我々は何者か
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    Manna Charitable Foundation
    [2014 Wikidot Theme, 2020 Restoration]
    Originally created for the SCP Foundation GoI Contest of 2014 (MCF team and Group of Interest) by Reach.
    Thanks to Aelanna and Crayne for their assistance and patience.
    Brought back by Stormbreath and UncleNicolini.
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「そんなもの飲んでいい訳ないだろ」

「へえ、でも誰かがやらなくちゃいけないだろう」

「怖がらせたいだけだよな?怖がらせたいって言えよ」

「彼はあなたを怖ーがらせたいんじゃないと思うよ、フランク!」

「ちょっと黙れデジュー(Desjeux)。ああ頼む、止めろ、グラスを置―」

たったひとつの素早い動きで、ラビは半分入ったグラスを空にした。難しいことではなかった。結局のところそれは小さいやつで、工業化された世界の数多の都市で若者が出席してナンパするようなクレイジーなパーティーで満たされ、捨てられ、廃棄されるべく作られた標準的なプラスチックの食器だった。

あるいは、プラスチックのグラスがあまり一般的に使われない地域で、ああした国々から来た人々により運営されるオペレーションで。ソマリアはマレレもそうした場所の1つだった。

あるいはそのオペレーション内の、かなり限定されたタイプのパーティーで。3人のパーティー、彼らの一時的なオペレーション拠点である、大きな全地形型の重々しいセミトレーラーの中に作られた小さなラボに詰め込まれて。フランク・ウェスティングハウス、またの名をスキッパー、サラ・"オパール"・デジュー、そしてラビことジェイコブ・トレス。

今しがた致命的である可能性のある混合物を飲み干した。フランクはかつてホルスターがあった位置に手を浮かせて固まったままだった。サラはやや唖然としたように見えるが、ある程度の震えに伴われつつも興奮した笑みはまだ残っていた。二人とも、あたかもジェイコブが爆発して地獄の領域に繋がるポータルにでもなるかのように見つめていた。

「……んノー。ごめん」ラビは微笑んだ。「味は上々だ。つまり、水、特に変な味はしなさそうだ。結局カバの尿はどんな味なんだ?」

オパールは手を叩いてラビに抱きつき、緊張感が突然霧散した。「ああ、完璧完璧!ついに水タンクを洗浄できるようになる!」彼女はフランクに向き直った。「他の人たちに言って驚愕させてくるね!」

背の低い女はフランクの側を駆け抜けていき、彼はその場であからさまに唸っていた。ラビは彼を見た。

「ああ、彼女はいつもあんな風にうるさくてうんざりするんだろ……でも笑ったってよかったんじゃないか」フランクはそれを聞いて目を擦った。「スキッパー、カバ魔法は効くよ。それで何の問題がある?」彼は穏やかに付け加えた。

フランクはセミトレーラーの大半を占めるタンクに凭れかかった。ただの些細な慈悲ではなく、彼は休息の瞬間を必要としていた。脚は未だ震えており、自分がどれだけ怯えていたかを知られたくなかった。ラビにではない。彼は際限なく聞かされてきた。

もう銃すら携帯していない。なんで俺はホルスターに手を伸ばし続けるんだ?

「聞け、ジェイコブ。俺たちは同意した。お前とお前のスタッフは俺にこの貧しい人々やら俺の心の空虚さを埋めるためやらのために何ができるかみたいなくそについて教える、そして俺はお前らが今まで考えたこともなければ知る必要もなかった作戦保全(OpSec)について教える。なあ、アノマリーを取り入れるのにあれが必要なのか?」

「異常寄贈品(Abnormal donations)だよ、スキッパー。古い習慣とは知ってるけどほんとに。専門用語を学んでくれよ、分かった?」ラビは答えた。彼はすでにサンプルをいじり回すのに忙しく、もうカバをテストできるように新しい薬瓶の水を'より不潔'からより清潔まで分類していた。「実際タンクを浄化するまではしばらくかかるだろうな、おそらく―」

「アノマリーだろうがアブノーマリティだろうが」フランクは言った。「そいつらを扱うには作戦保全が必要だ、さもなきゃトロイの木馬を喰らうことになる。イエスかノーか」

「僕らには誰かを信用する必要もある」

「クソ喰らえだ。エンティティを信用するよりマシなやり方があるだろう、特にスキップを作るやつらに関しては」フランクの具合は上向き始めていた。彼はセミトレーラーの狭苦しい内装の中で再度まっすぐに立ち、その動きで水タンクの住民を動揺させ、それは深く呻くような'ありがとおおおおおおおおう'としか定義できない音を立てた。

これが再度彼を苛立たせた。「それにもうそいつを鎮静しろって言ったと思うんだがな!」フランクがそいつと口にするのとほぼ同時に、'しつれええええええい'と転写できるような別の呻きがあった。

それは彼の神経をさらにもう少し逆なでした。

「なあフランク」ワークベンチで何かを探しつつ彼をちらりと見て、フランクが切り出した。「理事会は君がパラノイドになる方法を知ってるから君を採用した、けど僕が思うに彼らはいつならないでいるべきかを知らないから君をここに、僕のところに、僕らのところに送ってきたんじゃないかな。信頼できるやつと元スキッパーを入れる。ほらあれだよ、銃撃戦になるかバージョークのいい出だしになるやつだ。でも僕らは両方これは信頼ではなく、トレーニングの問題だって分かってる。君は僕が本能的にどう、いつ僕らの寄贈者や後援者を信じるべきか分かっているようには、絶対彼らを信頼しないっていう事実を僕は受け入れてるよ」

