闇寿司ファイルNo.053 "あずき軍艦"
rating: +35+x
blank.png
00b51pd4db2ade4e1f9997m.jpg

あずき軍艦の原型

概論

あずき軍艦は香港を起源とするローカル寿司の一種で、主に酢飯、海苔とマヨネーズを混ぜて蒸したあずきのつぶ餡で構成される。

カルフォルニアロールのような現地人の好みに合わせて改良された海外寿司とは違い、香港現地でもあずき軍艦は「究極のゲテモノ料理」(つまり究極の闇でもある)とされている。しかしながら、こういった極端に明確な闇属性により、香港ではあずき軍艦は異なった大衆文化的な特徴が付与されている。例えば、友達と一緒にあずき軍艦を食すことによって友情が証明されると言われている。

スシブレード運用

攻撃力

防御力

機動力

持久力

重量

操作性

扱いがかなり困難である。その衝撃的なビジュアルや、マヨネーズ・あずきと酢飯の匂いの不整合性により、ブレーダーは集中しづらくなる。多くの場合、ブレーダーは1から2ヶ月の訓練を経て、ようやく有効的にあずき軍艦を発射・操縦できるようになると言われている。

扱いの難しさとは反対に、その攻撃性能は極めて高い。あずき軍艦の攻撃力は主に2つの方面に体現している。まず、マヨネーズを混ぜたあずきつぶ餡に、香港の廉価寿司でよく使用される分厚い海苔によって、あずき軍艦の物理的な衝撃力が極めて高い。防御力の弱いスシブレードに体当たりをぶつけた場合、相手がそのままバーストすることもある。そして、驚異のビジュアルと漂う邪道の匂いは、相手のブレーダーにも厳しい戦いを強いることになる。香港での公式戦記録では、初めてこのスシブレードに対面したプロブレーダーのうち、そのまま場内で嘔吐した、または試合後に食欲不振の症状が出たという者が50人を越える。

あずき軍艦の機動力と持久力は普通である。これは主に、攻撃力と防御力を得るために重量を重くしているためである。必然的に、その長所を最大限に発揮するためには速やかに決着をつける必要がある。

個人的な見解としては、あずき軍艦は軽量版を作るべきである。これにより長所と短所のバランスがとれるだけでなく、あずき軍艦を使いたいというブレーダーが手軽に使えるため、順応も早くなるだろう。ひとまず、訓練期間を2から3週間に削減することを目標にする。

他の活用法

注意すべき点として、香港ではあずき軍艦は闇寿司メンバーの証明にもなる。闇寿司に加入したい者は、1~2貫のあずき軍艦を食すことによって初めて加入が認められる。

エピソード

当ファイルの作成者が香港で出会ったあずき軍艦の使い手について以下に記す。

2017年3月12日、私は香港の異常領域・茶嶺にいた。本来の目的は、サーキシズムの技術によって改造された魚類という噂を調査することだった。淡水魚であるが、慣習的に刺身として食されるため、黄色ブドウ球菌の含有量を調査し、新しい闇寿司ネタとして使えるかどうかを見極めたかった。残念ながら、サーキシズムの技術が細菌の増殖を抑制してしまっているか、菌の含有量が低く症状を誘発する程度ではなかった。

去り際、ちょうど黒い服を着た見知らぬ男性があずき軍艦を持って、当地の日本料理店の板前である沈少石氏にスシブレードの勝負を仕掛けた。沈氏が調理に集中していたため、その場に居合わせた客が注文していたサーモンの握りで代わりに勝負に出た。

この日本料理店は正式なスシブレード道場ではないため、スシブレード用の土俵は用意されていない。そのため、代わりにサーモンの鉄板焼用の円形鉄板が土俵として使われている。これは2名のブレーダーにとっても挑戦的な試合場だ。なぜならば、この類の鉄板には凹凸があり、微細な起伏はスシブレードのバランス維持に支障をきたすからだ。

見知らぬ男性: 始めるぞ!
見知らぬ男性: 一、二、三、へいらっしゃい!
客: 一、二、三、へいらっしゃい!

