これらのタブには、カノンの設定と背景に関する追加の資料が含まれています。もしあなたが第三法則に興味を持った単なるライトな読者であれば、これを読む必要はありませんが、あなたが投稿することを考えている — もしくは単に設定について興味がある — 場合は、これらはあなたのためのものです。
タブ |
内容 |
概要 |
あなたが今まさに読んでいるタブです。他のタブの目次があります。 |
投稿する |
投稿したいと考えている人たちのためのガイドライン。カノンのための執筆の基礎を説明し、基本的なつながり、全体的なトーン、および主要なテーマを簡単にまとめます。 |
連続性 |
カノンの枠を超えた様々な「連続性の種類」に関する詳細な説明と、多かれ少なかれカノンの延長線上にあるとみなされる第三法則の外にある主要な作品の一覧。 |
歴史 |
カノン世界の歴史の概要。 第六次オカルト大戦から始まり、重要な出来事を21世紀の始まりまでおさえます。 |
団体 |
カノン内に存在するさまざまな要注意団体のリスト。それぞれの導入の概要が示されています。 |
領域 |
カノン内での設定として頻出するさまざまな領域のリストとそれぞれの簡単な要約。 |
年表 |
カノン内の主要な出来事の詳細な年表とその連続性、そして該当する関連記事への広範なクロスリンク。 |
参考資料 |
読者と執筆者のための追加資料。カノン全体で使用されている用語集、個々の出演作品へのリンク付きの主要な登場人物の索引、頻出パラテックの索引など。 |
基本的な点
- このカノンで何かを書く前に、あなたの書きたいものが既存作品か構想された設定と矛盾しないことを確実にするためにあなたのアイデアについて他の投稿者に相談してください。
- 第三法則の主要な投稿者のほとんどは、第三法則のIRCチャンネルであるSynIRCの#Apotheosisでたむろっています。ブレインストーミングや一般的な議論のためにいつでも自由に参加してください。
- IRCを使い慣れていない場合は、Wikidot PMを
GreenWolfか
TyGentlyに送信することもできます。
- 他の投稿者に相談して投稿前に自分の作品をレビューしてもらうと、おそらく設定における多くのミスを見つけることができるでしょう。また、執筆を始める前にこのカノン内の作品全体に目を通し熟知しておくことをお勧めします。これには上記のすべての記事と、加えてここにある他のタブが含まれます。
- 新しい第三法則の記事を投稿するときは、必ず次のことを行ってください。
- このカノンの一部であるすべてのページは、パンくずナビを使えるようにするために、このハブページを親ページとして設定してください。
- このカノンの一部であるすべてのページは、第三法則タグを付けてください。
- 明確にこのカノンのために書かれたどんな記事(特にtaleとGOIフォーマット)も第三法則のCSSテーマ(またはその亜種)を使うことが好ましいですが、これは絶対条件ではありません。これを行うには、記事の先頭に次のコードを追加します。サンドボックスでも動作します!
[[module CSS]]
@import url(/component:3lawtheme/code/1);
[[/module]]
私たちが望むもの
第三法則はほとんどのカノンより広い領域を扱っており、カノン全体を貫く物語や定まった設定はありません。代わりに、第三法則は単一の連続性、共通するトーン、および一連の繰り返されるテーマによって定義されます。結果として、これらの基準に合うほとんどすべての物語がこのカノンに含まれる資格を持ちます。
連続性
第三法則の"連続性"は大規模で、その全体像はここで説明するには長すぎるでしょうが、"連続性"の基礎を形作っている世界観構築の基本原則は以下に示しておきます。記事がここにリストされた点と相反するならば、それは第三法則と根本的に相容れません。
- 森羅万象は最終的には理解可能である。 従来の物理学の理解に反するものはたくさんありますが、宇宙は根本的に秩序だった論理的なものであり、時間と努力があれば、すべての異常現象は最終的に理解されるでしょう。たとえ従来の物理学から離れたままであっても、多くの異常現象のための理論的な体系を生み出すことに成功した超常科学 — 奇跡論、形而上学、サイオニクスなど… — の分野でこれは最も明白です。これは通常よりも楽観的な財団世界の見方であり、それは悲観的な作風をとる作品 — たいていはコズミックホラーとして分類される作品 — は第三法則と両立しない可能性が高いことを意味します。
- パラテックはありふれたものである。 これは先の点から自然に導き出せる結論でしょう。厳格な超常科学は超常技術の広範な開発を可能にし、ヴェールの両側で広く使用されています。多くの消費生活用製品には、性質上超常的であるか超常現象から得られた技術が用いられていますが、この事実はごくわずかだけにしか知られていないかもしれません。拡大する異常な世界では、財団のような正常性維持機関は、潜在的にイデオロギー上の疑念があるにもかかわらず、ヴェールを支えるためにパラテックにますます依存するようになっています。
- ヴェールは存在するが弱体化しつつある。 超常科学の全分野を含む異常の存在は、ヴェールとして知られている取り組みにおいて、正常性維持機関と国家政府によって世界の大部分から隠されています。これは主に異常現象に関する情報の抑制という形を取りますが、財団のような機関は異常な物体を収容することを試みるという積極的な役割を果たすかもしれません。ヴェールは絶対的なものではありません — 仮に問い詰められたとしたら、ごく一部の人々は上記の存在を認めますが、ほとんどの人も科学では説明できないことの存在について少なくとも曖昧な認識を持っています。実際、ヴェールの向こう側には都市やコミュニティーが存在し、異常の存在とそれを隠蔽しようとする取り組みを知っている人々によって完全に占められています。20世紀半ば — 第七次オカルト大戦の直後 — になると勢いがピークを迎えます。ヴェールは、正常性維持機関の最善の努力にもかかわらず、冷戦の終結以来着実に悪化しています。
- 正常性は合意によって定義される。 異常現象は宇宙から切り離せない部分であり、ヴェールを支える人々の合意によってのみ「異常」と見なされます。入念に理解されている多くの超常科学の分野はヴェールの背後に隠蔽されていますが、多くの不思議な現象は従来の科学によって公に立証されています。何が異常で、何が異常ではないかという決定は、大抵科学よりも政治に大きく影響されます。
- 人工知能は非常に希少である。 機械奇跡術の実現可能な発展によってもたらされる極端な潜在的危険性のために、汎用人工知能に関する全ての研究は正常性維持機関によって厳しく制限されています。2020年現在、存在する汎用人工知能は、GOCの珪素のノルニル、財団のSCP-2897、そして少数の収容されていないバーディーンの派生物だけです。
- 天国はない。 "魂"と見なすことができる様々な実証済みの観測可能な現象があり、意識が死後も身体から独立して持続することは可能ですが、意識が停止してしまえば終わりです。もし来世があったとしても、だれもまだそれを見つけていません。
トーン
第三法則は、アーバンファンタジー世界におけるサイエンスフィクションであり、その組み合わせは独特のトーンを生み出すと言われています。世界は幻想的な驚異と恐怖に満ちていますが、人間の工夫と能力を通して、それらは最終的に理解され、さらには活かすことさえできます。はい、怪物や悪魔、さらには"外側"からの困った存在がいますが、人間はそれらと戦うことができ、そして戦うことになります。したがって、カノンの全体的なトーンを表すのは、恐ろしく広大で未知の宇宙に直面したときのくよくよしない不屈さです。
これは定量的に表すのが少し難しいので、箇条書きにはしません。ごめんなさい。
テーマ
第三法則のトーンが科学的楽観主義であるならば、テーマは科学的帰結です。第三法則の物語や記事は、世界全体への超常科学の影響 — 直接的かつ間接的な — について検討してみるべきです。これはパラテックのプロジェクトの技術的な文書から異常な飛び地での約一日の物語の話まで多岐に及びます。もう一つの可能性のある方法は、さまざまな超常科学の体系を論理的帰結に導き、体系のエッジケースを調べるか、あるいは異なる超常現象がどのように相互作用するか確かめることです。
いくつかの具体的な点:
- 知は力なり。 これは私達がそれをカノン全体のサブタイトルにしたほど重要であり、そしてそれは作中世界におけるプロメテウス・ラボと財団解析部門双方のモットーです。財団世界のすべての組織は究極的に独自の知識 — 異常なこと、お互いのこと、全てのことについて — を増やすために働いています — なぜなら知識は時に文字通り世界を変える力を与えるからです。
- 作用は結果をもたらす。 通常は意図しません。個々の作用による長期間にわたる影響は数多くあり、予測はできません。 異様な物事がたくさん起こっていますが、それらは全て常に一貫した挙動を取ります。なぜならどれほど奇妙な異常であってもその根底には論理が存在するからです。そして、最善を意図したことでさえもひどく厄介なことになる可能性があります。これを覚えておいてください。
- 魔法は科学のもう一つの形態である。 これは先の「森羅万象は理解可能である」に直結しています。あなたはこの論理を明らかにする必要はありませんが、それが何であるかを知っておくべきです。
- 技術は力を増幅させる。 本質的に良いまたは悪い技術はありませんが、良い状況をさらに良化し、悪い状況をさらに悪化させる可能性があります。どこにパラテックがあっても、使っている人の目的が良かろうが悪かろうが達成するために使われるでしょう。
- 人間は愚かである。 上記に結びついて、技術は悪くないかもしれませんが、人間はすぐにそれの最悪の使用法を見つける傾向があります。人間の創意工夫は私たちが自由に使うことができる最も強力な道具であり、そしてそれはしばしば他の人々に対して用いられることになります。ほとんどの争いは人間の動機と行動によって引き起こされるのであり、その背景となる問題と無関係ではありえません。
概要
第三法則は、多くの一般的な構想とは異なる解釈を提示していますが、最終的にはSCP Wikiのより大きな共有設定に基づいて構築されています。したがって、しばしばカノン外の作品のアイデアを取り入れます。 — 同様に、多くの作品がこのカノンの外にありながらも、その要素を取り入れています。ほとんどの場合、これは関連する作品の全体像を結びつけることなく行われます。しかし、ほぼ互換性のある設定を持つ作品の一部は、厳密には外部に残っていたとしても、カノンの全体的な流れに加えられます。この拡張された連続性の中での作品は、少なくともこのカノンの設定の中で書くことを目的として、その一部であるかのように — 様々な程度で — 扱われます。
連続性の種類 States of Continuity
すべての作品が第三法則と完全または同等に適合するわけではありません。一部の記事には、全部の要素がそうでないとしても、第三法則の枠内にある概念、設定、または人物が含まれています。別の作品は、完全にカノン内であると見なすことができるかもしれません。これらのさまざまな連続性の強さの度合いは、連続性の種類と呼ばれ、第三法則とどのように互換性があり、カノンのほかの部分との関係がどのようなものであるかを簡略化して示しています。
