第三の寿司
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前回までのあらすじ

ついに姿を現した"永遠の闇"。しかし意外にもその正体は闇ではなく、彼の娘、早苗であった。"永遠の闇"は、動揺する闇を追い詰め、とどめを刺さんとする。だが、彼女の寿司が彼の心臓を貫く寸前に、勝が闇を庇い、致命傷を負ってしまう。闇の腕の中で、勝は自らの後悔、謝罪、弟への愛情を伝え、事切れる。悲しみに暮れる闇だったが、仲間たちに励まされ、自らの罪、そして自分の娘と向き合う決意を固めるのだった。しかしそうしている内にも"永遠の闇"の発するアキヴァ放射はますます強まり、ついには世界オカルト連合の出動を招く。


轟音があたりに響き渡った。"寿包丁のレイ"の投射したICBM1GOC反重力浮遊戦艦"レジティマシー"に着弾している音だ。距離が近すぎるため2、装甲を貫通させることは出来なかったものの、着弾の衝撃で"レジティマシー"の第一砲塔が故障する。

反撃の極超音速レールガンが斉射されるが、"ケーキナイフのクラウディ"が操るコーヒーゼリーパフェによって拡散された、"熱包丁のフレイム"のスシティウム・レイ3にすべて迎撃される。さらに、日光による爆発炎上と再生を繰り返す十字包丁のブラッドの不死鳥型燃焼寿司4が、装甲の薄い"レジティマシー"の下部を繰り返し攻撃を仕掛ける。

しかし、長くはもたないだろう。肉体操作術によって生成された血液変容ワインをブラッドに直接注入され、行動不能になっていたGOC部隊もいつかは復帰するだろうし、直にオレンジ・スーツ部隊も出てくるはずだ。闇寿司四包丁が世界オカルト連合を抑えている間に、決着を付けなければならない。どうにかして早苗から"永遠の闇"を引き離すのだ。



「まずは俺に任せてくれ。」

"永遠の闇"を前にして、闇は言った。

「勝算はあるのか?」とカイが聞く。

「大丈夫だ。負ける気はない。それに勝も言っていただろう。スシブレードとは対話であり、魂のぶつかり合いだと。イエスタデイにも言われたよ。話せるうちに娘さんと話してあげてくださいってな。まだきっと、完全に"手遅れ"ってわけじゃない。」

結局勝とは戦う機会がなかった。あの時直接勝負していればまた別の道があったのだろうかとふと思いながら、闇が言葉を続ける。

「きっとあいつもまだ迷いがあると思うんだ。一対一のスシブレードで早苗を元に戻す。絶対にだ。」

タカオ、カイ、マックスはうなずいた。



タカオ達の前に、"永遠の闇"が降り立った。大いなる闇、寿司の終焉、寿司の呪い、阿悪の寿司など、複数の呼び方で伝承に登場する神格存在。例えアキヴァ放射を計測する装置がなくともその力は十分に感じとれるだろう。それは、思想としての闇寿司の根源、寿司の暗黒面そのものであり、そして今は闇の娘、早苗であった。

「娘を、早苗を帰してもらうぞ"永遠の闇"。」

と闇が口火を切る。

返せだと。娘を一人にしておいたのはお前の方ではないのか。それを今になって返せなどと。笑わせてくれる。

「違う!俺の戦いにお前を巻き込みたくなかったんだ。」

だまれ!お前は娘など見てはいなかった。私は知っているぞ。お前が勝手に押し付けた"正当な"寿司とやらと共に娘を捨て、自分の部下ばかりに愛情と期待を注いでいたのだ!

「…!」

もはや言葉などは不要。今度こそとどめを刺してやる。

"永遠の闇"は、懐から"名前の無い寿司"を取り出した。誰もが知る正統的な江戸前寿司でありながら、もはや素材の名前ですら呼ばれない呪われた寿司。タカオ達は、自らの寿司を通じ、憎悪、嫌悪、嫉妬といった負の感情を感じ取った。

闇、お前の手には二つの寿司がある。どちらを選ぼうがお前の敗北は確定している。

"永遠の闇"/早苗は言った。

さあ、選ぶがいい。


邪道か?
ラーメン


王道か?
コハダイン


あるいはもうひとつの道があるのか?
我の名を叫べ




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