真の怪物たち
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少年だった頃、私は怪物たちを恐れていました。

彼らはいつも光の届かない暗い場所に潜んでいました。父が何度懐中電灯でクローゼットの暗い隅々を照らそうと光が消えた途端に、怪物たちが戻ってくることを私は分かっていました。彼らは闇の中に潜むと決まって私に囁いて、私は毛布に包まって彼らが去ることを願います。朝が来ると、消えてくれることもありましたが闇が再び訪れた瞬間、怪物たちも戻ってくると分かっていました。

いつだってそうでした。

大人になって、理解しました。真の怪物たちは隅の暗がりやクローゼットに隠れてはいないのだと。真の怪物たちは私の目の奥、心の闇の中に棲んでいる。そして懐中電灯だけでは追い払えず、隠れるには毛布なんかじゃ隠れられない。彼らはいつもそこで、子供には理解できない恐ろしいことを囁いているんです。

嫌というほど聞かされたら、彼らを黙らせるために何だってしてしまうものです。

あなたが探しているものは廃墟となったマーフィー家の地下室で見つかる筈です。彼女はまだ生きています ─ 少なくとも、彼女を最後に訪ねたときに私が持っていたパーツは生きていましたから ─ でも、他の人たちはずっと前に死にました。彼らの歯はジップロックに入れて古いファイルキャビネットに保管しているので、もしかしたら歯形の記録から身元が分かるかもしれませんね。

それはそれとして、彼女は何日も食べていませんし、多量の血を失いました。けれど急げば助かるかもしれませんよ。彼女が生きたいと思えるなら、ですが。結局のところ、みんなは生きたいと思わなかったのですよ。

1つだけお願いがあります。帰るときに明かりを付けたままにしてくれませんか。この独房は暗くて、あなたがいなくなった後に怪物たちが出てくるのが怖いんです。

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