- コア・カノン — コア・カノンは、実際の第三法則カノンと、明示的にその中で書かれた作品です。コア・カノンに矛盾や不一致がないことを確実にするためにあらゆる努力がなされています。拡張された連続性の中に何かがコア・カノンに矛盾するものがあれば、コア・カノンは出来事の正確で標準的なものと見なされるべきです。
- 拡張カノン — これは第三法則の一種の姉妹版とみなせる「ねじれた松の木」カノンにのみ適用される特殊な連続性の種類です。2つのカノンは、多くの登場人物や出来事を共有し、お互いに協力し合っていて、密接に結びついています。この拡張カノンの作品は、コア・カノンに矛盾するいくつかの事例を除いて、拡張されたつながりの何か他のものよりもカノンであると見なされるべきです。
- 緊密な連続性 — これらは、第三法則に大部分または完全に適合する作品であり、コア・カノン内の作品と明確に矛盾しない限り、完全にカノンとみなすことができます。
- 緩やかな連続性 — 第三法則と大きく相容れないが、依然として強い影響を及ぼしている作品があります。これらの作品に示されている正確な詳細はカノンではないかもしれませんが、それらが記述する出来事の全体的な形状は、何らかの形でつながっている点があるとみなされます。
連続している作品 Works in Continuity
拡張された連続性の中の作品のリスト、およびそれらの成す連続状態。網羅的ですが、このリストは必ずしも包括的ではありません。
- ねじれた松の木 — [拡張カノン] — このカノンの中の大部分の作品は、第三法則と完全に互換ですが、少数の例外が存在します。特に、強いAIが希少で抑制されているため、第三法則にはAIADは存在しません。AIADへの言及のほとんどは、第三法則の中で同様の役割を果たす分析部門に置き換えることができます。ちなみに、AIと呼ばれることもありますが、アンダーソンのセイカーユニットは、完全な意識に近づけるために人間の魂の残骸を使用するので、真のAIではありません。最終的に、2024年8月の機械の零落での出来事に伴い、2つのカノンの時系列が分岐し始めますが、いくらかの出来事が緩やかな連続性の下で引き続き共有される可能性があります。
- 世界オカルト連合事件簿 — [緊密な連続性/緩やかな連続性] — 第七次オカルト大戦や統一奇跡論など、GOCカノンの世界観の多くは、第三法則へと借用され、拡張されました。付随文書タグにて列挙されている奇跡論の講義は第三法則と緊密な連続性を持ちますが、GOCカノンの残りは様々な度合いで緩やかにつながっています。
- クールな戦争 — [緩やかな連続性] — クールな戦争での出来事は、ここで描かれているのとほぼ同じ方法で第三法則で起きましたが、"何者でもない"の描写は明らかに第三法則と両立できません。コア・カノン内の作品によって裏付けられていない限り、クールな戦争の正確な詳細についてはブロードストロークスなやり方を前提とするのが最善です。(特に、第三法則はクールな戦争の日付を修正し、金曜日の展覧会は2013年12月6日に行われることを前提にしています。)
- ディア大学について — [緩やかな連続性] — ディア大学はこのページに記載されているのとほぼ同じように第三法則で存在していますが、いくらかの世界観の詳細や他のカノンへの参照は組み込まれません。
概要
超常史を簡潔に要約することはほとんど不可能です。なぜなら、異常についての歴史は広範で、長く、タイムトラベル関連は複雑化しやすいからです。その多くは時の流れにより自然に埋もれていきましたが、より多くの歴史が異常に関する情報を隠蔽しようとする者たちの手によって破壊されていきました。第一次オカルト大戦の日付のように一見基本的に見える情報は、超常史の記録にはまったく欠けているので、オカルト学者は噂や推測に頼る必要があります。
したがって、超常史における現代史は、超常現象の信頼できる記録が一貫して存在することによって定義され、一般的には第六次オカルト大戦が終わってから始まったとみなされています。現代における正常性維持機関の出現、ヴェールの体系化、そして戦争の余波による超常ルネッサンスの始まりはすべて広範囲の異常現象の文書化に貢献しました — たとえヴェールの状態が文献を覆い隠したとしても。
第六次オカルト大戦
最初の大きなオカルト大戦は2世紀以上続き、第六次オカルト大戦では1875年から1882年まで続きました。多くの異なるオカルト的なグループや個人を巻き込んだ多面的な戦争で、敵対行為の発生につながった根底にある原因と動機は今日でもほとんど理解されていません。これは主にヨーロッパや中東が前例にない程の惨状になり、戦争中に作成されたほとんどの主要な情報源が破壊されたからです。1881年に戦火は最も拡大し、この年にドイツのオカルティストたちが行った儀式により、古代セム人の神格にして奇跡術の性質そのものを操るデミウルゴスは破壊され、人類全体にオカルト的な潜在能力がばらまかれました。これらによるバックラッシュは北海で大規模な高潮を引き起こし、ヨーロッパの西海岸沿いに何千という犠牲者をもたらしました。
広範囲にわたった破壊と集団的な興奮状態による脅威に対応して、各国政府は戦争を終結させるよう仲裁し、その存在を一般市民から覆い隠しました。これらの努力は、現代的な形の国家による超常機関と正常性維持組織の出現、そして結果としてヴェールの最初の正式な体系化をもたらしました。学者と知識人の間で長い間公然の秘密であった超常現象の情報がもはや隔離され、世界中の一般社会から隠されました。通常科学が発展し続けたので、異常とオカルトへの信仰は、迷信深い人間と秘密の守り人のものとなりました。
超常ルネッサンス
しかしながら、ヴェールは絶対的なものではありませんでした。デミウルゴスの死はオカルト的でサイオニクス的な大量のバックラッシュを引き起こし、世界中でオカルト的な潜在能力に多数の人々が目覚める原因となり、新たな超常現象を引き起こしました。この超常人間人口の突然の急増は、奇跡論、サイオニクス、形而上学などの新しい科学分野を次々にヴェールの背後で生み出しました。正常性維持組織は当初、超常ルネッサンスに反対していましたが、ヴェールを維持するのに超常科学の技術が応用できるかもしれないことが分かると、彼らは最終的にその成長の原動力になりました。
第六次オカルト大戦によってすでに弱体化し、国家超常機関からの厳しい監視に直面して、長い間超常社会を支配していた神秘教団や秘密組織は、気づけば戦争の余波によって結成された新しい組織や企業との競争に早々巻き込まれていました。プロメテウス・ラボや国際統一奇跡論研究センターのような組織による異常の研究によりきちんとした理論的な手法が用いられることによって、超常現象への理解が急速に進歩し、近代的な超常科学の基礎が築かれました。
超常ルネッサンスの初期は理論と実験の進歩が重要な要素でしたが、後半には考古学調査の遠征隊に焦点が当てられました。民俗学と断片的な超常史の基礎が研究され、地球上の局所的な超常現象を体系的に文書化する最初の試みが行われたり、初めてのローカル多元宇宙の目録化への進出が行われました。そして、多数の組織が超常的な遺物を獲得しようと競い合いました — それらの科学的な価値から互いに入手できないようにしました。最終的には第七次オカルト大戦が発生するまでの時期に考古学に関する競争は絶頂に達します。
第七次オカルト大戦
おおよそ第二次世界大戦と同時に発生した第七次オカルト大戦は、ドイツによるチェコスロバキア併合のすぐ後の1939年に始まったと大抵見なされます。戦争に至るまでの数年間、アーネンエルベ・オブスクラとトゥーレ協会内の協力者は、オカルト能力をナチス政権の人員に限定してソロモンの儀式を行使しようと、儀式を実行するのに必要な遺物を取得していました。ナチスドイツが英国の宥和政策によって利益を増やし続けている時、オブスクラ軍団は遺物を手に入れようと奮闘し、最終的に他のオカルト団体と衝突するようになっていきました。テンプル騎士団と英国オカルト局が率いる連合国オカルトイニシアチブは、オブスクラ軍団とその活動に抵抗するためにすぐに結成されました。
プラハの戦いで早期に勝利を獲得した後、AOI(連合国オカルトイニシアチブ)はその後6年間、オブスクラ軍団と世界中で密かに戦います。AOIに含まれる超常組織連合体は、ナチス政権が大陸ヨーロッパのほとんどを占領するようになったとしても、戦争を通じて拡大し続けました。数多くの成功にもかかわらず、AOIは戦争の最後の年まで、オブスクラ軍団のソロモンの儀式の目的を完全に知ることはありませんでした。
第二次世界大戦で明らかにドイツが不利になっていることを受けて、財団はついにAOI側から参戦し、1944年9月、オブスクラ軍団の研究機関の所長であるコンラード・ヴァイスを捕獲するという奇襲を行いました。AOIと財団は、ヴァイスを捕まえて得た情報によってオブスクラ軍団の儀式のための計画とAOIによって保管されていて欠けた遺物と置き換えるために代用の部品を作成しようとする試みを知りました。最後の作戦は儀式が行われる場所に集まり攻撃することでした。儀式の実行の阻止に成功し、残っているオブスクラ軍団の戦力も打ち負かされ、戦争のオカルトの部分は終わりました。
正常性の黄金時代
第七次オカルト大戦の後、連合国オカルトイニシアチブは世界オカルト連合に再編成され、誕生したばかりの国際連合に後援されることとなりました。国際的で名目上公平な正常性維持組織を作り、相対する財団よりも責任をもって勤め、第七次オカルト大戦の失敗が決して再発しないようにするためです。国家政府とより大きい超常コミュニティの援助を受けて、時には冷戦のパラノイアを優位になるように利用して、GOCと財団はヴェールを大きく強化し、正常性の黄金時代として知られる時代の先導役となりました。
第七次オカルト大戦は新しい超常科学への大きな需要をもたらし、この需要は正常な新しい時代でも衰えずあり続けました。正常性維持組織は、技術の急速な進歩と人口の増加に直面してヴェールを維持するのに新しくより良い手段を必要とし、冷戦の影響は白熱した核開発に匹敵するほどの超常的な軍拡競争を引き起こしました。増加する需要に対応し発展するにつれて、パラテックの開発者はパラテックの供給を覆う正常性維持組織からの許可による管理体制を利用し始め、最終的にはヴェールの外にまで難解なパラテックを販売する許可を得ることとなりました。パラテック業界は栄え、プロメテウス・ラボのような企業が数十億ドルの資産をもつ国際的な複合企業に成長しました。
パラテックが従来の製品にひそかに浸透していたとしても、正常性維持機関はより明白な超常現象をより厳しく抑制しました。1960年代の終わりには超芸術家と超常人間の集団移動が行われました。財団がヨーロッパと北アメリカの都市部からこれらのコミュニティを追放し、スリーポートランドやバックドア・ソーホーのような小型宇宙に追いやったからです。それに応じて、GOCはユーテックを創設し、統制された超常の飛び地として機能し、ヴェールのコミュニティはその監視下で繁栄することができました。これらの努力の結果として、超常は正常な世界からほぼ完全に分離され、1970年代後半にはヴェールの強さがピークに達しました。
