パイロット - オリジナル

評価: +6+x
blank.png

1973

クソが飛び散り始めたとき、フリッツはそこにいた。

「おい?どこかで俺のボトルを見たか?」

充血した雄牛は右前脚を引きずりながら、力と痛みで震えていた。フリッツは、父であるフレッド・ウィリアムズが雄牛にハーネスをうまく取り付けようとしているのを見ていた。脚が持ち上げられて腹部が吊り革で吊るされると、雄牛は少し落ち着きを取り戻した。

問題の蹄が目の高さまで持ち上げられると、フリッツの父は研磨機を当てて蹄をならし、空洞と亀裂を露わにした。蹄の確執は非常に柔らかく、その周りは長い間とても湿っていた。フリッツの父は慎重に蹄刃を当てた。柔らかすぎる角質は鈍い刃物と同じくらい危険だ。度を越してしまうのはあまりに簡単なことなのだ。

そして、5歳のフリッツが好奇心からハーネスの後ろ側を覗き込むと、クソが落ち始めた。

水しぶきが火のように彼の顔に飛び散った。彼の固まった目はヒリヒリと痛んで涙がにじんだ。彼が叫びながら後ろに倒れると、クソは彼の口に入った。彼にはどうしても耐えられなかった。雄牛にとっても、叫び声は耐えられなかった。

雄牛はハーネスの中で身もだえした。持ち上げた脚を限界まで蹴り上げ、前後に揺れながら、それはフリッツの父親の首に直撃した。彼は道具のカタカタという音とともに後ろに倒れ、運び込まれる前に最後にフリッツが聞いた時もまだ、雄牛は吠え続けていた。


2003

クソが大津波のように襲い掛かってきたとき、フリッツはそこにいた。

彼は仲間全員と共に、新しい会社のニーズに見合うだけの安い土地を調査していた。古いプロメテウスの建物はアナ・スクラントンが断言したようにまさに修繕が必要な物件で、居住可能にするには19件のEPAスーパーファンド事業1が必要だという。

輸送コンテナは壁から17度の角度で、倉庫の中央に立っていた。彼はコンテナの周りをうろつき、金属部分を叩いて音を聞こうとした。コンテナは音を吸収した。満杯ということだ。

そこでフリッツは扉の鍵を解除し、受け継いだ財産を受け取ろうと扉を大きく開けた。

すると、クソが飛び散った。

血と排泄物の混じった乳濁液がコンテナの上から下まで満ちて流れ出た。それは再び彼の目に入ったが、今度は叫ばないように気をつけた。

流れが弱まると液体にまみれた"それ"が現れた。

それは折り、ねじり、痛めつけた。

フリッツが仮設便所に駆け込む前に見た最後の光景は、コンクリートの塊が鉄骨の許す範囲を超えて必死に頭を回そうとしているが、かさばって割れた手足に阻まれて失敗している姿だった。

フリッツは目を開けておらず、水筒の蓋を開けようとして手間取っていた。彼は顔に水をかけ、もう一方の手で汚れをこすり落とした。水は勢いよく流れ、ちょろちょろと滴り落ちた。水が滴り終わったとき、彼はやっとボトルを薬品臭いトイレに投げ捨て、そして目を開けた。

目はまだしみていたが、床の水たまりに映った自分の汚れた姿を見て、そこに5歳のときの自分を見た。


5歳のフリッツは鏡から顔をそむけた。彼は外で、父親が雄牛に気を取られて息子の様子を見ていなかったと責めているささやき声を聞いた。彼はトイレからそっと出てきた。髪にはまだ水滴が滴り、顔は洗ったばかりで赤くなっていた。彼が洗面台の縁にあるボトルを見下ろすと、彼の顔に不安が浮かんだ。彼はずっと父親のボトルを握りしめながらハーネスの方向に歩いていた。


35歳のフリッツはケミカルトイレの中を見下ろした。彼は肩まで腕を入れ、ようやく汚水の詰まったボトルを引き抜いた。それは古くて、薄いプラスチックでできており、ひび割れだらけで、一日以上は持たないはずだった。彼はそれをつなぎとめているダクトテープの継ぎ目をなぞった。

あるいは彼が吸っていたのは仮説便所の臭いだったのかもしれないが、フリッツは何年も前のあの日との紛れもないつながりを感じた。

彼は心の内に過去を振り返った。トラックに積まれた建設・解体用の道具。建物のドアの幅。あの物体の動きのパターン。それは見るまでは決着のつかない、シュレーディンガーの猫のようだった―

そして彼はケミカルトイレのドアを押し開け、目を閉じた。


5歳のフリッツは丘を登りきり、父親が何をしているのかを見て立ち止まった。

フレッド・ウィリアムズは雄牛の鼻に手を置いた。彼はそっと声をかけ、頭と脇腹を撫でた。そしてついに、彼は再びひざまずいて頭を後ろに傾け、まるで二度目の蹴りの機会を与えるかのように満面の笑みで目を閉じた。

すると雄牛は再びフレッドを蹴った。彼は後ずさりして悪態をついた。ハーネスのおかげで蹴りは和らいだが、それでもまだ痛かった。フリッツは丘を下って彼のもとへ駆け寄り、ボトルを差し出した。

