赤い大地。そう、一言で表すならそれだ。血のように真っ赤に染まったソイツは、今か今かと俺との直接対決を待ち望む。
「お前に逢うのは初めてだな、緋色の鳥」
赤い鳥が俺の目の前に降り立つ。それだけでヤツの「赤」は俺の視界に入ったとたん、ある種のミーム的高揚を注ぎ込んでくる。
その口に入ればただでは済むまい。だが決して絶望してはいけない。それこそがヤツの思うツボだ。希望を捨てるな、勝てない相手ではない。俺は意を決して赤い鳥と真正面から向き合った。
音を立てながら迫り来る真紅の鳥。先手必勝。俺はソイツの赤皮に反逆の歯を突き立てた。ザクリという音を立てて、赤皮は裂け、俺の歯は深く、深く皮の下の肉へと食い込む。しかしこれは序の口に過ぎない。噛み砕かれた赤皮の下から解き放たれたのは圧倒的な熱量。俺を内側からチリチリと焼き焦がしていくが、それで怯むほど生半可な覚悟は済ませていない。
俺の攻撃は止まらない、いや、止められない。もし攻めの手を緩めればその瞬間、体を包む煉獄に身を囚われ動くことすら叶わなくなるだろう。そうなってしまえば敗北は必至。止まることは赦されない。俺は我武者羅にヤツの肉を食いちぎっていく。貫くような痛みが襲いかかるが、しかし噛まずに呑み込むのは愚の骨頂である。
肉を噛み締めるたび、暴力的な熱さや痛みと引き換えに感じる多幸感と湧き上がる活力。一口一口が俺の血となり肉となり、遂には鳥と一体化する。これを愉しまず何を求めろというのだ。
灼熱の辛さに包まれた、確かな旨み。その全てを収めた瞬間、俺は覇者となる。
よし、イメージトレーニングは終わりだ。

いただきます。
サクリと弾ける赤衣!
暴虐を尽くす灼熱のミーム!
緋色の鳥 激辛Keter味 158円(税別)
20██/██/█、飛来。
君はこの脅威に打ち勝つことができるか!?
財団購買部