クレジット
タイトル: アパラチアの傷痕
原著者: faminepulse
オリジナル: The Appalachian Scar
翻訳者: DirStarFish
査読者: Red_Selppa
作成年(EN): 2014年
参照リビジョン: rev.35
☦最後の南部第五主義者。SCP-1982。☦
資料ファイル23.A-F2
コード: アパラチア
ジョシュア・グリーンフィールドから得られたコメント
彼の発言の全てが真実か噓かどうかは分からない。イニシアチブの一員として、彼は極めて偏った考えの持ち主だ。彼が退役前に少々頭がおかしくなったと考えてる奴もいる。今や滅び去った数々の宇宙や連合がアブラハムの神をぶっ殺した件で話してみるといい。それだけじゃない。すぐにでも行動を起こさねばならないという彼の主張についても、大真面目に取り合うとなると少々無理がある。第五主義は遥か昔から存在しているのだから。
第五主義者…奴等は手に負えんものだ。お宅らのようなオツムの悪い"人々"に教えてやるよ、お宅らはソイツの耳に向かってしか話そうとしねえからな。奴等は確率の魔法を介し、バケモノによって生み出され、バケモノに従属している。奴等は操り人形さ。第五主義者以外からすれば悪魔であるのがこのバケモノなんだ。
ソイツ相手に話しかけたのよ。ソイツのことをよく分かっているからこそ、俺はソイツに話しかけたのを分かっているんだ。俺はソイツの正体をハッキリと分かっているんだよ。俺達の目の前に現れたのは滅亡した宇宙の創造主なんだよ。第五主義の正体は神の亡霊にして、我等の神、それと全く同一のものなんだ。
俺を信じてくれ。あの忌まわしき操り人形どもを長々とほったらかしにしておくというなら、奴らは核兵器に手を出すだろう。今なら阻止できる。ソイツの指をぶった切れる。これ以上識るのが不可能な状態を作り出せる。ソイツが意志を顕わにしている状況を維持する必要は無い。後々ぶっ潰すだけの話だ。
神殺しは決して夢物語なんかじゃない。
お宅らはこのことを特に知るべきだ…お宅らが何が出来るかは分かっているさ。俺にはその術は知らないが、お宅らの御先祖様にはチャンスがあった。けどどういうわけか、そのチャンスを不意にしちまった。この世界に関して言えば、第五…奴らは賢いとは言えねえ。けど奴らのクソッタレを一掃できる十分な能力を持っていると思うぜ。
第五主義現象に関して境界線イニシアチブの元フィールドオペレーターであるジョシュア・グリーンフィールドが世界オカルト連合のプログラムディレクターに宛てた発言。2004年。
アパラチア教団の図像

添付した文書は廃墟から回収された。大半は教団絡みの支離滅裂な文の羅列である。この文書から第五主義に関する上位存在についての正確な情報を読み取るのは不可能である。もしこの内容を理解しようとするなら、西海岸の第五主義者らと協力して当たらねばならないだろう。連中は我々が潜入可能な唯一の組織であり、有益な手段で外部勢力とやり取りしているように思われる唯一の組織だからだ。
ジェッティ・アンド・ザ・デルヴィンズとそのファン層は、ちょうど16年前のこの場所で集団自殺を決行した。目下の西海岸第五主義は"星座ヒトデ"を自称するバンドとして顕現していると思われる。このように書いても何を言っているか分からない読者のために補足しておくと、先の惨事についての最新報道が例の人物らしき者により差し止められた直後、KNTV1で取り上げられた連中のことだ。あそこのファン層は規模が類似している上に、類似のフォーマットを踏襲している。より細かいパターンが一致していると、多くの者によって裏付けられている。あそこにはゾンビがいる。
できる限り情報を集めてくれ。もし自分自身がアイツを介して話しているか、あるいは願わくば、ソイツ相手に話しかけていると気付いたならば、全て録音してくれ。耳にした歌は全て録音し、全ての象徴を文書に記してくれ。同様に自分の発言を全て録音してくれ。アイツの一部になっている可能性が十分にある。
アイツが姿を見せるよりも先に、奴等に死を与えてやれ。あんな目にあって良い人間など誰1人いない。イングランドでのインシデントを忘れたわけではないだろう。
アパラチアの傷痕
アイテム番号: SCP-[NULL]
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-[NULL]の影響下にある地域は隔離され、異常効果の潜在的再発が無いか定期調査が実施されます。隔離区域は影響を受けた地域の境界線に沿って設けられた金網塀と、財団フロント企業が買収した土地から構成されます。発見以降、穴は再度埋められたために森林地帯となっており、偽情報検閲プロトコルが関連する地域の歴史に適用されます。
説明: SCP-[NULL]はノースカロライナ州ジャクソン郡に位置する未開発地域であり、以前は█████████の町として知られていました。█████████の町は195█年に消滅したと報告されています。最大全長1km、幅2kmにも達する巨大な陥没穴跡が町があったと報告されている地域で発見されました。この地域は周辺地域よりも2km低くなっています。また、周辺地域には地質学上説明不可能な場所に位置する、複数の大渓谷が広がっています。
█████████の町の人口は146人でした。
町にあった湖を発掘すると、大量の異常物品が出土しました。
- 全長約7m、幅2cmに達する1体分のイヌ科の動物の死骸。
- 個体数不明のガンの死骸。
- 鈍角の三角形とひし形をしている25体分の人骨。
- 歪み、引き延ばされているように見えるものの、骨格上の負荷は一切痕跡がない2体分の人骨。
- 全長14m、体重2268kgに達するアメリカマムシ(Agkistrodon contortrix)1体分の骨格。
- 星型になった1体の人間の死体。
補遺A: 以下のインタビューは195█年に█████████から引っ越した元住人、ジョー・シルヴァンに対して行ったものです。
オルテガ研究員: █████████の町について何かご存じでしょうか?
