進化しましたが、これはヒトがチンパンジーに比べ「より進化している」ということではありません。単にヒトとチンパンジーが異なる進化をしたというだけのことです。
- 酵素
- 基本的には、これは生物学的な触媒のことです。つまり、反応速度を上げるが、その平衡を変えることも自身が変化することもない物質です。既知の酵素はそのほとんどすべてがタンパク質です。
- parasiticとparasitoid
wikipediaから引用:
「寄生(parasitic)は擬寄生(parasitoid)的関係とは異なりますが、両者の境界は明確ではありません。擬寄生は一般に宿主を殺したり不妊にしたりするものであるとされています。」あなたのオブジェクトが宿主を死なせるか致命的な影響を与えるかする場合は、寄生(parasitic)ではなく擬寄生(parasitoid)を使ってください。ただしページタグとしてはどちらも寄生/parasiticで統一されています。
学名 (Photosyntheticさん提供)
生物の学名を表記する際には特殊なルールが多数存在します。正しく扱いましょう。
種名は常に斜体で表記します。種名は2つの単語からなります:1つ目が属名、2つ目が種小名です。属名は常に頭文字を大文字で表記され、種小名は常に小文字のみで表記されます:Homo sapiens、Cymothoa exigua、Hypsibius dujardini。属名は単独でも使用され、その属が含むすべての生物種を表します:Homo、Cymothoa、Hypsibus。より上位の分類 ― 科、目、綱、門、界 ― はこちらも頭文字を大文字で表記しますが、斜体表記されることはありません:Hominidae、Hymenophyllaceae、Malacostraca、Tardigrada。
亜種や変種を表す場合は、2つ目の種小名をつけ加えれば良いです:Homo sapiens sapiens、Ursus arctos horribilis。特に変種を表す場合は、2つ目の種小名の前に”var.”(斜体にはしません)を挿入します:Hebe salicifolia var. stricta。
報告書中で一つの生物種を複数回言及したり、2つの生物種を立て続けに言及したりする場合、属名を省略することができます ― ただし、最低でも一度は学名をすべて表記してからに限ります。属名を頭文字で置き換えることもできます:H. sapiens、C. exigua、H. dujardini。
- Venomとpoison ; venomousとpoisonous
- venomとpoisonはどちらも毒素(toxin)ではありますが2、この2つの語は交換可能なものではありません。venomは動物性の毒素で、牙や針や刺胞その他を通じて体に注入される物質です。poisonは生物由来の物質も純粋な化学合成物質も含みます。poisonは吸入、摂取、直接接触(たとえばツタウルシやイモリの皮膚)など様々な経路で体に入り込みます。もしあなたがガラガラヘビの毒腺を食べてしまった場合、あなたはpoisonedされるのであってenvenomatedされるのではありません。
神経学と精神学
- 知覚と知性
- この2つの単語は同じ意味だと誤解されることがものすごーく多いので、もしごっちゃにしていたとしてもそこまで気に病む必要はありません。これから間違わなければいいだけです。専門的な話をすると(つまりこの記事で話しているような分野では)、「知覚(sentient)」とは何かが外部の環境を感じ取って反応することができるという意味です。動物は知覚を持っていますし、いくつかの植物もそうですし、無生物だって外部からの刺激に明らかな反応を返せるのならば知覚を持っていると言えます。「知性(sapient)」とはそれが思考できる存在であるという意味です(私たちの学名:Homo sapiens sapiensはそのことを示していますね)。ほとんどの動物は知性を持っていませんし、通常の植物も同様ですが、人工知能は知性を持ちうるかもしれません。対象が何かについて思考することができるのかどうかを知る手段として、記号を用いた対話が行われます。
IQ (Quikngruvnさん提供)
IQ(知能指数)と呼ばれるこの統計値は、平均値μを100、標準偏差σを15とした正規分布であると定義されています。IQがある一定以上(あるいは以下)の人がどれだけの割合で存在するのかは、特に6σまでの値が英語版wikipediaに記載されているので、数学的に算出できます。IQがある一定以上の人のパーセンテージの対応表は下記になります。:
100:50.00% 2人に1人
115:15.87% 6人に1人
130:2.275% 44人に1人
