ウードについての遺言

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karkaroff 2020/5/17 (日) 10:11:42 #82965128


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かつて、一張りのウードをジンから手に入れた諜報員、これ以上にない胡散臭い男がいた。ファンタジーとリアルの間を渡り歩く私の親戚みたいなやつだ。血縁関係はないがね。

ジンニーのキャラバンの件で進展があった、覚えているか?

何年か前にスレッドに投げた話さ、知らない?読んでくるといい、これはあれの続きだ。ウードを手に入れたやつがMIAになった。私は奴の遺書を受け取った一人だ。彼は物語の欠片、足跡を残しておきたいだそうだ。意図は知らんがなんにせよ答えることにした。

そういう訳で奇妙な物語の後日談を語りたいと思うのだが暇な奴いるか?

Ranger01 2020/5/17 (日) 10:19:27 #82953624


一年前くらいで少し話題になった話だな。予定のない日曜日の暇つぶしにはちょうどいいな。確かファンタジーみたいな話だったよな?最近あまり聞かない類の。

とはいえMIA,任務中行方不明とは穏やかじゃないな、今度は陰謀論か?それとも魑魅魍魎の類でも現れたか?それこそパスファインダー協会が遭遇するような悪の来訪者みたいなやつらが。

個人的にはどこぞのRPGみたいにジンニーやアルコンみたいな奴らが出てきたことを信じたいな。

Ulysses 2020/05/17 (日) 10:19:44 #87459514


どちらかというとSFかB級ホラーじみた展開のほうが好みだね、せっかく前にイフリットの話が出たんだ。次は富士山にドラゴンかな?それともディアトロフ峠の真実でも見つけたかい?

ああ、ぼくはもちろん暇さ。適度に時間がつぶせると嬉しいよ。少なくとも積んでる時間を無駄にするためのくだらない映画よりは楽しめるといいね。

家で仕事ができるからって外出できないんじゃ暇な時間のほうが圧倒的に長いのさ。

karkaroff 2020/5/17 (日) 10:25:55 #82965128


助かる。まあ、そこまで壮大な話ってわけじゃないからシャドウランナーや冒険者というよりは探索者が必要な案件じゃないかと思ってる。実態はわからないがそれっぽい話ではある。

ことの発端は2月だ。僻地の自宅、税金関連や仕事の書類以外ほとんど手紙の届かないうちに見覚えのない手紙が届いていた。あて先は伏せるが軍の関係だったので何事かと思った。徴兵されるような年齢じゃないし、仕事は堅実にこなしていたからね。

まあともかくその手紙を訝しげに開けてみたら中には彼、あの諜報員の遺書が入ってた。任務中の失踪に際して贈られた複数の遺書の一通らしい。何枚かの古い言語で書かれた羊皮紙と奇妙な戯言の書かれた数枚の紙、それに定型にのっとった事務的なもの、いろいろと入っていたが、目を引いたのは唯一ロシア語で書かれた1枚の羊皮紙だ。

羊皮紙の出だしにはこんな感じのことが書かれていた。

ウードの響きに乗せてこれを書く。物語の断片を残すために
一通は極東の変わり者へ
一通は東欧の麗しき魔女へ
一通は首都の偏屈な同僚へ
3つの断片をつないだ時、イフリットは示すだろう
魂の残滓と私の遺産の在処のその場所を
私は私の手でそれを示せない
故に私の遺産を君たちに託す

そんな感じのことが羊皮紙に古い言葉で書かれていた。面白いことに彼の筆跡と彼以外の誰かの筆跡が混ざった奇妙な形でだ。ロシア語の古い言い回しが多くて間違っているところもあるかもしれないが、大体の意味はあってると思う。

Ulysses 2020/05/17 (日) 10:33:33 #87459514


羊皮紙に筆跡の違う誰かと二人で何かを書いてくるってだけでもある意味奇妙だけど、遺産や断片っていう”いかにも”な謎には惹かれるね。

個人的にはSANチェックが起きるみたいな出来事がセットで用意してあることを望むよ。魔女とか辺境とかそそられるワードが幾つも出ていることだしね。

nokcal 2020/05/17 (日) 10:27:01 #72412584


どちらかというと遺産のほうが気になるな。前の話じゃジンニーの商人からウードを手に入れたんだろ?古いウードと言ったら琥珀の弦を使うのが相場だし、アンティークとしても、宝飾品としてもそれなりの価値があるんじゃないか?