ジョー・シルヴァン: あそこで何かあったのですか?リンダは無事ですか?
オルテガ研究員: 残念ですが、リンダさんは亡くなられました。あそこで発生した飛行機事故によってです。お時間いただいてもよろしいでしょうか?
ジョー・シルヴァン: いや…いいでしょう。ここ6年は全く連絡を取り合っていませんでした。
オルテガ研究員: 町について何か分かることはありませんか。歴史書を執筆しているところでしてね。
ジョー・シルヴァン: あー。歴史はさっぱりなんですよ。申し訳ございません。
オルテガ研究員: 悪く思わなくとも大丈夫です。住民についてはどうでしょうか?あなたが住んでいた頃のあそこのコミュニティは?
ジョー・シルヴァン: 滅茶苦茶保守的でした。信心深かった奴だらけでした。ホーリネス運動にのめり込んでいましたよ。町の住民の半分が金曜日のミサに出席していました。リンダが巻き込まれないか、いつも不安でした。
オルテガ研究員: ここ6年、奥様のリンダとはお話しされてないと仰いましたよね。理由を尋ねてもよろしいでしょうか?
ジョー・シルヴァン: リンダとは疎遠でした。あの時と変わっていないかさえも分かりません。ミサにモーガンを出席させるべきだと熱弁していたくせに、モーガンの養育に携わろうとしませんでしたし。今後一切、私と一緒に教会へと行くことさえ許しませんでした。「私はあそこの人間じゃない」って言ってました。逃げなければなりませんでした。
オルテガ研究員: どこかの時点で教会へ行くのをお止めになったのですか?どの時点で今後教会へ行くのを許されなくなったのですか?
ジョー・シルヴァン: 少しずつ段階的にです…ああ…アイツらは滅茶苦茶排他的でした。そしてある時点で、我慢の限界に達しました。除け者にされているように感じました。牧師に至っては、一部の人々が来た時に限って、特別な夜ミサを始めてさえいました。マジで馬鹿げています。そのせいで他の住民がどれだけ苦痛だったか、アイツらは分かっちゃいませんでした。
オルテガ研究員: 夜ミサとは?
ジョー・シルヴァン: よく分かりません。これ以上、妻を"スパイしよう"とするほど気にも留めなかったので。悪魔崇拝的放蕩の類だったのは分かっています。教義や聖書の解釈を変えるだけです。どういうわけか大っぴらになるのを望んじゃいませんでしたが。
オルテガ研究員: お時間ありがとうございました。この辺でお開きにしましょう。町で異変に気付いたかどうか覚えておりませんか?変わった音や煙を上げる大地とか?
ジョー・シルヴァン: 夜のミサ以外に町で変なことなんてありませんでしたよ。時々、夜半にアイツらは大声で騒いでいましたが、騒音で誰かが迷惑を被るなんて一度も起きませんでした。信仰上の流行りに従っているか否かに関係なく、あそこの住民はいつも通りだったんです。
補遺B: 以下のアナログ信号は1968年まで毎年8月23日に、町の周囲2kmで2分間に渡って放送されていたものです。
話者: モッキン、どうか蛇を掴んでおくれ。
若い男が1匹のアメリカマムシ (Agkistrodon contortrix)らしき蛇を説教台背後にある箱から取り出す。
話者: さあご覧あれ、同好の士よ、万物が形を備えた。神の形になったのだよ。
男は蛇らしきものを抱えて、頭上で振り回し始める。ビデオ映像が歪む。カメラは蛇調教師から微動だにしない。
話者: スーザン、落ち着いてくれ。
1人の女性が叫び始め、話者がカメラの視界からいなくなる。
話者: アンタの首に蜂蜜がかかっているのが分かるぜ。落ち着きな。どうして叫んでいるんだい?どうソイツが動くか見ていな。ソイツがどう床へと這い降りていくか見ていな。
奮闘する音がして、叫び声が止む。
話者: モッキン、蛇を降ろしてくれ。頼んだ。
蛇調教師は躓いたように見える。再度叫び声が上がり始めた。今度は反対側である。
話者2: スーザン!
1人の細長い人物の頭がゆっくりとスクリーンを通過する。
話者: ソイツを下ろすんだ、ボウズ!蛇は大きくなっていくように見える。その周囲では巨大化と縮小化が発生しているように見える。
ビデオ映像終了。
追記、コメント2
モーガンは少々特殊な経歴の持ち主である。彼は(最後の南部第五主義者の集いである)アパラチア教団に加わったが、第五主義実体の西海岸での顕現体の指導者となったようである。父親はこの実体に全く加わらなかった。このため血筋が原因ではなかったと分かっている。まるで我々が皆ソヤツの物語の一部であるか、ソヤツがゲーム初っ端から不正行為を働いたかのようであり、我々は再びこの運命論に立ち戻ってしまう。
ソヤツは我々の世界というルーブ・ゴールドバーグ・マシンを作り出したか、あるいは少なくとも完成に手を貸したのだろうか?妨害行為を働いたのか?これらの人々が死ななければならなかったのは何故だ?この怪物がどう考えているか、あるいは我々のような思考能力を備えているか否か、絶対に突き止めなければならない。ソヤツの望みは何だ?
今の調子で頑張ってくれ、そして看守らと第五主義者らに絶対に勘付かれないようにしてくれ。我々の協力への第一歩は理解である。あの実体の理解に挑んでくれ。
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