145:0.1350% 741人に1人
160:0.003167% 31,574人に1人
175:0.00002867% 3,488,557人に1人
190:0.00000009865% 1,013,684,744人に1人すなわち、IQ190以上の人間は地球上に6~7人ほどしかいない計算になります(逆に、IQが10以下の人間も6~7人くらいしかいません)。IQがどのようにして測られているのかは読者への宿題としておきましょう(まあ尺度が同じならば測定方法そのものは対して問題ではないですが)。
マリリン・ボス・サバントと彼女の高いIQ値について考えてみましょう。実のところ、彼女の228というスコアは古いテスト方法(精神年齢と実年齢の比を用いる)によるものであり、また非常に高い知能を正確に測ることは困難であることから、最近のテスト方法ではここまでのスコアを取ることはできないと考えられています。それでも、彼女は185以上のIQスコアを取れるだろうと考えられています。
(Drewbearによる補足)また最近主に用いられているIQテストは、作業記憶や作業速度、言語理解力など限られた領域の能力を測るものであるものであることに注意してください。人格や創造性のように定量化がとてもとても難しいものを測るものではありません。またIQテストは受験者が当日どんな気分だったか、天候はどうだったか(これ重要。気分ややる気に関わります)、似たようなテストを最近受けていたかなどの環境要素に影響されます。スコアが少々上下するのはごく一般的なことであり、ある人物のIQが101になったり98になったりしてもそれは超常現象ではありません。
最後に、IQテストは平均的な人間の知能分布と経験に基づいていることを忘れないでください。ヒトでない受験者のIQが○○○であると論ずるのはとても難しいことなのです。
- ミームと認識災害
- 財団的ミーム学入門を読んでミームに関する理解を深めましょう。
- amnesiac と amnestic
- 専門的な話をすると、amnesiacは記憶喪失を患った人のことで、amnesticは記憶喪失を引き起こす何かです。しかし、このサイトではどちらの単語も記憶喪失を引き起こすものとして伝統的に使われています。なのでどちらでも好きなほうを使ってかまいませんが、誰かの記事に「間違ってんですけど(笑)」などとコメントしないでください。
- 統合失調症およびその他の精神疾患
- 統合失調症(schizophrenia)は既知あるいは未知の精神障害や心的外傷を表す代理の語としてあまりにも多く使われています。実際には、統合失調症は特有の症状(妄想、幻覚、思考プロセスの支離滅裂化、意志・欲望の障害などが一般的)を持つ精神疾患の一種別です ― また、統合失調症がすなわち暴力性や危険性を生むわけではありません。(また、「精神が分裂する病気」のことではありません。別物です。)統合失調症そのもの(あるいは他の特定の精神疾患そのもの)に言及するのでない限り、より一般的な単語、たとえば精神障害(psychosis、統合失調症を含むさまざまな精神的な病を表す)を使うようにしましょう。
医学と疾病
- はじめに
- 一般に、すべての病気はどれもそれぞれ全く違うものなのです。症状、進行性、ウイルス/細菌がどう作用しているかなどは病気ごとに異なります。あなたが言及した病気がどんなものであれ、その詳細がどんなものであるかを把握しておくことが大切です。遺伝性疾患についても同様です。
- 癌
- 「癌」は種族でも属でもありません。癌は指数関数的に広がる細胞の突然変異です。癌は生物ではありません。癌には数千の種類がありますが、Wikipediaや学術雑誌を見ればそれらの特性を知ることができるでしょう。癌を発症するかどうかは遺伝的要因と環境条件によります。
- プリオン
- プリオンとは、正確な表現をするならばミスフォールドしたタンパク質です。BSEのような病気の原因となるのは、類似したタンパク質に自身と似たようなミスフォールドを引き起こし(正確なプロセスは現在判明していません)、連鎖反応を引き起こすためです。ミスフォールドしたタンパク質は本来の働きを行わず、体組織にダメージを与えます(既知のプリオン性の疾患はいずれも中枢神経系にダメージを与えます) ― たとえばBSE(牛海綿状脳症)がその名の通り、空洞とスポンジ状の組織構造を作り出すように。プリオンの主な難点として、変性させにくいことが挙げられます ― WHOの標準廃棄手順は、水酸化ナトリウム水溶液に浸した後にオートクレーブ(高圧をかける装置)で処理することを含んでいます。また免疫系はプリオンを伝染性の物質であると認識することができません ― このためプリオンによる影響は自然治癒せず、治療することもできません。