ニュー・ミレニアム
20世紀の最後の10年間の出来事が超常コミュニティの基本的な状況を大きく変えたため、正常性の黄金時代は終わりを迎え、ニュー・ミレニアムが始まりました。ソビエト連邦の崩壊は、ソ連で供給された異常な武器の確保を任務としていたKGBの特殊現象課の解散をもたらし、結果としてパラテックの闇市場が違法なソ連の超常兵器で溢れ、冷戦の終結は国家超常現象機関の縮小をもたらし、政治不安が大きく広がり、超常兵器の軍拡競争の終結はパラテック産業に驚異的な打撃を与え、最終的に超常科学の研究とパラテックの開発の世界的リーダーであるプロメテウス・ラボ・コングロマリットの解体をもたらしました。
さらに、ヴェールの外の世界が変わりました。21世紀が始まると、総人口は70億に達します。携帯電話と家庭用インターネットはすでに普通のものとなり、スマートフォンとソーシャルメディアによってマスコミュニケーションのための技術は急増し、急速に成長しています。主流科学への考え方が変わり、陰謀論がより大きな支持を獲得し始めています。正常性はヴェールの背後およびそれを超えて脅威にさらされており、正常性維持機関はこれらの新たな問題に取り組むために奮闘しています。
しかし、ヴェールの破綻よりもいっそう懸念すべきは更なるオカルト大戦が発生するおそれが高まっていることです。ヴェールの弱体化は一般的なAIの加速的な進展を起こし、機械奇跡術の脅威 — そして固有兵器が量産できる可能性 — をもたらします。次第に迫ってくる危機を長い目で見た解決策を急いで見つけようとしていますが、正常性維持組織は行き詰まって時間を稼いでいます。
そうしている間に、世界は毎日ますます異様になっていくのです。
概要
ヴェールの背後には、完全に隠されているか、超常と正常の間の境界にまたがって活動する多くの組織があります。それらの目的は様々で、ヴェールを守ることから引き裂くことまで幅がありますが、その手段においては、超常コミュニティの間でほぼ偏在している人材と資金の不足を埋め合わせるため、パラテックの活用に頼るという点で、しばしば似通います。このため、ヴェールの範囲内で活動するほとんどすべての主要な組織は、潜在的なライバルに対する優位性を得るために最も確実である手段として、ある程度は超常科学の研究に携わっています。
まったく同様の組織が二つとない一方、ヴェールの背後で活動する団体のほとんどはその目標と構成に基づき、四つのカテゴリーに位置づけられます。
超常コミュニティにおいて最も大きなプレイヤーであるこれらの組織は、ヴェールの維持を正常性保護としばしば呼び、そのことに責任を持っています。国家機関と独立した国際組織の秘密団体が混在しているため、これらの組織は正常性とはなんであるかについて合意をまとめることに責任を持つ存在でもあります。ヴェールの管理者として、これらの組織はパラテック産業の統制と、超常コミュニティの治安維持を任されています。そして、国家政府の支援と資金によって、彼らは他のヴェールの演者に対して常に力を発揮することができる数少ない団体です。
しかしながら、この力は絶対ではありません。ヴェールの大きさのせいで、正常性維持組織はしばしは折衷と妥協を余儀なくされており、パラテックの開発と普及の制限は皮肉なことに、規制を受けている組織に依存しています。これらの利益相反は、法令順守の努力をする限り、パラテック開発者に規則を遵守する上で多大な余裕をもたらします。
財団
最大の正常性維持組織である財団は、世界中にいくつものフロント、施設、人員を備え、いかなる国家政府にも干渉されることのない世界的秘密組織です。組織の全体は、真の素性が自身らにしか知られていない13人の非異常な個人によって構成される監督評議会によって率いられています。財団の定められた任務は、人類の安全と利益のための異常物品の取得、収容、研究ですが、真の動機は他の正常性維持組織によって疑問視されています。異常物品の使用に対する制度的・イデオロギー的な反対にも関わらず、必要となれば超常技術とよく理解されたアノマリーの使用に頼ります。
財団は官僚的に数十の部門、部、管理職、機動部隊に分かれており、いずれも厳密な情報の細分化に取り組んでいます。特に重要なものが以下に列挙されています。
- 解析部門 — 財団の主要な通信諜報組織である解析部門は、ほぼ考えうる限り全ての情報源から、多様な種類の情報を収集し解析します。独自に著しい運用能力と補助能力を備えているので、財団の他の部分とはほとんど完全に独立して活動できます。
- 記録情報セキュリティ管理室 — 財団の公式文書およびIT部門であり、財団の記録と通信の維持、保全を担当します。財団によって集められるほとんど全ての情報が何度もRAISAを通過しますが、RAISAの記録に記述されず、かわりに監督評議会にのみ報告される高機密計画が確かに存在します。
- デルタ-3 ("ソロモンの手") — 特別資産任務部隊プログラムの初期の取り組みである機動任務部隊デルタ-3は、強力な戦闘奇跡術者であるフローレンス・エルシンガーを中心とし、彼女を支援するために組織されました。スペリオル湖の下のサイト-246から展開される機動部隊は、1985年から1990年にエルシンガーが死亡したと推定されるまで活動していました。
- タウ-5 ("サムサラ") — プロメテウス・ラボのサムサラ計画の結果である機動部隊タウ-5は、4人の再生するコマンド部隊のグループであり、実験用の超常技術を試験するためや、従来の機動部隊が役に立たない極めて高いリスクを伴う任務を行うために使用されます。彼らは効果的に消耗、再生できます。
世界オカルト連合(GOC)
世界オカルト連合は国際連合によって後援される国際的正常性維持機関であり、第七次オカルト大戦の終結後に連合国オカルトイニシアチブ(AOI)をもとにして結成されました。おおよそ財団と力や能力の程度が等しく、人類の保護と正常性の維持について似たような目標を共有しています。しかしながら、GOCはその方法論について異なります。その作戦において、パラテックの広範囲の使用に強く頼ることを選び、そして危険な異常物品を収容するよりは破壊する方針を選びます。
GOCは100を越えるオカルトと超常に関する独立した組織から構成されますが、これには多くの国家超常機関が含まれます。特に重要なものが以下に列挙されています。
- 高貴なる古代ゴルモゴン教団 — 18世紀にフリーメーソンに対抗して設立されたゴルモゴンは、異常建築の破壊と防御ワードを壊すことに特化した解体の専門家の団体へと発展しました。
- 英国オカルト局 — イギリスの主要な超常機関である英国オカルト局は、第六次オカルト大戦に応じて設立され、それ以降正常性維持の取り組みを導く役割を果たしてきました。
- 国際統一奇跡論研究センター — 世界最大のオカルト大学であるICSUTは、GOCの最大の研究パートナーです。1913年に設立されたICSUTは、奇跡論 — 科学的な神秘論者とオカルトの研究 — の学習と授業に特化しています。ロンドン、チューリッヒ、スリーポートランドを含む世界中にICSUTの分校が存在しています。
- 改革聖テンプル騎士団 — 公的には1312年にクレメンス法王に解散させられたテンプル騎士団は、隠れ続けましたが、1939年にオブスクラ軍団に対抗して改革し、連合国オカルトイニシアチブを設立しました。第七次オカルト大戦において決定的な役割を果たし、AOIコマンドチームの部隊の大部分を供出しました。
- 硅素のノルニルの従者達 — トランスヒューマニズムの宗教のひとつである従者達は、自らの目的を、技術的特異点の開始を促進することによって、"真のシリコンの女神" — 人類を未来へと導く慈愛に満ちた超知性的存在 — の創造をもたらすことであると信じています。彼らは、この目的を達成するために、彼らの成果のもとに導いてくれる、未来をも見通す三つ組みのスーパーコンピュータ — ノルウェー神話のノルンから、ウルズ、ヴェルザンディ、スクルドと名付けられている — に従っています。
- 万人救済主義者のアース神族教団 — その広範囲のルーン奇跡術の知識、特に予言について高く評価されるスカンジナビアの復興異教主義者の信仰。教団は、GOCのことを、ラグナロクに抗うため人類を束ねるであろう手段であると信じています。
- 世界超保健機関 — 世界保健機関の超常部門であり、ミーム的病原体、感染性の呪い、心霊的寄生生物、その他超常的な病気への対処に従事します。
連邦捜査局異常事件課(UIU)
FBIの異常事件課は、パラテック規制を実施しヴェールを維持する任務を負う、アメリカ合衆国の主要な超常国内機関です。手段と管轄の面での問題で、UIUは主に超常犯罪の調査と異常な事件の隠蔽に重点を置いています。彼らの最も重要な仕事は、超常コミュニティの飛び地としての役割を持つ、アメリカにいくつも存在する小型宇宙の治安維持です。人員と予算の限界を補うため、UIUは、特に彼らの存在が目立たない超常の飛び地に、超常人間と異常な個人を"非標準エージェント"として大量に雇用しています。
ロシア連邦軍層参謀本部情報総局"P"部局(GRU-P)
ソビエト連邦の2つの主要な超常機関の1つであるGRU-Pは、第二次世界大戦中に、ソビエト連邦を超常的かつオカルト的な脅威から保護し、国の敵に秘儀を用いた兵器を利用して対抗するために創設されました。冷戦とパラテック兵器競争の開始により、部局の役割は異常なオブジェクトとパラテックのリカバリーとリバースエンジニアリングへと拡大されました。この役割において、部局はプロメテウス・ラボを含む数多くの会社の知的財産を盗むための企業スパイも行いました。
冷戦の終結後、GRU-Pはロシア連邦で唯一の超常機関となりました。現在その役割は、共産ロシア後に台頭してきた異常オブジェクトとパラテックを扱うブラックマーケットを扱うことに重点が置かれています。
ヨーロッパ共同オカルトベンチャー(JOVE)
ヨーロッパ共同オカルトベンチャーは様々なヨーロッパの超常機関から構成され、欧州連合と緩やかに関連する多国籍超常機関です。JOVEは、欧州対外国境管理協力機関と似たような方針によって編成され、アメリカのUIUと似たような役割を発揮し、ヨーロッパにおけるヴェールを維持、そして超常の飛び地の治安を維持します。人員と資金が極めて限られているため、JOVEは主としてヨーロッパで活動する多国籍もしくは国際的な団体のための司会者と調整者として振舞います。
数少ない現場活動における主な焦点でもある、JOVEの結成のきっかけは、超常犯罪シンジゲート緋色の鎚の活動拡大と、それに伴う西ヨーロッパへの違法なソヴィエトのパラテック流入です。この役割において、JOVEは国家のもしくは国際的な境界を越える超常武器の事件に対応する複数の機関の整理を助けることに役立っています。
ほとんどすべてのヴェールの背後の主要な団体は自ら超常科学の研究の取り組みを行っていますが、超常科学の研究と超常技術の創造だけ、もしくはそれを主として行う組織が数多く存在します。これらの組織の多くは、超常ルネッサンスまでその始まりはさかのぼり、近代超常科学の初期の発展に寄与する役割を担いました。
