オブジェクト番号: 未定
オブジェクトクラス: Keter(推定)
特別収容プロトコル: 確保計画立案前につき未記載
説明: SCP-XXXX-JPは頭がパンで構成されている人型実体です。身長は平均的な人間と同程度ですが、頭部が異常に大きく、三頭身ほどの歪な体型をしています。また、掌に指が存在しない、首が存在しない、原理不明の異常な飛行能力を有するなど、複数の非人間的特徴を有します。SCP-XXXX-JPは「正義の味方」を自称しており、表面上財団に敵対的ではありません。しかし、SCP-XXXX-JPの実施する善行には弱者の救済、悪人の制裁といった一般的なものの他に「飢えた者に自身の顔面を食べさせる」という異常な行動が含まれています。
SCP-XXXX-JPの特筆すべき異常性は、その精神影響能力です。一般人、特に子供はSCP-XXXX-JPを「真の正義の味方」と信じ、その異常な外見や行動を許容します。また、SCP-XXXX-JPを批判する人間を拒絶します。児童養護施設周辺にて調査を行った所、殆どの児童がSCP-XXXX-JPに関する否定的な言及に対して泣き喚く、逃げ出すなどのヒステリックな反応をしました。
SCP-XXXX-JP-1はSCP-XXXX-JPに対して否定的な言動を行った者の周囲に現れる、敵対的な人型実体です。SCP-XXXX-JP-1はSCP-XXXX-JPとの関係性を否定しますが、SCP-XXXX-JP又はその信奉者からの呼び出しを受けて出現すると思われます。SCP-XXXX-JP-1は平均的な人間と同等以上の身体能力を有し、集団で現れるため抵抗は困難です。
インタビュー記録・XXXX-01
実施場所: 埼玉県████市 ████デパート屋上
実施経緯: 楢崎研究員がフィールドワーク中、偶然SCP-XXXX-JPに遭遇した。対象は敵対的挙動を見せなかったため、インタビューを敢行。尚、本インタビュー時のSCP-XXXX-JPは地面に対してうつ伏せの体制を保っており、背部に子供用の椅子のようなものを乗せていた。
<録音開始>
楢崎研究員: こんにちは、SCP-XXXX-JP。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!
楢崎研究員: あなたは、何故ここにいるのですか。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!お金を入れてね。お金を入れると、僕に乗って遊べるよ。
楢崎研究員: 収入を得るために、ここにいるという事ですか。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!
楢崎研究員: 質問に答えて頂けませんか。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!お金を入れてね。お金を入れると、僕に乗って遊べるよ。
楢崎研究員: …質問を変えます。あなたは、何を目的としてこのような活動をしているのですか。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!
楢崎研究員: 質問に回答してください。SCP-XXXX-JP。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!お金を入れてね。お金を入れると、僕に乗って遊べるよ。
楢崎研究員: SCP-XXXX-JP、あなたが児童に対して精神操作を行っている事を、私は把握しています。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!
楢崎研究員: 私の言っている事が理解できていますか。SCP-XXXX-JP。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!お金を入れてね。お金を入れると、僕に乗って遊べるよ。
<録音終了>
補遺: 上記インタビューの実施後に3体のSCP-XXXX-JP-1が出現、楢崎研究員をSCP-XXXX-JPから引き離した。SCP-XXXX-JP-1は楢崎研究員を「不審者」と呼称し、二度と████デパートに近づかない事を強要した。