ここで注意をひとつ。プリオンは生物ではありません ― 生物的性質の観点ではウイルスよりもなお生物的ではないのです。なので、鉛筆ほどの太さのプリオンがワームのように蠢いている、だとかのナンセンスな文章はスタンプタウン3への片道切符であると知りなさい。
工学とテクノロジー
- 応力
- 単位接触面積あたりに加えられる力です。単位はメガパスカル(MPa)が主です。ひずみとの相関関係はヤング率として表されます。
- ひずみ
- 単位長さあたりの長さの変化量で、基本的には応力に対する値が用いられます。単位はありません。
- 破壊ひずみ
- ある物質を断裂するのにどれだけの引張力が必要とされるかを測る尺度です。引張強さとはわずかに異なります ― 一般に、単一の素材はどちらの値も高い(金属)かどちらの値も低い(陶器)かの二択ですが、複合材(木材や炭素繊維強化プラスチック)は頑丈である(引張強さが高い)ものの破壊ひずみは低いです。
- 引張強さ
- ある物質が耐えられる引張応力の最大値です ― ある物体が断裂されるまでにどれだけ耐えられるかの尺度でもあります。クモの糸は鉄よりも、ゴムはグラスファイバーよりも高い引張強さを持ちます。
- 硬さ
- 硬さ(hardness)とは、対象素材を恒久的に変形させるために必要な力を測る尺度です。単位としてはビッカース硬さ(HV)が広く用いられています4 ― これは非常に硬い物質で作られた四角錘をサンプル表面に一定圧力で押し付け、生じたへこみの大きさを測ることで、対応した硬さを求める手法です。硬さの高い物質は可塑的な変形をしにくいため、往々にして砕けやすいです(ゴムは例外)。例えば黒曜石は銅より硬いですが、砕くのは銅より容易いです。
- ナノテクノロジー
- ナノテクノロジーや「ナノボット」は、魔法ではありません。もう一度言います。ナノテクノロジーや「ナノボット」は魔法ではありません。まず、ナノテクノロジーは工業や医療の現場で既に用いられており、マクロスケールでの作成が困難な素材の設計・製造に利用されています。また「ナノボット」は、単にとてもとても極小なスケールで作られているだけの機械にすぎません。そのサイズによる制限ゆえに、ナノボットはあまり複雑な機能を持っていません。現在使われているナノボットのほとんどは、ある原子または分子を他の原子や分子のもとに移動させる場合、なんらかの化学反応を起こしその結果として移動させています。サイズも記憶領域も限られているため「プログラミング」は単純なものが多く、基本的にはごく少数の動作にのみ特化しています。(ただし複数種類のナノマシンを併用することは可能です。)そして、確かに数百万個のナノマシンを用いれば割ととんでもないモノだって作れたりはしますが、それらのマシンは既存の物理法則から外れて動作することはありません。
コンピューターとソフトウェア
- アップロードとダウンロードと転送
- 「アップロード」と「ダウンロード」の違いは、両者の接頭辞の違いから読み取れます:あなたの手元にあるデータを別の場所に送ることをアップロード、別の場所にあるデータを手元に持ってくることをダウンロードと言います。「アップロード」「ダウンロード」の語は基本的にネットワークに関するシチュエーションで用いられます(サーバやインターネットなど)。個人的な意見ですが、外付けHDDやUSBメモリなどの外部媒体に関するシチュエーションでは、「転送」の語が一般的なように思われます(「データは外付けドライブに転送したよ」など)。CDやDVDやブルーレイディスクなど光学メディアの場合、メディアにデータを記録することを「焼く(burn)」などと表現します。
- ハードウェア用語
- 「CPU」は中央演算処理装置(Central Processing Unit)の略です ― 情報処理と思考はすべてここで行われます。RAMは「ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory)」の略で、実行中のプログラムを短期間保存するために用いられます ― PCの電源が切られると、RAM上のデータはすべて消去されます(このようなメモリを「揮発性メモリ」と呼びます)。HDDは「ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)」の略です ― 内部で磁気ディスクが回転している昔ながらの形式(皆さんのPCのほとんどに搭載されているはずです)ですが、SSD(ソリッドステートドライブ、Solid State Drives)のことを表している場合もあります。SSDは”フラッシュメモリ”を用いています(USBメモリやSDカードに似ていますが、それらよりも容量が桁違いに大きいです)。HDDもSSDも揮発性メモリではなく、電源が切られてもデータを保持し続けます。