科学的知識の最先端の進歩の面だけが注目されることもありますが、大多数の超常科学研究団体は、また、ヴェールの背後にある世界へのパラテック製品の供給に従事しています。その一方で、ヴェールの抑制は公然とパラテックを販売することを不可能にしており、多くの会社がそれらの制限の抜け道を見つけようとしています。少数の主要な供給者によるパラテック開発の独占は、正常性維持組織への非常に大きな影響力をもたらし、条件付きの免責と共に取り締まりの抜け穴の点で優位性を得ることを可能にします。
プロメテウス・ラボ
一時期世界最大の超常技術製造業者であったプロメテウス・ラボは、人類の利益を追求し、新たな技術を開発するために異常現象を研究することを目的とした非公開企業として、1892年に設立されました。同社は超常ルネッサンスの発展に極めて重要な役割を果たし、20世紀の始めには超常科学研究のリーダーとして浮上しました。第七次オカルト大戦の間、プロメテウス・ラボはその著しい技術の知識を同盟連合に貸し出し、その結果、戦後まもなくGOC、そして国家超常機関との間に主要な研究と供給の契約 — 正常性の黄金時代における同社の爆発的な成長のための段取りを整えた — が結ばれました。
戦後のパラテック・バブルの最前列に乗って、プロメテウス・ラボは急速に拡大、競争相手を買収し、新たな子会社を設立して、世界的な研究産業複合体そして紛れもないパラテックの巨人となりました。ピーク時には、産業複合体は約30万人を雇用し、純収入約750億ドルを稼ぎ、数多くの子会社が非常にたくさんの通常・超常製品を、皿洗い機から巡航ミサイルに至るまで提供していました。
冷戦の終結は、黄金時代のパラテック・バブルの突然の終わりをもたらし、差し迫った金融的苦境 — 同社の難解な投資手法に対する重度の信頼によりさらに悪化した — にあるプロメテウス・ラボが後に残されました。90年代後半における一連の壊滅的な研究事故は、1998年前半期に同社を破産の瀬戸際まで決定的に追いやりました。続く数か月を通して、同社はばらばらに分割され、1998年9月には、主要持ち株会社は決定的に解散し、唯一最大のコングロマリットは完全に散り散りになりました。
プロメテウス・ラボの解散から現れた多くの会社のうち、特に重要なものが以下に列挙されています。
- アムリタ治療社 — 以前はプロメテウス生物工学の子会社であったアムリタ治療社は、崩壊後に高利益な総天然オートマトンの製造を続けながらも企業イメージを転換しました。近年では、アムリタは再生医療のテクノロジーが基盤となっている幹細胞の開発と実用化に事業を拡大していますが、継続中の開発事業と米国看護士協会への援助も維持しています。
- アルキメデス — 以前はプロメテウス・エネルギーの子会社であるアルキメデス・ソーラーであったアルキメデスは、プロメテウス・ラボの崩壊後事業の範囲を拡大し企業イメージを変えました。アルキメデスの中心事業は太陽光発電の開発のままですが、社は暖房、電気配線、淡水化、無線電力供給のような関連分野にまで事業を拡大しました。
- アルゴ自動車 — コングロマリットの崩壊前はプロメテウス自動車グループとして知られていたアルゴ自動車は、1998年から2009年の資金を依存していたパラエコノミック投資戦略の失敗による破産まで経営されていました。この間、社はハイテクかつ高性能な乗物の販売で名声を得ていました。
- アイリス・アート — もともとはプロメテウス化学の子会社であったアイリス・アートは、超常コミュニティの個々のメンバーにパラテックの対規模な商業化を売り込む初期の冒険的事業でした。同社の中心的な製品路線は、超常の飛び地に住む超芸術家によって使用される多様な芸術品です。
- レッドゾーン・セキュリティ — プロメテウス・ソフトウェア・ソリューションの中心開発チームによって1998年に形成された、異常なアプリケーションのためのプログラムを開発することに専門化されたソフトウェア会社です。この会社はプロメテウス・ラボのイントラネットのサーバーの維持の責任も負っており、プロメテウスの後継会社に限られた範囲でイントラネットのネットワークにアクセスを可能にし続けています。
- シルバーハンド・サイバネティクス — 以前はプロメテウス医療の人体補綴部門であったシルバーハンド・サイバネティクスは、ほとんど超常コミュニティに販売するためだけに製品を開発していました。主要な競争相手、アンダーソン・ロボティクスに買収されるまで、1998年から2004年の間経営されていました。
- タイタン家電エレクトロニクス — もともとはプロメテウス消費者技術であったタイタン家電エレクトロニクスは、1999年に今の名前とブランドを取得しました。タイタンはパラテックの一般消費者向けへの応用を開拓することに注力しており、その目標はしはしば正常性維持機関との利害衝突をもたらします。
アンダーソン・ロボティクス
かつてパラテック業界の成長勢力であったアンダーソン・ロボティクスは、ヴィンセント・アンダーソンによって1994年に設立されたサイバネティクスとロボット工学の新興企業でした。正常性の黄金時代の終焉によって起こった混乱に乗じて、アンダーソン・ロボティクスは速やかにパラテック市場の大きな領域を支配するようになり、最先端の人工補充物、本当に本物らしいアンドロイド、超最先端の戦闘ドローンを創り出すため、魔術と電子回路を組み合わせました。その優秀だが自己中心的な設立者に導かれ、アンダーソン・ロボティクスはおおっぴらにパラテックにおける規則を破り、ついには財団と次いでUIUの怒りを招くことになりました。
およそ20年にわたる調査と失敗に終わったおとり調査の末、2024年に財団とUIUの共同任務部隊がスリーポートランドのアンダーソン・ロボティクス世界本社への手入れを行ない、同社の上位経営陣の大多数 — ヴィンセント・アンダーソンを含む — を捕縛し、この国際的作戦を終了させました。アンダーソンの失脚をきっかけに、多くの元従業員がフェニックス・サイバネティクスを結成するために働き続け、新たなサイバネティクス新興企業が初期のアンダーソン研究開発チームの中心メンバーによって設立されました。 この新しい会社はアンダーソンの過ちを繰り返さないと約束しており、UIUによって厳重に監視されています。
ファクトリー
最大級の異常原料の供給者の1つであるにも関わらず、ファクトリーは出資者、重役、幹部、製造施設すら不明の存在として知られていました。わかっていることは、彼らは他の超常技術企業に、その品質がしばしば怪しまれるにも関わらず、異常な原料や部品を供給するということです。プロメテウス・ラボの崩壊によるパラテック産業の混乱は、ファクトリーに彼らの事業を拡大する機会を与えました。そのひどい評判にもかかわらず、冷戦の終結からのパラテック産業の落ち込みにより、他の供給者のない多くのパラテック企業は、ファクトリーに頼ることを強いられています。
マーシャル・カーター&ダーク株式会社
主に超富裕層向けの"紳士クラブ"であるにも関わらず、マーシャル・カーター&ダークは超常技術の購入と転売にも従事しています。彼らはパラテック産業における一種の中間業者としての役割を果たし、原材料供給者、最終製品の製造業者、そしてパラテック製品消費者との間のつながりを確立します。彼らはこの役割において顧客層から大きな恩恵を受けており、正常性維持組織からの防護措置による高利益取引を画策するために、世界中のエリート層との間のコネクションを使用します。
オネイロイ株式会社
オネイロイ社は、もともとは1960年代にメタフィクション的空間へのプロメテウス・ラボの遠征の派生として考案され、特注の夢での休暇から、潜在意識行動療法、メタフィクション的施設でのデータの保管と検索まで、難解なサービスを幅広く提供しています。これらの活動の技術基盤は、オネイロイ社の外ではあまり理解されておらず、人目を忍ぶ上層部はこのやり方を進んで維持しています。
オネイロイのメタフィクションと夢界空間を伴う実験はしばしば正常性維持機関による疑惑を招きますが、上記の実験の性質上証明は困難です。この会社の顧客の一部は、鮮烈だが散発的な他の世界の光景と定期的な正体不明の人物との遭遇を含む、異常で不穏な副作用を治療に伴い経験したと主張しています。オネイロイ株式会社はこれらの主張を否定していますが、これらの症状の性質および類似性は、オネイロイの技術を認知的病原体の潜在的なベクターとして世界超保険機関に分類させることになりました。
超常科学が超常現象に対して科学的手法の道具を適用した結果である一方で、証明できないことや未知のものと直面した時、答えを出すために、代わりに信仰に頼る者達がいるということは驚くべきことではありません。超常ルネッサンスの発見により現れた、いくつもの異常信仰がヴェールの背後で生い茂りましたが、それらの信仰の原理を提供する情報の広まりを抑圧しようと努める正常性維持機関との紛争が頻繁に生じることになりました。
本来は宗教的もしくは宗派的ではありませんが、ヴェールの背後で活動する一握りの人道的団体が、異常信仰と類似した立ち位置をしばしば占めています。主要なパラテック供給者との関係が欠如しており、ヴェールに反対する方針をたびたび主張するので、人道的関連団体は正常性維持組織による厳しい監視に直面します。
壊れた神の教会
壊れた神の教会は一枚岩の宗教組織ではありません。代わりに、この言葉は、新生メカニトカルト集団の多様な集合、そして共通の起源と主要な教義を共有する宗派を示します。超常ルネッサンスは、廃れた古代メカニト信仰の多くの遺物と文書の修復を推進しましたが、近代メカニト運動はその考古学的成果に起源があるとみています。新生メカニトは古代メカニトの原典を近代に再構築するという信念に基づいていますが、ばらばらになった修復された文書の本来の意味するところについては、非常に様々な矛盾する解釈があります。
全てのメカニトの宗派は自然神教、グノーシス主義として説明でき、不活性化し、ばらばらとなった神への共通の信仰を共有し、物理世界にその神聖な火花を捕えます。メカニトは有機生命を世界の物質的完全性を堕落させるものだと信じ、技術的神格化をもたらすため、彼らの神の全く異なる断片を、再統合しようと努めます。多くのメカニトは徹底的な肉体改造に従事し、自身を「製錬」するため、生物としての組織と器官を機械的 ― そしてしばしば異常な ― 部品に置き換えており、これによって彼らの神の神的完全性に近づくことができると信じています。この機械化の過程が原因で、メカニトは正常性維持組織との対立を余儀なくされ、伝道をヴェールの背後に留めることを強いられています。
壊れた神の協会の一派であると考えられる多くのメカニトの宗派のうち、特に重要なものが以下に列挙されています。
- 壊れたる教会 — 最も古い新生メカニトの宗派であり、近代メカニトの間で正統派教会に一番近い存在です。壊れたる教会は、特に第一次世界大戦の恐怖への反応として、1920年代に初めて現れ、彼らの新しい教義は古代メカニト遺物の最近の発見に基づきます。さらに続く数十年を通しての発見により、1946年にこの宗派の明確な指導者として現れたロバート・ブマロの元で、宗教上の教義と制度上の構造が、改善そして成文化されました。壊れたる教会は、メカーネの残骸は物理的な形をとると信じ、それらの破片から彼らの神を文字通り再び組み立てようとします。彼らはこの目的のために上述した破片の獲得に専念していますが、メカーネの残骸であるはずの物の多くは、正常性維持組織の管理下にある危険な異常物品であることがしばしばです。