俺は楽器を扱ったことがないからどのくらいの価値があるか、正確なところはわからないが結構いいブツなのは間違いないだろうさ。

Ranger01 2020/5/17 (日) 10:30:27 #82953624


羊皮紙の謎や遺産がどうこうも気になるんだが、どういう状況でMIAになったのかも気になる。国に使われるロシア人が任務中に行方不明になるんだ、どういう状況で消えたかによっては話せないかもしれないが、いわゆる”戦死”相当のものにあたるのか?それとも”言えないアレ”?陰謀が絡むようならそういう連中を呼んでこないとな。

karkaroff 2020/05/17 (日) 11:01:18 #82965128


まあ、疑問はいろいろあるだろうさ。一つずつ答えて先に進もう。

辺境の変わり者は私のことだ、極東で好き好んで秘密を掘り起こしてる馬鹿はそう多くない。偏屈な同僚って言うのも分かってる、彼は政府の仕事をしていて、私はそこからも仕事を貰っていたからだ。届いた本人が気味悪がっていたので実際の遺産が見つかったら分配することを条件に遺書を郵送してもらった。

もう一人の魔女については私は皆目見当がつかない。今調べているがルーマニアのウィッカ連中と付き合いがあったらしいからそこで愛人でも彼女でもいなかったか今、人を雇って調べてる。

彼のMIAはその通り任務中の失踪だ。戦死が想定されるではないことは分かってる。場所が場所故に戦死以外の死亡の可能性はあるけど、聞く限りそうじゃない。

彼の失踪はダマスカスのあたりでの情報収集中らしい。しばらく前まで彼はクルド人関連の視察に参加していて、義勇兵たちの戦闘にかかわっていたらしい。そののち、視察が終わってダマスカスでの合法的な情報収取に移って数日で失踪したって話だ。彼は連絡が取れなくなる前日、

「マーケットに代金を支払わないといけない」

と同僚に言い残してホテルを出てそのまま消えた。同僚の証言と失踪状況についての記載、遺書の記述を総合すると。彼は自らの意思で消えた、という可能性が高いと思う。

遺書によるとかつて入手したウードの対価としての支払期間が来たので支払いに来るようにとあの商人から言われた……だそうだ。そしてそこで何かの取引をしたらしい。

Ranger01 2020/5/17 (日) 11:10:47 #82953624


取引というのは?それが例の序文とやらにつながってくるのか?

karkaroff 2020/05/17 (日) 11:09:18 #82965128


そうらしい、奴はその取引に従って彼は何かの物語らしいものを書いたらしい。今,解読してるのだけど何か抒情詩みたいなものが書かれているのは分かった。私と彼の同僚のもので大枠は固まってるみたいだけど、〆にあたる部分の物語が欠けている。

なにより、書かれている言語がペルシア語で書かれているせいで翻訳速度がそんなに上げられない。ただ少しずつ分かってきた。この叙情詩は誰かの旅路を示しているっぽい。いくつかの土地を示しているのがわかった。

主に中東を指す土地で、おそらくだがこの土地を巡っていくことで遺産のヒントが得られるようになっているように思える。私は今の時勢で仕事に余裕があるのを利用して特定できた一か所を訪ねてみた。

Ulysses 2020/05/17 (日) 11:15:56 #87459514


場所がわかった場所があったんだね、それで何か見つかったかい?
琥珀に覆われた石板とか、何かの皮に刻まれた碑文とか。

karkaroff 2020/05/17 (日) 11:35:11 #82965128


見つかったのは古い拳銃と琥珀の塊だけだったよ。拳位の大きさの塊だった。

オトラル遺跡の近くのある地点だ。大したものは見つからなかったけど、そこで奴の夢を、白昼夢を見た。

ただ、白昼夢で見たやつは何も語らなかった。ただ、きざったらしく帽子を振った後、南東に消えていった。彼の膝より下は燃えていて、まるで浮遊するように滑って行ったよ。

もしかしたら、彼はジンニーになりつつあるような、そんな感じがしたのを覚えてる。
何というか、私は彼の末路を知らねばならないような、そんな気がしているんだ。私は余裕の範囲で彼の足跡を追っていこうと思う。魔女探しと足跡を追う旅、このご時世だ。なかなか進まないだろうが少しずつでも。

また、報告するので続報が出たら暇つぶしに呼んでくれると嬉しい。いったんはここまでだ。

ウリータは行く、いつかは着くだろう。

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