「たわごとだな」細い黒ぶち眼鏡を直しつつ、ジェイコブの背中を見つめてフランクは言った。「いつも信じてるじゃないか。あんな物事の進め方があるか。お前らはこいつらを理―」タンクの中の"こいつ"が再度呻いた。「お前らはこの'寄贈品'について何にも理解しちゃいない、後援者の実際の動機を知らないくせにまだ使う! くそっ、トレス、お前はただ上手くいって欲しいんだろ、分かったよ! だがひどく足りてないんだろう? そんな心構えじゃお前らが実際自分たちの安全に気を遣えるか怪しいもんだ、あるいは、ついでに言えば他人の安全もな!」

ジェイコブは一瞬だけ止まっていたが、フランクにやりすぎたと気付かせるには十分だった。

「ええと、他人じゃない、'他人'、つまり、難民のことじゃ―」

僕らの後援者。それと僕らの寄贈者と僕らの関係者。そして僕は気にかけている。尋問は終了かな、エージェント・ウェスティングハウス?」

ジェイコブの口ぶりはただそっけない以上のものに聞こえた。両者はしばらく沈黙していた。ジェイコブは求めていた水銀の小瓶を見つけるまで、持ち物の中を探し続けていた。彼は探索の間開いていた引き出しを閉じると、ため息をついてフランクに向き直った。

体格のいい禿げかかった男はうつろにタンクを見つめ、そばの蛍光灯からの青白い光はある種彼を幽霊じみて見せていた。

「ごめん、フランク」

「そうか。ああ、俺も悪かった」彼は言った。「でもあれは無謀だ、ジェイコブ」

「ほら、さっき分かってるしやってるって言ったよね。僕は絶対、ああ、インサージェントとか、ハンマーとか、―まず絶対にないけど―マーシャル・カーター・アンド・ダークの人達から寄付は受けないよ……彼らがただで何かくれたことがあるってわけじゃないけど。回収に関して僕は決して向こう見ずなことは―」

「見つけるようなことがあったらな」もう一人の男は鼻であしらった。ジェイコブは小さなバイオハザードワークベンチに培養菌を移動させながら笑った。

「ああもちろん、アブノーマリティをそのへんで見つけることはまずないだろうな。本当に。今月はいくつだっけ?」

「先週の寄生イヤリングは入れてか?」すでにポケットノートを取り出してフランクが答えた。皮肉を理解しなかった友人にジェイコブは再び笑った。「何がおかしい? あれはでかいアウトブレイク……あっ」彼は気付きながら言った。

「ああ、ずいぶんね。資産として使えそうなものは見つからなかったけど……懸念(Conserns)だけだね。僕らが後援者を信じなきゃいけない理由だよ、フランキー。彼らなしでは道を見失うだろう」ジェイコブは答えた。彼は眼を擦りため息をつくと言った。「まあね。ぼくが寄贈品を軽率に扱ったり、オパールが難民たちに対してアブノーマリティの存在についておおっぴら過ぎたりするせいで自分の監督下で丸ごと慈善財団が爆発するんじゃないかって思うのは分かるよ。でも僕たちは信じなきゃいけない。オーケー? 僕は寄贈者を信じる、リサーチワークグループを信じる、そして―」"

「これは新規の寄贈者からだったと思うが」フランクが割って入った。「慎重にならないと」

「そうそう、これは新規の後援者から、それで? これはルパーツ-2に調査されてる、清浄だ」ジェイコブは大きなハードケースを取り上げて開けた。中は1着の完全なバイオハザードスーツで一杯だった。「信じてくれ、スキッパー。これが僕らの目標の1つだ。僕らが何者であるかの一部だ。他者に対してオープンでなければだれも助けられない。援助を提供する者たちと、」彼はタンクとその住民を指差し、またうめき声がした。「それを必要とする者たちの両方」バイオハザードスーツに向き直って締めくくった。

「ああ、分かってるよ」

「ならそんなに確信がないみたいに言わなくてもいいじゃないか。もうもう1つの財団じゃないんだよ、スキッパー。流れには早く乗らないとね」顔は見えなくとも―すでにバイオハザードヘルメットの向こうだった―フランクにはラビが微笑んでいるのが分かった。

彼は科学者に作業させるべく、やや眉間にしわを寄せたまま金属の部屋を去り、厳密に必要とされているよりもやや強くトレーラーの扉を閉めた。

ソマリアの真昼の熱が彼に襲いかかった。キャンプは出入りする人間の終わることのない混乱だった。全員が身元不明かつ匿名で全く自由に歩き回り、トレーラーや中にいる者たちや、彼らの'方式'の性質について好奇心を抱いていた。その方式はキャンプ中の別々のオペレーションで使われている。どれだけ悪夢めいた事態になるであろうか、彼には信じられないことだった。もし収容チームが呼び出されたら、記憶処理とそして……