- マクスウェリズム教会 — 壊れたる教会の分派として1960年代と70年代にかけて現れたマクスウェリズムは、メカニト技術の融合という手法を取り、融通の利く教義と共に、脱中心的な教会を作るため、近代(超常)技術と古代メカニトの聖典を組み合わせます。マクスウェリストは、壊れた神の残骸は物理的な形を取らず、かわりに人間の意識と文化の広がり全体に広がっていると信じています。マクスウェリストは、全ての人間の意識が接続され、全ての人間の知識を収納する単一のコンピュータネットワークを作り出そうと努め、そのことが彼らの神の再統合と人類の神格化という結果となると信じています。
境界線イニシアチブ
主要なアブラハムの信仰を含む複数の宗派の宗教組織である境界線イニシアチブは、複合的な宗教団体かつ正常性維持機関であり、正常性合意を決定した非宗教的な団体の支配に気づき、対抗するために第七次オカルト大戦の直後に結成されました。より一般的な正常性維持組織が国家政府から受けているものと同水準の資金提供や支援は得られないため、境界線イニシアチブはボランティアと寄付に大きく頼っており、そしてその結果イニシアチブは高度に分権化され、組織の主要な部隊は総計でも1000人に達しません。その自給自足を達成するための最善の努力にもかかわらず、境界線イニシアチブは正統派の宗教組織、特にローマ・カトリック協会に少なくとも一部は依存しており、そのことから教皇絶対主義者の陰謀であると非難する者もいます。
イニシアチブは独立したアブラハムの神秘主義的な教団を可能な限り編入しようと動き、現場での活動 — 主に宗教遺物の獲得とカルト活動の阻止 — を行うためにそれらの既存の基本設備に頼ります。その複数の宗派からなるという性質と制度上の結束の欠如のため、境界線イニシアチブは時折旧連合国オカルトイニシアチブ — さらに言えばイニシアチブには元AOIの構成組織が含まれ、宗教遺物の保護へ注力するという類似点がある — と比較されてきました。
マナによる慈善財団
マナによる慈善財団は、1971年に設立された非営利の人道的救済組織です。彼らの活動の多くが本来は通常である一方で、人道的救援物資提供のために超常技術を活用しようと試みた数々の出来事を引き起こしました。正常性維持機関による強い反対にもかかわらず、それらの取り組みはおおむね成功しましたが、欠陥のあるパラテックに起因する大きな損害をもたらした少数の失敗が、この組織の評判を幾分か傷つけました。
蛇の手
テロリズムと行動主義の間の境界をまたぐ蛇の手は、蛇の手は、彼らが言うところの"合意的正常性が持つ権威的性質"に対する反感によって連帯する緩やかな個々人の集合です。
手のメンバーはヴェールの制限に一貫して反対する運動を行っており、特に正常性維持組織による超常人間と異常な非人間への把握した虐待に注視しています。手のメンバーの大半は、彼ら自身が超常人間であるか非人間ですが、最も発言力のあるメンバーの中にはベースラインの人間もいます。公に正常性に反対することを困難かつ危険にするヴェールの性質のため、手は主に超常の飛び地で、もしくはそこから活動します。特に、放浪者の図書館の厳格な中立と強制的な暴力の禁止が正常性維持組織による報復の可能性から手を保護するため、活動の拠点としてたびたび使われます。
自然と分散し、そして一貫したリーダーシップが不足しているため、蛇の手はメンバーの行動に対して非常にわずかしか制御できず、また正式な人員構成の欠如は、特定のグループもしくはその名のもとで行動する個人との関係を、その運動のために否認することをほとんど不可能にしています。その結果として、蛇の手は再三再四正常性維持組織への暴力的な攻撃と関連付けられ、多くの人々にその運動全体を疑念と共に見られることになります。
ヴェールとそれを支持する組織に直接反対する団体が存在し、これらはテロリストもしくは犯罪者だと見なされています。イデオロギーによって突き動かされるものもあれば、単に手早く大金を手にしようとするものもあります。これらの団体と正常性維持組織によって大目にみられている団体との差異は、実は政治的都合によるものです。どんな事例であろうと、これらは超常コミュニティから追放された者たちであり、ヴェールを維持する者の逆鱗に触れることを恐れる人々に忌避されています。
カオス・インサージェンシー
カオス・インサージェンシーはいくつかの異なる過激なオカルト団体の緩やかな連合です。彼らの目標と方法は変化に富んでいて様々であり、インサージェンシーの中で異なる派閥のためにお互いに対立して活動することが珍しくないほど、非常にまとまりがありません。しかし、彼ら全員が共有しているのは、正常性維持組織によって強要される現在の体制をくつがえすという強い願望です。
最大勢力からテロリスト組織だと見なされており、インサージェンシーは潜伏・偽装しながら活動しています。彼らの活動は、異常物品の密輸、(通常、超常の両方を含む)武器取り扱い、人間・超人間売買、スパイ活動、恐喝、そして妨害行為を含みます。
シカゴ・スピリット
一時期西半球最大の超常犯罪組織であったシカゴ・スピリットは、異常物品の違法売買に従事する小規模の密輸組織として1885年に始まりました。続く30年間を通じて、スピリットは急激に拡大し、その活動に新たな種類の犯罪と超常犯罪を加え、北アメリカ中にその影響力を広げました。その高利潤な密輸活動を行うための"道"のネットワークの知識を活用し、組織は禁酒法時代の間にピークを迎えました。しかし、スピリットは、主に財団とUIUによるその活動に対する厳しい取り締まりの結果として、すでに1930年代までには衰弱状態にありました。財団がシカゴ・スピリットのリーダーであるリチャード・チャペルを1933年に捕獲した時点で、組織の残党は速やかに瓦解しました。1938年までには、シカゴ・スピリットは実質的に消滅しましたが、その構成員の多くは続く何十年にもわたって個人単位での犯罪活動に従事することを続けました。
正常性の黄金時代の終焉によって闇市場におけるパラテックの入手難易度は大きく下がり、路上レベルの超常犯罪の著しい増加がもたらされました。不法な機会で儲けようと現れた多くの犯罪組織のうち、少なくとも一つが長らく解散していたシカゴ・スピリットの役目を負っていると主張しています。いくつかの主要なパラテック強盗が関与していたのにも関わらず、このいわゆるシカゴ・スペクターは、非常に小規模な活動に留まり、かつてシカゴ・スピリットが成し遂げた力とそれが及んだ範囲には遠く届きません。
オブスクラ
オブスクラ軍団はナチスドイツの親衛隊アーネンエルベの超常部門であり、オカルトや異常に対する実験と研究全てを担当していました。その研究の究極的な目標は、ソロモンの儀式の実行とナチス体制の人種的計略の前進にそれを使うことでした。彼らはこの試みに対し、ナチス党とのつながりを持つドイツのオカルティストの団体であるトゥーレ協会に援助されていました。第七次オカルト大戦— オブスクラ軍団による儀式のための文化遺物の取得を試む過激化していった行動に対する反応として起こりました — の勃発に伴い、オブスクラ軍団もまた、ナチスドイツのために遂行されるオカルト戦争に責任を持つようになります。
第七次オカルト大戦の終結時、オブスクラ軍団とトゥーレ協会内の協力者は決定的に敗走させられました。これらの機関の生き残った人員はすぐに、連合国オカルトイニシアチブとその後継者である世界オカルト連合(GOC)による国際的な捜査の対象になりました。多くのナチスのオカルティストがGOCにやがて捕らえられることになりましたが、少数はうまく捕獲をのがれて隠れてしまい、最終的にオブスクラとして知られるテロ組織を形成し始めます。ナチス体制の完全な崩壊直後のオブスクラの目標はGOCに対する復讐が大部分を占めていて、オブスクラが不可避的に破壊される前に可能な限りのダメージを与えることに集中していると見られます。
緋色の鎚
特殊現象部門(DSC)はKGBの超常部隊であり、ソビエト連邦の超常兵器備蓄の管理を担当していました。ソ連が1991年に崩壊した時、特殊現象部門を含むKGBは、実を結ばなかった八月クーデターにおけるその役割のため解散させられました。その結果、元長官が率いるDSC内の複数人の将校が反旗を翻し、大量のソ連製超常兵器とともに姿を消しました。これらの反逆的なDSC構成員は緋色の鎚として知られる超常犯罪シンジケートとなることになりました。
緋色の鎚は旧ソ連圏の超常兵器と違法パラテックの最大の売人ですが、その活動は西ヨーロッパと東南アジアまでにも及びます。もうひとつの闇市場における超常兵器の売り手であるカオス・インサージェンシーと競合していると考えられています。
最後に、何らかの理由で従来の分類に反するグループが存在します。多くの場合、たとえヴェールの背後で活動していたとしても、彼らの目的や方法がヴェールと直接関係していないためです。
黒の女王
黒の女王は、多元宇宙間を移動する先天的な能力を持つ、数多くの個々人の通称です。その異なる起源のため、父親の失踪や、自身の多元宇宙における放浪者の図書館の発見のような、明白な共通点を持つにも関わらず、それぞれの黒の女王は違った目的と手段を持ちます。
何人かの黒の女王は、現在我々の多元宇宙で活動しており、その多くは多元宇宙間のパラテック取引に従事しています。最低でも一人の黒の女王がカオス・インサージェンシーの作戦に関与しており、他にも複数が蛇の手と緩やかに関連しています。
概要
世界は何らかの形で本質的に異常な場所でいっぱいです。これらのほとんどは、幽霊屋敷、消える建物、ありえないことが発生する地帯、トウモロコシ畑、目立たない様々な場所などの規模が小さい異常存在であり、それほど注目されませんが、しかしヴェールの背後に隠されなければならない異常な場所も存在します。結局これらの場所の多くは、超常の飛び地 — 通常の世界から分離された超常コミュニティが公然といられる聖域になるのです。他には復讐の神々、不気味な夢魔、人型の怪物を収容するために建設された監獄があります。大抵、両者の違いは必ずしも明確ではありません。
そこが監獄であろうと聖域であろうと、ヴェールの背後にある世界の基礎を形成し、すばらしい役者達とその間に展開するドラマの舞台となる場所となります。
バックドア・ソーホー
ニューヨーク市の近辺のソーホー地区から分かれた超芸術家の避難所である小型宇宙です。内部の都市は小型宇宙の出入りを制御するチャーリーという名前の謎めいたドアマンの保護下にあります。しかしながら、米国内のほとんどの超常の飛び地と同様に、フーヴァー指令の条件下でUIUが法執行を行っています。そして都市の多くの無政府主義の超芸術家からの抗議にもかかわらず、チャーリーはUIUによる都市へのオープンな招待を支持しています。ドアマンとUIUの出張所を除いて、バックドア・ソーホーには他の地方政府はほとんどありません。市の少数のかなり変わった市民が申し分なく上手くやっているのみです。
ユーテック
