SCP-032-FRとその効果の慎重な取り扱いを必要とする性質により、実行されたSCP-032-FRに関する実験の報告書は、レベル4以上の職員にのみアクセスが許可されています。それより下位のレベルの職員がこの報告書を参照している場合、自発的もしくは強制的にクラスB記憶処理を施す必要があり、その後Dクラス職員に降格させなければなりません。
報告書のフォーマット
名前:
腕の数字:
射撃の効果:
事案(発生した場合):
名前: D-2031
腕の数字: V(5)
射撃の効果: D-2031は銃を握り、それを発砲した。リヒター・スケールでマグニチュード4.5の地震がD-2031の立っている位置を震源地として発生した。
事案: 食器が壊れたことを除き、サイト-65では重大な事案は報告されていない。収容違反も発生しなかった。
メモ: D-2031は、武器の更なる実験のための「あまりにもクール」なボランティアを発見しました。主任研究員である████████博士はこの要求を承認しました。
名前: D-2031
腕の数字: 常にV(5)
射撃の効果: D-2031はもう一度武器の実験を行った。リヒター・スケールでマグニチュード4.3の地震がD-2031の立っている位置を震源地として発生した。
事案: 食器が壊れたことを除き、サイト-65では重大な事案は報告されていない。シェフはそれらが正常な動きをしていなかったと訴えた。収容違反も発生していない。
メモ: 更なる3回の実験では同様の結果が得られ、D-2031は銃を発砲することが不可能になりました。D-2031の前腕部に刻まれていた数字は消失しています。腕の数字は個人が「発砲する」ことのできる回数です。発砲した個人は同様の効果を得ることができます。
私たちは、他の効果が存在するかどうかを確認するためにD-2031とは異なる数字を持つ人物を発見する必要がある。 - ████████博士
名前: D-3155
腕の数字: XXXII(32)
射撃の効果: D-3155はSCP-032-FRを握り、ターゲットに向かって銃身を向け、研究員に対し「腕に文字が書かれることは普通のことなのか」と質問した。確認を受けると、D-3155はSCP-032-FRを発砲し、その影響により瞬時に彼の顎に鋭い痛みが走った。調査の結果、SCP-032-FRから発射された弾丸は未知の手段によってD-3155の下顎から摘出された親知らずであることが判明した。問題の歯は、口径9mmの弾丸が生み出すものに相当する、しかし不規則な衝撃を放ち、ターゲットに深くめり込んだ状態で発見された。
事案: なし。
メモ: 私たちは、腕に書かれている数字は被験者の顎に存在する歯の総数であると推測しています。
名前: D-3986
腕の数字: VI(6)
射撃の効果: 対象は銃を取り、彼の腕に現れる数字は通常の現象であると説明を受けたあと、20m先のターゲットに対して発砲した。注射器や針、ナイフやその他の鋭利な物品がターゲットに向かって時速約███kmで発射された。それらは道筋にあるものを全て貫通し、最終的に実験室の壁によって静止した。その後、発射された物品は同様の物品よりも4倍も鋭いことが判明した。
事案: なし。
メモ: SCP-032-FRの銃身の直径は12mmですが、いくつかの発射された物体は直径40cm幅の剪定ばさみのような遥かに大きな直径を持つものであることが確認されています。
名前: D-4194
腕の数字: L(50)
射撃の効果: 対象は銃を掴み、ターゲットに発砲した。SCP-032-FRより紫色の光線が放出された。この光線はD-4194に触れる前に実験室の壁で数回反射した。すぐに全ての衣服が彼から滑り落ち、いくつかの試みにも関わらず身に付けることができなくなっていた。更なる実験により、対象の摩擦がなくなっていることが判明した。例えば対象の至近距離で発射された弾丸はスピードを失うことなく対象の体の上を滑り続けた。
事案: なし。
メモ: D-4194の摩擦係数は、4日後の試験において正常に戻っていることが明らかになりました。
名前: D-3006
腕の数字: XC(90)