ああ。分かっている。彼はもう財団のためには働いていない。

全ての財団フィールドエージェントの目と世界との間にあったベールは取り払われて束の間、彼が見たものといえば皆意図的にアノマリーに無知なままでいる、尽きることのない出入りする人々のごたごただった。あるいは少なくともトレーラーの中のアノマリーについて無知でいて、それがフランクの唯一の懸念だった。束の間、彼は自分が自由で他人を助けるために全力を尽くしていると分かっていた。いくぶん安心して彼は微笑んだ。

長続きはしなかった。

隠された武器と思われるものを調べだす前に、フランクは数歩歩くことしかできなかった―侵入するエージェントが示す確かな態度だった―危険や脅威の可能性であるものは何でも。彼は10年間財団のエージェントを務めていた。アーティファクトや生物や―彼は己の思考に肩をすくめた―人が一体いくつ財団の管理下になったかは覚えていなかったが、やり方は忘れなかった。最小限の死傷者と限定された騒乱でアノマリーを破壊せずに捕獲し、なお優位でいることができる方法。これが彼をまず高く評価されたスペシャリストにし、後に珍重されるセキュリティエグゼクティブメンバーにした。ある意味で彼はワークグループの得難い人材であったが、決して馴染めたとは言いきれなかった。

概してエージェント・ウェスティングハウスは常時財団は必要であり、その為すことにおいて効率的だと信じていた。彼は財団のやり方をよく記憶していたが、なぜなら歩いて息をするよりもよく知るぐらい十分な数のミッションを生き抜いてきたからだった。君はパラノイドのくそったれにならなければならない、なぜならば他に残された選択肢といえば特徴のない死体袋なので。

最後のひとつ。

老女を数分丸ごと見つめ返していることに気付いたとき、フランクは我に返った。彼女はプラスチックの箱と四角い木の板でできた椅子に座っていた。人で一杯のキャンプの真ん中でさえ、フランクは思いがけず上の空になってしまっていた。

歩くよりもよく学んだだろう。フランキー、4回刺されて翌朝まで気付かなかっただろう、彼は自分に言い聞かせた。軟弱になりつつある。あるいは年か。なんと言ったっけか?年齢、正気、やる気。エージェントのキャリアにおいてはこの中から2つ選ばなければならない。

フランクは白髪交じりの黒髪を撫でた。財団のフィールドエージェントであることを決して止めなかった。

彼は身震いした。1人の若い男が丁度彼の側、かなり近くを通り過ぎた。あまりに近く、彼は確かに襲われると思った。心強い銃の重みに手を伸ばし、MCFがこれに関して非常に厳粛なのでもはや銃を使っていない事を思い出した。そのときふたたび恐怖を感じた。

ただの子供だった。彼は脅威であるようにはみえず、あらゆるところにAMISOMの部隊がおり、彼は3日間をあらゆる角度、キャンプで何かしようとするあらゆる人間1人1人をチェックすることにより、多かれ少なかれそこが安全であることを確実にするのに費やしてきた。彼はカネで兵士たちの忠誠を獲得した。そこの何者も彼を狩ることはないと確信していた。理性の面では、彼は完全にその総てを完全に自覚していた。

思考しようと試みるにつれ、彼は己の動揺した呼吸に気付いた。自分がまさしく危機に陥っていると理解するのには、これだけで十分なサインだった。眩暈を感じ、パニックが喉を登って胸へ戻って降りていくとそこで赤熱した重みになり、彼は呻き声を洩らした。

彼は静かな場所を探し―小さめのテント、カーキと緑の制服の男には注意を払わない少数のNGOボランティアしかいない、なぜなら皆マナによる慈善財団の執行役員たちがいかに奇妙であるかを知っているから―不安と脱臼した思考に自己を洗い流されないように、その隙間を注意深く通り抜けてうずくまった。

ベストの前についているポケットの1つから錠剤を1つ取り出し、水筒の水で素早く飲み込むと、彼はデジューに教わったように深呼吸を試みた、あはは、あなたを見てるとうちの女の子たちの出産のときみたい、スキッパー、そして全てはよくなる、パニック発作を起こさないし、10分未満の無意味なパニックでくそ仕事に戻れるようにただ終わってほしいだけだと自分自身を説得しようとした。

その時彼は、髪をスカーフで覆い、明るい色合いの短いワンピースを身に付けた、2人の幼い少女がテントのすぐ外から自分を見ていることに気がついた。呼吸と心拍はまだ速かったが、彼はゆっくりと落ち着きつつあった。少なくとも、まともに頭を働かせられるようになっていた。しかし少女たちは怯えているように思えた。「俺は大丈夫だ、俺は―くそ、なんて言うんだったか。あー―よし、ラリ・イガ・アホウ?違うか? 待てよ、もしかして、もしかしたらアラブ―」

