驚異の世界の破壊者ティム・ウィルソン!!!
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チャズ・アンブローズはキッチンに逃げ込んだ。すぐさま自分が使える限り武器になりそうな品を搔き集めると、テーブルの下に飛びこみ身を潜めた。その間、自分の仕切るレストランで繰り広げられている光景へ最後の一瞥を向けた。給仕たちが防戦を強いられながら、数刻前に来店した謎の男を止めようとするも、男は携えていたチェーンソーでレストランにいた者を一人残らず殺し始めた。

身体を丸め、いかなる音も立てまいとした。足音を耳にした。殺人鬼がキッチンへと踏み入れたのだ。銃声を耳にした。どうやら生き残っていた警備員が背後から襲撃者に狙撃しようとしたようだった。けれども後から聞こえてきた叫び声を聞くに、男は失敗したのだろう。

足音が大きくなっていた。右隣に謎の人物が来たとチャズは分かった。ここで男に攻撃を仕掛ければ、間違いなくトドメを刺せる。テーブル下より飛び出した。

「食らえー!」チャズはそう言うと、男にテレキル製ナイフの雨を浴びせた。不意を突かれた敵はナイフがその身に降り注ぐのを見ているしかなかった…。

前触れなどなく、アンブローズは壁際の床に倒れていた。ダメージは大きい。見ると胸にも足にも投げたはずのナイフが刺さりまくりだった。大量出血が始まっていた。

「どういう…?」

「これが「キング・クリムゾン」だ!」襲撃者は答えた。チャズは傍に立つ緋色の人らしきものが見えた。男が傷だらけのシェフの下へと近づいてきたので、ようやくその人物の顔を目に出来た。

「テ、ティム?し、しかし何故?」

「手始めに殺るのはお前からだと決めていたからだ、亡きパールの敵討ちとしてな。」ティム・ウィルソンは答えた。

「手始めに?」

「その通り。この大量殺戮の物語Taleはたった一人の人間を殺せばジ・エンドだった。ああ、私はレストランにいた連中は皆殺しにしたがな。だが連中を思い返す必要もない。どちらにせよ、今日がお前の命日だ。どう言えば…ああ、そうだった!」言い終えると暖炉に火をつけた。「目には目を、グリルにはグリルを。」

チャズ・アンブローズは断末魔を上げ始めたのだった。


「忌々しい、愚かな動物業者め。」ブマロは両腕に装備した鉤爪でウィルソンを切りつけながら言葉を口にした。闇を切り裂ける鋭利さだ。「キミは私の同朋たる教徒も手に掛けたのだろう、されどその報いを受ける以外に未来はない。食らうがいい。」

両腕に素早い斬撃を食らうとティムは悲鳴を上げた。剣を携え、ブマロに攻撃を仕掛けるも、傷一つ付けられずにいた。ブマロは破壊不可能な金属の鎧で身を固めているのだ。

ちょうどティムは咆哮を耳にし、イオンの奇襲を躱した。崇高なるカルキストは巨大な肉の獣へと変身し、彼の右側を飛び去っていき、壁に激突した。

「本音を言うぜ、年だけ重ねたガキどもが。共闘体制には驚かされたが、別に構わない。こちとら剣が二振り。片や人間を、片やバケモノを相手に出来る。ぶっちゃけた話、ブマロが今でも人間かなんてこれっぽっちも考えちゃいないが、今のイオンは間違いなくバケモノと見なせる。だったらその考えで行くまでだ。手始めにブマロから潰そう。」

「せいぜい足掻いてみるがいい。」と答えるブマロ。ウィルソンに飛び掛かり、両腕の鉤爪で攻撃をし始めた。ティムも自分の剣で攻撃を遮り、時間を消し去って趨勢を握ろうとする、だが失敗に終わった。敵の鎧は間違いなく破壊不可能であり、装備する刃も強力無比の品のようだ。それだけではなく、イオンは肥え太った生物のように彼の周囲を飛び跳ねている。だが….ウィルソンは笑みを浮かべていた。

「笑える状況でもないだろ、この被虐嗜好者!苛立たせるのも大概にしてほしいものだな!これで終わりだ!」

ブマロがウィルソンの胸を切り裂くと、そこから血が流れだした…けれども人間の血ではなかった。

「待て、これは…ウサギの血か?」

「ああ、忘れていたよ。昨日財団のあちこちのサイトを爆破したんだが、実行前にパクってきた友人の紹介は済んでいなかったな。」ジャケットのポケットから一羽のウサギを取り出した。「連中からはウォルターと呼ばれていた。けど私はこの子をパール2世雑食ブーガルーと呼ぶことにしている。それとこの子は腹を空かしているし、怒ってさえもいる。」