射撃の効果: D-3006はSCP-032-FRを握って、ターゲットに銃身をむけ発砲した。実験室は防音済であったが、隣の部屋まで甲高い音が部分的に聞こえてきた。同時に、ターゲットに衝撃の結果としての弾痕が残っておらず弾丸の発射が確認されなかった上、D-3006は耳に手を当てて悲鳴をあげ、床に崩れ落ちた。調査の結果、音はSCP-032-FRの使用時に発生し、D-3006の両耳の鼓膜が大きく損傷したことが明らかになった。ターゲットからは弾丸は見つからなかった。
事案: 実験を監督したチームのメンバーのうち数人が、耳鳴りを訴えて診療所に入院した。
メモ: 発射されたものが私たちの次元のレベルでは知覚できなかったか、単に音だけが発射されたのか、発射したものが小さすぎターゲットに辿り着く前に消滅したのかは不明です。
D-3006が実験中に急にSCP-032-FRを取り落としたものの、幸いなことに破損はありませんでした。次に何が起こるかは分からないので、次回の実験からは実験室の床にカーペットの類を敷くことを考慮しましょう。 - ヨハネス博士
名前: D-5941
腕の数字: XI(11)
射撃の効果: D-5941はSCP-032-FRを掴んだ。彼女は今までの生活の中で銃を扱う技術を身に付けており、ターゲットを狙うのに彼女の能力の心配をする必要はない状況であった。射撃のスキルについては影響を及ぼさないことが証明されていたので、実験としてD-5941はターゲットに向かって発砲した。ターゲットに対して小さな弱々しいフィラメントのような弾丸が発射された。発射された弾丸はターゲットに着弾するとすぐ、10秒で根を張り始め、何らかの種子であることが明らかになった。それから4秒後、紫色の小さなラフレシア(Rafflesia kerrii)のような花や、いくつかの葉が発生し、淡く発光し始めた。D-5941は次に何をすべきかを尋ねた。彼女は反対側の壁の方に行き花や葉に触れないように指示された。それは実行された。更に30秒後、花は推定で直径60mの大きさに達し、実験室内で青色の胞子や蛍光を多量に放出し始めた。実験は中止され、後々の分析のために胞子をいくつか採取した後、残りの胞子や植物は焼却された。
事案: D-5941は、この胞子がヒト生物学的に何らかの効果を持っているかどうかを確認するため、観察室に隔離された。
メモ: 分析により、胞子はヘゴ属ヘゴ科、キアテア・インターメディア(Cyathea Intermedia)のものに近いことが判明していますが、それらはシダ植物であり、観測されたように花を咲かせることはありません。
名前: D-1988
腕の数字: LIV(54)
射撃の効果: D-1988はSCP-032-FRを掴むと、ターゲットに向かって弾丸を発砲した。SCP-032-FRからは水の露が高速で噴出され、空気中で結晶化し、ターゲットに辿り着く前に床を破壊し、床にわずかな弧のような傷を残した。D-1988に床に落ちているものがどんなものかを説明するよう指示したところ、D-1988は「冷凍庫の底に落ちている小さな氷のような、ゼリー状のもの」であると物体を評価した。サンプルが採取された。
事案: なし。
メモ: 分析の結果、「弾丸」は36%の純水と、64%のバイカル湖の近くに生息するクロテン(Martes zibellina)のものと遺伝的に類似している血液からなる混合物であることが明らかとなりました。
血液と混ぜられた水が、弾薬として用いることができると考えられる方法を私にも是非とも教えていただきたいものです。 - ヨハネス博士
名前: D-2108
腕の数字: III(3)
射撃の効果: D-2108はSCP-032-FRを振り回し、そして発砲した。大きなゴロゴロと鳴るような音の後に眩しいフラッシュが発生し、監視していた研究員および監視装置が数秒の間目潰しされた。ターゲットは黒焦げになっており、D-2108は意識不明の状態で発見された。多数の電磁的干渉が行われていたにも関わらず、測定装置の一部は1億Vの電圧が発生していたことを示していた。
事案: D-2108は2週間の昏睡状態に陥り、覚醒後彼は医者に「幸運だった」と伝えられた。
メモ: 実験後の分析では、室内が高い温度にさらされ、オゾンが発生していたことが明らかになりました。
