第三の寿司
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2ページ目 ラーメン

"名前が無い寿司"の膨大な力を感じる。リスクはあるが、この力に対抗するには…

「ラーメンを選ぶしかない。」

やはりラーメンを選んだか。決着をつけるとしよう。

「「3、2、1、へいらっしゃい!!!」」

2つの寿司が激突する。最初の激突で弾かれたのは"名前無き寿司"の方だった。

しかし、"名前で呼べない寿司"は構わず攻撃を繰り返す。猛攻によってラーメンの液面が揺れるが、闇の卓越した操作技術によって、スープがこぼれることはない。

一見、"永遠の闇"はただがむしゃらに攻撃を仕掛けているだけで、ラーメンの防御の前に攻めあぐんでいるかのようだった。だが、一撃を受け止められる度、"呪われた寿司"の負の存在感が増していった。"永遠の闇"の憎悪が"名前を奪われた寿司"に流れ込んでいるのだ。繰り返すごとにその攻撃は重くなっていく。

だが、ラーメンも押されたままでは終わらない。攻撃を受け流すだけではなく、自らの攻撃を重ね合わせ、相殺する。これまでとは比較にならない衝撃が伝わるが、それも受け流す。
「すごい。」

タカオは思わず声に出した。

「でも…」とマックスがつぶやく。

"永遠の闇"の操る"名前を呼べないこの寿司"へと対抗するため、ラーメンの力がフルに引き出され、闇の力が強まっていく。激突の度に衝撃波があたりにまき散らされる。次々に地面にクレーターが発生し、アスファルトは溶け、街路樹は根こそぎ吹き飛ばされ、周囲の建物は倒壊していく。

闇のラーメンは、"名無しの寿司"に互角以上に立ちまわっているように見えた。

しかし、闇は理解してしまった。このまま力を引き出し続ければ、闇が新たな"永遠の闇"となるだけであるということを。そしてそのことは、早苗の敗北、そして死を意味をする。

すまないお前達。でも、早苗だけは。

闇の表情から何事かを読み取ったカイがさけんだ。

「だめだ!闇!」

だが、その声は届かなかった。"もはや名前で呼ばれることのない寿司"はラーメンを弾き、今度こそ、闇の心臓を貫いた。



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