年上の、おそらく13歳にもならない方が前に進み出て、片手を挙げて言った。「だ―大丈夫ですか?」

フランクは一瞬衝撃を受けた。彼女は全てのシラブルに抑揚をつけてゆっくりと喋ったが、彼には全ての単語が分かった。

「何―大丈夫だ」彼はつい口走った。「学校。学校に通ってたんだな? 誰に教わったんだ、アルバか?」

年下の方は名前を聞くと微笑み、ソマリ語で何かを言いながら年上の方の手を握った。年上の方は彼女の言葉を聞くと言った。「アルバは私たちにいい言葉を教えます」

「そうかそうか、そいつはよか―」

「彼女はまた、私たちに強くなるように言います。ぶたせないように、または私たちがしたくないことをしないように」

フランクはさらに少し衝撃を受けた。「そいつも間違いなくいいことだな。人生の支えになる言葉だ」彼の言葉は終わりに行きついた。

「彼女は私たちに助けを求めることを教えます」

彼はかすかに怯んだ。「助けが―助けがいるのか? 誰か他に呼んでこられるが―」彼の鼓動はまだ奔っていた。この不安問題め、タイミングに、この―

「なぜ―」少女は躊躇し、再び試みた。「なぜあなたは助けを求めないのですか? あなたは悪く見えます。具合が悪い」

フランクは確実にショックを受けた。

彼は十分な回答を持たないことに完全に気付いていた。一瞬遅れて、彼はできる限り穏やかに言った。「よくなるさ、大したことじゃない、ただの神経過敏だ。ほら、疲れてるんだよ。問題ないよ、実際」

年下の子供がさっきよりもさらに早く何かを言い、もう1人が今度はソマリ語で答えた。彼らは微笑んでいた。万事問題ない。

2人とも手を振りながら別れを告げ、彼を独り残りの危機をやり過ごすままにした。

フランクにとっては喜ばしいことに、普段よりもわずかに短かった。

財団は彼に直面した事態を生き残り、生き抜く術を教えた。しかし明らかに、彼らは彼がそうであるところのものと共に生きていく方法を教えなかった。財団、人間性の生存のための必需品。それでもなお人間性にとっては有害だった。いや、"人間性"に対してではない。人間にとってだ。それが、フランクが思うに、彼が向こう側に行ってしまった理由だった。

そして深い情動の怒涛の中で彼は気付いた、自分はそこに属していると。

やや窮屈に感じながらもそれ以外には問題はなく、彼は立ち上がってテントを去った。彼はそれ専用のポケットからノートを取り出し、要分析家もう1日と書きとめた。

その時、彼は自分の電話が鳴るのを聞いた。


「いや。違う、聞いてくれ、俺はボランティアじゃない、フランク・ウェスト―俺はフランク・ウェスティングハウスだ!」

あの日々があった。何もかもが明らかにおまえを叩きのめしに来ていて、それに膝まで浸かっている日々。

「ウェスティングハウス! そう、もちろんhが入ってる―ecSec! 俺はecSecだって言ってるだろ! 執行役員、セキュリティスペシャリスト―俺が何言ってるか分かってないだろ? 違う、使いたい汚い言葉は全部使ってやる、今すぐミッション指揮者に繋げ!」

泥ではおまえを押しとどめられなかった日々、なぜならおまえは激怒していたから、そして怒りが沼地を渡るのに十分過ぎた頃。

「気付いてる、ああ。完全に気付いてる。お前がどこにいるのかも知ってる。お前は自分が誰と話してるか分かってるのか?」

今や周囲で何が起きているかに完全に無知なまま、フランク・ウェスティングハウスはキャンプを大股で闊歩した。ついさっき、彼は予定を全部変更させ、急速にポジティブシンキングを台無しにするメッセージを受け取った。

'人物証明を確認'の待ち時間にある間―「駄目だ止めろ、止めろこのくそ―」―彼は、頭が悪すぎて笑える間違いをやらかしていないかどうか確かめるためだけに、再度テキストメッセージの受信箱を確認した。ああしたことは熟練したセキュリティエグゼクティブにも起こるものだろう?

WPhO監査人入国。新ミッションの準備を。3時間でO-1WG移動。優先度最高。 - リンズバーグ.


おっと、フランクではなかった。

ロアン・リンズバーグは、慈善財団のセキュリティ・エグゼクティブメンバーとしてのフランクの生活を脅かすあらゆる種類の頭痛の種と、ほとんどの問題に関しての頼るべき相手だった。もちろん彼は上司で、救済・介入ミッション副理事であり、それゆえ鼻もちならないクソ野郎であるはずだった、しかし彼の気遣いは、彼らが皆、彼と彼のために働く人々を気遣うやり方は、彼を気が狂いそうにさせた。

もちろん彼を苛立たせるのは、彼らがうわべを繕う代わりに実際気遣っているという事実だった。

フランクはそれが問題の見解としては不健康であると自覚していたし、ちょうどなぜそう感じるのかも分かっていた。彼は前の雇用主らに無価値なものとして扱われることに慣れ、そして今無理難題を押しつけてくるのは交換従業員たちだけだった。他の皆は積極的に友人と仕事仲間の両方になろうとしてきた。フランクは一瞬、過去わずか数年でいかに自分の人生がみじめに味気なく単純になったかについて思いに耽った。

彼は思考を鼻であしらった。「味気なく単純で結構」彼は熱狂的に独り言を口走り、パトロール中のAMISOM兵士数人の注意を引いた。

彼らはMCFのベストに気付くとすぐに彼を無視し、世界の中で己が占める位置について熟考するままにさせた。

彼が慈善財団に加わったとき、メンバーの多くは彼をもう1つの、嫌われ者の財団から来た余所者を全くの赤の他人としてあしらうように扱った。距離、警戒、根拠ある疑念の目……フランクには覚悟ができていた。