「騙されたものだな…。」ブマロがそう言うや否や、ウサギは頭に飛びつきヘルメットを貪り食らい始めた。間もなくブマロは叫び始めた。

「堪能してくれ、ウォルター。さて…」彼はイオンの方を向いた。往古のサーカイトが目の前にいた。恐ろしい変容を遂げ、恐怖を齎していた。そいつは微笑んでいた。

「参ったな、一筋縄ではいかなさそうだ。イオンは洒落にならんし、こちとら準備不足もいいとこだ。」そう内心では思いつつ剣を掲げ、攻撃の構えを取った。イオンが突進する。動物業者の方へと一直線、徐々に狭まる間隔。ウィルソンは恐怖を悟られまいとした….。

突然、イオンは床に崩れ落ちた。動きを止めた。「一体何が起きている。」ウィルソンは慎重にカルキストへと近づいた。鼓動を調べる。イオンの心臓は動きを止めていた。

「あいつ…戦闘中に心臓発作を患ったのか?へへっ。」

このまま確実に息絶えてくれるよう、彼はサーカイトの心臓に剣を突き刺した。

「なんというか…常識外れの相手だったな。」

「じょうしきはずれといったのはおたくで?」

ウィルソンが背後を振り向くと一人の男が部屋の端っこに立っていた。

「すいませんが、どこかでお会いしましたかねえ?」

「すぐに分かるぜ。こちとらビッグ・チーズ・ホレス。お宅の連続殺人劇に終止符を打つために参上した次第で。さあ私の宇宙滅亡撃の前に散るがいい!」

「引っ込んでやがれ。」

ティムが携えていた剣を投げると、男の心臓に真っ直ぐ命中した。ホレスは床に崩れ落ちた。

「行こうか。パール2世雑食ブーガルー。」ブマロを食べ終えたウサギに向かって声をかけた。「このカルト信者専門の精神病院からおさらばしよう。」


カフェテリアにてアーロンはティムとの待ち合わせをしていた。相手が入店してくると手を振って合図した。

「ここだよ、ウィルソン!席に就きたまえ!」待ち人が告げた。来訪者は誘いに応じた。

「ごきげんよう、シーガルさん。」

「すると他の連中と同様、私を殺しに来たと。そうだな?」

「そうさ。」

「お前の無軌道ぶりを見てはいたけど、実力は認めざるを得ないね。中々印象的なアイテムを持っている。ブライトを無限ループの中で自殺させたタイミングを狙ってタイムパラドックスを生成し、彼を暗殺できるとは思いもしなかったよ。」

「そうとも。私は成し遂げたんだ。」

「どちらにせよ、次に暗殺リストに名を連ねているのは評議会だろう。それに推測は付いているが、給仕に賄賂を渡してコーヒーに毒を漏らせたんだろう?」コーヒーを床に流し捨てながらそう言った。

「いや、それじゃ遅いだろう。賄賂を渡した相手は洋服店の男だ。」

アーロンは即座に理解した。手には買ったばかりのネクタイが握られていた。

「もう遅い。毒は既にお前の全身に回りきっている。」

「くそ。やってくれたな。だがお前は勝てない。まだ12名の監督者は健在だし、お前は絶対に全員を殺せやしまい。」

「ああ、連中ならとっくにあの世へ送ってやった。最後に生き残っているのはお前だけじゃないかな。」

「何を言っているんだ?!!!あり得ない。誰一人として評議会員を皆殺しに出来るものか!」

「誰一人ねえ…いるんだよ一人な。それと数日前に法に則ったやり方で名前を変えたよ。」

「そんなわけ…。」

「これからはカルヴィン・ルシエンと呼んでくれ。」

「ああくそったれ!」それがアーロンの最期の言葉になった。


「止まれ!緋色の王、無数の次元の破壊者、混沌より生まれし獣、万物の皇帝、人が暗闇を恐れし元凶の宮廷に踏み入れようとは何者だ?」仕えし主人の犠牲となりし髑髏が敷き詰められた巨大な紅玉の門の傍に立つ、尋常ならざる背丈の太古の恐怖が問う。

「ティム・ウィルソン。動物たちが仕事仲間だ。」巨人の爪先近くに立つ貧弱な人間が答える。「お前の主人の命をもらいに来た。」

門の守護者はせせら笑った。「貴様が….我が君を殺すだと?それに貴様は我が君への謁見するだけに値する武器を持っているとしたらそれは何だというのだ?XDDDDD」

「ふーん…「キング・クリムゾン」とか?」とティムは答える。

「なに?「キング・クリムゾン」とな?ならば問題あるまい。通行を許可せねば。血塗られし王クリムゾン・キングvs.緋色の王スカーレット・キング!JJBA1ファンが待ち望んだ対決だ!」

門の守護者はティム・ウィルソンの脇に退いた。門が動き、開かれた。

「だからこそこの対決は本編外で行われる。へへっ。」人間はそう言うと、門の敷居を越えていった。

後刻、恐怖に満ちた声が轟いた。「緋色の王、無数の次元の破壊者、混沌より生まれし獣、万物の皇帝、人が暗闇を恐れし元凶の宮廷に足を踏み入れるとはいかなる無礼者だ?!」