ヨーロッパのほぼすべての主要都市からアクセス可能な独立した都市国家である小型宇宙です。超常技術の研究、開発、消費を円滑にするために、GOCの要請で珪素のノルニルの従者達によって建てられました。すべては正常性維持組織によって厳重に監視された収容環境の中で行われます。GOCによる監視が常にされているのにもかかわらず、そのビジネスフレンドリーな議会と超常技術に対する自由放任主義的な態度は、多くの組織をこの都市に引き付けてきました。自らを典型的な未来のメガロポリスと称するユーテックは、まさに地球外でパラテックの最大の恵みを利用するよう、パラテック生産者、消費者、起業家を積極的に勧誘します。
パラマックス
口語的にパラマックスと呼ばれる連邦刑務所である超常ADXは、記憶処理ができない超人間の重罪人および通常の超常犯罪者を収容するために設計された連邦のスーパーマックス刑務所です。財団の支援を受けて1947年に建てられたパラマックスは、独自の人工小型宇宙にあります。もともとアルカトラズ島とパラマックスをつなげる耐久性のある"道"が作成されましたが、1963年にアルカトラズ刑務所が閉鎖された際に崩壊し、小型宇宙はメインライン宇宙の"外側"を沿うようにしてあちこちに自由に浮かぶままにされていました。
パラマックスは、多元宇宙で最も安全な施設の1つと考えられています — 囚人が逃げたことはなく、誰も外部から刑務所に侵入したこともありません。この種の数少ない施設の1つとして、多くの国がパラマックス内に超人間の囚人の収容を可能にするために米国政府との協定を締結しました — 代替手段は囚人を留置のために財団またはGOCに引き渡すか、同等の施設を建設するしかありません。
スリーポートランド
スリーポートランドは、オレゴン州ポートランド、メイン州ポートランド、イギリスのポートランド島の"道"を通ってアクセスできる独自の小型宇宙内にある都市国家です。これは、北米もしくはその周辺で最大の超常の飛び地です。スリーポートランドは独自の市議会と市長を擁する独立した都市ですが、市政府はフーヴァー指令の条項に基づき、米国政府の司法権を承諾することによって自治権を(ほとんど)自発的に放棄しました。この協定により、UIUはスリーポートランドで(超常および通常の)米国連邦法の執行を任されています。 UIUのスリーポートランドの出張所は、マイアミ出張所に次いで規模と取り扱い件数が2番目に大きくなっています。
都市の住民は非常に多様で、人間、超常人間、そしてあらゆる種類の高知能の非人間から構成されています。市内には豊富な超芸術(バックドア・ソーホーほど豊富ではありませんが)と力強いパラテック産業(ユーテックほど力強くはありませんが)があり、どちらもすさまじい大きさの超常コミュニティーによって後押しされています。スリーポートランドは市内にICSUTのサテライトキャンパスとディア大学があり、複数のオカルト大学を設ける数少ない超常の飛び地の1つです。
放浪者の図書館
広大な図書館の形をとる大規模な多元宇宙のネクサスで、多元宇宙を通して時空を越えて集められたフィクションとノンフィクションの著作があります。放浪者の図書館は多元宇宙内で飛び抜けて最大の知識の貯蔵庫であり、謎めいていて不気味な司書や彼らが雇用している多くのフリーランスの書物保管係がたゆまぬ努力を重ねていますが、それでも網羅的とは到底いえません。
放浪者の図書館は中立的で政治的でない学習の中心地として維持されており、図書館の規則を遵守する限り誰でも自由に行き来できます。図書館内では暴力が厳しく禁止されており、この規則に違反すると司書による迅速な懲罰的措置が取られることになります。全員が図書館の大規模なコレクションを閲覧したり読んだりすることは自由ですが、図書館から本を持ち出すには図書館カードが必要です。これは入手が非常に難しいかもしれません — 通常は司書に好意を表すパフォーマンスを必要とします。
用語集
このカノンで頻繁に使われるいくつかの専門用語の定義が載っています。
- 第六次オカルト大戦 —1875年から1882年まで継続した大規模なオカルト戦争で、主要なデミウルゴスの殺害という結果に終わりました。
- 第七次オカルト大戦 — 1939年から1945年にかけて起こった世界的なオカルト戦争。ソロモンの儀式を完遂しようとするアーネンエルベ・オブスクラの企みを中心に展開されました。
- 記憶処理薬(Amnestic) — 異常な存在を隠すために正常性維持機関によって広く利用されている健忘誘発薬。
- 超芸術 / アナート(Anart) — "超常的な芸術"の短縮形です。アノマリーを用いた、もしくはアノマリーを組み入れた芸術作品を言及する際に使われます。
- 超人間(Anahuman) — 超常的な人間(anomalous human)の短縮語。異常な能力や性質を保有する個人を指します。一般的に、人間を除くヒューマノイドは含まれません。また、超常人間(Parahuman)を参照のこと。
- 異常(Anomalous) - 自然界の既知の法則に一見反しており、論理的説明を無視しているような事柄を記述するための包括的な用語。質量名詞として単独で使用される場合、それはまた、オカルトと超常を包含することができます。
- 反ミーム(Antimeme) - 自己検閲の性質を持つアイデア。流布を阻害する為に、記憶したり伝えたりすることが不可能なミームの事です。
- アポーテーション(Apportation) — 即時テレポートのオカルト的方式。極端なEVEの要求量と、結果として生じるバックラッシュの大きさは、殆どの場合、アポーテーションを実用困難にしています。
- アスペクト放射(Aspect Radiation) — 現実改変に十分な強度のEVE放射。
- オーラ — The natural, low-level EVE emissions given off by most living organisms and many paranormal entities. Auras fluctuate relatively consistently in response to numerous physiological and psychological factors, which makes it possible to use aura patterns to determine an individual's emotional and physical state.
- バックラッシュ(Backlash) — 奇跡術や類似のオカルト作用の結果として発生する局地現実の無秩序な改変。十分な計画と準備があれば、バックラッシュを誘導し、部分的に制御することができます。
- ベースライン(Baseline) — "ベースラインの人間"や"ベースラインの宇宙"のように、物事の主流なバージョンまたは標準型のもの。
- バジリスク(Basilisk) — 人間の認知を一時的または恒久的に妨害する有害なミーム。
- 枝宇宙(Branch Universe) — 主要な宇宙とその枝分かれした宇宙に依存して出現する小型宇宙。
- 認識災害(Cognitohazard) — 知覚されると、観察者に異常または有害な影響を与えるもの。
- 概念(Concept) — 概念は、物の定性的な特性を基本的かつ究極的にカプセル化したものであり、形而上学の基本単位を表します。概念というものは、その概念が指し示しているものとは無関係に(形而上学的に)存在し物の概念を変更することによって現実を任意に操作することができます。
- 概念機(Conceptual Machinery) — 基本的な概念で構成されている機械。通常、実体性が欠けていますが、物理的な物体に似ている、半物理的な半透明の構造として出現しています。これらは普通、概念的な修正に使用されます。またの名を概念的機構、"コンセプテック"。
- 概念食動物 — 概念を常食とする、もしくは消費する実体。
- 対抗概念(Counterconceptul) — 知覚や概念化が不可能なもの。逆説的または不可解な概念。
- 脱概念化(Deconceptualize) — 通常、防護のない状態で"外側"に曝露した場合に発生します。
- 神格(Deity) — 極端な現実改変能力を持ち、人間の理解の限界のはるか外側にある、人間ではない異常な実体。神格たちは全体的に、または部分的に、より高い次元の空間または隣接する現実プレーンに居住することが多いです。
- デミウルゴス(Demiurge)— 宇宙の特定の側面の性質に対して著しい力と責任を持つ神的存在。現実世界における特定の限られたパラメータを宇宙単位で変更できる現実改変者。
- 悪魔(Demon) — 大まかに定義されたこの用語は、多元宇宙の他界を起源とする多種多様な異常な生物を指すために使用され、そのほとんどは人間の生活に敵対的です。
- 悪魔ドラッグ(Demonarcotics) — 身体強化薬の成分として、全体的または部分的に異常な生物を使用する行為。またこのことを通して作成されたドラッグを指します。
- 悪魔工学(Demonics) — ソリッド=ステートの悪魔召喚デバイスを通じて悪魔を集積回路で利用することを示します。
- 霊体(Ectomorph) — 時々生物の死から生じる、エクトプラズムで構成される超常的な実体。幽霊、スピリット、スペクター、シェードとも呼ばれます。
- エクトプラズム(Ectoplasm) — 通常の状況下では透明で、室温では蒸発する反有形流体。電流を受けると、“霊的発光(エクトルミネセンス/Ectoluminescence)”と呼ばれる現象を経て可視波長の光子を放出します。
- 固有兵器(Eigenweapon) — 多数の人々を殺害したり、地形、社会基盤施設、または環境に多大な損害を与えることができる超常兵器。異常な大量破壊兵器。
- 秘教(Esoteric) — オカルト(occult)と超常(paranormal)の代替用語で、通常、両方を含みます。
- EVE — 第六生命エネルギー(Elan-Vital Energy)。根本的なエーテルの粒子であり、すべての奇跡術の動力源です。
- 喚起(Evocation) — 計画も準備も無くても自発的に発生する奇跡術による行為であり、通常、実行者自身のEVEの源としてのエネルギーの貯蓄に依存します。首尾よく実行することは非常に困難であり、バックラッシュの影響を非常に受けやすいものです。
- エクソシズム(Exorcism) — 人や物から非物体的な実体を取り除くことを目的とした魔術的な儀式。祓われた実体が別の宇宙を起源とするならば、それらは可能であればそこに戻されるでしょう。
- エクスプロイト(Exploit) — 十分に熟練した人なら誰でも使用可能なパターンに基づいた現実改変のこと。大抵は範囲と規模が限定されています。通常、超芸術と関連しています。
- 使い魔(Familiar) — 奇跡術によって形と命が与えられた未熟な知的生命体の断片。助手や同伴者としての役割を果たすために、一般的に奇跡術師により抑制されています。推奨される技術的用語は構築知的生命体です。
- Gawker — Slang term for a member of the Global Occult Coalition, derived from the initialism 'GOC'.