彼は優しい言葉に、共感に、忍耐に対して準備ができていなかった。ああ、あの人々の幾人かが示してくれた忍耐よ。未だ人と話すときすらエージェントとして思考していたときに、ミッション指導者をレベル3・4人員で、ボランティアをDクラス人員であると考え続けたときに……幸い、あの内心の比較を大きな声で口に出すことは決してなかったが。

そして言うまでもなく、機密厳守に関するあらゆる小さな"セキュリティ違反"について文句を言うという、絶え間ないかつほとんど神経病的な傾向に対して。彼が最初で唯一のワークグループに参加した当初、潜在的に危険な異常プロセスの活用のための注意深く、計画されたアプローチというまさしくそのアイデアに周囲の人々は積極的に反対しているように思われた。もちろんこの態度に対するフランクの反応は、頭に血が上って全員にどなり散らすことだった。

オパールは1度ならず彼に深く失望を感じた。ジェイコブは1度ならず彼に見込みがないと思った。しかし彼は最善の結果を目指して変わり、そして他の者たちは利益のほとんどを得た。彼は今それを自覚していた。

彼は耳元に電話を戻した。もちろん、第9マナ序曲(Manna Overture)はまだ継続中だ。もし、これがヨハネスブルグ事務局の回線の過負荷を減らす専用にデザインされたミームエージェントであるという事実がなければ、彼は気にしないだろう。あるいは少なくとも、さほどには。サラがかつて言ったことによれば、理論上概念は音である。興味深いサブリミナル概念を伝えるミームを入れることにより、マナによる慈善財団の執行役員であれば電話の待機音を聞いていたくなるが、他の人々には通じず、マイルドな認知効果をもたらすことになる。すなわち、当てはまらない人物は関心を失い、耳をそばだてる代わりに他の実際に楽しめることをしたくなる。そうして鼻を突っ込んだ詮索屋は早くのぞき見を止め、執行役員にはまだ上司と話す機会があり、序曲の間中居座っていた非会員には本当に、本当にMCFに接触したくなる。ここが全てのポイントだった、理論上は。

もちろん、フランクが何年もecSecだったという事実と、クロスワードを解きたい、毎日のエクササイズをしたい、財団のスーパーバイザーからの新しい暗号化メールをチェックして試したいという感覚が消えないことは励みになるものではなかった。内心フランクは、己の心が支持すると誓ったものが何であろうと、己が永遠にスキッパーのままであることを知っていた。

そして実際、長年の罪悪感と恥のリズムで太鼓を打ち鳴らし続けるのが彼の心臓であり、そいつがあのあらゆるトレーニング、組み込まれた本能、時代遅れの習慣を必要になったときだけ確実に使われるよう固定しているのだ。今の仕事は基本的に若者たちがやりすぎて目をつけられないことを確実にすることで、つまり最前線からPRの地位に昇格したことを意味する。

この完璧な正当化の一節は、息切れしている自分に気がついたときに砕け散った。なぜならSMSを受信したとき、彼はキャンプの都合の悪い側にいたのだ。彼は再度歌をチェックし、そして自分のテントに戻り、先月放置したときと同じ位置のままである戦争と平和の4章を―疾しい心が思い出させたのだ―今一度再開することを思った。

くそったれが。

内心予想したように、今や明らかに馬鹿げた歩調で小走りして、フランクが息を切らさないようにしながらキャンプの管理セクションに着いたとき、歌はまだ続いていた。いくつかの武装した部門からの公吏たち、他の非営利団体からのボランティアたち、そして慈善財団の執行役員たちがテントの側に集まり、そこでキャンプで最も活発なチームによる、事実上の組織立った撤退であるものについて協働しようとしていた。

それはつまり、彼のワークグループだった。

サリュー、フランク!」

フランクはGOC担当連絡員で保安メンバーであり、メカニックスペシャリストのフランソワ・オランプ(Francois Olympe)が彼の方に近づいてくるのを見た。この男は典型的な連合のバーサーカーではない。彼はコンバットエンジニアで評価班の卓越したメカニックだったが、最終的に個人的な事情によりドロップアウトした。フランクは理由について訊ねたことはなく、そしてオランプは彼自身のもう1つの財団を去った理由について決して訊かなかった。とりあえず暗黙の了承は双方にうまく働いた。

部分的には、2メートル30センチのそびえたつ筋肉が大半の潜在的な襲撃者を思いとどまらせるせいで、オランプは大半の場合において単独で抑止力として機能した。そしてさらにもう一部では、サイズは問題ではないと判断した者たちを右腕で怯えあがらせた。それは連合支給の義手で、円い金属の指関節部をもち、分厚く黒い、プラスチック様の皮膚の直喩に覆われた、精巧な機械仕掛けだった。

オランプによれば、この物体は賢いやり方で応用された「主流」技術で、最適化された使用法と定期的なメンテナンスありですら利点より欠点の方が多く、彼は自分で対処しているのだそうだ。

しかし2人は慈善財団に参加した際の、そうであると言われたところの役割に縛られており、そしてオランプが将校で非営利団体のために働く紳士だとしても、今の彼は不機嫌なコマンドーでしかなかった。そしてたまたま武装義肢をもつ不機嫌なコマンドーと口論する行為は、通常財団のエージェントにとって権限に見合うものではない上、間違いなくフランクの優先事項の1つではなかった。