HDDは衝撃に対して非常に弱いですが、SSDはそうでもありません。「マザーボード」はポートやブリッジを多数搭載した大型のシステムボードです。PSU(電源ユニット、Power Supply Unit)は交流を直流に変換する、AC/DCコンバータです。USBは「ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus)」の略で、外付けドライブや周辺機器との接続に用いられます。「タワー」はステレオタイプなコンピューターの形状を表す語ですが、話し言葉ではそのようなコンピュータの本体一式を指すこともあります。モニターあるいはスクリーンはディスプレイ機器です ― 一般的にはLCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)パネル製であり、とてもとても壊れやすいです。
- ソフトウェア用語
- オペレーティングシステム(OS)はハードウェア本体とアプリケーションの間の橋渡しをするソフトウェアです。WindowsやMac OS X、Linuxなどが有名です。プログラムとはコンパイルされたコードが記録されたファイルのことで、CPU上で実行されるとOS上にインターフェースを表示し、なんらかの作業を行います(例えばデータの読み込みや画像処理など)。暗号化とは、データに改変を加えることで元はどんなデータだったのかを不鮮明にすることです。これはBlowfishなどの暗号化アルゴリズムを用いて行われ、解除可能でなくてはなりません。解除不可能な「暗号化」は暗号学的ハッシュ(固定長ビット列を出力する)などと呼ばれ、パスワードの保存やファイルの損傷チェックなどに用いられます。
- 避けるべきこと
- コンピューターは魔法ではありません。ソフトウェアだって魔法ではありません。古代の/あるいは異星のコンピュータが見つかったとして、それをすぐ解読できるとはちょっと考えられません。言葉の壁を取り除くためにロゼッタストーンが必要なのはもちろんそうですが、そのコンピュータのアーキテクチャを知り、データがどんな方式で記録されているのかを判明させなければその段階には行きつきません。解読可能なマニュアルか手引き書でもなければ、全く未知のコンピュータはちょっと巨大な文鎮にしかなりません。サイトメンバーにスペシャリストが存在するような他の分野と同様に、よく分からないジャンクからあなたのコンピュータ型SCPを作り出してもうまくいかず、downvoteを喰らうことでしょう。もしあなたが専門用語に詳しくなく、それを技術的にもっともらしく見せるアイディアもないならば、素直に詳しいメンバーの知恵を借りましょう!(聞く相手は専門家に質問するを見て探すといいでしょう。)
物質科学
- チタン(Ti)
- ハリウッドの金属工学における聖杯であり、素材界のスーパーマンとしてしばしば扱われる金属です。現実には、どちらかというとザンダー・ハリス5に近いです ― 頼りになるし有用ですが、それは魔法的なものではないし、それ単独ではめったに作用しません。
純チタンはおよそ434Mpaの引張強さ ― 試料が耐えられる面積あたりで最大の引張力 ― を示します。比較として、アルミニウム-銅-マグネシウム合金(ジュラルミン)の引張強さは450Mpaに達し、中炭素鋼は1200MPaに及びます。つまり、チタン製の壁材で作った収容セルというのは、わざわざ空路で輸入したトラバント6をアメリカ人が見たのと同じ感想を読者に抱かせることになります ― コストに対して効果が釣り合わず、そこに感銘を受ける人というのはあなたが話すことを理解していない人なのです。
チタン合金の強度は鋼鉄に匹敵するようになりますが、密度を大幅に低くすることができます7。このため航空あるいは宇宙の領域では最適な素材となりますが、収容セルの設計において質量が重要となることはめったにないため、鉄を使えばよいことでしょう。
収容セル内壁をチタンでメッキすることにすることに意味がある場合もいくつかあります ― チタンはほとんどの希酸や腐食性化学物質に対し耐性を持ち、融点も1900Kほど8と高いです。このため高温の実体や周囲に化学的な攻撃を行うオブジェクトを収容するためにチタンメッキのセルを設計することは、セラミックの代替として材料的問題点(破壊靱性が低いなど)を解消することにつながります。
言語学
- はじめに