フレッドはボトルを受け取り、自分の首をさすってからそれを雄牛に差し出した。雄牛はそれを口にくわえて水を飲むと口から泡を出し、水が流れ落ちた。ついに雄牛は水筒を落とし、もう一度蹄を差し出した。


35歳のフリッツは目を固く閉じ、廃墟となった建物の中をゆっくりと進んだ。彼は周囲でコンクリートが擦れる音を聞き、目を閉じたまま道のりを進み続けた。

建物を出るとフリッツはついに目を開けた。彼はよろめきながらトラックまで行き、側面の収納部を開けて、ハンマーとノミ、それからホースを取り出した。彼は建物のドアを振り返った。その向こうに"それ"が立っていたが、通り抜けるには大きすぎており、まるで死んだかのように動かなかった。

フリッツは出入り口にいる"それ"に近づいた。彼はコンクリートの表面を撫で、こびりついた排泄物を払いのけた。その奥深くで震えがこだましていた。

彼はこれからやることを一つ一つ指示した。もう一度ホースできれいな水をボトルに満たし、"それ"の目詰まりしたコンクリートの穴に噴射した。水が汚れをキレイさっぱり落とすまで、何度も何度も加圧ホースで水を噴射するのを繰り返した。


フレッドはナイフを手に取り、再び蹄を削り始めた。彼は痛みを感じるまで様々な場所を圧迫し、その部分に集中して削り進めた。蹄を削ると小さな穴が開き、そこから悪臭を放つ液体が噴き出した。雄牛は安堵のうめき声をあげ、ついに空洞内の圧力が解放された。


フリッツは"それ"のあちこちを、震えると感じられるまでノミで叩きつけ、そこから削り始めた。それはそれはとても骨の折れる作業だった。コンクリートの粉塵が舞い上がり肺に入り込んだが、ホースであちこちに散水すると地面で固まった。彼は腐敗物が流れ出る空洞を叩いて洗い流した。コンクリートが震えて周波数が変わり、ガラガラという音は今やゴロゴロと喉を鳴らす音に変わった。


フレッドは蹄角の空洞全体に光を当てた。不自然な空洞には雄牛を悩ませるような血や泥がこれ以上溜まることはなかった。彼は外縁に雄牛の体重を支えるのに十分な蹄を残し、それが再生するまで敏感な空洞に体重がかからないようにブロックを接着した。接着剤が固まると、彼はハーネスから雄牛を解放し、後ろに下がった。

明日には、彼が軽く見ていた首の怪我のせいで数ヶ月の入院が必要になるだろう。治療の遅れによって症状が悪化したからだ。数年後、この類いの事故が原因で発症したCTE(慢性外傷性脳症)が、フリッツを彼の死の床で涙に暮れさせることになるかもしれない。

だが、それは今ではない。


フリッツはコンクリートの空洞全体に光を当てた。"それ"の構造的完全性が危険にさらされていることが明らかになったところで、彼は鉄筋で支えを立てた。いつか、"それ"を動かしている何かが傷を癒やしてくれることを彼は願っていた。彼が削り取った暗い層と明るい層は成長サイクルを暗に示していた。

そして今、"それ"をどうするかという問題が浮上した。

好奇心旺盛な人なら研究をしてどこかしらの偉大な生物学研究所に引き渡し、宇宙の大いなる秘密を解き明かすだろう。

恐れをなす人なら永遠に箱に閉じ込め、評議会にしてしまったことを繰り返すのではないかと恐れるだろう。

慈悲深き人ならペットとして引き取り、愛情と気遣いと敬意を持って扱い、殺人的な習性から躾けるだろう。

フリッツは建物の間を抜けてそれを台車に繋いだまま転がしながら、畑に肥料を与える恐ろしく効果的な案山子として雇用することによって、セーフ・クリーンアップ・プロフェッショナルズのために大儲けする計画を話した。その時が来るまではそれを箱の中にしまっておくと彼は言った。

もちろん、金儲けの道具に汚れた住処を与えるのは良くないだろう?掃除は…どのくらいの頻度でスケジュールする必要があるのだろうか?適切な掃除スケジュールが見つかるまで、彼は正確そうに聞こえるが曖昧な言葉を使って誤魔化すだろう。

そして角を曲がると、彼は'05の評議会の面々を見て、あの虐殺を思い出した。彼は彼らの脈を調べていた。あの時、マリオン、ダミアン、ハイラム、レイノルドもまだ生きていた。最終的に彼は救急車を呼ぶことになった。痛みと過度の発育によって"それ"の殺傷能力は抑制されていたものの、怪我は相変わらず深刻だった。

翌日には彼が同僚のことを気にかけるのにどれほど時間がかかったかと非難し返されるだろう。翌日にはシュレーディンガーの猫を解釈違いしていたと誰かが指摘するだろう。"それ"が驚かせる行為への欲求は、やがて視覚的な驚かせを好む傾向に打ち勝ってしまうだろうと推測する人もいるだろう。だから、目を閉じてそれを否定するのはその場しのぎに過ぎないと誰かが言うだろう。誰かは危険で異常な清掃作業のファイリングシステムの導入を始めたがるだろう。

しかし彼は今、父親を抱きしめ、雄牛が新しい蹄の脚を試しながら歩き去り、それがやがてブロックに慣れて興奮して囲いの中を駆け回るのを見守ったあの日のことを回想していた。そして、彼はあの時のように父親のボトルを一口飲んだ。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。