「ヘイ、フラン(Frans)」フランクはミーム的楽曲に屈して携帯をポケットに戻した。

「この'新ミッション'ってやつはあんたが聞いても馬鹿らしいかな?」オランプは訊ねた。彼のフレンチギニアアクセントは完全には消えなかった。

「別に。要はそう、タイミングが悪いか―ああもうどうでもいい、完全に都合が悪い。でも合わせるしかないだろうな」

オランプは不安になるほど左右非対称な動きで肩をすくめた。「彼らがなんでこうしてるか分からんぜ。俺たちがここに着いて1週間も経ってないじゃないか。なんのために俺たちを動かすんだ? 地震でもあったのか? きっとでかいぜ」2人は国際委員会の上役たちが彼らを動員しなければならなくなった大きな出来事について思いをはせた。両者は身震いした。「ああ、あんまり大きくない方がいいな」

フランクは頷いた。なんにせよ、彼は確かな頻度でオランプの説明への欲求を鎮めないといけなかった。

「お前が知ってることはわかってるぞ、フラン。ロアンから同じテキストも貰ってるって思ってるしな」元エージェントは得意の言質を与えない語調で言った。「事実さ、普通じゃない、でもどう見てもすでに荷造りは始まってる」フランクは数名の、MCFの者であることを示す緑と白のプロテクターを身に付けたボランティアが、キャンプのより広い通りを走り抜けるのを指した。「つまりいつも通りやって、流れに従わなきゃいけないってことだ」

オランプは彼を見つめた。

「こりゃ普通じゃないぜ、フランク。俺たちはここに1週間も滞在していない。昔みたいだって言うんだろ?」

「うるさい」彼は目を閉じて答えた。「俺はまだ『オゥいいよ財団はしょっちゅう移動させてくる』をやってんだよ」

「気にするな。俺にもよくある。連合にはもっといい輸送が―」

「おやおや、愚痴はなしだよお偉いさん!」運営テントから病的に陽気な声が主張してきた。

声に続いてサラ・デジューが現れた。彼女はオランプの半分ほどの背丈で、横幅は2倍あり、ワークグループ各員すべてに対する唯一の権威らしきものだった。

彼女は尊敬されていた。

サラ・デジューはオパール-1ワークグループの精神であり魂であり、ミッションチームの常として、名称―あるいは偽名―を最も高位のリーダーから取っていた。当時ワークグループは主に保健と予防の活動を実施することになっていたために、権限は最もノウハウと経験のある人物にもたらされた。それは疑う余地なくサラで、彼女らのワークグループはあまりにすることに関して効率的だったので、彼女はそこに長い間いた。

銃火の元ですら笑い、手術中にくすくす笑い、馬鹿げたほどに危険な状況下で士気を上げるために不快な冗談を言うという、大半の新しいボランティアが彼女と働く際に感じるいつもの混乱もあった。ワークグループで最も流布している話によれば、彼女が死ぬとき、あらゆる内臓があったであろう場所に巨大な心臓だけがあるのに気付くだろうということだ。「つまり、」ジェイコブは彼女が辺りにいるときには常に付け加えて言った。「彼女の心臓は胃でもあるってことだね。僕のラボでのディナー調理についての再々の招待が未だ実を結ばない事態は説明できないけど、僕は辛抱強いからね」

そして、もちろん、デジューが堪えることのできないシャーデンフロイデがあった。彼女が一番面白いと感じたやり方で我を通すことだ。

「軍曹!」

フランクはオランプが無意識に気をつけの姿勢になった様子に気付いて微笑んだ。この男は常にああして反応し、そしてオランプ1の場合にだけ彼は怒りで対応しなかった。彼女は人にそんな効果を持っていた。

頭部のみならず小柄でぽっちゃりした体の大半を覆った、チェスナット色のモップじみた髪が作業中結われていたきついお団子から解放され、横から横へ揺れた。魅惑的な光景だ、いくつかの巻き毛がサラの顔面を流れ落ちながら発達するのをゆっくり追いながらフランクは思った。

「あなたに言おうと思ってたんだ」彼女はオランプの腹に向かって言った。「私たちはこのミッションを遂行できる唯一の人間だってこと。ルパート-3は風邪の治療法かなにかを探すのに忙しすぎるから、最前線には配備されないよ。予想外のニュース!―じゃないね」彼女は自分自身の言葉を鼻で笑った。「ほかの8個のワークグループが完全にモガディシュと南のクラスタに縛りつけられたらいいのにな。必要だよ」

「8グループ全部がか?」フランクは訊いた。「マーティン-1もか? 俺が思うに連中は100―」

「そそ、110人、大きなグループに栄光あれ」サラはただ'大きな'と発音するやり方だけでその概念を追いやってしまったかのようだった。彼女は長くとがった指でフランクの胸を刺し、彼に切り込んできた。彼女はそれが彼を神経質にさせると分かっていた。「あのね、110人の人間が関わるときに出る問題があるの。Lから始まるやつ」

「オパール、頼むからパーソナルスペースを」

「いいえフランク、これはロジスティックスだよ。Lから始まる、知ってるでしょ?」彼女はそう言いながら一層近づいてきた。フランクはサラの頭越しに、オランプが笑わないように努力している様子を見ることができた。