「ティム・ウィルソン。動物たちが仕事仲間だ。」

壮大なる戦いの音色が鳴り響いていた。1時間にも渡って続いた。門の守護者は数多の耳朶の一つを扉に向け、怒号を、打撃音を、並んでいた椅子の砕ける音を、そして猫たちの鳴き声を耳にした。最後には沈黙が訪れ、ティムが扉の向こうから言った。「オーケイ。お暇するぞ。」

門の守護者が扉を開けると、ウィルソンが出てきた。仕えし者は主君に目を向けた。緋色の王は玉座に横たわり、その身を縮こませていて、頭の方には野菜サンドイッチがこれでもかと突っ込まれていた。

「い、一体どうやって?!いかなる術で我が君を殺したというのだ?」ティムに問うた。

「プロット・アーマー2ってものさ。」ティムは答える序でに巨人を銃で射殺した。


ワンダーテインメント。フラー。ギアーズ、クレフ、その他作者の願望丸出しになったバカ同然の連中。dado。マーシャル。カーター。ダーク。アンダーソン。あとアンダーソンその2。L.S.。D.C. アルフィーネ。お前の母親。フェオウィン・ウィルソン。

時間はかかった。けれどもウィルソンは全員をあの世へと送ってやった。

身を潜めようとする者がいる一方で、立ち向かう者もいた、だが状況は何も変わらなかった。味方につけたアニメの力によって、ティムは敵を次々に殺すだけで良かった。残念ながら、パール2世雑食ブーガルーはメカーネの全てを食い終えた後で消化不良を患い、命を終えた。結局ウィルソンはまたも一人きりになった。

ポケットサイズの暗殺リストはあと1名の名を残すだけとなっていた。

いや、名前そのものではなかったが。


「じゃあ、」ティムは何者でもないへと告げた。「どうやって私を止めると?」

「ううううむ…正直に言えば、驚かされたものです。」

「なんだって?こちとら殺戮の正義の暴力を奮い続けてた。お前の下に来ると察しないなんてどうすりゃそんな話になる?」

「数学には疎くてですね。まだ何人か私の前に来るものだと思ってましたよ。」

「愚かな。どうやらお前がこの物語Taleのラスボスのようだな。で、お前は襲撃の備えを怠っていたと?」

「してませんね、まあ、それなら…何でもいいから行動するまで。いけ!」何者でもないはそう言うと、信じざるものの槍のように、秘密基地に隠していた品の数々をティムへと投げつけた。ティムはと言うと、時間を消し去って投擲物を回避、何者でもないの下へと駆け出した。すると何者でもないは最後の切り札を使った。彼はティムを抱きしめたのだ。

「何のマネだ?」

「抱きしめるだけで良かったのですよ、わが友。」

「愛の力とやらで私を倒せると本気で思っているのか?」

「そうは思ってません。「キラークイーン」の第一の爆弾を起動するには、あなたに触れねばならなかっただけです。さあ味わうといい。」

ウィルソンは爆発した。

「ふう。予想外です、こんなに楽…」何者でもないの勝利を確信する言葉は背後からの銃撃により遮られた。彼は床に崩れ落ち、狙撃者の姿を見た。言うまでもなくティム以外の何者でもない。

「どうやって?」

「不屈の魂とプロット・アーマーだ。友よ。」

「最後の最後でプロット・アーマーに頼りましたね。」

「それと不屈の魂だけだぞ。どうでもいい、我が名高き7頁にも続くラッシュの時間だ、キング・クリムゾンのラッシュ名が存在するなら、各自脳内で補ってくれ!」

彼は「キング・クリムゾン」を召喚し、何者でもないを殴り始めた。殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り(以下、延々と「殴り」が連なる。)殴った。相手は床に崩れ落ちた。

「さて、お前には死ぬ前に、更なるポイントかその類を稼ぐ特別な方法でダメージを与えてやらねばな。例えば….。」何者でもないを掴み上げ、眼前にコンピューターを置いた。「Youtubeに投稿されたマインクラフトロールプレイを起動した。ドン引きしながら死んでいくがいい。」

「うわあ…」視聴を始めると、何者でもないはそう呻いた

「それで、生き残っているのはお前だけだ。もう間もなく物語Taleの題名を回収できる。あと必要なのは…。」ポケットにしまってあった卵を食らった。「私自身を殺すことだ。一分も経てばドラゴンが孵り、魔法の力で巨大化を遂げ、私の腹を食い破ってくれる。」

「お待ちください…。」ドン引きしながら瀕死の何者でもないが言った。「あなたは何事も成し遂げていませんよ。」

「何事もだと?何の話をしている?成し遂げたではないか。これで物語Taleの題名を回収できるんだ。」

「できてませんよ。」

「一人残らずあの世へ送ったではないか!『SCP世界の破壊者ティム・ウィルソン!!!』題名にもある通りだ。」

「愚かな人ですね。題名は『驚異の世界の破壊者ティム・ウィルソン!!!』であり、あなたはマーベル驚異のキャラのマの字も殺してないじゃないですか。」

「うわ、やっちまった。」

こうして2人は息絶えたのだった。

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