- すべての言語が書き言葉と話し言葉を持つわけではありません。外国語を話す人物を登場させる場合は十二分に気をつけましょう。「古代」と頭につければそれで古代語になるわけではありません、なぜなら古代に筆記法が存在しなかった言語がいくつかあるからです。ある言語をあなたの記事に登場させる前に、その言語の基礎的な来歴に目を通しておきましょう。歴史的要素として言語を登場させる場合には、たとえ少し触れるだけであったとしても来歴を見ておきましょう。加えて現在世界では数千の言語が使用されており(Wikipediaによると6000から7000)、さらにそれぞれについて方言や国訛りが存在します(例えば英語にはイギリス・カナダ・オーストラリア・アメリカ・その他の国訛りがあります)。
- 中国語とマンダリン9
- 絶対に、絶対に、ぜーったいに、「中国語(Chinese)を話す」とか「マンダリン(Mandarin)を話す」などの表現を使わないでください。このような表記はあなたが中国語について何も調べておらず、ただカッコイイから登場させただけなのだろうと読者に思わせる原因になります。中国語には300以上の方言が存在し、そのうちいくつかは相互に意味を推測しあうことができますが、ほとんどは異なる方言同士での意思疎通ができません。「中国語で話す」場合、ほとんどの人はマンダリンで話します。Mandarin(マンダリン)は中国語が話されている地域の多くが公用語としている言語ですが、”Chinese”(中国語)と言い換えることはできません。広く使われている他の”Chinese”としては、広東語(Cantonese)、福建語(Hokkien)、上海語(Shanghainese)があります。近代の中国語のほとんどは2種類の表記法を持ちます:簡体字と繁体字です。近代の中国語はAD700から20世紀半ば(国共内戦により蒋介石とその軍が台湾に追いやられ、毛沢東主席が共産主義政権を成立させた時期)にかけて確立しました。蒋介石と台湾住民が繁体字を使い続けていた一方で、毛沢東は数人の中国語学者と共に簡体字を作って中国内の読み書きのできない国民に広めました。現在これら2つの表記法は併用されており、互いに読み換えが可能になっています。あなたが1940年以前の中国について書きたい場合、そこには繁体字しかなかったことに注意してください。現在繁体字が公的に用いられているのは台湾と香港とマカオのみで、それ以外は簡体字を使っています。
戦術
- 分隊
- 9人から13人のチームです。これは単に銃で武装した兵士を寄せ集めたものではありません。ファイアチームと呼ばれる4人1組のチームと分隊長、そして臨時の人員からなります。
- 小隊
- 分隊3チーム、小隊長、一等曹長、支援人員からなるチームです。
- 実包
- 実包は発砲のために銃に装填されるもので、薬莢(底部に雷管があり、発射時に撃針がここを叩く)、薬莢内部の発射薬(燃焼して高温のガスを生成する)、弾丸(ballet、銃身から発射される部分)で構成されています。一般的には(そして適切に言うなら)弾薬、英語なら”round”と呼ばれます。散弾銃に用いられる弾薬はいくつかの相違点はあれどほぼ同様の構造をしており、一般的に日本語では装弾、英語では”shell”と呼ばれます。注意すべき点として、発砲後に火器から横や上に飛び出す金ぴかのパーツ薬莢も、一般に”shell”と呼ばれます(例:”There were shells all over the crime scene.”「犯行現場には薬莢が散乱していた。」)。しばしば”brass”(真鍮)とも呼ばれます。さらに覚えておいて欲しいのは、散弾銃が発射する弾丸を英語では”ballet”と呼ばないという点です。散弾銃(shotgun)に装填された装弾から発射される弾丸は、その名にちなんで”shot”と呼ばれます。正式には”solid slug”と呼びます。またスラッグ弾(slug)と呼ばれる一発の大きな”弾丸”を装填する場合もあります。
- 弾倉
- 実包を火器に装填する前に詰めておくためのパーツです。ずんぐりしていてどことなくバナナに似た形をした中空の金属製パーツで、テレビゲームや映画で銃に差し込まれているアレです。実包は弾倉から火器に供給されます。ショットガンなど固定式弾倉と呼ばれる銃の、銃身の後ろに伸びる筒に装弾を装填しているのを見たことがあるかもしれません。挿弾子(クリップ)は弾倉とは異なるもので、実包を並べてまたはまとめて装着できる金属製の器具です。多くは弾倉に上から押し込むことですばやく実包を収めるために用いられます。一部の古い銃器は実包を銃器内に直接装填するために挿弾子を使います:このタイプの挿弾子はストリッパー・クリップ(stripper clip)と呼ばれ、実包は銃器内部の弾倉に収めるため外され(stripped)ます。
これはけして包括的なリストではありませんし、単語や意味に関するひどい間違いがあれば訂正を歓迎します。ただし、丁寧に書くことを忘れずに。間違っていたり役に立たなかったりする部分を削除したり書きなおしたりすることについては、ひとまず様子見します。