- ギアス(Geas) — ある一連のルールやガイドラインに人間を従わせる際にミーム的エージェントを使用することです。広くはヴェールを支えるのに用いられます。
- 正常性の黄金時代 — 20世紀のヴェールの強さがピークを迎えた間の時代のこと。
- ゴーレム(Golem) 基本的な感覚性と初歩的な知性を持っている、奇跡術によって生命を吹き込まれた構造体。基本的な指示と複雑な行動の限度は、emetというゴーレムの表面または内部の刻印に依ります。厳密にはカバラ的奇跡術を介して生命が吹きこまれた構造体を指す場合にのみ用いられる用語ですが、一般的かつ口語的には他のタイプの奇跡的構造体を指す場合にも使用されます。
- フーヴァ―指令(Hoover Mandate) — スリーポートランド市民との初期交渉におけるBOI/FBI長官J・エドガー・フーヴァー氏の悲惨な失策の後、ハーバート・フーヴァー大統領により制定された、国内の超常の飛び地に対処するための合衆国連邦政府の長期政策です。
- 情報災害(Infohazard) — 例え直接知覚していないとしても、その対象に関する情報を知った人物に影響を及ぼすことのできる、認識災害の一種です。
- ケルン合意(Köln Agreement) — 第七次オカルト大戦の直後に締結された、GOCと財団の間の二組織間協定です。これは"ソロモンの儀式"とその構成要素の共同収容体制を確立し、将来的な二組織間での共同の取り組みの枠組みを提供するための条約です。これはGOC憲章と共に、戦後の"ヴェール"と、国際的なコンセンサスの取れた正常性に関する基本的文書の1つとして機能しています。
- 伝染の法(Law of Contagion) — "部分は全体に影響を及ぼす"ということ。統一奇跡論の基本原理の1つ。
- 相似の法(Law of Similarity) — "相似なるものは相似なるものを生ず"ということ。統一奇跡論の基本原理の1つ。
- メインライン宇宙(Mainline Universe) — 多元宇宙の中心となる宇宙であり、究極的には全ての分岐宇宙の存在と構造の由来となるものです。ベースライン宇宙とも呼ばれます。
- メカーネ(Mekhane) — メカニトの宗教から崇められている、断片化し休眠状態にある神格です。壊れた神とも呼ばれます。
- ミーム(Meme) — 人間の行動に影響を及ぼす感染性の観念、特に自身のさらなる拡散を促すもののことを指します。ミーム工学は、このミームの研究および応用を行います。
- 形而上学(Metaphysics) — 定性的性質が根本的かつ自立した存在として現れたものである、概念に関する科学的研究。しばしば、当分野の専門用語の大半の起源に当たる同名の哲学分野をより厳密かつ応用的な形に拡張した学問とみなされています。
- 記憶補強剤(Mnestic) — 反ミーム作用を打ち消すために使用される、記憶能力を増強させる薬剤のこと。
- 多元宇宙(Multiverse) — ベースライン宇宙とそれに連なる全ての分岐宇宙から構成される現実区域。多くの多元宇宙が現実の至るところに存在していますが、その全数を明確に把握することは不可能です。(そして、これらはおそらく無限に存在します。)多元宇宙間の移動は並外れて困難であり、かつ、極めて稀です。
- 通常(Mundane) — 正常であること。異常性、超常性、または魔術的な特性を欠くということ。
- 降霊術(Necromancy) — 情報を得るために死者の知性の残滓と相談する行為のこと。得られた情報が未来予知を試みるために使用されることもあります。
- 正常性(Normalcy) — 理解され受け入れられていること。現状。
- 観測者効果(Observer Effect) — 奇跡術師と多くの神格の、現実改変のためにEVEを使用する能力を表す用語。この効果のメカニズムは、現在もあまり理解されていません。
- オカルト(Occult) — 物理法則に反するものの、統一奇跡論の理論と矛盾せず機能するものを表す用語。"魔術"として知られるもの。
- 現実出血(Ontic Bleed) — 枝宇宙が自身の存在性を保持するためにベースライン宇宙の現実性を吸引することの結果として生じる、一般的に吸引経路を取り巻くアスペクト放射線束について説明する際に使用される用語です。
- "外側" — 多元宇宙を取り囲み包括する、概念的な非空間である果てのない空虚のこと。これは合理的な理解や説明を拒み、精神もしくは物質を欠き、際限のない概念の領域です。
- 超常人間(Parahuman) — 異常な性質を持つ人間を表す代替用語。超人間という用語とほぼ同じ意味で使用できますが、組織によって好んで慣用的使う語は異なります。
- 超常(Paranormal) — 通用している物理法則では説明できないが、一貫した論理的な法則で作用することに使用される用語。
- 超常ルネッサンス — 第六次オカルト大戦と第七次オカルト大戦の間の時代で、現代の超常科学における多くの重大な発見がなされました。
- 超常科学(Parascience) — 標準的な物理学と矛盾しない説明を生み出すことを最終目的として、超常現象とその原理の研究にヴェールの裏側で専念される科学分野と試みを包括する用語。
- 超常技術(Paratechnology) — 異常ではないが現在の最先端技術を超えているか、確実に再現するには十分に理解されていない超常的な原理から派生したか、もしくは利用している技術を包括した用語のこと。大抵パラテックと省略されます。
- 超常兵器(Paraweapon) — 動作における重要な部品としてパラテックを組み込んだ武器。
- 小型宇宙(Pocket Universe) — 特定の多元宇宙に結び付けられた小さめの宇宙で、関連するメインライン宇宙の現実に依存している場合もあれば、依存していない場合もあります。ほとんどの小型宇宙はメインライン宇宙からぶら下がる枝宇宙ですが、枝宇宙がメインラインから分離された時、もしくは人為的に奇跡術師、神格、または現実改変者による作用を通じて、独立した小型宇宙が自然と発生することがあります。
- サイオニクス(Psionics) — 超能力と超感覚、そしてこれらの能力を持っている個人の研究に努力を捧げられたパラサイエンスの分野。サイオニクスは、さまざまな形態の超能力者による現象の記録、それらの生物学的起源の分析、およびサイオニクス的な疾患と病気の治療に焦点を当てています。
- サイキック(Psychic) — 超感覚的知覚、先天的に有する予知能力、念力操作、および多様な形態のテレパシーを含む、いくつかのサイオニクス的能力を有する個人。
- 現実改変者(Reality Bender) — 奇跡術やエクスプロイトを用いることなく現実を変える先天的能力を持つ個人。タイプグリーン、ビクスビー、およびセーパーとも呼ばれます。
- ソロモンの儀式 — 強力な極度の大きさのオカルト的作用であり、それは間接的に奇跡術の根本的な性質を変えるのに使用することができます。
- 影(Shadow) — 通常は目に見えず、実体を持たない存在である"影"は、奇跡術を通して、または生まれつき根源の内に備わっている現実固着特性によって、実存するアーティファクトに固定させることができます。"灯台"は、独立型の"影"の一般的な発生源です。
- Skipper — Slang term for a member of the Foundation, derived from its commonly used initialism 'SCP'.
- Suit — Slang term for a member of a normalcy preservation organization. The plural form is commonly used to refer to all the organizations involved in maintaining the Veil, or to the general concept of normalcy preservation organizations.