私は武器から本物の雷が出たと考えているので、シューティングゲームに使うのが危険であるのが非常に残念だ……承認は出ないな…… - ベンジー博士
名前: D-2749
腕の数字: I(1)
射撃の効果: D-2749はSCP-032-FRのグリップを握り発砲した。SCP-032-FRの発射口より、丸みを帯びた白い物体が壁に向かって高速で発射された。弾丸は停止するまでに何枚かの壁を破り、数m離れた研究員のグループに接触した。
事案: D-2749はいくつかの肋骨の骨折と大きな内出血だけで済んだが、残念ながら彼と一緒に巻き込まれた研究員は右腕の骨が粉砕され肋骨の大半が粉々になった。
メモ: 驚くべきことに、研究員に命中する前に弾丸が貫通した壁やその他の障害物では、速度を落とすことができていませんでした。停止した後、弾丸は全ての効果を失い、他の機能のない標準的なプラスチックの玉になったことも注目されます。
こいつは全部の実験室を破壊しても止まらなかったんじゃないのか? - 収容スペシャリスト・アーケイル
名前: D-0887
腕の数字: MMMM(4,000)
射撃の効果: D-0887がターゲットに向けて発砲すると、短く甲高い音が発生した。弾丸は時速██kmでターゲットにめり込んだ。D-0887は頭蓋骨の辺りがチクチクと痛むことを主張した。ターゲットを調べたところ、弾丸はターゲットに向かって驚くべき速さで発射され、電気をまとっているD-0887の頭髪であることが明らかになった。
メモ: これが機能するには、いくつかの髪が同じサイズである必要がある。 - イリウス博士
名前: D-7746
腕の数字: XX(20)
射撃の効果: D-7746はトリガーを引いた。約0.3cmの弾丸が極端な速度で発射された。被験者は、自分の手を見て叫び声をあげた。彼女の左手の薬指の爪が剥がれていた。分析の結果、爪が改造されて、ターゲットに緩くめり込んでいることが判明した。被験者の爪の大きさを鑑みれば、爪は摩擦によって削られたと考えられる。
事案: なし。
メモ: 以前に行われた実験の結果に鑑みると、ケラチンはSCP-032-FRのお気に入りの弾丸であるようだ。しかし、判断するにはまだ時期尚早か。 - ムワック博士
名前: D-5346
腕の数字: X(10)
射撃の効果: D-5346は、武器を掴んで一瞬の躊躇の後に、研究員の居る防弾ガラスの方向にそれを発砲した。弾丸は時速██kmのボウリングの球であり、それは研究員たちの前にあったガラスを粉々に破壊して█████研究助手を殺害した。D-5346は残りの9発を発砲した後、エージェントにより終了された。
事案: █████研究助手が死亡し、2発目の発砲でエージェント・███が重症を負った。実験後、研究員の安全確保は強化されている。
メモ: この事故は本当に残念であったが、このことはこれ以上に更に悪化する可能性がある。私たちはすでに、遥かに危険な軍用品の使用を観察してきた。私たちはこれから、SCP-032-FRの実験のために反抗的でないDクラス職員を用いていかなければならない。 - ベンジー博士
名前: D-7538
腕の数字: XXXV(35)
射撃の効果: 発砲の後、D-7538は自分の体の重さを支えることができなくなり、叫ぶことなく死亡した。弾丸は発砲の際に目立つことがなく、ターゲットを調査した後に大きく変質した小さな骨のようなものを発見した。被験者を解剖したところ、頸椎のC1がなくなっていることが判明した。
事案: 被験者の死亡。
メモ: うわあ。自分の体の守るための武器として使えるのか? - エズコ博士
名前: D-3588
腕の数字: DCLXVI(666)
射撃の効果: D-3588がトリガーを引くと、直径約50cmの強力な弾丸を発射した。ターゲットはそれが着弾すると発火し、わずか7秒で完全に焼失した。
事案: なし。
メモ: ダメですフロッグ博士、どんなに主張しようと、私たちはあなたにこの武器を使用させる気はありません。効果はあなたが使用したときに同じものである保証はありません。
名前: フロッグ博士
腕の数字: DCLXVI(666)
射撃の効果: 前回の実験と同じ。
事案: なし。
メモ: クソッ、まんまとしてやられた!