2名が発射すると、スシブレードが高速回転し始めた。周りの客も物珍しげに観戦している。私の予測通り、サーモンの握りは軽量さと機動性であずき軍艦の周囲を迂回し、その攻撃をかわし続けている。だがあずき軍艦のほうの出方はかなり変であった。通常ならば相手の動き方を即座に見極めることが重要であるにもかかわらず、このブレーダーはまずあずき軍艦を円盤の中央に留まらせた — これは持久力と防御力を活かす戦術だ。持久力の低いあずき軍艦にとってはかなり不向きなのは自明である。

機が熟しているのを見て、客は一気にサーモンの握りをあずき軍艦へぶつける。あずき軍艦は円盤の中央で長時間回転することで、遠心力が相当落ちている。サーモンの握りより重量があっても、その全力攻撃を食らうと危ないだろう。しかしこの時、あずき軍艦は急に動き出した。そして、ネタのあずきを一粒、サーモンの握りに向けて正確に射出する。その驚異的な衝撃力で、サーモンの握りはそのまま円盤の外へ吹き飛ばされた。

まさに驚嘆すべき技の決めっぷりであったが、スシブレード分析用ミニPCで録画の再生速度を落とすと、私はその原理を突き止めた。見知らぬ男性は鉄板の凹凸を利用して、移動する際にマヨネーズの付着が少ないつぶ餡を緩ませて、あずき軍艦の重量と遠心力でそれを射出したのだ。いくら軍艦の場合、いくらはぷりぷりであるため、射出しても弾き返されるだけだ。対して、蒸したつぶ餡は固く水分も多い。それがもたらす衝撃力はいくらの2、3倍にもなる。無防備な姿を見せて敵を近くに誘い込み、サーモンの握りの重心が前方に傾いているタイミングを見計らって、正確に3、4粒のあずきを射出すると、十分に相手を吹き飛ばせる。

残念ながら、試合を最後まで観戦した者は少なかった。試合中に漂ってくる悪臭で、2名のブレーダー以外の観戦者は近寄ることすらできなかった。応戦した客も、試合後にスタッフからビニール袋をもらうと、すぐさま嘔吐した。翌日の茶嶺新聞の報道によると、この試合を観戦した、または試合に参加した30人のうち、10人が急性な消化器系の症状で入院したという。

いくつかのツテを辿って、私は「明将」と名乗るその謎のブレーダーを訪ねた。闇寿司の理念と宗旨を彼に話すと、私たちはたちまち意気投合した。「明将」氏は、興奮の気持ちが収まらない様子で、私にこう言った。

子供の頃、家が貧乏だったので寿司を食べることはめったになかった。なので、あの時からずっと廉価でみんなが寿司を食べられる寿司屋を作りたいと思っていた。入念な研究の末、私は香港人にネットミームとして扱われること以外に廉価寿司の価値を見出した。闇寿司に加入すれば、ハムユイの握りもあずき軍艦も、スシブレード界で名を轟かすだろう!

その日、「明将」氏は茶嶺で「闇壽司(明將)香港茶嶺分店」を設立すると宣言した。闇寿司恋昏崎店との協議で、分店の店長は「明将」が務めることになった。

さあ、闇寿司のさらなる成長を祝おう!

関連資料

2015年スシブレード香港選手権-沙田ニューシティ駅
ネットにアップロードされた試合の録画。あずき軍艦は第8試合と第15試合に登場している。

香港現地のサーキシズムの食文化に関する一考察
マシュー・デスマレ博士と張道士による報告。香港現地の魚生食文化についての説明がなされた。

茶嶺日報-2017年3月13日號
あずき軍艦がスシブレード試合に出場することによって、試合後に食中毒事件が発生したことに関する報道。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。