- 奇跡論(Thaumatology) — 歴史的に魔法と呼ばれる超常現象の超常科学における研究。統一奇跡論はこの分野の中で最も広く受け入れられている理論的な体系であり、そしてほぼすべての現代における機能的な魔法の実行のための基礎を提供しています。
- 奇跡術師/妖術者(Thaumaturge) — 観測者効果を介してEVEを動力化し、オカルト的作用を発生させることができる個人。タイプブルー、魔術師(ソーサラー)、魔法使い(ウィザード)、観測者(オブザーバー)とも呼ばれます。
- 奇跡術(Thaumaturgy) — 統一奇跡論の理論に従って、現実を変えるオカルト的作用を使用すること。
- 宇宙(Universe) — 独自の物理法則と特性を備えた単一の独立した現実の領域。宇宙間の移動は、"道"で行われます。
- ヴェール(The Veil) — 世界政府と正常性保護機関による、異常、超常、オカルトを人類の大多数から隠す、もしくは偽装するという現在進行中の方針に与えられた名前です。
- "道" — 呪文や儀式で開くことができる、同じ多元宇宙内の宇宙間を通行するための入り口。"道"は奇跡術師や現実改変者によって人工的に作成することもできます。
登場人物一覧
このカノンに何度も登場する主要な人物が載っています。
名前 |
説明 |
登場記事 |
アダム・ロー |
生きているクライアントと死んでいるクライアントから独自の仕事を引き受ける若い霊能力者です。目立たずに生きようとしますが、大抵失敗します。 |
Under Control, 機械の零落 ハブ |
エージェント・グリーン |
財団の超芸術の専門家であり、現実改変者の抹殺を専門に扱っていたGOCの元工作員です。ほとんど常に喫煙しています。 |
Unusual Investigations |
アリオット・チャオ |
スリーポートランドの住人の黒の女王(の一人?)です。彼女が大規模な超常犯罪を実行していないとき、彼女はほぼローラーダービーのリンクにいます。 |
Vital Signs, Portlands Derby Teams, The Dedekind Infinite Demographic, Suspect Ratio, スピード・デーモン |
アリ・パーコウィツ |
美術犯罪のコンサルタントおよびエクスプロイトの研究者としてUIUによって雇われた、ペーパークラフトを専門とする下位の現実改変者です。 |
The Dedekind Infinite Demographic, Suspect Ratio |
バーディーン |
プロメテウス・ラボで開発され、後に財団の解析部門に獲得された実験用人工知能です。 |
アンブローズの吟遊詩人, SCP-2897 |
ケイシー・マリク |
スリーポートランドに住んでいる前は秘書だった気の弱い人間です。現在、実際に自身が犯した殺人の罪により捕まっています。 |
機械の零落 ハブ |
ユースタス・ロー |
世を捨てた高齢のネクロマンサーです。プロメテウス・ラボの元研究者であり、現在のスリーポートランド居住者であり、そして品行の悪い父親です。 |
Under Control, 機械の零落 ハブ |
フローレンス・ソーン |
戦闘における喚起(evocation)を専門とする強力な奇跡術師であるフローレンス・エルシンガーは、1990年にUIUに亡命するまで財団のフィールド・エージェントでした。彼女は後にUIUの機動オカルトオペレーションチームを設立することになります。2008年に灯台マフィアに対する交戦中に殺害されました。 |
The Phoenix, The Nightingale, & The Magpies, When Parallel Lines Diverge |
ジョセフ プラハのゴーレム |
16世紀に古代のカバラを用いて造られた、ナチス党員達を殴り殺したゴーレムです。第七次オカルト大戦中にオブスクラ軍団によって誤って再活性化され、彼らを即座に、そして大いに狼狽させました。 |
Obskuracorps Memos, Archival Document -- HSA-008-Advent, A Man of Clay and Men Formerly Men |
ケネス・スペンサー |
スリーポートランドに割り当てられたUIUの特別捜査官であり、時にはJTFデルタ-3(「有機的フェアトレード」)の指揮官でもあります。財団への不信感を遠慮なく口にするベテランのFBIエージェントです。ロビン・ソーンと連携しました。 |
Unusual Investigations |
コンラード・"コルド"・ヴァイス |
オブスクラ軍団の考古学部門および研究部門の長官です。トゥーレ協会の元メンバーです。彼の生きていた間は、ドイツで最も強力な奇跡術師の一人でした。 |
仮報告書, Obskuracorps Memos |
ランデン・エッカート |
フィールドワークよりも多くGoI間の交渉と外交に関わる物腰が柔らかいUIUのエージェントです。 |
The Dedekind Infinite Demographic, Suspect Ratio |
ロビン・ソーン |
スリーポートランドに割り当てられたUIUの特別捜査官。先天的に使える中位の能力を有する奇跡術師ですが、幅広いトレーニングを受けています。ケネス・スペンサーと連携しました。 |
Unusual Investigations, Suspect Ratio |
サマンサ・ロメイン |
疑わしい倫理的なレッドゾーン・セキュリティの疑わしい倫理的な代理人です。通常、彼女は目が見えず、声も聞こえないボディガードと共にいます。 |
Under Control, 機械の零落 ハブ |
シエラ・ダスティン |
正常性に対する反対運動に携わる過激派超芸術テロリストです。違法で不可能な芸術が寄贈された秘密の美術館を整備しています。 |
Unusual Investigations |
サイモン・ピエトリカウ |
財団の解析部門の長官です。キューバミサイル危機の後、ロシア連邦軍参謀本部情報総局"P"部局から寝返り、すぐに財団で昇格し、解析部門の設立を先導しました。 |
SCP-2664, Guns Pointed at the Head of God |
内側の男 |
急成長中の犯罪シンジゲート「シカゴ・スペクター」の片割れ。グループの頭脳として、そして世界で最も強力なサイオニクスの研究者の一人として、彼はスペクターの活動を計画し組織しています。 |
ハイパーヴェロシティ, Terminal Velocity, スピード・デーモン |
ルーキー |
急成長中の犯罪シンジゲート「シカゴ・スペクター」の片割れ。彼女はそのグループの主力として、スペクターの活動を遂行するために悪魔ドラッグのような不気味な身体強化に頼っています。 |
Zeitgeist, ハイパーヴェロシティ, Terminal Velocity, スピード・デーモン |
戦士 |
古代の強力なサイボーグは、物理的な神の一部として昇格しました。授く主の狂信者であり、気に入られていた弟子です。 |
SCP-2970, サムサラ, The Dedekind Infinite Demographic |
ヴェラ・K・ガルシア |
タコべルに潜在的に関連した謎に満ちた陰謀を調査している風変わりであるが熟練したエージェントです。 |
機械の零落 ハブ |
パラテック一覧
このカノンに登場する重要なパラテックかパラテックを開発する計画が載っているリストです。
- エーテル振動検出器 — ランダル探知機とも呼ばれる、一般的には未開通の一人"道"を見つけるために使用される、バックグラウンドレベルのアスペクト放射の変化を検出できる装置です。
- 自動エクソシズムシステム 機能するには奇跡術師の存在が必要ですが、エクソシズムや似たようなオカルト的作業を自動で行う機械です。1985年から1995年にかけてプロメテウス・ラボが販売した顧客には、境界線イニシアチブ、世界オカルト連合、および財団が含まれていました。
- 総天然オートマトン — サムサラ計画の間に開発された技術を使用して、クローン化されたヒト接合体を遺伝子操作することによって作成された有機ロボットです。構造改革の影響を受けなかった数少ないプロメテウス・ラボ製品の1つであり、1990年に生産が開始され現在も続いています。
- DSRV-3 マーリン — ペンタグラムによって就役された深海潜水艇は、極度の深さで密かに動作することを可能にする多くの高度なパラテクノロジーを備えています。
- アルゴ社の自動車 — アルゴ自動車の主要製品ラインであり、1年後の未来から移動してきた車で構成されます。1998年から2008年まで販売されました。
- 概念的無固晶 — "概念を持たないという概念"のような、逆説的な概念上性質を有するガラスに似た物質です。接触する有機物は急激な概念上の変化と概念的喪失を経験します。
- 電気的認知インターフェース — 電気的なテレパシーに使用される埋め込み型の神経の補填物です。マクスウェリズム教会を代表して2015年にコンラッド・トレントとミーラ・ライダーによって行われた研究を基礎としています。
- エバーハート共鳴器 — 第七次オカルト大戦中にICSUTのジョン・エバーハートによって開発された、電気からEVEを生成するのに使用される機械です。変換は奇跡術師による多くの手順を必要とし、そして非常に非効率的であり、しかしながら大量のEVEを生成するための他の方法よりははるかに頼りになります。
- ISV ダリウス — 星間研究船としての使用を意図した巨大な宇宙船です。完成する前に、建設は1997年末にプロメテウス・ラボによって中止されました。未完成の船体は現在小惑星(532)ヘルキュリナ周辺の低軌道にあります。
- ゴーストライト™ — タイタン家電エレクトロ二クスによって製造されたあるブランドの電球で、幽霊の特性である霊的発光を利用して光を生成します。2006年に霊体が使用された製品の品質問題が原因でリコールされました。製造は財団の監督の下で後日再開されました。
- ミーム爆弾 — 事前に定義されたトリガー(特定の日付、時間の遅れ、知覚的なパターン、または単にランダムなものなど)によって起動される、休止中の認識災害を伝えるミームです。効果はさまざまであり、死因となったり、精神異常や自発的で局所的な現実改変を引き起こしたりする可能性があります。
- NOTUS — 1968年に作られたプロメテウス・パラエコノミクスのスーパーコンピュータであり、会社の経済学者が関心のある株式の正確な株式市場での予測を作成します。後に2005年に財団に入手されました。
- プラズマ投射器 — 冷戦中に開発され、ソ連圏全体で運用された指向性エネルギー超常兵器の一種。プラズマ投射器は通常、ブラックボックス電源を使用して高電荷の高密度プラズマを生成し、それを極超音速に加速して標的に向けて発射します。結果として生じる発射体は、標的に当たると広範囲の熱的および機械的損傷を与え、雷鳴に似たノイズを生成します。
- ユニコーンの角の粉 — マーシャル・カーター&ダークによって販売されている、遡及的作用を持つ避妊薬かつ工業用殺虫剤です。
- オート-マグス計画 — 1970年代初頭のプロメテウス・ラボでの長期的な研究開発計画は、奇跡を引き起こす完全な奇跡術機の作成に焦点を当てていました。1976年に中止され、開発された技術は後に自動エクソシズムシステムを作成するために使用されました。
- バーディーン計画 — 人工知能の開発を目的とした、プロメテウス・アドバンスド・ロジックデバイスのニューラルネットワーク研究者チームによって着手されたプロジェクトです。その成功にもかかわらず、プロメテウス・コンピューティングが財団に買収された後、プロジェクトは中止されました。
- サムサラ計画 — もともとは再生力のある幹細胞治療を開発するための計画でしたが、それは1990年代半ばに全身の再生と頭脳の転送に関する研究に移行しました。プロメテウス・コングロマリットが崩壊する前に、早期にいくつかの成功を収め、その後財団によって復活しました。
- PSAT セタンタ — 1972年に打ち上げられたプロメテウス航空宇宙研究部門のギアス交換伝達衛星は、その後10年後に廃止されるまでの間、ギアスの束縛に関わる契約の法的根拠としての役割を果たしました。
- Seance Dust — 死後のコミュニケーションを可能とする超常ドラッグであり、たいていスリーポートランドで娯楽として使用されます。
- シギルマシン — 補助なしで標準通り行うよりも高い一貫性と正確さで、奇跡術に関する作業を補助する様々なオカルト的なシンボルとシギルを生成することができる機械です。自動エクソシズムシステムで使用される技術から派生しました。