ベルカー博士へ
オリエンテーション用パンフレットの草案作成を依頼した時、私が言いたかったのがこういうことでなかったのは良くお分かりだと思います。今すぐ来てください。
ウィリアムズ博士
ワンダフルなサイト-65へようこそ！
SCP財団 サスカチュワン州作戦収容サイト
“夢が生まれて死ぬ所…”
おめでとうございます！
非凡な才能とスキルのおかげで、あなたは同業者たちの中から特別に選抜され、SCP財団に就職する機会 及び/または 非自発的なボランティアの地位を与えられました！ 早速あなたがこれまで愛してきた全てを捨て去り、サイト-65という魔法の、素晴らしい、そして時には恐るべき世界に浸る準備を整えましょう！
サイト-65とは？
アノマリーではありません！
サイト-65はカナダのサスカチュワン州、サスカトゥーン市から北に僅か30kmほどの美しい大草原地帯にあります。公式には人里離れた広大な平地という理由で選ばれたことになっていますが、まずは立ち止まって、サイト-65がこの土地に建造された真の理由をご堪能ください… この雄大な景色を！ 砂嵐が視界を遮っていなければ、摩耗し踏み固められた大草原プレーリーは、まだ工業活動によって駆逐されていない現地の野生動物たちを観察する機会をふんだんに提供してくれるでしょう。
しかし、美しさには危険が伴うもの。常に目を光らせておく必要があります。普通の野ネズミと異常なプレーリーカワハガシの違いを見分けられるように沢山経験を積みましょう。 (ヒント: 尻尾の形状に注目！) ある動物が異常か否かを識別する際には、次のちょっとした楽しいモットーを思い出してください: “草原にプレーリードッグ？ 足を止めて観察して笑おう。引綱の無い金色の犬ドッグ？ そいつは収容違反だぞ！”
サイト-65の職員たちは、自然の恵みを満喫するだけではなく、様々な異常存在アノマリーを安全に収容・研究するために、24時間いつでも精力的に働いています。また、サイト-65の東側区画は、カナダ連邦政府との契約に基づいて公的にセメント製造施設として運営されており、見返りとして安定した継続的な資金援助を受けています。サイト-65はサイト-177と提携し、サイト-AE7を遠隔指揮することで、SCP財団サスカチュワン州作戦地域を形成しています。
知っておくべき名前
サイト-65に意気揚々と赴任し、初仕事に臨む前に、まずは重要人物の名前を幾つか覚える必要があります！ 以下は同僚全員を完全に網羅したリストではありませんから、あなたと一緒に働くことになる全員と顔見知りになっておきましょう (15分間の昼食休憩中にですよ、もちろん) ！
地域監督官: アトモス博士
アトモス博士はサイト-65の誰も覚えていないほど昔からSCP財団で働いています。本人はまだ20数年しか勤めていないと言いますが、それ以前からいるのに彼の訓練を受けた記憶がある職員もいます。それを別とすれば、アトモス博士の下で働くのは、機嫌を取り続けさえすれば割と簡単です。彼は他人が見落としがちな細部にまで目が行き届くので、審査の際には貴重な人材です。彼はカナダ、サスカチュワン州内のあらゆる財団サイトの調整役を務めているため、大半の時間はサイト-65で直接働いてはいません。
地域収容スペシャリスト: ライクス博士
ライクス博士は1991年にSCP財団に入職し、既に確立された収容プロトコルの再検討と改定を担当しています。時にはライクス博士もプロトコルの初期策定に参加しますが、それは専らサイト管理官の業務です。ライクス博士はある種のクソ野郎 財団でも皮肉屋として知られていますが、彼のスキルと知識は極めて重要です。
サイト管理官: ウィリアムズ博士
ウィリアムズ博士は1992年にSCP財団に入職して以来、一貫してサイト-65の管理官を務めています。ウィリアムズ博士は現実を改変・歪曲するアノマリーに多大な関心を寄せており、細部への注意には欠けるものの、その種の現象に関する平均以上の理解を示します。ウィリアムズ博士は、財団の目標達成に必要であれば、時として冷酷とも受け取れる厳格な臨床態度を示すことで知られています。これらのスキルのおかげもあって、ウィリアムズ博士は直近の報告期間でたった6件 7件 8件 9件の重大インシデントしか起こさずにサイト-65を管理できています。
社内行事
多数のサイト-65職員向け催事の1つです！
サイト-65では、あなたの仕事量と同じくらい士気が重要です！ 私たちはその点を理解し、職員の団結心を高めるために、あなたや同僚たちが参加できる特別な催しをサイト-65で定期的に開催しています。ちょっとした職員パーティーから、自動車が当たる抽選会*などのより大規模なイベントまで、その種類は豊富です！
参加者全員が息抜きを楽しみながらも生産性を維持できるように、各イベントごとに課題が入念に設定されています。例えば、ある年の職員自動車抽選会の参加者は、Dクラスプログラムに誘致できた被験者1人につき1口追加で抽選に応募できました (添付写真を参照) ！
*財団職員は担当施設を出て一般社会に復帰することを禁止されているため、当たった車両は自動的に没収されます。
まとめ
もし今あなたの心拍数が上がり、発汗し、激しい興奮に見舞われていても心配はいりません！ それは異常な効果ではなく、サイト-65で働くというスリルと高揚を経験しているだけです (あなたの目がハチミツに変化している場合を除く。その場合は最寄りの医療棟に直ちに連絡してください) 。
「でも私の妻はどうなるんですか？ 子供たちは？ 家族は？」 確かに、どれももっともな不安ですね！ あなたが世間から姿を消し、財団のヴェールに身を隠したことで、愛する人々が行方を案じ、煩わしい行方不明者届を提出するかもしれないことを、私たちは承知しています。財団では積極性が重んじられます。そこで、あなたがこのパンフレットを読んでいる間に、勝手ながらあなたの存在を知っていた全員に記憶処理を施させていただきました。ですから、昔の上司から電話がかかってはこないか、妻子が寂しがってはいないかなどと心配する必要はもうありません… 彼らはあなたが誰であるかさえ覚えていません！