「ちくしょう―サラ―はな―れろ」彼はしっと音を立て、彼女を喜ばせた。それはマインドゲームですらなく、彼女はただ彼らを笑いものにするのを愛しているだけだった。そして魔法の一部は、誰も未だ彼女に腹を立てたことがないということだった。

「さてと、じゃあ分かったよね、紳士のみなさん」フランクとオランプは再び気をつけした。「誰かがカバーしなくちゃいけない緊急事態があって、他に割けるグループはないから私たちは数時間で出発するよ。私たちがその場所に他の誰より近いから。マレレ・プログラムは私たちの仲間が扱うことになり、AMISOMは……彼らの手助けをできないのは残念だけど、なんとかやってくでしょう。1時間でトラベルプランを送るよ。携帯を確認して。質問ある?」

「リンズバーグに連絡しようとしているが―」

「スキッパー、それ質問じゃない」

「もちろん―そう―だが―最後まで聞かないのか!?」サラはほのかな笑いとともに苛立ったフランクから背を向けた。彼女はオランプを見つめ、彼は可能な限りにやつきを隠そうとしていた。オパールは彼の前で気をつけの姿勢になった。

「あなたはどう、兵士? 質問ある?」

「いえ、マム」

手のひらで踊らされてるな、ちくしょう、 不本意にも面白がりながらフランクは思った。彼女の反応について自賛して、彼は再び喋り始めた。

「サラ、質問がある、『恐縮ながら接近しないでいただきたく存じます』。単純な疑問だ。その緊急事態ってのはなんなんだ? そしてなぜWPhO―」

彼は止まった。サラが突如厳粛になったのだ。彼女は助産の最中ですらふざけていて、そして今沈痛に見える。彼女が話すとき、それは落ち着いた、断固とした声だった。

「サワー(Sour)のアウトブレイクの可能性だよ、フランク。ラス・アノドの近くで。ミッションウォッチが昨日通告した」

フランクの目は開き、眉はあの―彼は分かっていた―嫌悪か、恐れか、あるいはその両方を感じたときのやり方で弧になった。サワー……

「冗談じゃねえぞ。ラス・アノド……3万人じゃないか?」

「まだ始まってないよ。ミッションウォッチは今のところ、大半の被影響者はただの潜在キャリアだって確信してる、だから手始めには2次的予防策で十分だと思う。私たちは訳あってプロメテリン(Prometerine)を持ってきている」彼女は言った。「こんな私たちの近くで起こるとは思ってなかったけど、変化をもたらす最高のチャンスだよ」

オパールがその言葉を述べるとき、フランクは彼女の目に光を見た。彼はあの炎が好きだった。「よし分かった、連中が俺たちを遣る意味があるな」彼は認めた。「いつ発つ?」

「あと……2時間半、指令によれば。遅刻できないよ!」彼女は携帯を見ながら言った。その後彼女は即座に手首に溜めていたシュシュの1つを取ると、いつものお団子に髪を結う優雅で位相幾何学的に先進的な作業を開始した。「あなたは私たちをエスコートしてくれるAMISOMの人達を監督調整してね、オランプ」名前を聞き、元兵士は束の間敬礼して運営テントの将校の群れへと入っていった。「そしてフランク、あなたは最初に行ってあなたの魔法を使って」

「分かった、オパール」彼は答えた。彼は自分の仕事のあの部分がそこまで好きではなかった―事実上、事前に偵察して、話をつけるべき人物とめいめいの値段を知ることから成るからだ。しかし彼は楽観論の空気を分かち合おうとした。「賄賂の予算を圧迫しないように頑張るよ」

モップはすでに驚くほど精巧な三つ編みに変わり果てていた。その下でサラは優しげにくすくす笑った。「しーっ。ああ、それともう1こ、スキップ。あなたはあの監査の人のエスコート役をやって」

「なん―ああ」

彼らはいつもそうだった。いつも彼にボディーガードの仕事をやらせた。

左手が無為に心地のいいホルスターの形を探す間、フランクの右手はすでに皺の寄った額に衝突した。結局、ノートを入れていた膨らんだポケットに手は落ち着いた。それは同じではなかった。失くした肢が銃であるときに幻肢痛で苦しめるか?

「なんだって?」彼はやっと喋りだした。

「これも意味があるよ」彼女は彼の先ほどの言葉を言い換えて、穏やかに切り出した。「あなたが私たちのうちで一番適した人だし、あの種の事のトレーニングも受けてるでしょ。私たちにはキャンプの平穏を保つためにオランプと彼の分隊が必要だから、あなたか誰も行かないか。それと、あなたはPR得意だよね! あなたが自分で思うよりいいよ」

「俺は連中が平和維持活動するのを補助してたと思うんだが、オパール」

「そう、補助。彼らは小さいキャンプを扱える、最初の数日は数百人になって、それから補強が来る」

「ラス・アノドって言っただろ? プントランドでも面倒くさい場所だって分かってるか? 明後日にもソマリランドになるかもしれない、あっちのコンタクトと話が出来なきゃ仕事にならない。部族のリーダーと会いながら子守りはできないぞ、それにもし誰かがこっちに来る事にしたら全部の活動なんてカバーできない!」