名前: D-4532
腕の数字: XVII(17)
射撃の効果: D-4532は銃を掴み、ターゲットを狙って発砲した。9mmの弾丸がターゲットに命中した。
事案: D-4532はその後、防弾ガラスの後ろにいる研究員を狙った。彼は警備員によって射殺された。
メモ: 失望した、本当に失望した。 - エージェント・ウェルド
名前: D-2135
腕の数字: LXII(62)
射撃の効果: D-2135はSCP-032-FRを振り回し発砲した。被験者はその後、武器の効果によって姿を消した。収容違反が確認され、SCP-032-FRの優先的な捜索が4時間に渡って行われた。
事案: D-2135は、実験が行われた建物の屋根で死亡しているのが発見された。彼の体は数百mを落下したのと同等の損傷を負っていた。SCP-032-FRは回収され、何事もなく再収容された。
名前: D-8903
腕の数字: CLXX(170)
射撃の効果: D-8903はSCP-032-FRを掴み、ターゲットに向かって発砲した。わずかな口笛のような雑音が実験室で聞こえ、ターゲットは即座に壁の右上に釘付けになっているのを発見された。検査の結果、壁から発見された弾丸は長い石英でできた針であり、測定を行ったところ長さ約40cm、直径わずか4mmであることが判明した。
事案: なし。
メモ: 通常の石英では実験室の壁に穴を開けられなかったことに注意してください。 - ヨハネス博士
名前: D-7357
腕の数字: II(2)
射撃の効果: 被験者は武器を手にすると、ターゲットに狙いを定めて引き金を引いた。発射された物体からは非常に短いシューという音が聞こえ、███km/hでターゲットに深くめり込んだ。問題の発射物は、実験に参加していた██████博士の腕時計の長針であることが判明。被験者は2回目の発砲を行い、第2の発射物(腕時計の2本目の針)もターゲットの1発目の命中箇所に正確に深く撃ち込まれた。
事案: 2回目の発砲の前に行われた██████博士の激しい抗議を数えないのであれば、なし。
メモ: 更なる実験が必要であると考えるが、全ての研究員が時計を所持していたという事実を考慮すると、SCP-032-FRの発射物は所持している被験者に対して常に同一のソースから供給されている可能性が高い。また、被験者であるD-7357は狙いを定めることに対して特別な能力は持っていなかったことから、手の狙いは自動で調節されると思われる。
また、針が撃った瞬間に補強され、それらが推進力や衝撃を受けたにも関わらず少しの破損もしなかった点にも注意すること。
名前: D-4342
腕の数字: XLII(42)
射撃の効果: D-4342は神経質に武器を手に取り、ターゲットに狙いを定めて射撃。様々な複雑な模様に囲まれた白色の数字"42"が刻印された、寸法1.42m×71cmの黒い木製のドアが、被験者から1.42m離れた位置に出現した。約4秒後、ドアが突然にして開放。40cm程度の大きさの白い鼠が後足で直立しながら、ドアの中から現れた。それは片方の前足で口ひげを滑らかに撫でながら、財団にとって未知の言語を用い被験者へと話しかけた。D-4342は█████博士が状況を説明するように要求したにも関わらずそれに反応せず、その生物をじっと見つめ続けた。D-4342はSCP-032-FRを取り落とし、エージェント・█████████の妨害にも反応することなくドアに向けて歩き出し、生物と共に消失。その後ドアも突如にして閉まり、同様に消失した。
事案: D-4342は現在まで発見されていない。別の次元/世界に移動したとの仮説が出されたが、現時点では証明することは不可能である。
メモ: 特に連続で射撃を行った場合に何が起こるかを確認するために、更なる実験が必要となると考えられる。
私は、次はこの数字が浮き上がる被験者を追跡するべきだと提案します。 - ██████博士
全ての目撃者は、ドアの向こう側に異なるものを見ていると思われる。█████博士は万華鏡のような色彩を見たと主張し、彼の研究助手は「宇宙戦艦」の内部を見たと証言、エージェント・█████████は何も見えなかった(向こう側は、明かりの故障した冷蔵庫を閉じたときの内部と同じように暗かった)と証言し、エージェント・████は図書館の内装を見たと主張。ビデオ監視カメラからの映像では、向こう側は別の場所には繋がっておらずドア枠だけが立っているという現象を映し出している。
実験のビデオ映像は、█████博士に言えば確認することが可能である。