お団子頭はほとんど出来上がっていた。「でもほとんどの人は文明化されてるんじゃない? 私たちはラス・アノドの話をしてるんだよ、大きな町じゃない。要ることになったらミッションウォッチはいつでも電話番号とお金を取り寄せてくれるよ、そこは心配しないで」

「都市の住民には効くだろうが、盗賊と下層階級は登録された電話を持ってないぞ、オパール」フランクはぶつくさ言った。「俺はそいつらのリーダーと直接会わないといけない、それか最低でも代理人と。デスクトップや事務職の手を引く片手間で出来るか!」

「あのね、しなきゃいけないの、スキッパー」

「いいや、見てみろ―」

サラ・デジューは彼に向き直って叫んだ。「スキッパー! できないときはできないの。心配はもうたくさん、私たちは最悪の場所にいるの。私たちは前にも完全に事態が把握できなくなって、それでうまくいってたじゃない!」

サラの目を見たとき、フランクはその陳述に存在する複数の誤謬について反論しようとしていた。それらが全てを語っていた。

彼は忘れていた。忘れたままだった。慈善財団の現行の終生メンバーのうちなぜこんなにもわずかな人間しかセキュリティの役職に志願しないのか、そしてその地位がアノマリーに慣れた人間によって埋められる理由を。サラの唇は美しい微笑みを形作り、しかし目は絶望に満ちていた。

人々は彼女を必要としている。子供たちは彼女を必要としている。そして彼女には彼らを救う手段がある。

彼女はそこに行かねばならなかった。

お団子頭は仕上がり、そうして彼の上司は50センチ下から心配を顔に浮かべて見上げていた。彼女のいつもの面白がったにやにや笑いの下には自棄鉢が、今やほんのわずかな慈悲に抑えられて沈んでいた。

「ほら、フランキー……心配しないで、本当に。セキュリティに関してはなんとかやっていけるよ。AMISOMと暫定市民軍がキャンプを守るし、護衛なしでは町へ行かないよ。約束する。でも監査が―あの人たちは連合の一部だって知ってるでしょう。それと、異常資産が関わるとどれだけ連合がマジになるか分かるでしょう、こんな暑い地域じゃなおさら」

フランクは大きくため息をついた。彼もそれは知っていたし、アクアリウムの気味悪いカバは努力に見合うものではなかった。通常慈善財団はわざわざ世界オカルト連合―国連により認知され、裁可され、支援された、隠れたオカルトコミュニティの戦闘的支部―に報告しない。しかしながら、こんな危険な党派や分派が一触即発で混ざり合う地域では、ある種の人々はアノマリーをこの上なく注意を払う価値のあるものとみなすだろう。MCFの手法と装備、資産、あるいは人員まで獲得するために結構な額を喜んで払い、出費を惜しまないある種の人々。

他のいくらかのNGOは誘拐されて、反乱軍や犯罪の仲間と交換するためのチップにされることか、我が家から遠く離れた埃っぽい裏路地で殺されるのを心配せねばならない。MCFは誘拐されて、もう1つの財団により拷問されて殺されることを心配せねばならない。あるいは、想像もしたくないような形態の残虐で、普通じゃない処刑法が使える他のいくつかの団体を。

この可能性が現在の慈善財団と連合の間の同意―彼に国際委員会における規制グループの席を与えた―を両集団にとってかなり都合のいいものとした。連合の評価班はMCFのミッションウォッチ人員から、一度ならず'5重のミッション'を助けた内報を何度も受け取り、ワークグループのボランティアたちは、たとえ何かが恐ろしく、ひどく間違ったときですらも、最低でも連合は彼らに耳を傾けねばならないという保証を得た。

そして結局、彼らは双方異常な手段を使って人類を救う。彼らはその他の全てで同意しない程度に上品だったが、類似性は驚くほどに十分だった。

もちろん、このことでフランクの仕事が楽になる訳ではなかった。世界超保健機関―連合の基礎をなす108の評議会の正式な一員―は、シャーマンとウィッチドクター、新世界の手法を学んだ旧世界の奇跡の担い手たちで構成された、ただの勧告と研究のための機関だった。すなわち、白衣と科学的手法の世界だ。

ある意味彼には財団を思い出させたが、彼はどちらの前でもこの意見を大声で口にしないよう極度に気をつけていた。

「つまりなんだ、ずっと連中と一緒か?」

「'必要な限りは。'それがリンズバーグが言ったこと」サラはフランクの額に手を当て、その持ち主に悲しい笑みを向けながら優しく擦った。「あまり心配しすぎないで、スキッパー・それはそうと、出かけなきゃいけないならキャンプの周りに残しておいていいよ、私たちがしっかり面倒見るから。こういうフォー(Phoo)の人たちは大概ちょっとお高くとまってて、フィールドワークは他人事だと思ってるけど、すぐに慣れるから。結局のところ、あの人たちも癒し手だから。あれだと思えば……」彼女は言葉を探し、思い出す前に一瞬呟いた。「あーそれ、インターン!」

フランクはその声明を聞いて、阿呆じみた笑顔を浮かべた。サラはただ、冗談を言おうと全力を尽くしているのだと、彼はほぼ確信していた。

「ありがとう、サラ。ベストを尽くして……ええと、彼らを守るよ、多分。結局、誰なんだ?」

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